転生TSアリスの魔法譚   作:不審者γ

5 / 15
文章を加えて変えてしてるとかなり長くなりそうなので、文字数に合わせて切ろうかと思ってたんですが色々と面倒くさくなりそうなのでそのままにします。
そのため、一話の文字数が前作よりかなり増えます。悪しからず。

あと、本日の投稿を忘れておりました。
遅れて投稿しました。


No.5:ウィルヘム魔法学校

「持っていく物ほぼ無いの?」

 

「初日はクラス分けだけだからね」

ということで(どういうことだよ)今日から魔法学校に通うことになった。

通うのは、ウィルヘム魔法学校っていうところ。

 

「あ、クラス分けっていうのは実力とか優勢魔法とかで決まるからねー」

優勢魔法っていうのは、要は一番その人に合っている魔法のことらしい。

大体の人はその優勢魔法に専攻っていうのをして、他の属性の魔法を使えないようにする。しないことも一応できるらしいけど、まずしない人は聞かないし、しない場合は専攻した人と比べてだいぶ魔法の精度が落ちるんだって。

優勢魔法は、差異はあれど大体の人が火、水、土、草、大気の中で分けられるタイプで、極稀に闇や光といった物を操る人がいる。その中に、例えば火の中でも炎が優勢魔法って人がいたり火炎が優勢魔法って人がいたりするらしい。でもそこまで細かく分類してると数十個になっちゃうから7つに纏められてるらしい。

 

あと、入学前に算数や国語はちょっと親御さんから教えてもらったりするみたい。ボクも教えてもらった。

…国語はともかく、算数をできないふりをするのはものすごく大変だったよ…知識量的に、前世のボクは多分文系だったんだろうけど、それでも完璧とは言えずとも高校数学までは修めてるみたいだったし…微積分とか一応分かるっちゃ分かるし。

 

「じゃ、私は先行っとくねー」

そう言って姉さんは先に家を出た。

一年生以外は基本平常授業らしくて、入学式はちょっと遅めだからまあしょうがない。

ちなみに入学式とクラス分けの時は保護者同伴が原則条件のため、仕事に行ってる父さんの代わりに母さんが連れていってくれることとなった。

 

「じゃあ、そろそろ行こっか」

 

「うん」

これが意外にも緊張しない。多分、ボクの()()()の部分が普通にこの年代の緊張を知らない年代なんだろう。軽くそういう影響は受けるみたいだね。

 

 

 

 

 

 

「あ、大きい…」

…さてさて家から移動しておおよそ20分。また大きな建物が見えてきてる。

主要な建物は大体バカでかくなるのかな…魔力測定の場所もほぼ(というかそのまま)神殿だったけど、この学校も中々だ。広さ的には…あれだね、ヒ□アカの雄◯高校とかとどっこいどっこいじゃない?校内の施設バスで移動してそう。まあ、5歳から14歳までの人がいるからでかくもなるんだろうけど。

 

「あ、そうだ、先週ぐらいに校長先生に相談(お話)してアリスのランクは4辺りってことにしてもらってるからね」

 

「あ、ありがとう」

そういうことらしい。

いつも通り変わらない糸目のお母さんの顔が今だけちょっとあくどい笑顔を浮かべてる気がした。なんだろ、顔の目の辺りに影がかかってそう。

 

「じゃあここからまっすぐ行って、あのお姉さんの所まで行ったら案内してくれるから、行ける?私はまた別の集合場所があるみたいなの」

どうやら保護者は保護者で説明会みたいなのがあるらしい。まあ多分入学式の間は後ろの方で見ることになるんだろうけど、まあどっちにしてもそれぐらいなら何の問題もないや。

 

「うん」

 

「はい、行ってらっしゃい」

 

「行ってきまーす」

そう応えて向こうで立って案内する人の所に歩いていく。

……途中途中で泣き叫ぶ声が聞こえるんだけど…多分駄々をこねてるのかな。この世界には保育園とか幼稚園とかの施設がないから、実質親と長時間離れるのは大体ここが最初になる。まあそれなら無理はないよね、と思いながら、そう言えばバートはいないかな…と周りを見回しながら歩いていると。

 

「邪魔なんだよ!」

罵声と一緒に何かが倒れる音。…何か治安のあまり良くない所がありそうだ。そもそもこの世界、日本とかと比べたらあんまり治安良くないらしいけど。

まあそこは置いといて、声の方を振り向いて…驚いた。

 

「ちょっと!」

思わず声を出してた。

そこにいたのは、まあいかにもヤクザみたいな大きな男の人と、突き飛ばされたバートだった。

急いでそっちに駆け寄って、バートの体を起こして横目で多分ここの男子生徒であろう男の人を見る。

というかあの髪どうなってんの…金髪で顔二つ分くらいの長さのリーゼントがセットされてるんだけど…重 力っ て 知 っ て る ?

