…私です。ほんとうにすみません…
「あっ、おはよう真尋」
「…おあよ〜…」
今日も今日とて学校。まだ2日目だけど。
真尋もちゃんと起きるようになって…すごーく嬉しい。女の子になる前は全然起きない不健康生活だったしね。
「は〜〜、憂鬱だぁ……」
「と言いつつもしっかり着替えてるし」
「い、いやこれは…」
「うんうん。早々に休んだら心配されるもんね」
「…お、おう」
「(日に日にふゆにぃのママ属性が強まってる気がする…)」
ふたりと話しつつもお弁当を準備する。まだ早起きに慣れてないから簡単なものしかできないのは申し訳ない。そして、今日こそお箸は間違えない。
「お弁当できたよ〜」
「おー、ありがとな〜」
「ほら、荷物持って……いつもごめんね、ふゆにぃ」
「いいよいいよ。私も好きでやってるんだし、みはりも頑張ってるんだし」
「…ふゆにぃ…!」
ピンポーン
「お迎え来ちゃった!」
「ほら行くよ、真尋」
「…行ってきまぁす」
……
「…歩夢ェ……」
「…なんで話しかけてきたか予想はできるけど一応聞いておくね。どしたの?」
「…カバンってこんなに重かったっけ…?」
「あはは…まひろちゃんずっと家にいたもんね」
「あたしも最初はそうだったよ〜。そのうち慣れる慣れる☆」
「うぅ……歩夢ェ…」
「……今日だけだよ?」ヒョイ
「ありがとな、歩夢…」
「…歩夢ちゃんって力持ちなんだね」
「相変わらずだね〜」
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「…じゃあ、後はよろしくね、もみじさん」
「うん…歩夢ちゃんも大変だね…」
私は好きでやっているから大丈夫なのだ。
これからは必然的にもみじさんが真尋のお世話を一部受け持つことに……いや将来を考えればいいのでは!?
よし、これからはもみじさんの手を借りよう。積極的に。
「あ、歩夢ちゃん。おはよー!」
「おはよー」
「おはよ〜」
当たり前のことかもしれないけど挨拶をされたら嬉しい。男だった時は、クラスメイトとそんなに仲良くなかったし挨拶とかもあんまりしなかったから……すごーく嬉しい。
あと、さりげなく名前呼びである。これは…かなりクラスに馴染めている証拠じゃないの⁉︎
よし、このまま仲良くしていこう。
「おはようなのです」
「…おはよう、天川さん」
隣の席の天川さん。
昨日私のことを『おにーさん』と呼んだ……その理由は早期に知っておかなければならない。
周りはけっこうざわざわしてるけど…一応小さな声で…
「…お昼休み、ちょっと聞かせてね?」コソッ
「……わかったのです」
その後天川さんはちょっと赤くなって耳を抑えてた。……声、大きかったかな…?
「…くすぐったいのです…」ボソッ
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お昼休み
「…ここなら誰にも聞かれなさそうだね」
「入念なのです」
「そりゃそうだよ」
私は天川さんと空き教室に来ていた。あえて少なめにしておいたお弁当も一緒である。余談だけど、天川さんのお弁当も少なめだった。少食なのかな。
「…ねえ、天川さん……天川さんはどこまで知ってるの?」
「…どこまで、とは?」
「…私の従妹…緒山みはりが開発した薬のことだよ。開発はひとりでしたわけじゃないと思うし、協力者、関係者がいるよね。その中に天川さんが入ってるかもしれないから」
「…おねーさんから聞いてた通りなのです」
…おねーさん?
