フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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何か迷走してるな?


25 ダンジョンとハイテンション

ロキファミリアとの模擬戦から1週間後。バベル前広場にはおじさんとロキファミリア主要メンバーの姿があった。

 

「お、フィン。来たか」

「やあ、おじさん。待たせたかな?」

「待ったけど飯食ってたから退屈はしてないな」

 

そういってコロッケパンを見せるとアイズが興味津々で迫って来る。やめろ、俺のパンを取ろうとするな。そしてベートも威嚇してくんな。

 

「はいはい、取り合えずおじさんをサポートとした際の運用はこの間話した通りだ。なので()()()()()5()0()()()()()()()()()()

「ういうい、よろしくね~」

 

ロキファミリアの面々に手を振るが返してくれる奴は居ない、辛いぜ。仕方ないここは心づけでもするか。

さて……だれを篭絡するべきか。材料があるのは……ガレス、アイズ、ティオネ、ティオナ……意外とベートもいけるか?

 

「それでおじさん、君の最高到達階層は?」

「えーっと……18? リヴェラには確か行ったことある」

「何か含みのある言い方だけど……まあいいか。それじゃあ皆、一度1()()()()()()()()を見つけてから今日は18階層を目指す。良いね」

 

フィンの全体への確認を聞いてからおじさんを含めた全員がダンジョンへと入って行く。

 

「(今世でダンジョン潜るのって慣らし運転でベル君達と入ったのを除けば初めてなんだよな)」

 

慣らし運転のはずが25階層まで降りる事になったのはベル君がトラブルメイカーなのかフラグメイカーなのか。

 

「(……多分後者だな)」

 

アホな事考えながらフィン達と一階層の公式MAPの端の部屋へ到達。

 

「どうだい? ここは使えそうかな?」

「まぁ、部屋の大きさも有るし……えーっとMAPだとココか?」

 

地図を広げて確認する。

 

「そうだね、ソコが今僕たちが居る場所だ」

「OK,()()()()()完了。何時でも戻って来れる」

「良し、じゃあ次は18階層でマーキングして一度二点間の移動を試してみよう」

 

そう言って進むロキファミリア精鋭+おじさん。

サポーター契約する際、流石に『何時でも何処でも好きな時に好きな場所へ跳べる』とは言えん。一回それで失敗したからね。

なので『マーキングをした場所に自由に跳べる』という事にして説明した。ロキちゃんには俺が下手な事言うとヘスティアちゃんが怒るからとヘスティアちゃんが口頭で説明。納得してもらった。

そういう訳でダンジョンに潜って実際に性能を試してみようという話になったのだが……全員がLv4以上なので移動がまあ早い。

半日もせずに18階層まであっさり到着。道中の敵は撫で斬りで処理しました。おじさんが手を出すとドロップアイテムがほぼ確定で落ちるので今回はロキファミリアの皆に処理をお任せしている。

おじさんストライクを使って回避を続けてるがこの回避方法も今までだと当たっても良いやと思う節があったので修正していかなきゃな。

 

「ん? ゴライアスが居ない?」

「リヴェラの奴らに狩られたんじゃねーか?」

「そんな所か」

 

嘆きの渓谷に到着してフィンとベートがゴライアスが居ない事に疑問を感じてるが、残念不正解だ。正解はおじさんがゴライアス君を実験台に使って討伐した、でした。

リポップの速さとタフさが良い感じで的としてもデカイから新技とか装備試す試金石として丁度いいのよね、ゴライアス君。

 

兎も角18階層まで到着したので早速全員でテントを張る。

出来上がったテントに警戒要因として付いて来ている何れ幹部にと期待されているラウルとアナキティが見張りに着く。

 

「そんじゃこの場所もマーキング出来たし早速。対象『1階層マーキング地点』【テレポーテーション】」

 

目の前に開く穴。転移対象として選ばれているロキファミリアの面々が初めて目にする現象に目を剥く。

 

「んじゃ、先に行ってるから心の準備出来たら入ってきてね」

 

