フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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ほ、本番まで行けなかった
けどキリ良くココで一旦投げます


34 コンテスト

タケミカヅチファミリアで待つ事数時間。イシュタルファミリアから五体満足でおじさんが戻って来た。

 

「おじさん!」

「ヘスティアちゃんやっほー。無事戻ったぜ」

「ケガは?」

「無い無い」

 

身体をペタペタと触って本当にケガが無い事を確認してほっと一息つく。

 

「それで……春姫君は?」

「一旦殺生石使うのは延期して貰った」

「えっと、どうするの?」

「延期して貰ってる間にイシュタルちゃんの望みを叶えて、そもそも春姫ちゃんを利用する計画自体を潰すわ」

 

言葉の意味を汲み取り固唾を飲むヘスティア。

 

「つまりそれって……戦争かい?」

「あぁ、ヘスティアちゃん。まさに戦争さ」

 

おじさんの返答に手に力が入るヘスティア。

 

「やるんだね? ウチとイシュタルとで」

「ああ、オラリオ一の美を決める! そんな戦争だ!」

「……は?」

 

言われた事が理解できなかったヘスティアはおじさんに聞き直すことにした。

 

「えっと……戦闘遊戯じゃ、ない?」

「は? ウォーゲーム? そんな戦力の比較しても意味ないよ。だってイシュタルが欲してるのって()()()()()()()()()()()だし」

 

頭の中を「?」で一杯にしながらおじさんと話をするヘスティア。話を聞けば聞く程頭が痛くなってくる。

 

「まって、本当に()()でイシュタルは納得するのかい?」

「何言ってんの、間違いなく美としての格が付くぞ?」

「いや、そりゃそうかもしれないけど!?」

「武力を用いず、本当の意味で美貌で勝負する。その上で格を着ける。コレに文句言う奴居るー?」

 

言葉だけ聞けばグゥの音も出ない……出ないんだけど。

 

「おじさん、フレイヤの眷属に刺されない?」

「ホホホ、アイツ等が武力で来るならおじさんは大衆の意識で対抗するぞい」

 

遠くを見てるような目でそう返されるヘスティア、本気だと分かったヘスティアは冷や汗をかきながら腹を決めた。

 

「分かった……それで、ボクは何をしたらいいんだい?」

「話が早くて助かるわ。コレをヘルメスと()()()()に届けといて」

「……おじさんってウラノスと接点あったっけ?」

「はっはっは、めっちゃ大変な事業(アラハビカ)を肩代わりした事あるのよー。その情報使えばウラノス位動かせるわい」

「……オラリオの中心組織の主神なんだけどなぁ」

 

久々におじさんのやる気を見たが規模とか影響力が段違いになっている事を改めて認識したヘスティアだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

おじさんがイシュタルファミリア訪問した翌日。フレイヤファミリアに一通の手紙が届いた。

 

「フレイヤ様、ギルドからの手紙です」

「あらオッタル。中身は?」

「いえ、『必ず主神のみが見る様に』との事でしたので」

 

手紙を開封し中身を見るフレイヤ。ざっと流し読みし途端に笑い出す。

主神の高笑いの理由が分からず問いかけたオッタルにフレイヤは楽しそうに話して見せた。

 

「美のコンテストをやるんですって」

「結果の分かっている大会を開くのですか?」

「さぁ? 何の意図があるのか分からないけれど……予定も無かった事だし参加してみましょうか」

「承知しました」

 

オッタルはきびきびとした動きで控えの侍女へコンテストへ向けての指示を出す。

 

「さて、コレを考えた仕掛け人は誰かしら……楽しませてくれると良いのだけど」

 

今までの謀とは違う気配を感じながら楽し気に笑うフレイヤ。その顔が別の形に歪むまであと数日。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

