スイーツを食べた後、俺達は千束に連れられてとある場所に来た、それは魚や熱帯魚が居る場所…水族館である。
「ここが良い所ですか?」
「そうよ、私好き~♪」
千束は胸を張りながらそう言う。
その様子を俺はすぐに確信する、なる程…千束はこの場所がとてもお気に入りなんだな。
「よく来るんですか?」
たきながそう言うと千束はあるカードを見せた。
「年パス~♪ 気に入ったらたきなもどうぞ~♪ 進一君は?」
「俺はパス」
「あはっ!それってギャグ!受けますね~!」
そう言うと同時に笑う千束、いや…ギャグを言ったつもりはないんだけど。
まあ彼女がそう思ったんなら良いか。
そう言うやり取りをした後、俺達は水族館の中を回る、するとたきながある魚に目につく。
俺はそれを問う。
「どうした?」
「これ…魚何ですって」
「ん?」
俺が目にした先は、タツノオトシゴだった、熱帯魚の魚か~…最初は宇宙生物だと思った俺は。だって変な魚だし。
「…マジか、ウオだったのかこいつ」
「この姿になった合理的理由があるんでしょうか?」
「はい?」
「ご、ごうり、え、理由?えぇ~…」
「何かあるでしょう」
っとたきなは自分なりの合理的理由で考えた結果だろう。
まあなんともたきならしいな。
そしてチンアナゴの水槽に来た俺達。
「これも魚ですか…」
「そうだ。チンアナゴって言ってな、ウナギ目アナゴ科に属する海水魚の一種で、警戒心が強くて危険を察知すると穴の中に逃げる習性がある。でもそのままでいると窒息するっていうらしいけど」
「へぇ…ん?」
たきなはある方向を見て、俺もその方向を見ると、千束が何やら両手を海藻類の様にうなっている様子が見える。
て言うか何してんだこいつ…。
「…何してるんですか?」
「え?チンアナゴだけど?」
また何とも訳わかめの様な言い分をする千束、お前本当に好きだなそれ…自由過ぎるわ。
「人が見てますよ? 目立つ行動は…」
「なんで?」
「なんでって、私達はリコリスですよ?」
「制服を着てない時はリコリスじゃありません!」
あはは…、本当に自由だこいつ…こういう感じはもはや千束の土俵の様なもんだ。
っ…ちょっと用を足したくなって来たな。
「すまん、ちょっと手洗いに言って来るわ」
「あ、はい。分かりました」
そう言って俺は立ち上がってトイレに向かった。
トイレに向かう際に辺りを見渡す、珍しい魚にカニやらウニ、色んな魚が居て面白い。
…懐かしいな、子供の頃はよく親に連れてってもらったな~…、俺は特に電気ウナギを見ていたよ、スタッフさんが良く電気ウナギの事を説明してくれたからな。
でも電気ウナギって実際電気を何処に貯めているんだ? そこだけはよく分からない。
まあ実際俺は電気ウナギだけじゃなく、いろんな魚を見ていたけどな~…。
でもあれ…MGS3でのスネーク…後のビックボスがサバイバルで魚を食った時点であんまり魚を見る気力を失ったよ。
だってあれ殺した後、キャプチャーしてそのまま食ってるんだぞ? 普通焼いて食うだろう、絶対腹壊すって。
しかも敵地の方だぞ? よく死ななかったよビックボスは。
まあそんな事を考えてる中で、俺はトイレで済ました後、千束とたきなの元に戻ろうとする。
すると彼女達の元に何やら変な2人組の男が居た。
「ねえ彼女、今暇、一緒にどっか行かない?」
「俺達がこの水族館をエスコートするよ」
「え、いや~いいです…」
「遠慮します」
「いいじゃん!付き合ってくれって!」
おお~、こんな所でナンパする奴マジでいたんだな…。返って鬱陶しいなあれ…。
千束はあの様な連中を回避の仕方は知ってるみたいだけど、たきなはまだ知らない様だし、行くか…。
俺は千束とたきなの元に行く。
「すまん、待たせたな」
「あ!ごめんね~! 私達彼と一緒に回ってるの~♪」
「あ?何だテメェ…?」
「テメェの様なクズは用はねえんだよ…失せろ!」
2人組の男は俺を見てメンチを切らして睨んできたが、俺は微笑みながらゆっくりと近づき、そして俺はそいつ等をちょっとばかし睨み、小さな声で言う。
「さっさと帰れ…あんまナメてると、命ないぞ…」
ゾッ!!!
