フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative 作:タラバ554
ありがとうございます。
ローカロリーなギャグ小説なので、適当に肩の力を抜いて読んでいただけると幸いです。
ダルの肉離れを施術してから暫くスタント仕事は無いので学校帰りに世界中あっちこっちブラブラ。
紛争地帯にも足を運んでみたけど……まじで気分悪い。
軽い気持ちで行くもんじゃねーわ。別に撃たれても軽いデコピン以下の威力にしか感じないが集中砲火されると流石にイラっとくるんじゃ。
そんな事がありながら、あっちこっちぶらつく事数日、次のスタント仕事で呼ばれた日。
スタジオに行ったら今日一緒にスタントするダルの横に見知らぬ顔があった。
『アー、ダル? コレ、誰?』
『コイツは俺の体を何時も診てくれてるDrウィック』
『ハロー、ニンジャボーイ』
『ソウ……ハロー、Drウィック』
どうやら俺の施術の後に体を診て貰った結果、Drが俺に興味を持ったので連れて来たらしい。
まぁ解る話だな……。握手して施術内容に関して色々話す。
西洋医学的な局所的な治療じゃなく体全体のゆがみを直すという視点が珍しかったのか色々話してたら後ろから肩を叩かれた。
振り向くと……おっさんと……また知らん顔があるんだが?
「……誰?」
いかん、思わず日本語が出た。
『エット……誰?』
『俺のワイフだ! 綺麗だろ?』
『初めまして』
ニコニコ顔で握手してきたのはどうやらおっさんの奥さんらしい。
改めておっさんの顔を見る……60位だよな。奥さんは……いって40?
『何時モ、サンドウィッチ、アリガトウ。おっさん……犯罪、ダメヨ?』
『犯罪?』
『奥サン、年。離レスギ』
奥さんとおっさんをそれぞれ指さしてやると奥さんが盛大に笑い、それにつられて周りも笑う。
『ほら貴方、言われてるわよ』
『ボス~やっぱり少し瘦せた方が良いって』
『子供は素直だからね』
『くそ……ボーイ、カミさんは俺と同じ年だぞ』
『エ?』
思わず見比べる……違いすぎじゃ? いや、この場合おっさんが老けすぎ?
海外の人って年の取り方がマジで分からん……。俺が頭抱えてるとおっさんが奥さんを連れて来た理由を話して来た。
『ボーイ、今回カミさんを連れて来たのはお前さんにマッサージを頼みたいんだ』
『ヘ?』
『20年前にウチのボーイを産んでから腰痛持ちになってな。もし可能ならウチのカミさんを診てやってくれねぇか?』
ちょっと待て。それは正式な所じゃいかんのか?
『Dr、診タ?』
ダンと話をしているDrウィックを指さすがおっさんは首を横に振る。
『Drじゃ駄目だった。他にも治療出来るって触れ込みの所に高い金を払ってみたが……』
『何回か診てもらったけどまた直ぐに痛むのよ。色々やってみたけど段々悪化する一方だからもう諦めてたんだけどこの人が貴方に診てもらうって』
うーん、何かややこしい話らしいな。だがまぁ、こーいうのはあえてシンプルに考えよう。
1.治せるか?
2.治しても良いか?
3.治療費
うむ、じっと奥さんの方を見る。
んーーー? 骨格が若干歪んでるけど痛みが生じる程じゃない。って事は別の疾患? 見た目じゃ分からんな。
『アー、触ル無イ。ワカラナイ』
『診てくれるのか?』
『おっさん、奥サン、特別』
『サンキュー、ボーイ!』
だぁ! ひげのおっさんがハグしてくんな! 熱いって!
おっさんに落ち着いてもらって今日の分のスタントが終わってから診る事が決まった。
……おっさん、スタントシーンをさっさと終わらせようと撮影順番を変えるのは職権乱用じゃないか?
『オレの映画だから問題無い』
キメ顔で言うなよ……。
その日の昼前、奥さんを診て見る事になったがDrも同席したいらしい。俺は良いけど?
