凄い差www
「いや~見つかってよかったよ」
赤い制服の少女がスマホを撫でながらホッとしている。
俺が見つけたスマホは彼女の物らしく、昼間ここを通った際に落としたらしい、無事でよかったね本当。
しかし…。
「よく踏まれずに済んだな? ここ見る限りじゃ人混みが多いぞ?」
俺は振り向きながら辺りを見る、通行量の多い交差点でもあり、人混みがかなり溢れかえっている。
その中でスマホが無事で良かったな?
「うん!それ私も思った! いや~無事で良かったよ~」
「だから言ったじゃないですか、ちゃんと仕舞っとかないと落としますよって」
蒼い制服の少女が赤い制服の少女に言い、それに赤い制服の少女は頬を膨らませる。
「ぶー…分かってるよ、まさか本当に落とすなんて思わなかったもん」
「あはは…」
その様子に俺は苦笑いする。
何とも楽しい2人組だこと…、でも見た所この制服…昼間見た他の女子高生たちと似てる。
これって偶然か?
俺がそう思っていると、赤い制服の少女が俺に話しかけて来た。
「スマホ見つけてありがとう! あっ!私『錦木千束』って言うの! こっちは『井ノ上たきな』」
「どうも」
っと自分達の名前を言いだした。これは俺も名乗り出た方が良いかな?
「ああ、俺は撫川進一。最近この街にやって来たんだ」
「へぇーそうなんだ! もしかして一攫千金でも狙いに上東して来たとか?」
いや…なんでそうなるかな? 本当の目的は別なんだけどね。
あまり知らない彼女に俺の目的を話す訳には行かないからな。ここはあえて誤魔化そう。
「別にそんなんじゃないけど、都会に憧れてやって来たって言う所かな?」
「ああ~なるほど♪ それなら納得。そうだ!ねえスマホを見つけてくれたお礼をしたいから、私達がバイトしている喫茶店に来てよ。コーヒー奢るよ」
「え?いいのか?」
「うん♪」
錦木は微笑みながら頷いた。
へぇー…彼女のバイト先の所か…、悪くないな…是非行かせて貰おうかな…あっ。
そう言えば忘れてた。
チャド…あいつも連れてやらないとな、家で留守番は寂しそうだし。
「勿論行かせて貰うよ、ただ一度家に帰って書類を置いときたいんだ。ハローワークの書類をね、その後で愛犬も一緒に連れて行きたいから住所だけ教えて?」
「おっ?犬も一緒に? いいよいいよ!撫川君の犬見て見たい! それじゃあこれが喫茶店の住所ね?」
錦木はメモを俺に渡して、俺はそれを見る。
【喫茶リコリコの住所だよ】っと書かれている、喫茶リコリコ…そう言う名前なんだ。
「分かった、それじゃあまた後で」
そう言って俺は錦木達と別れて、家に帰宅した。
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そして俺は自宅に帰った後、書類を置いて、チャドを連れて喫茶リコリコに向かう。
チャドは寂しかったのか、俺にべったりしている。
甘えん坊め。
そうしている内に俺は喫茶リコリコに到着した。
見た所普通の喫茶店と変わらない感じに見える、ここに錦木がバイトをしてる場所なのか? 後“私達”と言っていたから井ノ上も同じかな?
まあそれはいいとして、ここに居てもあれだから入るとしよう。
俺は喫茶リコリコのドアを開けて入り、中を見るとお客が居らず、数名の店員が居る。
それに赤い着物を着た錦木が振り向く。
「いらっしゃいませ~♪ あっ!撫川君!来てくれたんだ!」
「ああ、約束だったから。この犬が愛犬のチャド、犬類はシェパードだ」
「ワンッ!」
「うわ~~!可愛い!!しかもおっきいい~!!」
錦木がチャドに近寄りながら頭を撫でる。
その対応にチャドは尻尾を振りながら錦木の顔を舐めまわす、おほほ…チャドが喜んでる、相当気に入った様だ。
俺が見ていると。
ゾッ!!!
っと何やら一瞬気配がした。それに俺が振り向くと同時に。
「男おおおおおおおお!!!! しかも顔立ちもよしいいいいいい!!!」
緑色の着物を着た女性が俺に目掛けて飛んできた!?
「おおっ!!?」
シュッ!と横にかわした俺は地面に激突した女性を見る、すると即座に起き上がり、俺に目掛けて突進してきた!?
