メタルギア・リコイル   作:ライダーGX

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第36話

DA本部が壊滅し、フキ達がリコリコ店員として働きだして約一週間。

俺達は情報収集をしつつ、フキ達がこのリコリコで働き慣れるのは案外簡単だったようだ。

 

サクラの持ち前のテンションの高さと、エリカの可愛らしさ、ヒバナの空気の読む所が話題となって繁盛している。

 

そして大きな話題と言えば、フキがお客様と接客をする際に…。

 

「いらっしゃいませ~♪」

 

満面な微笑みの表情をし、かなり人気を取っている。

だが一方で俺達はその普段のギャップの違いに戸惑いを隠せないでいた。

 

それに気付いたフキは笑いながらこちらを見て…。

 

「後で話しするぞ…♪」

 

「「「「「「うっ…」」」」」」」

 

満面の笑みで詰め寄られる感じに何とも言えない感じとなった事は言うまでなかった。いやマジで…。

 

そしてクルミの事も俺達は話し、クルミがフキ達が探しているウォールナットとDAハッキングの事も全て話した。

 

それを聞いたフキが真っ先にキレだし、クルミに銃を向けようとした。

だがそれをエリカは止めた事にフキが驚き、エリカがクルミの方を見る。

 

「あなたがDAにハッキングした事を私は許さない…、でもそれは多分たきなが決める事だと思う…そうでしょう?たきな…」

 

「ええそうです。それにもうこの事は済みましたし、最後まで協力を求めています。拒否権はありませんから」

 

「うぅ~…そこまで言うな」

 

クルミは涙目になりながらも、今までの事にそれ以上言う事は無かった。

 

 

そして俺はと言うと、オタコンとミラーの経過観察の報告待ちをしている。

DA本部を去る際にBB部隊にされてしまったリコリスを回収して、どう言う状態なのかを見て貰う為だ。

 

俺の知っているBB部隊とはまた違う経緯でされているから、それを調べて貰っている。

 

すると端末から連絡が入り、俺はそれを取って出る。

 

ホログラフィック画面にオタコンとミラーが映し出される。

 

「オタコン、ミラー。結果はどうだった?」

 

「うん、こっちで調べた結果、彼女達の体内からナノマシンが検出されたよ、それもかなり厄介なナノマシンだ。

そのナノマシンはリキッド達が自ら操作する事も出来る様に仕込まれているんだ」

 

「奴がナノマシンを操作…?」

 

「ああ、そのナノマシンは自分の意思を完全に封じ、更に別の人格へと変化させると言う驚くべき性能をしているんだ。そして不要となったら処分する仕掛けにもなっている。

後もう一つ、このナノマシンは外部からの影響をかなり受けやすく、気絶や麻酔で眠らせるとナノマシンが使用者を殺す様に仕向けている」

 

その説明を聞いた俺は思わず拳を握り締めた。

 

あいつ…そんな事をしていやがったのか!

 

自らの手で汚して置いて!

こればかりは千束の約束はもう守れない…悪いがあいつだけは俺がこの手で殺る!!

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして閉店時間が来て、ある程度掃除をし、フキ達は休憩をしていた。

 

「かぁ~!疲れた~…!」

 

「ぷはぁ~!」

 

「それ、ここじゃなく家で飲んだらどうっすか?」

 

ミズキが店で酒を飲んでいるのを見たサクラがそれを言う、エリカがレジ締めをし、ヒバナが皆にコーヒーを入れている。

俺は考え事をしている中でたきなが隣に座って来た。

 

「何考えてるんですか?」

 

「ん?実はミカさんからちょっとばかしメニューの相談を受けてな、どうしたらいいか考えてくれって頼まれたんだ。喫茶店らしく美味しいパフェとかアイスとか考えてんだが、今の季節合うのはどれかな~って」

 

「先生がですか…?」

 

「つーかほぼアンタに任せっきりじゃないっすか」

 

エリカとサクラがそれに呟き、サクラの最後の言葉には俺もちょっとは納得する。

確かに最近ミカさん…俺に任せっきりが多くなってる、信用してくれてるのは良いけどちょっと大丈夫? あなたの店でしょう。

 

そう俺が思っていると、千束が俺と同じように考え事をしながらやって来る。

 

「ん?どうした千束」

 

俺が千束に声を掛けた時に、千束が真剣な表情で俺達を見る。

 

「…皆さん。リコリコ消滅のピンチです」

 

「ん?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「「はぁっ!!?」」

 

千束の言葉に俺達全員思わず声が出る。

 

 

 

そして店内の明かりを消し、ミズキさんが一通り確認した後、俺達全員が集まれるように休憩所に入った。

 

「人のスマホを覗き見するんじゃありません」

 

「だって見えちゃったんだもーん」

 