『おっさん、イイ?』
『カミさんが良いならな』
と言う事で本人確認したら良いという事でDrが同席しての施術になった。
場所はおっさんの執務室の横にある個人の休憩室。ベットにソファ、冷蔵庫まで揃ってる。日本なら小さなホテル位なんだがこれで休憩室か。
アメリカってスゲーとか思いながらおっさんの奥さん、名前はアンナさんにベットでうつ伏せになってもらう。
『ソレジャ、ヤル(チョット、キモチイイ、デモ我慢)』
『え?』
『イクマス』
『アッ!』
手首のストレッチを行ってからうつ伏せになったアンナさんの背中を指圧していく。今回はダルの時の様に加減無しの【幸運脂肪】フルスペック版。
徐々に強制幸福効果を強めながら脂肪操作を利用して内臓も弄る。
……何か変なモンあるな……何かの腫瘍? 小さいけど骨の隙間を縫う様にありやがる、悪さしてたのはコイツか。
肉の移動ついでに腫瘍を動かして表面に持ってきて……指圧ついでにそれを皮膚から押し出す。
『アァッ♡‼‼』
『……(何かアンナがスゲーエロイんだが……大丈夫だよな?)』
『……(コレは医療行為、コレは医療行為)』
野郎二人が若干興奮気味だが理性はあるみたいなので放置。腫瘍を取り出したらソレをおっさんの机に置いてあった灰皿にポイして背中の骨の矯正をして、ついでに出産でついたであろう脂肪も燃やしておく。
腰回りを揉みつつ後は肌のツヤと髪のツヤを出して~♪
『~~~~ンンッ♡‼‼』
はい、最後に顔回りを揉みながらシワも取るか。
30分未満の施術だが10歳は見た目若返った、頬を赤らめたアンナさんが出来上がった。別の意味でも出来上がってるが……そこは別に良いだろ。どうせこの後おっさんも出来上がるんだし。
『ア、アンナ……なのか?』
『……ディブス♡……』
思わず口元を抑えるおっさん。まだおっぱじめるなよー。
『Dr、ココマデ、コレカラ先、おっさんダケ』
『え? ああ、そうだね』
そう言ってDrを扉から出すと室内に残る俺に驚くDr。
『き、君は!?』
『おっさん、マッサージ、残ッテル』
そう言って鍵を掛けてからアンナさんに飛び掛かろうとしてたおっさんの襟首を掴んで止める。
『おっさん、準備マダ』
『おいおい、ボーイ! こんなカミさんを前に止めるなよ!』
『良イカラ、ハヨスル』
そう言ってアンナさんがフラフラした足取りでベットからソファーに移った所でおっさんをベットに放り投げる。
『ぶへっ』
『ソレジャ、全開ネ』
やるぞー。
『OH?!』
一揉み毎に減っていく脂肪。
『Shit!?』
たるんだ皮膚を修正して……。
『oh♡……oh♡……♡』
若干凝ってる筋肉解したら……おっさん(細)の出来上がり。
体型にまで理解が及ばん程度には興奮させてるから……アンナさん、後は宜しくお願いします。
『本当に……ディブス?』
『フー、フー、アンナ‼‼‼‼』
『キャー♡‼‼‼‼』
という訳でおじさんは退散します。後で治療費ちゃんと交渉しねぇとな。
おじさんが平日に地球を満喫している頃
どうやらオラリオでも動きがある様で……
おじさんの行動はオラリオへ飛び火する(諸行無常)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■雑な人物紹介&若干の背景
アンナは元映画俳優。
夫のディブスとは小さい頃からのご近所さん。作品出演が切っ掛けでお付き合い、結婚へ。
一姫二太郎に恵まれるが産後に体調を崩す。
現在は上の子が18歳で、下の子が15才。
ディブス、映画監督兼、映画スタジオ経営者。
大ヒット映画は無いが良作を出す事で有名。
40を超えてから評判から来るストレスで急激に太った。
監督の前はイケメン俳優として一部界隈では有名。
ダル、スタントマン兼、スタントマンスクール経営者。
ケガが元でスタント業務からは一線を引いて、スタントマン育成に力を入れ始める。
ディブスとは俳優時代からの付き合い。ディブスのスタントだけは受け続けていた。
Drウィック、ダルのスタントマンスクール専属の医者
ダルが治ったと言って来た日に体を確認して驚きと共に治療法が全く分からずに混乱したおじさんの被害者第一号。
なお、治療法を見せられても意味が分からないし理解が出来ない。