ミカさんの怪し移動を探る為、俺達は今度ミカさんが行くバーに後を付ける事にした。
後を付けると言っても営業時間が終えてからだけど。
仕事がひと段落し、店の明かりを消して置く。
「ふぅ…今日も疲れた~、それに腹減った~」
「うどんでも作りましょうか?」
「おっ、いいね」
「あ、あの…撫川君。うどんに何か欲しい物はありますか?」
エリカが俺の方を見て言う、何故かエリカは少しばかり頬を赤くしており、それに俺は首を傾げる。
何だ…エリカの様子がちょっとおかしいような。
まあいいか、そうだな…軽いかけうどんでもしよう。
「じゃあ普通にかけうd──」
「進一君には激辛うどんで、たきな」
「分かりました」
「えっ!?ちょ!ちょっと待て!!」
急な決定に慌てる俺、おいおい千束!たきな!お前等何勝手に決めてるんだよ!!
辛いのは問題ないが激辛のは無理だぞ!?
舌が麻痺してしまう!!
て言うかよく見ると千束とたきなの目が何やら怖い感じなんですけど!えっ!?なんで!?どうしてそんな目で見るんだよ!?
俺お前等に何かしたか?!
っと俺達が面白い口論をしている中で、ミカさんが軽い荷物を持って俺達に言う。
「それじゃあ私は出かけて来る。進一君、戸締まりの確認…よろしくな」
「あ、分かりました。水やガスの確認しておきますね」
そう言って頷いたミカさんは店を後にし、俺達はと言うと…。
俺以外の者達バタバタと動き出して、俺も準備をしようとすると…。
「そうだそれから電気の消し忘れには…ん? どうかしたのか?」
いきなり戻って来たミカさんに俺以外の千束達は思わず固まってしまう。しかも準備した物を持って。
「いえ、さっさと片付けてうどんを食べたいんですよ。それでミカさんどうしたんですか?」
「ああいや、電気の消し忘れに注意してくれよ? ここ最近じゃあ電気代が高いみたいだからね。じゃあ」
ミカさんはそう言った後に出て行って、その後に千束達は思わず緊張の息を吐いた。
「「「「「「「「はぁ…」」」」」」」」
「……お前等慌て過ぎだよ」
俺の言葉には誰も突っ込まなかった。そう俺が言っているとステルス迷彩を解くブレードウルフが現れる。
『進一、一体どうしたんだ?』
「ん?ウルフか、ちょっとチャドと一緒に店番を頼む。俺達はミカさんを追う」
その言葉にウルフは首を傾げるのだった。
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ミカさんが乗るタクシーに気付かれるの様、俺達は車で尾行していた。
当然車を運転するのは俺とミズキさん、流石に俺だけじゃ足りないからミズキさんの車も出して貰っている。
俺の車に乗るのは千束にたきなにフキにサクラ。ミズキさんの車にはクルミにエリカにヒバナが乗車している。
『進一、角を曲がったぞ』
「分かった」
クルミの指示に従う俺、クルミがタブレット端末でミカさんの乗るタクシーをGPSで追跡してくれているのだ。
これあの人知ったらごめんね?