 

「あ?何だガキ。お前もぶっ飛ばされてぇのか?」

ポケットに手を突っ込んで、睨みながら見下ろしてくる。…でかいな…背丈も態度も。多分身長2mくらい行ってそうな感じがするんだけど。

 

「バート、大丈夫?……何でそんな思考になるんだろうね。バートが何かしたの?」

彼を睨んで言う。

よし、ちょっと落ち着けボク…実質年齢的には彼はボクより下だ、あまり感情的になるんじゃない…

 

「俺の前に立ってて邪魔だったんだよ」

周りがざわざわする。けど、止めようとはしない。まあ大体の人ならそうするよね。面倒ごとには首を突っ込まないのが一番なのはそうだし、多分ボクも知らない人だったらそうする。そこに別に腹は立てたりはしない。…元凶こいつだし。

 

「…そう。じゃ、私の前にも立ってるから、邪魔だって倒してもいいんだね?」

軽くバートにヒール(治癒魔法)をかけてから少し右足を引く。

 

「ぷっ…くく…ああ…そうだなっ…くくく…お前に出来るならな!」

嘲笑いながら言ってる。…舐められてるね、好都合。

少々灸を据えてやってもいいだろう。

ト、と一歩踏み出して男の腹あたりの前に手のひらを向けて魔力を回す。

 

「あ?」

この間わかった新事実。

魔法って、宣告の一番最初…火3魔法、みたいな感じの所、言わなくても発動できるみたいなんだよね。やってみたらちょっとやりづらくてもできたから、多分補助とかルーティン的な役割を持ってるんだと思う。

 

さて、そこは置いておいて。

魔力を廻し、手のひらの前に薄緑色の魔法陣を展開して…

 

「…ウィンドロード」

 

「はっ!?た、大気3魔h……」

何か抵抗しようとしたのかもしれないけど、宣告が終わる前に射出された風に吹き飛ばされてそのまま校舎の壁に叩きつけられた。…壁に軽く穴が空いた。

…ヤベ、やりすぎたかも。

 

「ゴホ…」

 

「…言ったもんね、やっていいって。…行こ、バート」

そう言ってバートの手を取る。

し、知らない知らない。ワタシ、ナンニモ、シラナイ。…あ、壁自動で治るようになってるんだ、すごいや。で──その前で復活したのであろう彼が襟首を捕まえられて先生に連れて行かれてるのが見えた。

…あの先生、襟つまんでるだけであの人持ち上げてない?力やば…

 

 

 

 

 

 

 

「…ここでクラス分けするんだよね?」

 

「うん、そう聞いたけど…」

椅子が何列かにずらりと並べられた、講堂みたいな場所。いや、どちらかと言えば体育館のほうが近いかもな…

と、バートが受付で渡された番号の書かれた紙を握りしめていた。

 

「…渡されてた番号、何番?」

 

「え、えーと、56番だ」

 

「私は74だから…あ、八列目の一番左だね。バートは…五列目の左から6番目か」

合計100人分、10×10で並べられた椅子を見ながら言うと、ちょっとバートが視線を落とした。

 

「あー、流石に近くじゃないんだね…」

 

「まあね…申し込みしたのも時期がズレてたみたいだし。じゃあ、また後でね」

 

「うん」

 

まあ入学式は…うん、前世とそう変わんなかった。基本的に校長先生と教育委員会(やっぱここにもそういうのあるんだなぁ)の人の話で8割5分2厘埋まってたし。

 

まあ要するにあれ、頑張れ!ってことしか言ってないからね。周りじゃ我慢が効かなくなった子が何人かウズウズとし始めてる。…うーん、そりゃあそうなるか。正直5、6歳でこれずっと聞くのキツイ気がする。

 

で、いよいよクラス分けである。

まずは優勢魔法を調べて、その後、ちょっとしたバトル(とはいっても大体キャットファイトになるらしい)でクラスが決まるんだってさ。バトルはどちらかと言うと遊び感覚でやれ、とのこと。親睦の一種なんだろうね。