「待てえええええええ!! この機会を逃さああああん!!」
「待て待て待て待て!!? 何か可笑しいぞこの人!!?」
余りにの勢い差に俺はすぐさま逃げる。
その女性は今もなお追いかけ続けてくる、って言うか男が目当てなのかよこの人!?
「ちょいちょいちょい!! ミズキダメだって!?撫川君が困ってるでしょ!?」
「うおおおおおお!!!離せえええええ!!! 折角のチャンスなのよおおおお!!」
錦木がミズキと呼ばれる女性を抑え、その女性は猛烈に暴れる。
俺はその光景を見て思わず唖然としてしまう、この人は一体なんだ…?
すると俺の隣に井ノ上が来た。
「すいません、ミズキさんがあの様な感じになって」
「え?あ、ああ…大丈夫」
俺は井ノ上に振り向きながら言う。
井ノ上は青い着物を着て、ロングヘアの髪をツインテールにしている感じの様子。へぇ…先ほどのとは何だか雰囲気が違う感じだ。
「ぐおおおおおお!!!」
「いい加減にしろ酔っ払い!!」
錦木は未だにミズキって人を抑えている、っておいおい…まだやってんのかよ?
するとカウンターの奥から1人だけ人種が違う黒人の男が出てくる。
「ミズキ、そのくらいにして置け。彼が困っている」
「チッ!後もうちょっとだったのに…」
あともうちょっとってなんだ…?! この人ヤバいなおい。
にしても変わった喫茶店だな? これが普通なのか?
俺がカウンターに座ると、先程の黒人の男性が優しい口調で話しかけて来た。
「さっきはミズキがすまなかったね。私はミカ、この喫茶店の店長だ。これはお詫びだよ」
っとミカさんは俺にコーヒーを出してくれた。これは入れたてのコーヒー…何時作ったんだ?
そしてミカさんは次にミルクを出して、井ノ上に言う。
「たきな、これはその子に頼む」
「はい店長」
井ノ上はミカさんからミルクが入った皿を受け取り、それをチャドに渡す。
チャドは尻尾を勢いよく振りながらミルクを舌を使って飲み始める。
俺はその様子を見て頷く。
「良かったなチャド」
「君の犬かい?」
「はい。俺の愛犬です」
ミカさんの問いに俺はそのまま答える。
「中々しっかりとした犬だ。そう言えば千束から聞いたよ、あの子のスマホを拾ってくれたそうだね。どうもありがとう」
「いえいえ、彼女のスマホが踏まれなくて良かったですよ。ちょっとドジっ子っぽい所があるみたいですが」
「ドジっ!? 撫川君!私ドジじゃないよ!?」
俺の言葉に錦木は慌てて訂正を申し出てくる、それを聞いたミカさんは笑っていた。
すると落ち着いたのかミズキさんって人が俺の隣に座って来て、問いかけて来た。
「ところで君、年齢はいくつ?」
「え?18歳ですが…?」
俺はその問いに誤魔化す事無く、普通に答えた。
って言うか…最初に聞いてくるのはそれか?
するとミズキさんは拳をテーブルに叩きつけた。
ダンッ!
「クソッ!!年下かよ~~!! 出来たらアタシよりもっと上の人いないの~~!?」
「まずはその性格を直せよ…」
っと錦木がそう言ってミズキさんに文句を言い、それにまたしても小競り合いが始まった。
ああ~なんかこれ、ここは日常って感じなんだな。
そう思いながらコーヒーを飲み、少しばかり雑談をしながら過ごした。
そしてお金を払い、店から出ようとした際、錦木が呼び止めた。
「また来てね! 常連になったらここでボドゲ大会があるんだ♪」
「へぇ~、それは面白そうだ。じゃあまた来るからな?」
俺はそう言ってリコリコから出て、自分の家に戻る。
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家に戻って来た俺はチャドにご飯をあげた後、ハローワークの書類を見て、ある事を思い出しながら考える。
俺が思い出しているのは、神様が俺を転生させる際に言った言葉。
『更におまけをプラス2つ追加しておきましたよ。後で見ておいて下さい。』
オマケのプラス2つ。1つはiDROIDだよな、もう1つは一体なんだろう。
それさえ分かればいんだが…。
まあ考えても仕方ない。今日は寝るか。
俺はそう思いながらベッドに向かい、そのまま就寝するのだった。
あっ、風呂…もういいや。