メタルギア・リコイル   作:ライダーGX

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第35話

ラフィング・オクトパスと戦い、奴のスーツの機能を停止させた俺、だがその際ラフィング・オクトパスは自らのスーツを脱ぎ捨て、自らの姿を明かす。

そしてその正体に俺は少しばかり目線を細める。

 

オクトパスの正体はなんと連れ去られた筈のリコリスだったのだ。

目のハイライトが完全に失い、まるで抜け殻の様な感じになっている。それに顔にいくつかのコードが差し込まれていて、まるで機械の様だ。

 

千束とたきなは俺の元に駆け寄りその正体を見て驚いた。

 

「嘘っ!!?」

 

「どうしてリコリスが!!?」

 

「リキッドめ…、捕えたリコリスを自らの捨て駒にしたのか」

 

これだと迂闊に手が出せない。まさかリキッドはこれが狙いで彼女達をBB部隊にしたのか。

 

そう言えばあの時レイジング・レイブンの時もクライング・ウルフの時もどうも武装を使ってこなかった様子だったな。

まさかあの時は戦い慣れていなかった? いやそんな筈はない…仮にも彼女達DAでありリコリス、戦闘訓練を受けてる彼女達なら問題はない筈…。

 

ならどうして…。

 

「進一君!!」

 

「っ!」

 

千束の言葉に俺は思わず前を見ると、リコリスがゆっくりと俺達の元に歩み寄って来て、両手を広げながら微笑みをみせる。

あの行動と様子…間違いない。

 

その様子にたきなが。

 

「大丈夫ですか!?」

 

たきながリコリスを保護しようと向かおうとした時、俺がそれをすぐさま止める。

俺が止めた事に驚いた表情をしながら問う。

 

「進一さん!何故ですか!?」

 

「今彼女に触れるのはやめろ! 精気を吸い取られるぞ!」

 

「えぇえ!?どう言う事!?」

 

千束は俺の言葉を聞いて驚きを隠せないでいた。

 

実際俺も詳しくは分からないが、何故かBB部隊のスーツを捨てた奴らに抱き着かれると気力が奪われるんだ…。ゲーム内ではそれをちょっぴり楽しみな感じにはしていたが現実だと全く違う。

今のBB部隊の能力は俺は全く知らない、もし精気と気力の両方だとしたら取り返しのつかない事になる。

 

だから今は手が出せない!

 

「ヒヒヒヒヒ…! スネーク…笑え…思う存分笑え!」

 

「ちょ、ちょいちょいちょい…!」

 

「本当に…どうしたんですか!?」

 

今のリコリスにどう対応したらいいか分からない千束とたきな、どうしたものか…今の能力が分からない以上迂闊に近づけない。

 

俺が考えたその時だった。

 

「アーハハハハハハ!アーハハ…ッ!」

 

突如そのリコリスが笑いを止め、両膝を膝待つくと同時に彼女の身体から青い炎が噴き出す。

青い炎を見た千束とたきなは驚き、俺はそれを見て銃を下ろす。

 

この様子…どうやら前のBB部隊と同じの様だ。

 

リコリスが燃えるのを見ている俺に千束が叫ぶ。

 

「進一君!!見てる場合じゃないよ!! 今すぐ助けなきゃ!!」

 

「千束、もう無理だ…」

 

「え…?」

 

俺の言葉に千束は思わず俺の方を見て、そのまま俺は燃えているリコリスにゆっくりと歩み寄る。

そして燃えている青い炎が消えて、リコリスは床に倒れるのを俺が何とか支える。

 

だが同時にインナースーツが徐々に灰となって行き、リコリスはそのまま丸くなり、息を引き取った…。

 

その光景を最後まで見た千束とたきなは歩み寄り、そのリコリスが死んでいる事に気が付き、それに千束は…。

 

「…死んでるの?」

 

「……ああ、俺の知ってる前の部隊はスーツを脱ぐと数分間しか生きる事しか出来なかったが、まさか彼女達も同じだったなんて」

 

「そんな…」

 

千束はその事を聞いて崩れ落ちてしまい、俺はそれをただ見つめるしかない。

BB部隊の連中はスーツを脱ぐと数分間しか生きられないとの事だったんだが。俺の知っている奴等とは全く違って数秒しか生きる事が出来ないのか…。

 

