フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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13 打ち上げ

「おはよう、ベル君」

「おはようございます、エイナさん」

 

ギルドでの何時もの挨拶からスタートした会話。遠征の予定や期間、それらを一通り話した後のちょっとした雑談に入って暫く。

エイナは頭の片隅に覚えていた少年の件をベルに聞いてみた。

 

「へ? おじさんですか?」

 

予想外の人物から、予想外の話題を振られて疑問を感じながらも質問に答える。

 

「えっと、おじさんは自分の国に戻ってると思いますよ。最近こっちにまた来てるかもしれないって神様がおっしゃってますけど」

「えっ、そうなの?」

「はい」

 

顎に手を当てて考えるエイナに違和感を感じて疑問を口に出すベル。

 

「おじさんがどうかしたんですか? その……もしかしておじさんを見かけたとか?」

 

少しの希望を含めて聞いてみると予想とはまた違う答えが返って来る。

 

「ううん、本人を見たんじゃなくて……()()()()()を見たの」

「似た子……ですか?」

「うん、多分ベル君より年上かな。黒髪黒目でおじさんによく似てたよ、笑い方とか特に」

 

今まで情報が全く掴めなかった人物の直接では無いが類似の人物情報……普段なら気にしないのだが何故か気になるベル・クラネル。

アビリティ【幸運】が囁くような気がして話題を振る。

 

「エイナさん、その子とは何処で?」

「バベルよ。ダンジョンの入口前の大広間の端にベンチがあるの分かる? あそこでボーっと座ってたのを一部の冒険者がギルドに報告したのが切っ掛けなの」

 

話を聞けば誰かを探してオラリオに来たが拠点にも居らず。街中を歩いても痕跡は無く、最後にダンジョン前で人を眺めていた所にエイナが話しかけたらしい。

 

「でもそれっておじさんと縁がある人なんです?」

 

当然の疑問。おじさんは自称していた通りベルより遥かに年上だ。『自分(ベル)より年上』と表現するには離れすぎている。

 

「流石に本人に直接聞くのは話題的に、その……ね? だから直接は聞いてないんだけど、自分の事を『おじさん』なんて呼んでたからもしかしたら……って。

 ああ、そうだ。最後に名前聞いたら『ナカマユウスケ』って言ってたよ? おじさんの国って極東なんでしょ? この名前で何か分かったりする?」

「……いえ、おじさんは最後まで『おじさん』としか名乗らなかったので」

「そう……」

 

エイナが気まずそうに返事をする中、ベルの頭は話題の人物で占められていた。

話を聞いた限り確証は無いし、確率的には物凄く低いはずなのだが……背中(【幸運】)が熱い。

チャンスを逃すなと言わんばかりに自分を急かしている様な気がする。

 

「エイナさん、ありがとうございます! 最近おじさん探しのクエスト出してますが全然足取りが掴めなかったんで……この情報はホームで皆に共有しますね」

「え、その、おじさん本人の情報じゃないんだよ?」

「手がかり無しと、多少違っても手掛かりがあるのじゃ全然違いますよ! それじゃ!」

「あっ、ベル君! その子、その内屋台がどうとか言ってたよー!」

「屋台ですね! ありがとうございまーす!」

 

そう言って走っていくベル・クラネルを見ながら持ち帰るはずの書類を忘れているベルに溜息を吐きながらソレを自分の机の引き出しに仕舞うエイナだった。

 

 

 

所変わって、スタジオでジャガイモ中心のスナックやらおつまみ系を量産してるおじさんです。

最近はスタジオのスタッフ達からリクエスト来るのでストックし始めました。こんな事せずにスーパーとかお総菜屋で大量に仕入れても良いけど、最初位は手作りしようかなーなんて。

若干自分の料理のレパートリー増やしたいという欲が入ってるけど。

 

『少年、出来たか?』

『もう少し』

『少年も英語が上手くなったよな』

『まだ、上手い、少し』

『最初に比べりゃ全然上達したさ。お陰で打ち合わせもスムーズだし』

 

ダルと軽口を言いながら料理をどんどん仕上げていく。

今日は撮影最終日。これが終われば後はクランクインまで撮影は無いので暫くおじさんも此処に来ることが無い。

撮影完了パーティーをするってなった時に前に出した料理を出してくれと言われたのでこうやって量産している訳だ。

 

『向こうは?』

『ボスは既に出来上がってるよ、お前さんのお陰で長年撮りたかったアクションが撮れたって騒ぎっぱなしだからな』

『あー』

 

おっさんにアレ(おじさんストライク(脚部限定))から色々技を見せたらあれもこれもと言って来たからなぁ。ま、スキルや魔法じゃないから誤魔化せるっしょ。(無理です)

 

『これ、売れる?』

『うん? 今回の映画か?』

『うん』

 

暫く考えて首を傾けるダル。

 

『ぶっちゃけ悪くない所までは行くと思う。お前さんが入ってからアクションの質も上がったし見応えはある絵が撮れてるが……PRが少し弱かったしストーリーも若干テコ入れが入ったからどうだろうな……。あ、ボスには言うなよ?』

 

長年おっさんと仕事をしているダルから見てこの評価だとソレなりに売り上げだして終わりになりそうだな……。

 

『ディブス、映画、ジャンル何?』

『あん? ファンタジーだよ。特殊メイク班がアクターに色々やってるの見ただろ』

 

つまみ食いしていたダルに出来上がったモノを皿に乗せてテーブルまで持っていかせる。本格的にパーティーが始まりそうなのでに持って行く分を仕上げたら俺も向こうに混ざるか……。

それにしてもファンタジー撮ってたのか……オラリオの映像とか見せたら発狂するんじゃねーかな。




おじさんの情報(仮)を手に入れたベル君

ヘスティアファミリアはどう動くのか

そしておじさんは?
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