フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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5 楽器はモテるらしい

どうも、オラリオに来たおじさんです。

今日はこの間知り合ったサラスバティーさんにお願いがあって来ました。

 

「楽器を教えて欲しい?」

「うっす、何かバイト先で楽器引けると良いぞって言われたから、チャレンジしてみようかなって」

「今まで楽器の経験は?」

「ピアノなら」

「覚えたいのは?」

「……弦楽器格好いいなぁって」

「大変なのよ?」

「練習はへこたれないので」

「ふぅ、やってみましょうか」

 

ピアノは楽譜読めるし気合と根性で練習してるけど、そもそも基礎すら分からん弦楽器はさっぱり分からんので教えてもらいに来た。

リアルと絶妙にこの辺の文化がリンクしてるオラリオってこういう時は便利。

 

「そうそう、でこっちを薬指で抑える」

「うっ……きっつ」

「で、右手で弦を鳴らして~」

「お~」

 

きちんと音が出るとやっぱ気持ちいい、一人練習だとまともに音出なかったからやっぱ人から習うって大事やね。特に最初は。

 

「そういやユースケは何処かのファミリアに入らないの?」

「おん? ん-、一応候補(ヘスティアファミリアかイシュタルファミリア)はあるけど……まぁ別に急いでも無いし良いかなーって」

「そう? 何ならウチに入る?」

「いやー、ソレはちょっと止めておこうかな」

「あら、残念。知ってる子でも居るの?」

「まぁ……ね、向こうが知ってるかは分からんけど」

「へ~」

 

そんな会話をしながら練習はどんどん進む。というか……めっちゃ教えるの上手いな! 指がどんどん動かせるようになるの楽しいゾー。

 

「いやー、サラスヴァティーさんの教え方が上手いから基礎は大分理解できたかも」

「基礎だからね。でも楽譜読めるから実際に教える事少なかったわ。指の使い方ももうちょっとかかるものなんだけど直ぐに出来るようになったし」

 

その辺は楽譜の件もあったが……冒険者なら補正がかかるのでは? と言ってみたら試しに眷属達に教えて見て検証するそうだ。

うむ、何事もトライ&エラー!

そんなこんなで弦楽器の基礎を覚えて地球のあっちこっちで適当に奏でながらストリートパフォーマンス。

結構こういうので稼ぐのも楽しいか? 流石にコレメインはキツいが趣味としてならアリかも。

そんな感じで平日の夕方には海外で写真撮ったり楽器鳴らしながら過ごす毎日。休日にはオラリオに寄ったりもするけどダンジョン入ってもステイタス更新出来ないしな。(入るだけならテレポートで入れる)

今の所オラリオでの金稼ぎが出来てないから遊ぶ金も無し。まあ過去のヴァリスが有るけどそれは最後の砦って事で。

 

じゃあ地球では稼いでいるかだが、何とハリウッドのおっさんが俺を雇ってくれた。

正式な雇用だと俺も色々困るから日雇い労働者としての雇用だ。スタントマンとして適当に稼いで裏方の人脈広げるんだ~とか思ったが大体思った通りには行かないのが人生でして。

子役の代わりにアクションを行なってたら一緒にアクション撮ってた人が足を捻って……。

 

『イタタ、すまんボス。この足じゃ今回のアクションは無理だ』

『マジかよ、治るのにどれ位だ?』

『……2週間あれば誤魔化せる』

 

渋い顔をしたおっさんを横目にスタントマンへ近づいて捻った足を見る。

……2週間って言ったけどコレ肉離れじゃね? 2週間じゃ効かないだろうに。うーん。治すか。

 

『ネェ、治ス、良イ?』

 

そう言ってスタントマンの脚を指さす。

 

『『?』』

 

二人共首傾げてるが、そうじゃねぇ。肯定の言葉かジェスチャーをくれ。

 

『治ス、良イ?』

『治すって……どうやって?』

『治ス、良イ?』

 

同じ言葉を繰り返してるとその内スタントマンが『やってくれ』と同意した。

 

『おいおい、ダル。簡単に言うな! 体はお前の商売道具だろうが』

『すまんボス、つい2週間なんて言ったが痛みの種類がちっと変でな……』

『おいおい……』

『もしニンジャボーイが治せるなら……なんて』

 

小難しく喋ってるが無視して患部を避けて触る。

うん、スキル発動出来るな。んじゃぁ折角だし悪そうな所全部やるか。

そう思ってダルさんの背後に回る。

 

『ボーイ?』

『ンジャ、ヤル』

 

そう言ってダルの両脇から手を入れて彼の頭の後ろで手を組んでから彼の背中に両膝を当てて……引っ張る!

 

『oh!?』

『ダル!?』

 

すかさずうつ伏せにして背中から骨の矯正が必要な所に圧を掛けて治していく。

押す度にボキボキ、ゴキゴキって結構デカイ音が鳴るのはご愛敬。

 

『グアアアアア‼‼‼』

『おっ、おい、ボーイ! これ大丈夫か!?』

 

でもって腰から若干曲がってしまってる筋肉も含めての捻りを肉離れと一緒に治す。

ゴリュッって変な音なったけど平気平気。

 

『~~~~〇×▼☆■⁉⁉』

『おっ、おい! ダル!?』

 

あっ、因みに今回麻酔効果は使ってないから普通に痛いと思う。でもまぁ1か月以上待つケガが数時間の休憩で治るなら良いでしょう。

スタジオの全員が青い顔で俺を見てるが別に変な事してないからね?

 

気絶したダルが起きたと思ったら途端に動き出した。

 

『おっ、おいダル。平気なのか? ……その、凄い音がしてたが……』

 

おっさんの声を無視してダルはアクションの動きを一通り熟す。

そして動きを確認し終えた途端、俺に向かってきて全力のハグをしてきた。

 

『サンキュー! ボーイ! 完璧だ! 完璧に治ってやがる!』

『治タ、ヨカタ』

『すげーよ! 古傷の腰まで治ってるみたいだ! 医者は無理だって言ってたのに!』

『アー、腰。骨、筋肉マガタ。少シノ間、治シタ』

『一時的って事か?』

『腰、一時的』

『そうか……』

 

めっちゃ落ち込むじゃん。まぁ思う通りに体動かせないとストレスだからな。

 

『ダイジョブ、数日、ヤル、治ル』

『へ?』

『メンテナンス、数日……アー、何テイウ?』

『……定期健診か?』

『定期健診? タブン、ソレ』

『マジか……ボス! ボーイに診て貰って良いよな?!』

 

こっちをボーっと見てたおっさんがハッとして此方に寄って来る。

 

『おいおい、ニンジャボーイ、お前さんアクションだけじゃないのかよ、他にどんな隠し玉を持ってるんだ?』

『ンー、ニンジャ、ダカラ?』

『あはははは! そりゃそうか! ニンジャなら秘密だな!』




軽いノリで施術をするおじさん

当然この時代にもマッサージはあるが……そもそもスキルはマッサージじゃねぇ

そしてこの様子を見ていた人が……?
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