「…進一さん、まさか他のリコリスも同じじゃあ…」

 

「恐らくそうだろう…(眠らせれば簡単に終わる筈だけど、リキッド達がこの子達に何かをした事には間違いない…申し訳ない連れて帰って調べるしかない)」

 

俺は死んでしまったリコリスの遺体を抱いて、オタコン達が居る場所に向かった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

俺達が指令室に入って来ると、フキ達が俺達に向けて銃を向けて来た。

その後千束が遅れて入って来る。

 

入って来たのは敵だと思ったのだろう、入って来たのが俺達だと気づいてすぐに銃を下ろし、オタコンが俺の方を見る。

 

「進一、大丈夫かい?」

 

「ああ、ただ衝撃的な事実も分かった…」

 

俺は死んだリコリスの方を見て、フキ達は目を見開く。

 

「そいつは連れ去られたサード!! どう言う事だ!?」

 

「彼女は敵に操られ、操り人形…いや、捨て駒として利用されたんだ」

 

「ハァッ!?」

 

その事を聞いたフキとサクラは衝撃が走り、俺達は重苦しい表情をして言葉を無くす。

千束は拳を握り締めながら黙っていて、俺はその子を近くの壁に置きながらオタコンに問う。

 

「…オタコン、データの方は?」

 

「ほぼ終わったよ…。調べて見たらラジアータの本体もこの施設から無くなっているのが分かった。恐らくリキッド達はそれも使って何か仕掛けるつもりだ。進一…今回のBB部隊だけど」

 

「ああ、リキッド達は捕えたリコリスを兵器にして、俺達に戦わせている…腐った野郎だ」

 

『その通りだ、スネーク…お気に召したかな?』

 

突然メインモニターが起動して、画面にリキッドが映し出され、それに俺達は振り向く。

 

「何だ!?」

 

「誰っすかこいつ!?」

 

フキとサクラはメインモニターに映るリキッドを見て言い、俺はリキッドが出て来た事に前に出る。

 

「リキッド!!貴様…! 捕えたリコリスをBB部隊にしているのか!?」

 

『そうだ…オセロットは何処かに捨てようと考えていた様だが、折角だから兵器として流用させて貰おうと思ったのだ』

 

「貴様…!ふざk「ふざけんじゃねえ!!!」っ!」

 

俺が言おうとした際、フキが怒りが爆発したかのように前に出て来る。

 

「テメェ!!!よくも私達の仲間をさらった挙句!あんな廃人の様な姿にさせやがって!!!」

 

『何を言ってる? お前たちDAは全員捨て駒なんだろう?どの様に使っても構わないんじゃなかったのか?』

 

「んだとぉぉおおお!!!」

 

フキは怒りが爆発し過ぎて辺りの物にぶつけている。彼女の怒りは分からなくもない、俺もこれには怒りが込み上がって来るが、フキの様子を見て冷静さを取り戻した。

 

「リキッド!ここにあったラジアータのデータが消えた、お前が持って言った事はもう分かってる!それを使ってメタルギアを見つける気か!」

 

『フフフ…普通に探しては見つからないからな。俺達が効率良く使わせて貰うだけだよ…それとここだけじゃなく各地のDA本部の所も潰しているから、完全にDAを壊滅させてもらったぞ』

 

「何だと!?」

 

『後で邪魔されても困るからな、だが最後の所は残しておいてやる…精々頑張ると言い、それでは…』

 

そう言ってリキッドは画面上から姿を消して、それに怒り狂うフキが銃を取り出してメインモニターに向けて撃つ。

メインモニターは一発の銃弾でひび割れ、使い物にならなくなったな…。

 

「くっそあいつ!!!見つけたら必ず殺してやる!!!」

 

「リキッドめ…!」

 

俺は拳を握り締めながらリキッドの残忍さ怒りがまた込み上がる。だがこの怒りは奴に取って置く事にしよう。

そう思いながら俺は端末を取り出して、ミラーに連絡を取る。

 

「ミラー、部隊を送り込んでくれ。ここの施設の者達を埋葬する…」

 

『分かった。進一の車を部下に持って行かせる』

 

そう言って俺達はこの場所を後にする前に、ここの人達を弔った後施設を出る。

 

 

 