「「ヒッ!!!」」
突如2人組の男は俺の異常な圧を感じ取り、冷や汗を大量に流しながらその場を慌てながら去って行く。
俺は少しばかりため息を吐き、すると千束は俺に指でツンツンと突く。
それに俺は振り向く。
「どうした?」
「進一君…駄目だよ今の。民間人なんだから」
「…すまん」
どうやら千束は俺の行動を見てすぐに殺気を感じ取った様だ。流石はリコリスだな。
俺はちょっとやり過ぎた事を謝り、たきなはただそれを見ていた。
「…進一さんもやはり元軍人ですね。あれだけのオーラ…私でも分かります」
「それでも駄目だよたきな、これは悪い例だから」
「すまんすまん、だがしつこい奴等には効果的な方法だぞ」
「それでも駄目だって!」
まあこんな事があったけど、うるさいハエを追い払えた事は良しとしよう。
するとたきながある事を言う。
「進一さん。千束に何の才能があると思います?」
「ん?才能…? 何でまた」
「実は進一さんが席を外している間に千束がこれを持っているので、その話になって」
たきながそう言って俺にある物を見せる、それはフクロウのような形を模した銅色のチャームだった。
「(っ!こいつは…アラン機関の!!)」
そう…俺はこのチャームに見覚えがあった。
以前クルミにアラン機関の事を教えてくれた際に支援対象にはこのフクロウのチャームが与えられる。
無償の支援…それがアラン機関の力でもあるが、どうも怪しい所がある。
そんな得体の知れない奴等が何故千束に支援をする。一体何が目的だ…?
「進一君…?」
「っ…すまん、それで?千束が何かしらの才能を持っているって?」
「はい、その話になったので…」
「千束の才能…」
もしや初めて会った際、あいつ銃弾が見えていた傾向があった。
それがあいつの才能…それだったら俺も見えるし、躱せる自信がある。
ザ・ボスにあれだけ鍛えられたんだ。間違いない。
だがもしアラン機関が千束の才能を間違っているとしたら、こいつの才能は…。
俺が千束の方を見ると、千束はそれに気付く。
「あれ?どしたの? あっ、もしかして進一君も私の才能に気付いちゃった~♪」
そう言って千束はセクシーボーズを取る。
壁のグラビアのポスターと全く同じだ、だがそんなことしても意味ないけどね。
「まあそれはいいとして」
「おいコラ!」
「どうしてその話に? 千束が無理に見せたって訳じゃないだろうし、訳ありなのは若干気付いていたけど」
「あ、あ~…若干気付いてたのね」
千束はその事に参りながらも、自分の事を話し始める。
「…私がDAを出たのは、会いたい人が居るからなの。けど10年経っても手掛かりもなくてさ…」
「…なる程、それで会ってどうするんだ?」
「大した事じゃないよ…、ただ私…ありがとうってお礼を言いたいだけ」
「「………」」
なる程な…、訳アリなのはそう言う事か。
だがこれはちょっとばかしタブーな事を聞いてしまった様な気がする。
本来余り聞いちゃいけない事はどんな事情であれ、それは駄目な事、分かってはいるけどどうしたものか…。
っとたきな突如立ち上がり、俺と千束はそれを見る。
「ん?」
「たきな…?」
「さ、さかなー!」
突然たきなが恥ずかしながらも魚のポーズを取り始め、それには俺はやや唖然としてしまう。
「おお~!お魚か!よぉぉぉし……チンアナゴォ~!!」
千束もたきなに負けじとチンアナゴのポーズを取り始める。
俺は徐々に笑いが耐えきれず、前のめりになりながら笑っていた。
本当に面白い奴等だよ、全く…。
当然周りの者達は何をしているか訳わからずにいて、子供達は「何してるの?」と母親に聞いているみたいで、子供を連れてさっさと立ち去って行く。
「あ~楽しい! たきなはどう?」
「…楽しいですし、めっちゃ可愛いですよ」
っとたきなの言葉に千束は微笑んだ。