ミズキさんに注意されることに愚痴を言う千束、どうも千束は厨房に入る際ミカさんのスマホのメールが一瞬の間に見てしまった様なのだ。

元々動体視力の高いこいつからすれば一瞬でも完璧に見えてしまう様だ。

 

いや~凄いね…、俺からすればそれはいかんけど…。

 

「目が良いと余計なものを見てしまうんですね」

 

「パンツとかな♪【バゴン!】いて!」

 

クルミの発言を聞いてたきなが思わずおぼんで叩く、クルミ、少しは言葉を閉じろ。

 

「おい千束、どう言う事だ?ここが閉店するって。私等はまだここに来て一週間だぞ!」

 

「あれ~先輩もう馴染んでるんすか?【バシッ!】痛っ!!」

 

フキの言葉にサクラがからかったら、頭を思いっきり叩いて、それにサクラは頭を抑える。

おいおいサクラ…お前もクルミと一緒だな。

 

まあそれはいいとして、俺は千束に内容を聞く。

 

「それで内容はどんな風だったんだ?」

 

「うん、見た限りじゃ“私の事で話し合おう”との事。楠木さんじゃないよね~絶対」

 

「当たり前だろう、この間の本部襲撃で司令とは連絡も取れない上に遺体も見つからない。撫川の言う通り人質にされてる可能性が高いがな…」

 

「じゃあ一体誰なんでしょう?」

 

たきなに俺達は考える、ミカさんのメールか…あんまり気にしない様にはしてるけど、実際の所千束がそう言うのだから本当なんだろうな。

でも一体何故それが何を意味するのかが分からない。

 

「それとここの事とどう繋がるんだよ?」

 

「一応ここはDAの支部みたいなもんだからね、ファーストのこいつが居ないと存続出来ないのよ。でもまあ今じゃDAはないし、存続するにしてもどうにか考えないとね~」

 

「…進一さん、もしかしてあの人たちの罠じゃありませんか?」

 

するとたきなが俺の方を見て、これが罠だと思う感じがすると問いかけて来た。

まあ実際俺もその事に付いてはちょっと考えて見たけど、こればかりは俺は否定する。

 

「いやたきな、リキッドがこんなしょぼくれた考えをするとは思えない。完全に別の人物だよ」

 

「だよね~…。それにここが無くなると皆も困るでしょう?」

 

千束がたきな達の方を振り向き、それにたきな達は頷きながら言う。

 

「そうですね…」

 

「確かに隠れ場がなくなる…」

 

「私等が今後DAとして活動する場が…」

 

「私の男との出会いの場が!」

 

「それはどうでも良いんじゃないっすか~?」

 

その言葉に怒ったミズキがサクラをヘッドロックし、サクラはタップアウトするも緩める気配がない。

お前は言葉を少し控えろ…。

 

「進一君もここが無くなると大変でしょう!?」

 

「ん?まあ~確かにここが無くなると俺やチャドの癒しの場がなくなるな…」

 

「そうでしょう!? だから調べよう!」

 

その言葉にたきな達は頷き、俺も少しは協力しよう。千束の事に付いて若干気になるしな。

 

そしてクルミがPCで検索し始める。

 

「【BAR Forbidden】…検索エンジンにも出ないな……おっ、あった」

 

PC画面に高級バーの画像が出てきた、見る限り完全な会員制バーの場所だな?

 

「会員制の所か…」

 

「先生がそんな所で一体何しに行くんだ?」

 

「入れるんですか?」

 

俺とフキがその事に呟き、たきなが後から言う。

たきな、そこは大丈夫だろう。

 

「コンピューターの神様が居るから大丈夫だろう。もし駄目だったら俺の所の博士に頼むさ」

 

「おい進一、このボクがまだ出来ないって決まった訳じゃないぞ、勘違いするな」

 

「はいはい」

 

俺は適当に返事をし、この会員制のバーを見る。

 

見る限りじゃそんなに潜入しずらい所じゃないな、まあそんな所に入るには普通のスニーキングスーツじゃダメだな。

あれが必要だ…、そう…潜入任務に必要な()()()()が。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そしてマザーベースにいて、オタコンとミラーが死んだリコリスを見ている。

 

「それにしてもリキッドがナノマシンをこれだけ扱えるなんて、思いもよらなかったよ」

 

「ああ、技術面ではこちらが上と思ってたが、やはり上には上がいる。それに体内通信は奴らに傍受されるし、部隊もあっちの方が上…どうしたらいいか」

 

そう考えてると、ミラーの端末に連絡が入り、それにミラーは出る。

 

「俺だ。進一か…どうした? …何?服が必要だって?何の服だ」

 

進一の注文にオタコンも振り向いて聞いていて、そしてその内容を聞いて思わずオタコンとミラーは顔を合わせるのだった。

 

一体進一は何を注文したのか…。

 

 

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