そう言ってさっさと穴を潜る。穴から出れば直ぐに1階層のマーキングと設定した場所。

モンスターも居ないから入口を見張っておく、暫くしてロキファミリアの面々が穴を潜って患部連中が全員1階層に到着。

 

「間違いなく1階層だね」

「凄まじいの。これなら日帰りで深層の攻略も可能じゃな」

「もしそうなれば費用と時間の節約が……」

 

興奮気味に話す最古参の三名を他所に他の面々は別方向に移動の事実へ心を躍らせている。

アイズ、ベートは今後の戦闘に、ティオナは移動の面倒臭さからの開放に、ティオネはフィンの珍しい興奮気味の顔に。

 

「(……一名若干意味合いが違うが。指摘するのはヤボか)」

 

そう思いながらも【トラベラー】からデジカメを取り出してフィンを中心に各々を写真に収めておく。何かの役に立てばラッキー。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

興奮気味のロキファミリアに一度落ち着いてもらっておじさんとティオネでロキちゃんへ報告に行く事に。他の面々は既にテレポーテーションで18階層へ移動済み。

黄昏の館、その主神の部屋の扉を開ければそこには……なんで居る?

 

「ヘスティアちゃん?」

「あ、おじさん」

「ロキー、ただいまー」

「おう、ティオネが来たんか。どうやった?」

「すっごいよ?! 目の前の()()()に飛び込んだらもう1階層だもん! これで50階層まで移動出来たら攻略がめっちゃ捗る!」

「おー、ホンマか。こりゃおじさんをサポートとして雇うのは確定やな」

 

興奮気味にソファに座るロキちゃんの横に飛び込み、報告するティオネ。それを眺めながらおじさんもヘスティアちゃんの横へ座る。

 

「なーんでヘスティアちゃんが?」

「あぁ……ちょっとおじさんに会いたくてね、此処に来るのは確定してたからちょっとロキと世間話して時間を潰してたんだ」

「ほう……それで? どしたの?」

「おじさん、取り合えず()()()()()()()()()

「なぬ?」

 

そう言ってヘスティアちゃんが取り出したのは()()()()()()()()()

 

「多分察しただろうけど……コレの()()()()をヴェルフ君が作り上げた。というか何時の間にか作ってた」

 

うん?? この間ライダーキックのファイナルベントカード作ったばかりで……え?

 

「えぇ……待って? おじさんの頭が追い付かないんだが? この間のアレ作ってからまだそんなに経ってないよ?」

「ボクだってそうだよ! かといってヘファイストスにも言えないじゃないか! 言ったら絶対ウチに突撃してくるよ!」

「う、う~ん。まぁ取り合えず分かった、まぁカード単体じゃ意味ないし後で渡して貰うか」

 

取りあえず現状だとおじさんのベルトしかない……はずだった。

 

「ああいや、実は()()も作っちゃって」

「は!?」

「一応試作段階らしいけど兎に角おじさんに伝えておこうと思って」

「(えっ? たった数日で龍騎のカード複数枚と使う為の道具を用意? いくら現物があるからといっても前の世界ヴェルフ君を軽く超えてないか?)」

 

いや、マテ。この感じ少し知ってるぞ。

前のアスフィちゃんが根を詰めてテンションに任せて色々作って大半が表に色んな意味で出せなくなった時のノリ! ここは一旦止めるのが最優先!

 

「ロキちゃん、ごめん。ちょっと身内の方の問題片付けないとマズそうだから、ティオネちゃんを送る穴だけ開けとくね。

対象『18階層マーキング箇所』【テレポーテーション】

そんでもって俺達はコッチだヘスティアちゃん! 対象『ヘスティアファミリアホーム』【テレポーテーション】!」

「あっ、おじさん! 待ってくれよー!」

 

そう言って虚空に消えていく二名を見送ったロキとティオナ。

 

「……おじさんの魔法、複数展開出来るんやな……見えへんけど」

「私は片方見てるよ。もう一個は見えないけど」

「ふーむ……使い方次第じゃ色々難儀な魔法やな」

 

ロキの頭脳が今ある情報から様々な使い方を考え、導き出す。見えて無い情報もあるが見えている情報だけでも恐ろしい利用価値がある魔法。

この札をどう切るかと考えが過るが……絶対的なアドバンテージからその考えを早々に放棄する。

 

