メタルギア・リコイル   作:ライダーGX

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第38話

皆さん…僕事ハル・エメリッヒは今とんでもない状態に今突入しています…。

 

今現在僕はミラー達が居るマザーベースでの司令室でとんでもない人物と今対面している

それはかつてシャドー・モセス島でスネークと戦い、死んだはずの巨漢のシャーマン…バルカン・レイブンが居るんだ。

 

でも彼から敵意の気配が全くなく、それどころか僕達に微笑みながら接してきている。

 

これはとても驚く事態だよ、普通じゃこんなのはあり得ない。

するとレイブンは笑いながら僕達に歩み寄る。

 

「ハッハッハッハッハッ! 驚くのも無理はないだろう。何しろ俺はお前たちの知っての通り、スネークとの戦いに敗れ死んだはずの男だ。だが俺が此処に来たのはちゃんとした訳がある」

 

「ちゃんとした訳? 何だそれは」

 

僕の隣に居るミラーがその事を問いかける。

レイブンはミラーの問いかけにちゃんと答えた。

 

「俺が此処に来た理由…それはお前たちのサポートと部隊の指揮、撫川進一の更なる訓練だ」

 

「進一の訓練?どう言う事?」

 

「リキッド大将の事はもう知っているだろう?あれだけの戦闘力を持つ大将に勝つなんて到底無理だ。それを見た女神は更なる試練の為に俺を寄こしたんだ。いくらザ・ボスに鍛えられたとは言え、数ヶ月間は鍛えてない様だしな」

 

「なる程な…だがそれだけで進一を強くさせる事は出来るのか?」

 

ミラーの考えに木も少なからず同じ意見だった。確かにそれで強くなれるとは言えすぐには強くなれる事は出来ない筈…。

その考えに彼は答えてくれた。

 

「勿論できる。俺のやり方はVR訓練で行う事だ、大将との実力差を確実に見せる為…少しばかり乱暴なやり方で行く」

 

レイブンの言葉を聞いた僕とミラーは互いの目を合わせるかのように見て、少しばかり不安な様子もある事に疑問を持つのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

俺達はミカさんの後を追いかけてバーの中に入った。見た所かなり高級感のある内装…どれも会員制の中でもトップクラスのバーだ。ミカさんはこんな所を何時も出入りしているのか?羨ましいぜ。

この金の使い込みだとかなりの業界のトップと政治家の人間が出入りしている可能性もある。

 

受付の所に行き、スタッフに話しかける。

 

「ようこそいらっしゃいました。失礼ながらお名前を教えて貰ってもよろしいでしょうか?」

 

「わさび のり子」

 

「蒲焼 百合子」

 

「烏丸 紗矢」

 

「岡部 しべこっす!」

 

千束、たきな、フキ、サクラの順で偽名を名乗った後、最後に残った俺が偽名を使う。

 

 

 

「桐生 一馬」

 

 

 

っと俺が偽名を言った瞬間、通信越しで聞いているクルミたちから笑い声が飛ぶ。

 

『プハハハハハハハ!!!なんだその偽名!?』

 

『アンタもう少しマシな偽名はないのかよ!』

 

……あんた等に言われたくないわ。俺は心の中でそう思った。

ミズキさんとクルミが口論が飛び合う中で、受付のスタッフが確認を終える。

 

「確認致しました、桐生一馬様。ご案内します」

 

『マジか!!』

 

『本当に通っちゃった…』

 

『カカカカッ!データしか信じない人はどんどんバカになるな! お前等も気を付けろ~?』

 

通信越しで馬鹿馬鹿しい会話をしている中で、俺は目線で周りを確認する。どデカい水槽に高級そうな酒、更にはそこら辺では手に入らないソファーもある。

 

此処は外界から隔離されている様な場所だな。さっきも言ったがこんな所を出入りしている奴等がマ・ジ・で!羨ましいぜ…。

 

そして俺達は近くのソファーに座り、スタッフが俺等のグラスにシャンパンを入れて去った。俺はシャンパンが入ったグラスをテーブルの上に置く。

サクラがそれを飲もうしたが、フキがそれを止めるかのように足を踏む。

 

足を踏まれたサクラは思わず痛がった。

 

「先輩!ちょっとぐらい良いじゃないっすか!」

 

「馬鹿野郎…私達は今仕事に来てるんだぞ? いざって時にどうすんだ?」

 

「ちぇ~…ならアンタが飲むっすよ?ほらほら」

 

サクラが俺にシャンパンを進めようとした、だが俺はそれを拒む。

 

「悪いが俺は飲まないぞ」

 

「なんすか!乗り悪いっすよ!」

 

「俺は車で来てるんだぞ、そこの所理解してくれよ。それにちゃんと日本のルールを守らないとな、【車に乗るなら飲むな、飲んだら乗るな】ってな」

 

「んな事しなくても、私が運転するぞ」

 

フキが帰りの運転をすると言い出して来た。だがそれを俺は拒否する。

 