思いつく中ではみはりしかいない。でも、みはりなら学校に秘密を知っている人がいることをしっかり伝えるはず。つまり、みはり以外の誰か。
「おねーさんって?」
「おねーさんはおねーさんなのです…吾妻ちとせといえばわかるのです?」
「吾妻……ちとせさん⁉︎」
吾妻ちとせ…たしか家で子どもを預かってるとか……あの時の子って天川さんだったんだ。
ちとせさんならこんなふざけゲフンゲフンおかしンッンン…すごい薬を作るのに協力しかねない。というかする。絶対する。
「…うん……だいたい分かったよ…あと、一応聞いておくけど……広めないでね?」
「もちろんなのです」
ならよかった。
「時間はー…よかった。だいじょぶそう」
「授業には間に合いそうなのです」
「次なんだっけ?」
「…体育なのです」
「天川さん運動苦手なの?」
「うぅ……今月は持久走なのです…」
「あららー…それはきつそうだね…」
「がんばるのです……あと…なゆたでいいのです。呼び捨てでいいのですよ」
「そう?…なら、私も歩夢でいいよ?」
そういえば……ちとせさん…私のことなんて言ったんだろ…
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「次体育かー…」
「ご飯のあとはちょっとね…」
「…そっか、女子は更衣室か」ボソッ
「危なかったのです」コソコソ
「うん…うっかり男だった時の癖で動いちゃいそうだよ…」コソコソ
「歩夢ちゃーん!行こー!」
「うん。なゆたも行こっか」
「はいなのです」
……
今更女子と着替えることに抵抗感はない。
もう真尋と何度もお風呂入ってるし…なんなら自分自身も女子なのである。見慣れてしまえばもうどうということもない…
じーー…
「…」
じーー…
「……どしたの?」
「いや……緒山さん…おっきいね」
そこか。
私の胸は…おっきい…のかな?みはりが言うには『身長の割に大きめ』だそうで。料理をするときに邪魔になったりするからあんまり好きじゃないんだけど…みんな気にするのかな。
それにしても、視線ってけっこう分かるものなんだね。男だった時は見られることも少なかったし分かんなかったよ。
まあでも…
「…私は別に気にしないけど、おっきいのを気にする人もいると思う。もし気にしてたらちゃんと謝るんだよ?」
「そっか〜。ごめんね〜」
「…大人だ…」
「大人な対応だ…」
「さすがなのです」
……
「じゃあ、二人組で準備運動から!」
ふたりぐみ…うっ頭が……
男だった時…もう前世でいいや。前世じゃ程遠い言葉だったし、なんならクラスがいつも奇数だったから余って先生と組むのがほとんどだったし…
「歩夢…ちゃん。一緒にやりたいのです」
「……なゆた…!」
ここに…神は、救世主はいました!
よし!なゆたがいれば来年度まで安泰だ!
友達がいるってこんなに嬉しいことなんだ…感動!
「うん。やろっか!」
「なんだかすっごく元気なのです」
「なゆたは身体かたいんだね〜」
「うー…歩夢ちゃんはすごく柔らかいのです」
「あはは。お風呂上がりにストレッチするといいよ〜」
「っ⁉︎…軽い」グイーン
「そんなにですか?」
「うん…真尋と同じくらい…」
「どれだけか分かりにくいのです」
「それじゃあ、トラック10周でタイムを計ってくぞー。準備のできたグループからだ」
思えば走るのは久しぶりである。真尋がジョギングしたときはブラ買いに行ったし走ってなかったんだよね。問題は体力が持つかどうかだけど、これは一定のペースで走ってがんばるしかないかな。
「うう…」
「…なゆた、大丈夫?」
「…がんばるのです…」
「…っは……っひぃ…」
「なゆた、姿勢を正したほうが楽だよ。ほら、あと半分半分」
「…はひ……」
なゆたはほとんど死にそうになってる。ほんとに運動が苦手なんだね……真尋に近しい空気を感じるかも。
「…緒山さんって優しいんだね」
「なんかすっごい手慣れてるような…」
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体育の後に数学って、悪意を感じるよね。
だってほら、何人か寝ちゃってたし。なゆたもちょっと眠そうだし。さすがに持久走の後はね…
まあもう帰るだけなんだけど。
「んゆ…」
「だいじょぶ?」
「眠いのです…」
「…やっぱり疲れちゃうよね」
私も久々の運動でさすがに疲れたし、今日は早めに寝ようか……お弁当の準備だけしちゃわないと…
「…帰ってから寝るのです」
「お、起きた」
「じゃあ、また明日なのです」
「…うん、また明日ね。なゆた」
やっぱり、友達って…いいな。
なゆたんの口調は難しいのです。
間違ってたらごめんなさい。誤字報告をお願いします。
問題! 歩夢ちゃんとCP組むのは?
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穂月もみじ
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穂月かえで
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桜花あさひ
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室崎みよ
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天川なゆた
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桜田ゆうと
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千川みなと