まあでも基本的に魔法も殆ど知らない子達ばかりだから、怪我とかすることはそうないらしくて。あったとしても治癒魔法使いの人がスタンバってるから大丈夫らしい。

 

「じゃあ、この列の人ーこっち来てー」

それで、少し進んで個室みたいなところの前に並ぶ。まずは一人ずつ入って行って優勢魔法の検査らしい。前の人が火だったーとか風だったーとか言っているのを聞きながらボクの番が来た。

何になるのかな…やっぱりでも魔法って言ったら火のイメージ強いよね。力こそパワー。弾幕もパワー(火力)。爆発こそ正義なり。…なんか違う電波拾ったな。

 

「じゃあ、ちょっとじっとしててね」

ちょっと田舎のおばちゃんっぽい感じの女性に言われて力を抜く。すると、

 

「…?……?…ちょっ、とごめんなさいね」

何かあったのか、少し手元の紙を見て、分厚い本を引っ張り出して何かを探して、手元の書類にさらさらと何かを書きこんでいく。

 

「はい、貴女の優勢魔法は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     …毒です。」

 

 

 

うん?

 

 

「…毒…ですか?」

 

「ええ。ちょっとよく分からないけれど、そう出たからね。前例のないたった一つの優勢魔法よ、大事にしてね」

毒。どく。ドク。Poison. 독*1

 

「あー、はい…?」

いまいちピンときてなかった。いや確かに、優勢魔法の中でも有名なのが七つで、そこからさらに別れたりはするけど、しかし毒魔法。

どの属性に分けられるんだろ…強いて言えば草…とかかな?いや、そもそもそれ以外に毒が付きそうな属性無いや。帰って探してみよう。

 

「ありがとうございました」

とりあえず、測定してくれたおばちゃんにお辞儀をして部屋を出た。

…おばちゃんって言ったけど、あの人ワンチャン見ようと思えば30歳くらいにも見れそうなんだよね…肌綺麗だったし。

この世界、やっぱり顔面偏差値高いわ。

 

 

 

「…で、キャットファイトの会場は…」

もうバトルとは呼ばない。聞いた話だと本当に魔法勝負をするのすら一握りで、ほとんど喧嘩みたいになるらしいからこれから行う親睦競技はキャットファイトと呼ぼう。

 

「…ここか」

そう呟いてほぼほぼ体育館らしき建物に近付き、受付らしき人に番号と名前を伝えると、小さな風船のようなものを渡されて腕につけるように促されて中に入る。

 

「…あ、そういう感じね。」

思いの外広かった。

中では恐らく偶数の人と奇数の人で分けられていた。どうやら番号の連番二人でやるらしい。

勝敗の決め手は、腕に付けた風船が割れれば負け、ということで、五分経った場合は引き分けになるんだってさ。

まあ、大体かかっても二分位で終わるらしいけど。

幕の外から中を見ると、今丁度バートがやっていた。魔法にも慣れてるみたいで、思いっきり水魔法を撃ちまくってる。

そのまま相手の腕の風船をパァン。

バートの優勢魔法は水属性っぽいね。

その約二十分後…

 

《次に、73番と74番です》

番号を呼ばれて、会場に入る。

向こうからも同じように薄い青の髪の少年が歩いてきていた。……何処かで見たことがある気がするのは気のせいだろうか。

 

「シュウ·アルバートだ。…ひさしぶり」

いや、(見間違いじゃ)ないです。

あの時の魔法騎士団長の家の子だぁ…

 

「アリス・セナール。何気にまともに挨拶したのは初めてだね」

 

「…………」

なんだ反応なしか、とも思ったけど、ちょっと覗き込むように目を見ると若干顔をそらされた。…何で?

まあそれはともかく。相手も切り替えたのか、ゆっくりと構えるその様子は中々様になっていた。…もしかしなくても、これまずいかもしれないやつ?

 

「では、はじめ!」

 

「氷3魔法、アイススピア」

 

「!」

思いの外ちゃんとした魔法の勝負を申し込まれた。先手必勝か、とも思ったけど多分当てる気はなくて足元に牽制としてか氷の槍が突き刺さった。

今度はシュウの目が、こちらをじっと見てた。…なるほど、確かにじっと見られると恥ずかしいかも。

 

「おれは遊ぶつもりはない。ここで成果を出して、いずれ最強になる。それで、その…」

モゴモゴと口ごもるシュウ。…なんだろ。

 

 

「…ん……!お、おれが勝ったら!おれと、けっこんしろ!」

……………(白目)

 

はい、訳がわからないです。さっきまで最強になるとかどうのこうのと話してたはずなんだけど…え?急に情緒どうした?