「それも悪いがさせるつもりないよ。一応18歳未満に運転させるつもりはないし、免許を持ってない者に運転させるつもりもない。これも日本のルールを守ってもらうぞ」

 

「私達はリコリスだぞ」

 

「それは仕事の事でだろう?こればかりは関係ない」

 

俺はそれを言った直後にたきながミカさんが来たのを確認して、俺達に言う。

 

「店長が来ました」

 

「うわぁ、先生なんかめっちゃ決めてんだけど」

 

「…格好いい」

 

ん?今言ったのフキか? そう思った俺はフキの方を見ると、フキは頬を赤くしながら見ていた。

すると俺の視線に気づいたフキが俺を見て睨みをかまして来た。やれやれ…そんなに好きなら言えば良いのに…。

 

そう思った俺は視線をミカさんの方に向く。

 

するとミカさんの元に誰かが来たぞ…。相手は…ん?あれって吉松さん?

 

ミカさんの元にやって来たのは吉松シンジさんだった。

最近見ない吉松さんがミカさんと飲みに来ていたって事か…、すると千束とフキが…。

 

「私とした事が…」

 

「え?」

 

「う、嘘だろう…」

 

「先輩?」

 

何故かうなだれる様な感じとなり、それに少しばかり戸惑うたきなとサクラ。

 

『たはー…。逢引きだなこりゃあ…』

 

『はぁ?おいちょっと待て、ミカは“あっちの方”なのか!?お前らそれ先言えよ!』

 

「何言って…って!嘘っすよね!?」

 

『まさか…』

 

『先生はそっち系って事…?』

 

ミズキさんとクルミの会話にサクラもエリカもヒバナもようやく理解が出来て、ただ一人理解に追いついていないたきなが分からないでいた。

 

「え?どう言う意味です?進一さん。どう言う意味ですか?」

 

「…千束達が言っているのは【同性愛者】って事だよ。(千束達はそんな感じに見えるかも知れんが、俺はそうじゃない気がするな…あれは秘密の話しをする為の場にはもって来いの場所だからな…ここは)」

 

俺はそう思いつつここに長居は無用と判断し、千束達共にここを後にする。

一方フキが何やら愕然した様で、ブツブツと呟いていた。恐らくは「あり得ないあり得ないあり得ないあり得ない…」とそう呟いているのだろう。

 

本当に分かりやすい奴。

 

その時だった。吉松さん話が俺達の耳に入る。

 

「手術後、私はキミにあの子を託した。その意味を忘れたのか…。何のために千束の命を救ったと思っている。あの心臓だってアランの才能の結晶なんだぞ」

 

「え?ヨシさんなの…?」

 

千束が足を止め、俺は千束の方を向き、俺もミカさん達の会話を聞いていた。

 

「ミカ。あの子を何時までもあんな所に居させるほど、私は我慢強くないぞ」

 

「…分かっているよ」

 

「(…まさか吉松さんが?)…千束」

 

「うん…」

 

俺達はミカさんと吉松さんの所に行き、それにたきなたちは俺達の行動に驚きながら見る。

 

そして俺が声を掛ける。

 

「ミカさん、吉松さん」

 

「っ!進一君!千束…!」

 

「…ミカ」

 

「ち!違う!」

 

吉松さんに睨まれ慌てて否定するミカさん、それに千束が謝る。

 

「ごめんなさい!先生のメールが見えちゃったから」

 

「千束を責めないで下さいミカさん。それと吉松さん…お久しぶりです」

 

「…やあ、まさかこんな所で会うとは思わなかった」

 

一応挨拶をする俺、だがこの状況だ。あまり芳しくないだろうな。

 

「でも今の話…ちょっとだけ、ちょっとだけヨシさんと話をさせて!」

 

どうしても千束は吉松さんと話がしたい様だ。俺も一応千束の理由をミカさんから聞いている。

 

千束は自分の命を助けてくれた恩人にお礼を言いたいとの事。それが10年間も探し続けた理由だと…。

 

「あの…ありがとうございます、貴方を探してて、手術後のお礼…言えてなかったから」

 

「…それに答える事は出来ないのだよ」

 

「え?」

 

「対象者の接触は禁じてる。そう言う決まりなのだ」

 

千束の言葉に聞く耳を持たないかのような言い草、…なるほどな、ちょっと吉松さんのイメージが急激ダウンした感じだ。

 

「そう…なんだ、あの!頂いた時間でヨシさんみたいに誰かを…」

 

「知ってるよ、だが君はリコリスだろう。君の才能は…」

 

「ちょっとよろしいでしょうか吉松さん」

 

吉松さんが話している途中で俺が割り込み、千束達は俺に振り向き、吉松さんが俺の方を向く。

 

「…何だい?」

 

「…出来ればお話をさせて貰えないでしょうか? 二人っきりで」

 

「え?進一君…何を」

 

「…フッ、良いだろう」

 

そう言って吉松さんは移動して、俺はその後に付いて行き、千束達はそれに唖然としながら見ていた。

ミカさんもそれに騒然としながら…。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

俺と吉松さんだけとなり、席に座りながら吉松さんは俺の方を見る。

 