「ティオネ」

「何? ロキ」

「胸質って絶対逆らえんよなぁ」

「……そうだね」

 

二人して己の胸を揉み、重い沈黙の空気が流れるロキの執務室。一度得たものは手放し難く、二度と手に入らない可能性が高い為に下手な事は出来ないロキであった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「(……ねぇおじさん)」

「(シー)」

 

人差し指を口に当て静かにするようジェスチャーで伝える。そして壁越しに音を拾う。

物音は小さいが音が拾えるので居るっぽい。身を低くしてドアへ近づく。

ハンドサインで突入を合図すると頷くヘスティアちゃん。そーいうノリで付き合える部分は神って好きよ。普段は迷惑だけど。

 

「という訳で突入じゃー!」

「御用だー!」

「おわーーーーっ!?」

 

突然の大声とドアを破壊される音にびっくりしたのかヴェルフ君が驚きの声を上げて椅子から立ち上がる。

 

「確保確保ー!」

「ヴェルフ君そこまでだ!」

 

直ぐに腕を取り背中から抑え込んで腕を後ろで絞める。ヘスティアちゃんは腰に乗り体重かけてるけどLv2のヴェルフ君相手だとヘスティアちゃんみたいに軽い子が乗っても意味ないんじゃ……いや、ノリだからいいのか。

 

「へっ? ヘスティア様におじさん?」

「話は署(リビング)で聞く。ヘスティア捜査官、物品を押収したまへ」

「ラジャー!」

「あっ、ちょっと! まだソイツは作りかけで」

「はいはい、良いから来る」

「だー! まってくれーーーーー!」

 

騒ぐヴェルフ君を抑え込んだままホームのリビングへ連れて行く。

 

「んで、何でカード作ったのよ。『ライダーキック』だけ作るって話にしてたじゃん」

「いやぁ……魔剣とは別方向のモノを作るのが存外楽しいのと、アレが新しい魔剣のヒントになってる気がしてな。それにベルに頼まれたし……」

 

リビングでノリを収めて話をする事にした。

疲労してるのは何となく分かるが開発ハイテンションになってるっぽいのでこの間サラスヴァティーさんに教わった薬を仕込んだクッキーを食わせつつ話を聞く。

 

「(あんまり変な事言って答え教えると前のヴェルフ君との約束反故にしちゃうからな……)まあ何で作ったかは分かった。けどカードと使う為の装備はまずいって、ヘスティアちゃんを見て見ろ。目線だけで『ボクにもくれ』って言ってるのが分かるだろう」

「ちっ、ちがうわい! ボクはあくまで没収の為にだな!」

「欲しいのは否定しないんですね……」

 

頬を染めるヘスティアちゃん。うーん、一気に染まったな……前はアニメにもハマってたし。

 

「だって恰好いいじゃんか! 変身ヒーロー!」

「「分かる」」

 

思わずシンクロして答えたおじさんとヴェルフ君。

 

「ボクだってヴェルフ君が作る仮面ライダーを見て見たいけど……けどっ! それやると他の神に見つかった時が~~!!」

 

自分のオタク心と神同士のアレコレで揺れるヘスティアちゃん。どうやらまだオタクとして吹っ切れて無いから常識でブレーキかけるっぽい。

懐かしい、おじさんもソレを天秤にかけて自重してた時期があったなぁ……。さてこの場合、助言をするべきはヘスティアちゃんかヴェルフ君か。

って薬効き始めてるヴェルフ君へ先にアドバイスすっか。

 

「ヴェルフ君」

「んあ? なんだおじさん」

「今みたいに思うままに突き進めば多分望むものは作れるようになると思うけど、下手に公表すると横やり入れられて強奪される可能性があるから作るならちゃんと報告は上げて。制作に制限はかけないから」

「なに~、俺の作品を強奪~?」

「公式には弱小ファミリアだからね。実力行使ならおじさんが全力で前に出るけどファミリアが弱いとちょっかいかけてくるアホも居るだろうからファミリアに力が付くまでは作るもの、作った物はちゃんと教えておいてくれ」

「お~、わかったぁ……」

 

そう言いながら寝落ちするヴェルフ君。取りあえずソファーへ移動させて毛布を被せておく。

 

「まぁ暫くはちゃんと何を作ってるかを把握して作品の管理をこっちでやるのが堅実だろうね」

「……ちゃんと報告してくれるかな?」

「ま、何かあればペナルティを科すってしておけば無茶はしないでしょ。デメリットしかないし」

 

少しお茶を飲んで体を休める。この後はダンジョンに合流してある程度下へ向かって……あれ?