そしてミラーの部下が俺の車を持って来させて、俺達はリコリコに向けて帰投の道に進んでいる。

 

行きしなとは違い助手席には千束が座っていて、たきなが後部座席に座っている。

その際俺は千束に問う。

 

「…大丈夫か?」

 

「…うん、…ねえ進一君」

 

「ん?どうした」

 

「…私、あの人の考え…理解出来ない。ううん…理解出来る筈がないよ…あんな酷い事が出来るなんて…!」

 

千束はBB部隊にされてしまったリコリスの事を考えていた、やはり千束もリキッドのやり方を見て、少しばかり怒りが込み上がって来てる様だ。

同じ仲間があんな風にされたら黙っていられないもんな…。

 

「進一君…あの人を絶対に止めよう。もうあの人を好きにさせる訳には行かない」

 

「ああ」

 

俺が千束の言葉に同意するように言ってると。

 

「おい…お前」

 

後部座席に居るフキが俺の方を見て問いかけて来た。

 

「なんだ?」

 

「たきなからお前の名を聞いた、撫川進一…か、お前…あいつ等と戦うつもりでいるんだな?」

 

「そうだ…それがどうした?」

 

「…DAを潰し、挙句仲間をあんな風にした奴等を野放しにして置けない…。だから撫川!あいつ等を潰すのを手伝え!!お前に拒否権はないからな!」

 

フキが俺に協力要請を申し出て来た事にサクラは驚く様子で見て、千束とたきなは意外そうな目で見ていた。

 

まあ当然こっちも無視する事は無いからしな。

 

「良いぜ、ただちょっとだけ条件付きだけどな?」

 

「あ?何だと?」

 

っとその事にフキは俺を見ながら問うと、俺は千束はたきなの方を見て言う。

 

「千束、たきな。こういう条件だ」

 

「「??」」

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

翌日、俺達があの後リコリコに戻って来て、フキ達はリコリコに一晩過ごし、俺達がリコリコで仕事をする前にやるべき事が。それは…。

 

「よーし!バッチリじゃない!」

 

「バッチリじゃねえ!!!何で私等がこれを着なきゃならないんだ!!?」

 

千束の言葉に否定的なフキ、それもその筈…なにしろフキ達は今俺達と同じリコリコの制服である和服を着込んでいるからだ。

 

俺がフキ達に協力する条件…それはフキ達がリコリコで従業員として働く事である。

 

「おい撫川!!お前どう言うつもりだこれは!!?」

 

「どう言うも何も、DA本部が潰され、お前等は行き場が無いだろう?あのままあそこに居てもどの道殺されてしまう。だったら世を忍ぶ仮の姿として、従業員に化ける方が効率的に良いと思うんだ」

 

「進一君!流石だよ!後でフキの面白い写真をたっぷりと撮ろっと♪」

 

「おい千束!てめぇふざけんじゃねえ!!」

 

すると千束が「あぁ?!こら!」と挑発的な行動を取り、フキも同じように「あぁ?!こら!」と同じように威嚇するように睨み合う。

 

う~ん…俺からすると犬猿の仲って感じだな? かーなーり仲良しだってサクラから聞いたし。

俺の元にミカさんがやって来て、千束とフキの様子を見て言う。

 

「やれやれ…進一君から提案を聞いた時は驚いたよ」

 

「ミカさん、急な話をしてすいません」

 

「構わんよ、どの道フキ達は私が呼ぶ予定でもあったしな。ただDA本部が壊滅か…」

 

「驚く事態が起きるものね」

 

ミズキさんもやって来て、俺が話した事を呟く。

そして気になる事を俺はミカさんに問う。

 

「ミカさん、クルミの事…話しますか?」

 

「…話す必要があるだろうな、フキの性格なら怒りが先に出てしまうが…」

 

ミカさんはフキの方を見ながらそう言う…。

 

まあ確かに、あいつの性格は昨日見たが、大体そんな感じだろうな…。

 

リキッド…あいつが捕えたリコリスをBB部隊に変えてしまった事、俺は絶対に許さない…必ず報い受けさせてやる!

俺はそう思いながら開店の準備をするのであった。

 

 

 




フキのリコリコ時の制服は千束と同じ赤、サクラとエリカとヒバナのリコリコ時の制服はたきなと同じ青、ほぼ2人と一緒です。
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