フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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18 オーバーフロー

「ヘスティアちゃん?」

 

白髪の少年、ベル・クラネルに抱えられダイナミックエントリーしてきたのはまさかのヘスティアちゃんだった。

ぽかんとしているとベル君の腕から離れたヘスティアちゃんが焦って駆け寄って来る。

 

……あっ、こけた。

 

「あたたっ、膝擦りむいちゃった」

「神様大丈夫ですか?」

 

ベル君に支えられながら起き上がるヘスティアちゃんの顔はずっと此方を見てる。

 

「やあ、おじさん。何か随分と若くなってるけど……流石にこの距離なら分かるぜ。おじさんだろう?」

「えっ、あ……うん」

 

何も考えられん。取りあえずは……。

 

「ほい、治すよ」

 

そう言ってヘスティアちゃんの頭に手を置いて撫でながら擦りむいた膝小僧を完治させる。

 

「へへへ……、ありがとう」

「うん」

「あの、おじさん……なんですよね?」

「……ベル君も、居たんだね」

「えぇ!? そんなぁ、酷いですよ」

「あー、いやっ、そういう意味じゃなくてだ」

 

泣きそうな顔のベル君に焦る。あぁ、何だろう……何も考えられん。

 

「ボク達、皆で君を探したんだぜ」

「そうなんですよ、クエストも出したり町中探し回ったり」

(探して……くれてたのか……)

「ほら、覚えてるかい? ウォーゲームの後に色々あって引っ越したろ? 今はそこに6人で……って、おじさん?」

 

目の前のおじさん(若)の頭が揺れている事に気づいたヘスティア。つられて気付くベル。

何だ何だと覗き込むサラスヴァティー。

そうこうしている内におじさんの背中はゆっくり地面に引っ張られて……。

 

(俺だけじゃ……無かった……)

 

ガスン!

 

「「「おわー!?」」」

 

◆◆◆◆◆

 

倒れたおじさんがサラスヴァティーファミリア庭の休憩スペースと庭を仕切る縁石に思いっきり頭をぶつけて場が騒然とした後、気を失った一旦ベットに運び込んで様子を見る事にした。

その間ヘスティアとサラスヴァティー、神同士で話す事になったが……。

 

「一応ポーションも飲ませたから大丈夫だと思うが……」

「その、ありがとう……サラスヴァティー」

「いや、構わない。というかユースケのLvならケガはまずないし、精神的な所じゃないか?」

「(ユースケ?)その、おじさんの事だけじゃない。こんな時間にホームに侵入した事も正式に謝るよ、でもそれ位彼に会う事を優先したんだ」

「ああ、大丈夫だ。事情は何となくだが察してる」

「そうなんだ……(何だ、思ってたより全然普通だぞ……、これならちゃんと話せる)」

「あ~~~っ、もう夜も遅いし泊っていけ。ユースケが起きた時にお前たちが居た方が安心するだろう(……ヘスティアだ、さっき見たアニメで見たまんまだ~。ちっこい、乳でかっ、あの紐どうなってんだろう、触りたいなぁ……触らせてくれないかな? 女同士だからある程度は許されるのでは?)」

 

中身は残念な事になっていたサラスヴァティーだった。

因みにベルに関しても眷属同士のやり取りは神同士のやり取りと似た様な状況になっているのはご愛敬。

その後ヘスティアもサラスヴァティーの申し出を断ろうとしたが他所のホームにお邪魔している手前、断り切れずにお泊りする事が決定された。

尚、出しっぱなしのプロジェクターにおじさんのアニメが流されて全く関与していなかったヘスティア達は驚きと興奮で頭がパンクしておじさんと似た様な反応をする事になる。

その反応だけで幸せ(限界オタク)なサラスヴァティーファミリアは終始とても良い笑顔で楽しみ、その日はぐっすり眠れたという。

 

◆◆◆◆◆

 

翌日。

 

「昨日はお騒がせしました」

「いやいや、大変良い物を見せて貰って私は大満足だ」

 

失態を謝るベル君とそれをニコニコしながら返答するサラスヴァティー。ゆっくり起きたヘスティアが寝ぼけた頭でソレを見ながら顔を洗いに行くと先客が顔を洗っていた。

 

「ふぅ」

 

顔を洗っていたのは姿が変わったが間違いなく自分の子供(眷属)であるおじさん。離れていると存在を感じる位しか分からないがこれだけ近くに居れば判別は出来る。

その腰に後ろからゆっくり手を回す。

 

「へ?」

 

感じる体温、広い背中。お腹周りはスッキリしたが本質と呼べる部分は何も変わって無いと感じる。

 

「おはよう、おじさん」

「ああ、ヘスティアちゃんか。おはよう」

 

何時も通りの『にへら』っとした気の抜けた顔でしてくる挨拶に腰に回した手に一層力を込めて背中へ顔を埋める。

 

「おいおい、おじさんの服で顔を洗うのは止めてくれよ~」

 

このバカなやり取りも、戻って来たんだと実感させてくれる。

 

「おかえり、おじさん」

「うん、ただいま、ヘスティアちゃん」

 

◆◆◆◆◆

 

泊めて貰った礼も兼ねておじさんが料理を作ってサラスヴァティーファミリア+おじさん+ヘスティアちゃん&ベル君の大所帯で食卓を囲む。

因みにインド系って理由だけでカレーをチョイス。とは言え急遽用意する事にしたのでレトルトだが好評の様で朝から皆おかわりをしている。

カレーのお供として出したラッシーもばんばん消えていく。うーむ、旨い物はやはり正義か。

 

「うぅ、朝から旨い……」

「ユースケの飯って外れないよな」

「この間のピザも美味かった」

「おまっ、食ってるのに食いたくなるモノ言うなよ」

「でも分かる」

 

サラスヴァティーファミリアの面々にも好評だ。時々彼等に食材卸そうかな。

付け合わせのサラダをもしゃもしゃやってると筋肉(ガネーシャ)が来た。

 

「ヘスティアー‼‼‼」

「ガネーシャ?!」

「あら、もう来たの」

 

朝から突撃して来たガネーシャに一言あるかと思えばサラスヴァティーさんが何も言わないって事は呼んだのかな?

 

「少年の古巣がヘスティアファミリアと聞いて直ぐに会いに行こうとしたが子供達に止められてな! なので朝一でヘスティアファミリアに行けばサラスヴァティーファミリアに行って帰ってきてないと言うじゃないか! ならばこのガネーシャも行くしかあるまい!」

「ヘスティアちゃんがやらかしてる手前言うのも変だけどさ、朝から他所のファミリアに突撃すんなよ」

「うっ」

 

流れ弾に被弾して良心が痛んでるヘスティアちゃんに懐かしさを感じつつ話は進む。

 

「それで少年、もうヘスティアには話したのか?」

「何を?」

「このままでは死ぬという話だ」

「いや、まだだけど」

「「へ?」」

 

寝耳に水な状態で出て来た『死』という単語に耳を疑うヘスティアとベル。

 

「それは駄目だゾウ! 何ならオレから話しても良いんだゾウ?」

「あー、……居た方が話がスムーズか?」

「うむうむ、ガネーシャ、優秀だからな!」

「「それは無い」」

 

ユニゾンで喋るおじさんとサラスヴァティーさん。

 

「二人共て厳しいゾゥ‼‼‼‼」

 

場は混沌として来た。




感情が振り切れるヘスティアファミリアの3名

歓喜で振り切れるサラスヴァティーファミリアの面々

筋肉を混ぜる事で場は混沌となる。
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