オラリオは唐突に決まった祭りに困惑の色を残しつつも商売のチャンスだと理解して大衆は動き始める。

出店や見世物の出品申請がギルドに集まり各種申請を承認していく部署は今回の急な祭りに愚痴を腹に抱えながら仕事をする。

正直言えば愚痴を零したい、だがそれは出来ない。何せギルドの主神が主催する祭りなのだ。文句を言えるはずが無い。

それでも思わず零れ落ちるのはご愛敬。急な祭りの開催に別部署の人員も駆り出し、通常業務に加えて慣れない作業をすればどうしても愚痴が出てしまう。

 

「うあー、エイナー。こっちの書類見てー」

「ええっと。うん、後はサイン貰えば良いから向こうの箱に入れておいて。そしたら次の書類は……」

「もうお昼に行こうよ、私ら朝からコッチの業務の手伝いしかしてないんだよ?」

 

言外に午後から通常業務に戻るからなと周囲に言いつつ昼食離脱しようとする。

エイナもちらりと時計を見れば普段のお昼時を過ぎる頃合いだ。元の約束だと昼までという話だし良いかと判断してミィシャと共に昼食に席を立つ。

 

 

 

「それにしても急にお祭りの開催決まったよね」

 

注文の品が届くまでの間に疲れを癒す為の飲み物を飲みながら愚痴を零す

 

「ウラノス様からの命ってのも珍しいけど今回は猶更ね。普段だと余裕のある命令しか来ないから」

「だよねー。なんからしくない感じだけど……お祭りに向けて準備してる町の雰囲気は好きだなアタシ」

 

言われて街並みを眺める。全体が浮足立って目標に向けて動いている。

 

「……そうだね。悪くないよね」

「でしょー?」

「書類仕事がもうないと良いけど」

「それは言わないで~」

 

 

 

 

そんな愚痴が飛び交う頃、おじさんはオラリオに居なかった。何処に居るかというと……。

 

『ディブスー』

 

そろそろ日が完全に沈むであろう時刻、監督の名をそう呼びながらスタジオの入口からディブスに向けて手を振るおじさん。

こっちに気づいて手を振り返してから近づいてくるディブス。

 

『ボーイ、急に来れなくなるって連絡あったが大丈夫なのか?』

『実はその件で相談があって』

『? 俺が手を貸せる事か?』

『うーん、色々と考えてるけど方向性が決まらないからさ。いっそディブスも()()()()()と思って』

『……ヤバイ話か?』

『ある意味。でも変な行動しなきゃ命を無くすとかは無い。後は往復するのに一日掛かる位?』

『今すぐか? もしそうなら家族に電話して……後は明日を休みにしてくるが』

『話が早くて助かるよ。あ、でも奥さんとかにもちゃんと説明したいから直接話そう』

『そうかじゃあ車を回してくる』

 

そう言って駐車場に向かおうとするディブスの肩を掴んで止める。

 

『いや、移動時間は()()()()()()。そういうのも含めて話さなきゃいけないんだ』

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

おじさんの手紙がウラノスに渡って2週間後。オラリオは驚異的な速度で祭りの準備を推し進め、ついに当日を迎えた。

そしてウォーゲーム以外では基本使われる事の無い『鏡』がオラリオのあちこちで開き、映像と音を届ける。

 

「さぁやってまいりました! 神の中の神を決める! その名もズバリ『神様ランキング』‼‼‼‼ 実況は私、「喋る火炎魔法」ファイアー・インフェルノ・フレイムことイブリ・アチャーがお送りします!