正直なところ面食らって反応できないんだけど…

 

「え、っと…ん?まあ…うん…?」

…負けなきゃいい話だし…まあ、良い…のかな?これでも魔法の練習は父さんと一緒にずっとやってたし、負けることは無いと思うけど…

 

「…まあ、良いけど…」

 

「!!なら…氷4魔法、アイスアロー…×40!」

と、シュウ君が宣告した瞬間に彼の背後に大量の氷の矢が現れた。…マジで?

そして、それらを次々とこっちに射出してくる。しかも、ただただひたすらに周りに撃つわけじゃなくてボクの方に向くように操作しつつ、多分怪我とかもあんまりさせないようにしてるんだと思う。初手のアイススピアと比べて明らかに魔法の速度が遅いし。測定のときの彼のランクと魔力量からしてもう魔力が足りないなんてことはないはずだから。

 

いや…にしても、この物量ごり押しが意外と厄介だったりする。何せ矢だから風船に当たれば当然割れる。守りつつ、攻撃しないといけない。

しかも優勢魔法と言われた毒魔法に関する知識は一切ない。だから他の魔法で代用するしか無いけど…

 

「氷…なら、火4魔法フレアストーム」

円柱状に生成される火属性魔法を、纏うように自分の周りに展開する。氷を溶かせるように、火の壁は少し厚めにしておく。

 

「!!この…氷5魔法、アイスミサイル!」

と、アイスアローじゃ突破できないと判断したのか、また一回り大きな長い氷塊を生成して投げつけてきた。…あれは多分溶かせないね…大きすぎる。

一度フレアストームを解除して右側に倒れ込むように回避、一回転して体制を整えて別の魔法陣を描く。

 

「火4魔法…ファイアソード」

火の剣を生成して、構える。

…こういうの、継続的に魔力持っていかれるんだね…何がキツイって、魔力の減少量はボクの総魔力量から比べれば全く大したことないんだけど、申請したランクは4だからそれに応じた演技をしなきゃいけないこと。

 

これが何気にキツイ。どれくらいの魔力を使ったらどうなるのか知らないから、適当に疲れた演技してるけど…

 

「!武器か…それなら、見ろ!氷6魔法アイスコング!」

と、シュウ君の体から氷が生え、鎧のように纏い始めた。

魔力強化(ビルドアップ)だ…マジで?君5歳じゃないの?ボクと同じく転生とかしてないよね?

魔力付与(エンチャント)よりは簡単とは言え高等技術。自分の体中に意識して大量の魔力を回して武装、強化する技。

…まあでも、まだ勝ちようはあるかな。

 

「くらえっ!氷4魔法、ブリザード!」

来る!

シュウ君は氷を纏った状態で真っ直ぐ突貫し、腕につけている風船めがけて細く長く吹雪の渦を生み出した。

 

「っ!」

火の剣を振り回して空気の温度を上げて、吹雪をなんとか止めたあと近くまで来ている彼に向かってこっちも走る。両手で火の剣を握って、彼の目の前で…

 

「そ、れっ!」

上にぶん投げた。

同時に、へ?と彼の視線は火の剣の方に吸い寄せられた。

 

「隙あり」

一瞬固まり、隙ができた彼の腕の風船パン、と割って勝負をつける。

その音で現実に引き戻されたのか、彼もこっちを見返す。…あ、近い。

 

「…わっ!?」

 

「うわ、びっくりした」

で、目の前で叫ばれて仰け反られた。

そこまで露骨に避けられると傷つくんだけど。

 

まあそんなこんなで模擬戦は終わり、その後クラス分けが発表された。ボクはCクラスとなった。

何の縁か、バートもCだった。何気に結構共通点が多かったりするね。

まあ、同じクラスってだけなら当たる確率は1/5といったところだから、あり得ない訳じゃないね。

……何故かシュウ君もいるんだけど。なぜこうなった。

 

まあ、そこはいいとして。

担任の先生も決まって、配布されるものは渡されて、今日は帰る。

 

今日付けで、ボクたちは魔法学校一年生となった。

*1
韓国語

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。