 

「ヘスティアちゃん」

「何さ」

「春姫ちゃんは?」

「?」

「……そっか、まだ居ないか」

「誰だい?」

「あー、命ちゃん関連の子。面倒事が怒る前に対応しないとなぁ」

「ふーん、まぁおじさんが何とかするんでしょ?」

「えらいザックリしてるな」

「信頼してるから」

「……さよけ」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

ヘスティアちゃんとお茶飲んだ後、改めてテレポートでフィン達が居るダンジョン18階層へ潜った。

テントの中には誰も居なかったので外に出て見ると各々が手合わせをしている状態で、それを見守ってるフィンの元へ近づく。

 

「お待たせー」

「おかえり、おじさん」

「すまん。身内のちょっとしたトラブルで戻るの遅れた。一応解決したからもう大丈夫だけど」

 

そう言ってから地面へ座り込む。おーおー、ベートがガレスと近接での殴り合い。

……うん? 何かおじさんとガレスの試合の焼き増しっぽい動きになってるな。

 

「……その前にティオネから聞いたけどおじさんはホームへ移動出来るのかい?」

「そりゃそうだろ。自分の所のホームだし」

「つまりマーキングさえしたらボク等のホームへも?」

「そりゃ当然飛べるぞ」

 

フィンが黙り込み思考しはじめた。何か悪い事考えてる顔だなこのショタおじ。

視線をベートに向ければガレスへの攻め方が変わってる。先ほどまではヒット&アウェイ。今は……離れない?

 

「おら、ジジィ。もっと攻めてこいよ」

「ッチ、おんし何時の間にそんなやり方を覚えおった?」

「はん、否が応でも道を示さなきゃならねぇ相手が居やがるからな……俺なりの答えだ」

 

チラリと此方を見るベート。何を話してるかは分からんがベートが視線をこちらに向けた瞬間ガレスが殴りかかる。

 

「っふ!」

「オラァッ!」

 

拳を蹴ってパリィ!? うっそだろ!? なんじゃあの器用さ!

ベートの器用さに目を剥いて前のめりに観察しているとフィンが笑ってくる。

 

「ふふ、凄いだろう? ベートの奴が君の戦い方を見て出した結論はアレだ。只管に連撃を浴びせ続ける事を選び、相手の攻撃すら自分の攻撃機会へと変えるという結論がベートらしいよね」

「いや、フィンさんや……さらっとやってるけどアレってクッソ難しいからな?」

「だろうね。ベートの移動速度は僕らの中で一番早い、そしてその速度の中で状況を把握する為に目は鍛えてあるからね。だからこその芸当さ」

「それだけで出来るもんじゃねーけどな」

 

暫くベートのパリィを観察してたが最終的にはガレスが上手い事一発入れてからはあっさり倒されてた。ベートのパリィはまだまだ練度は低いらしい。

 

「んで、今日この後は何層まで??」

「25階層、巨蒼の滝(グレート・フォール)まで」

「ふむ、そこをマーキングして今日は終了か」

「装備も変えておかないと水生モンスターは面倒だからね」

「んじゃ、ぱぱっと進んでマーキング済ませちまうか。明日も潜って40層位までか?」

「そうだね、そこからは幹部と君だけで進んだ方が早そうだ」

 

 

 

その日、問題無く25層まで到達、翌日も多少被害がありながらも40階層へ到達。道中でマーキングをしながら進んだ事でダンジョンの各場所に跳べる様になった……と思わせる事が出来た。

日曜も終わりだし、また日本に戻って平日を楽しむかー。

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