 更に本日は実況に本日開催される祭りのきっかけとなった方を及びしてます! ご挨拶お願いします!」

「は、初めまして。ヘスティアファミリア所属。えっと……リトル・ルーキのベル・クラネルです」

「はい! という訳でベル・クラネル君と共に実況していきたいと思います! 早速なんですが今回のお祭りは何故開かれたのでしょう!?」

「えっと……普段からから見かける神様がどれほどオラリオに必要な存在か。その上で色んな分野で活躍する神様で一番は誰だろう……そう思ったのがスタートです」

 

台本をチラ見しながら答えるベルにどんどん質問を投げかけ話を転がしていくイブリ・アチャー。司会者としての能力高いな等と鏡を見て思いながら準備の最終確認を行う。

 

『ダル、どう?』

『配線、音出し確認問題無い』

『ディブス、そっちは?』

『任せろ、ライトに花火の準備まで問題無し』

 

スタジオから選ばれた人達のお陰で会場の準備は出来てる。そうなると……。

 

『後はアディーさんの方か』

 

運び入れた大量の衣類、化粧道具、そしてメイクスタッフを見守るアディーさんに進捗を聞いてみる。

 

『見ての通りよ』

 

そう言われてイシュタルを見れば何の言葉も出ません。

 

『もう直ぐ本番開始か……』

『緊張してるの? 本人じゃないのに?』

 

アディーさんにからかわれ肩を竦めてみせる。そうしてるとイシュタルに話しかけられた。

 

「おじ、何話してるんだい」

「あー、優勝後のパーティーどうしようかって話」

「それならウチに来な。天国を見せてやるよ」

「いや、この場の半分位は家庭あるから」

「おっと、向こうじゃご法度なんだっけ?」

「緊張は?」

「無いさ。()として、一位を取りに行くよ」

 

そんなイシュタルにグッドサインで返す。それじゃあオラリオ一の女って称号を取りに行こうか!

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

太陽が高く上る。そんな燦燦と輝く太陽の元、オラリオから集まったあらゆる神が広場で一同に会して衆人の前に居る。

普段は表舞台に上がる事の少ない神すら全員居る。とても珍しい状態だが、これにも仕掛けはある。

何せウラノスから通達があり()()()()()()()()で不参加の場合のデメリットはオラリオからの()()ときている。

反発の声が上がりそうになったが同時に書かれていたメリット。参加したファミリアでアンケート上位入賞者の率いるファミリアには上納金の一部免除という大きなメリットがある。

他にも景品等が書かれてたがやはりこの上納金一部免除がとても大きい。その為、探索系ファミリアの主神はこぞって参加したし、そこに書いてあった一文。

 

『規定人数(神)が集まらなかった場合は本イベントは取りやめとする』

 

コレが効いた。

自分の知人(神)に参加の是非を聞いて参加確認をしたり、イベントに乗り気では無い神にウザがらみして参加を取り付けたり。

やはり神はどこまでも自分勝手に楽しむ生き物なのである。

 

閑話休題。

 

そんな神の欲に塗れた心とは裏腹に天気は快晴、住民達は事前にギルドから渡されたアンケート用紙に記入してギルドに提出されている。

所謂住民票と当日アンケートが別枠で設けられており、アンケートの質問としては以下の通りである。

 

・神として美しいのは

・神として尊敬出来るのは

・神としてオラリオに貢献しているのは

・神として人を助けているのは

 

如何にオラリオに貢献しているかというのが主目的。まぁ今回は思惑として一番上に美しさの項目があるが……。

 

 

 

「という事で本日のお祭り『神様ランキング』が始まる前、所謂事前アンケートがオラリオの住民に向けて実施された次第です」

「クラネル君! 丁寧な説明ありがとうございます! そういう訳で事前アンケートの結果が私イブリ・アチャーの手元に届いております! 今回の祭りはこの事前アンケートの結果と当日アンケートの2本柱で行いますのでお時間がある方は是非広場でアンケートにお答え下さい!

 尚、今回のアンケートにお答え頂いた方の中から抽選で豪華景品が当たるクジも発行されます。事前アンケートの分とは別枠ですので合わせてご確認お願いします」




イシュタルは一位を取れるのか!?

フレイヤは? ヘスティアは? 他の神々は?

欲望渦巻くオラリオの神々が格付けされる!

次回「神様ランキング」
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