「それで、一体話って何だい?」

 

「大した事じゃありません。ただあなたはアラン機関でありながら何故そこまで才能とやらにこだわるのです? 才能なんて大半が努力の結晶です」

 

ミカさんの情報通りなら、アラン機関は才能のある者達を探し出し、それを世に送り出しているとの事、最初はウルフから聞いたがミカさんの話を合わさると思ってしまう。

だが所詮そんなのは99%の確率が努力で、僅か1%がその天才的な能力の一部だ。

 

しかし吉松さんの答えは意外なものだった。

 

「…君はまだ知らないだけだよ、この世には神に選ばれた才能がわんさかいる。千束もその内の1人だ」

 

「…どう言う事です?」

 

「彼女には素晴らしき才能がある。それは彼女自身が持っている……()()()()()がね」

 

…は?殺しがあいつの才能? バカな…そんなのが才能な筈がない。

殺しなんて訓練すれば誰だって出来る。知らない内に教え込まれたらな…。それにそんなのあいつが仕込む筈がない。

 

「見た所ミカは千束を甘やかしている様だ、千束は居場所はあそこではなし、あれでは才能を発揮出来ない。君からも言ってくれないか。千束を…」

 

「吉松さん。アンタはどうやら見抜く所を間違えてる様だ」

 

「…どう言う意味だね?それは…」

 

「俺は千束と知り合ってまだ半年程度ですが、千束に殺しの才能なんてある訳がない、戦いなら俺と同レベルです。しかし殺しの才能の方は全くの皆無…弾避けが上手いだけ」

 

「馬鹿な…そんなことは無い。それこそが殺しを成立させる唯一の才能…」

 

俺の言葉を否定させる様に言う吉松さん、どうやら俺は吉松さんとは良い関係に慣れそうにない。最初は良い人だと思ってたが…中身は偽りの臭いを漂わせる詐欺師の様な男だ。

そんな奴の言葉…納得出来る筈がない。

 

「才能ばかり言っている様ですが、そんなものばかり固執していたら周りが見えなくなる。それはあなたが一番よく知っている筈…」

 

「それはないね…撫川君、君はさっき戦いが君と同じと言っていたね…。それは一体如何意味かな?まるで君は…」

 

「俺は別組織…フィランソロピーのエージェント、あんた達では調べることが出来ない場所に居る者…と言った方がいいかな?」

 

包み隠さず、彼に話す…。何故かその方がいい…。

 

「ほう…悔しいね、私達が知りえない組織があるとは…。それに君も何かしら才能があるよだね」

 

「ふざけないで欲しい。俺にそんなもんはない、あったとしても俺は才能にうぬぼれるのは御免だね…」

 

「…勿体ない、折角の才能を自ら潰すなんてね」

 

そう言って吉松さんは立ち上がって、俺の方を見る。

 

「私はこれで失礼する。ミカによろしくと伝えておいてくれ。後君には期待してるよ…撫川君」

 

「期待しないで欲しい…」

 

俺はそう言い残し、吉松さんはそのままバーを後にするのだった。

 

…本当に胡散臭い人だ、まさか本当に才能に固執している人間がいるなんてな。まして千束の才能が殺しの才能…?あり得ない。ただでさえあいつが死を見るのも辛いのにそれを才能があるとか馬鹿馬鹿しい…。

仮にあったとしてもあるのは弾避けの方だろう。それに関しては俺は訓練で何とかなった。

 

まあこれはいいとして、今後吉松さんの行動…探った方が良さそうだな。千束に変な虫がうろつく前にな。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

俺が戻ると千束達と一緒にミカさんが座っていて、俺はその近くに座る

千束が俺の隣に座って来て問いかけて来た。

 

「ヨシさんと何を話したの?」

 

「…ちょっとばかりの口論だ。どうやら俺は吉松さんとあまり合わない様だ」

 

「…そう」

 

俺の話を聞いた千束は少しばかり暗い表情になる、そりゃあそうだろうな、命の恩人と口論となったら暗い感じになる。

 

「…すまなかった進一君」

 

ミカさんがその話を聞いて謝って来た、って言うかやめてくれ。逆に話しづらい。

 

「ミカさんが謝っても困りますよ」

 

「シンジとはそう言う条件だったんだ。千束を助ける時のな」

 

「だとしても俺に謝られては困ります。それにそう言うのは千束に言う物でしょう」

 

「…だよね、それにしてもやるなぁ先生!この千束を欺くとは!」

 

その言葉に千束は頷きながら微笑んで、指鉄砲の形を取りながらミカさんと話す。

 

「すまない…」

 

「いひひ!いいって~!気にすんなよぉ!」

 

千束は穏やかな表情をしながら謝るミカさんを慰める。全く千束のこの表情には誰もかなわないだろうな…。

 

「あり得ないあり得ないあり得ないあり得ない…」

 

「何時までやってるんすか?先輩」

 

フキは未だにミカと吉松さんとの仲に納得出来ずにいて、うなだれていた。

…本当に分かりやすい奴だな…お前。

 

 

 

 

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