「それにしても先生、一体誰と会うんだろうね~」
助手席で千束がドレスを着ながら持っているフクロウのペンダントを首に着ける。
肉付きが良い千束がドレスを着ると、なんだかとても色っぽいな…。
っ!おっとまずいまずい…、あまり見ているとこっちが変態野郎になっちまう。これだけは気を付けないと。
「あ、やだ~進一君ったらどこ見てるの~」
「仕方ないと思いますよ、その姿だと誰だって見てしまいますし」
千束が俺の視線に気づいてからかいながらも腕で隠し、同じようにドレスを着込んでいるたきなが髪留めをしながら言う。
赤いドレスの千束に青いドレスのたきな、そして護衛役にはフキとサクラ、2人共SPの様な服装をしている。
因みにエリカとヒバナはミズキさんの車で待機だそうだ。
「たくっ!男って奴はどうしてこう…!」
「あれ~?先輩だってミカさんの事言えな【ゲシュ!!】痛って~~~!!!」
またしてもサクラがフキをからかおうとした、フキがかかとでサクラの足を蹴り、それに痛がるサクラ。
お前…本当に懲りない奴だな?大したもんだよ…。
「まあともかく、ミカさんが行く所に行けば分かるだろな」
「そうだね。にしても進一君、よく“タキシード”なんか持ってたね?」
千束が俺が今着ている服…【タキシード】を見てそう言う、まあな、このタキシードは昨日ミラーと話し用意してもらった物で、フルアップグレードした服装なんだ。
生地は布生地じゃなく、特別製の防弾性と防刃性と合わせ持ったタキシードだ、これ特注はオーダーメイドじゃ出来ないものだよこれ。
「ああ、万が一の時の為、社交パーティーの潜入時に用意していた物だ。まさかここで役に立つとは思いもよらなかったけど」
「フン、それが役に立ってよかったな…」
「どうも。さてと…そろそろ着く頃かな?」
俺達はミカさんが到着した建物…ホテルが見え、俺達もその後を追いかけて行く。
ホテルの突き当りの廊下に辿り着く俺達、サクラが壁を押すとその壁が開いて暗唱コードを入力する端末が出て来る。
「おお~すげぇ!」
「うるせぇぞ千束」
「開いたっすよ」
「流石はウォールナット、様々だな」
近くの壁が扉となっていて、そこが開いて俺達はそこに入る。
「さてと…」
「ミッションスタート♪」
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僕事ハル・エメリッヒは今引き続きマザーベース来ている。
理由はミラーが進一に頼み、回収した空母の最終確認をしに来ている。
空母は現代の空母と同じくらいにアップグレードされていて、更にあの空母には必要としない武装面のアップグレードもしている。
そのお陰か空母は更なる防御力を高める事に成功したらしい。
同時にミズーリやその他の船もアップグレードを終えたとの事らしい。
僕が空母の最終確認をしていると、ミラーが僕の所にやって来る。
「オタコン博士! 調子はどうだ?」
「アハハハ…知っているだろう? 空母の方は海に浮かばせた後、あっちの方での移動式前線基地として活用するだけだね」
「ああ、それとようやく装備類のアップグレードも終わって何とか出来るようにしておいた。進一が不憫がないようにな」
ミラーの言葉に僕は思わず苦笑いするけどね。
でもここも少しは見慣れて来たからちょっと手瀬間に感じて来たな…。
「ねえ、進一にはこの基地の拡張の事…話した?」
「いや、近い内に話そうと思ってる。何しろ見慣れて行くと段々物足りなく感じて来る。もっと広い場所…かつてのMSF以上の基地を建設したい。
同時に船を収容するドックや航空機を発着する事を滑走路付きの空港も欲しい、当然無人機も収容できる整備用格納庫もだ。ゲーム内のベースとなった基地もおさらば出来るような」
「…進一も驚くだろうね」
僕達は進一が知らない所でこんな事が行われていたなんて、思いもよらなかっただろうね。
そう僕達が話し合ってる中で、スタッフの1人が慌てた様子で僕たちの所に駆け寄って来たのだ。
「た!大変です!!!」
「どうした?そんなに慌てて?」
「い!今司令室にある男性が居ますして! その人物がお二人を呼べと!」
スタッフの慌てた様子に僕とミラーは顔を合わせてすぐさま司令室へと駆け寄り、司令室に着くと僕達は目を大きく開かせて驚いた。
何しろ僕達の目の前に絶対に居ない筈の人がいるんだ。
その男性が僕達の方を見て微笑みながら言った。
「知っているか、奇跡って言うのは絶対に起こりえない事はない、信じていれば必ず奇跡が起きるんだ」
「……まさか、貴方が居るとは驚いたよ」
バルカン・レイブン
まさかの男が登場です。
でもこのレイブンは違います。完全な進一達の仲間です。