「ああ~この!良い奴め! よーし!今度はペンギン島に行くぞ~!」
「ペンギン…!」
2人がペンギンが居る場所に向かうのを俺は微笑み、そして立ち上がって2人の後を追いかけるのであった。
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そして水族館から出て、俺の車の所に向かう際、奇妙な光景を目にする。
街の至る所にベージュの制服を着こんだ少女達が居て、それに千束とたきなが呟く。
「…リコリス」
「なんか妙に多いですね…」
2人の言葉に俺もそれには納得する。
明らかにこれは可笑しいな…、まるで何かを見張っているかのような感じに見える。
…調査が必要か?いや…今日は2人を家までエスコートするのが、今回の最終ミッションだ。
「じゃあ俺の車の所に行こうか。家まで送るよ」
「うん、お願い」
俺達は車の所に行き、駐車場付近まで行く。
すると何やら人盛りが出来ていて、それを俺達は見ると、昼間俺達が待ち合わせ場所の駅が封鎖されていて、しかも爆発の後もある。
それを見たたきなが…。
「あれ…、何かあったんでしょうか!」
たきなが向かおうとした際、千束がそれを止めて、たきなが千束の方を見る。
「今銃出すと警察に捕まるよ? 制服を着てない時はリコリスじゃないからね。今日は帰ろう、戦利品もあるしさ」
千束が買い物袋を見せながらいい、何もせず帰ろうと言う。
確かに今日は私服だし、変に銃出したら何をされるか分からない。
「帰ろうたきな。気になるのは分かるが、今日はなしだ」
たきなは少々納得出来ないものの、今持っている物を見て、仕方なく帰り、俺と千束は一度封鎖されている駅を見て、駐車場へと行き、車に乗ってその場から去った。
そして翌日。
「キャアアアアアアアアアア!!ハレンチイイイイイイイイイイイイ!!!」
「ん?なんだ」
突如ミズキさんの大声がこだまし、洗い物をしていた俺は、その方に向かうと、ミズキさんが千束の首を絞めながら問い詰めていた。
「アンタ昨日撫川君の家に泊まったな!! その男物のパンツが何よりの証拠だああああ!!」
ミズキさんが怒鳴っている理由、どうやら千束がたきなのパンツを履いた事が原因の様だな。
好奇心で試した所にミズキさんが来た…、何とも間が悪い事で…。
「違う違う違うそうじゃないって!!! 進一君とはそんな関係じゃないって!」
「うるさい!!未だに男が出来ない私へと当てつけかーーー!!」
「違うって聞けよ~~~!!! っ!たきな!たきなのだから!!」
っと千束が指差す方を示す、すると俺の隣にたきなが居て、それに目を光らせたミズキさんがすごい勢いで近づいて来た。
あっ、これは不味い。
そう感じた俺はすぐに後ろを振り向き、見ない様にした。
「可愛いじゃねぇか」
「いやだからそれを昨日買いに行って、え、あ、ちょい何処へ」
たきなの下着を見たミズキさんは千束の言葉を無視しながらフロアに行き、大声を言う。
「皆さーん!この店に裏切り者と嘘つき野郎が居ますわよーーー!」
「うわあああああ!!!やめろやめろやめろおおおおおお!!!」
千束が大慌てでミズキさんを止めに行き、俺は前を向いてため息はつく、そしてたきなの方を見ると、たきなは真っ赤な果実の様に顔を赤くし、固まっていた。
「…大丈夫か?」
「……だ、大丈夫です…。…み、見ました…か?」
「いや、大丈夫だ。見てないよ」
「…そうですか」
そう言ってたきなは千束達の所に向かい、俺もこっそり見ると。
千束はミズキさんに羽交い締めされて、クルミに扇風機でスカートを煽られている様だった。
まあこれは全部千束の自滅とするしかない。
俺は持ち場に戻りつつ、昨日の事を考えていた。
それは昨日ウルフからとんでもない情報を聞き、頭に衝撃が走ったからだ。
この世界に…。