いつものリコリコで働いている俺は店に突如やって来たレイブンに驚きを隠せなかった。
当然千束とたきなにレイブンの事を聞かれて、俺は少しばかり話した。
レイブンは元特殊部隊出身、アラスカ大学も出て知識力がかなり高いと話す。
それを聞いた千束は驚きながらも「味方なんだね!」と納得した様子で終わらす。たきなは若干怪しながらも千束の考えを聞いて納得する。
だがそれを妙に納得しない者もいる。
それはフキ達だ。
余りにも見た目が怪しすぎる上、そんな肩書がある人物が怪しくない訳がない…と言うのがフキ達の言い分。
まあ実際あんな風な刺青を入れてる人物が味方と見えるのがおかしな感じになるのは間違ってはいないけど…。
だが実際あのバルカン・レイブンは味方…。俺も最初は疑ったが…暫くして完全に疑いは晴れたからいいのさ。
そして俺はマザーベースに来ていて、完成した空母の所に来ていた。
以前回収した空母は完全に錆が無くなり、外見が綺麗になって最新空母と同じくらいになっている。更に武装面も大幅に増えて防御力が上がっている。
同時に艦内に放棄されていたあのF-14も大改修されている。目立っている垂直尾翼が小さく斜めになって、レーダーの索敵に感知されにくくされている。
更にコックピットガラスも今の流体力学に応用したのに交換しエンジン部も最新鋭の物になっている。
シートも座り心地の良い物に交換され、計器類も今の戦闘機の同様の物の交換された。
「凄いな…これはこれで」
「だろう進一、これならばあっちの世界で日本以外の場所に対応できるようになった。万が一メタルギアや月光とウォーカーが国外に送られたとしても、俺達が対応する」
「ああ、そっちの方は頼む…」
まあそっちの方がミラー達に任せた方がいいからな…。俺はそう思いつつレイブンの訓練を開始するのだった。
そして別の場所では…。
吉松シンジが出された食事を終え、彼の秘書である【姫蒲】がグラスにワインを入れた。
そして吉松シンジは姫蒲の方を向く。
「美味かったよ姫蒲君。君は料理の才能がある様だね」
「もしコックの道を選んだら、機関は支援しましたか?」
姫蒲の言葉に吉松シンジは微笑みながら言う。
「いや、機関から支援する才能は神からのギフトだ。選ぶ事など出来ない…生まれながら役割が示されている」
「人生の選択を探す必要はありませんね」
「そう…幸福な事だ」
っと吉松シンジはワイングラスを持ちながら言っていると、ある人物の言葉を思い出す。
───才能なんて大半が努力の結晶です。
それは進一が以前言った言葉であり、才能が万能ではないと言う事を示している。
吉松シンジはそれを思い出してしまい、思わずワイングラスを置く。
それを見た姫蒲は問う。
「どうかなされましたか?」
「…いや、何でもないよ…(…私は信じている。才能は神からのギフトである事を…、努力何て無駄なものだよ)」
吉松シンジはそう思いながら夜の月を見ながら思うのだった。
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そして翌日、今日もリコリコで営業を続けている俺達。
千束が自身の自慢である【千束スペシャル】を常連客に提供している、しかも常連客がそれを追加で頼んで来たのだ。
「はいはい~!たきな~フキ~、千束スペシャル3つ!」
「何が千束スペシャルだ…!」
「ハハハ…、ん?」
すると何やら深刻そうな顔をするたきなを見る、一体どうしたんだ?
「たきな、どうした?」
「…進一さん、不味いです…このままじゃあ」
「え?」
たきなの言葉に俺は思わず声が出てしまう。どう言う事?
そして営業終了後、俺達は休憩所でたきながPCでリコリコの経営費のグラフが完全に赤字になっているのが映り、それに俺達は思わず言葉を無くす。
「…マジ?」
「はい…マジです、依頼から得たお金を合算してもこれです。銃弾や移動の経費などはどうしてるんですか?」
たきながその事をミズキさんに問いかけ、それにミズキさんが答える。
「以前DAからの支援金があるのよ、千束のリコリス活動費ってのに」
「…完全に足出てますよね? それにそのお金は一体何処から?」
「それは進一君の組織の方からよ。後弾の方は…こいつが高い弾をやたら撃つからよ!」
っとミズキさんがビシッと指先を千束の方に向け、それに千束は言葉が出なくなる。
「更にあのパフェも結構金取るよな?」
「ああ、馬鹿なこいつがやりそうな事だ」
クルミとフキが千束のやり方の事を言い、更に言葉が出なくなる千束。
「独立していると言いながらお金はDAに頼ってたと…。でも知っての通りDAはもうないんですよ?」
「うぅ~楠木さんみたいな事を~、私だってDAがもうない事だって知ってるもん。でも皆の為にあれが必要なんだも~ん」
「…千束、一応俺の組織が渡したあの弾使ってるだろう? それなら一応弾の節約になるんじゃないのか?」
「アハハハ!何言って…………あ」
千束はどうやら俺の言葉を聞いて、その事に思い出した様だ。その様子を見ると使っていない様だ。
その事に俺はため息を吐き、それを聞いたミカさんが問う。
「あの弾と言うのは?」
「以前千束達が射撃訓練している際に非殺傷弾を見せて貰ったんです。そこで俺達の組織で改良した非殺傷弾を渡したんです。結構真っすぐに飛びますよ」
「勿体ないと思って、使ってなかったんですか?」
「うぅ…だって進一君の組織のお金の事を考えると、ちょっと遠慮しがちになって…」
「何だそりゃ…」
千束の呆れた言い分を聞いた俺はただ呆れてしまう。
やれやれと思いながらも、その様子を見ていたたきなが。
「…分かりました。以後私がリコリコの経理をします!」
「え?たきな出来るの?」
エリカが問いかけ、それにたきなは頷く。
…まあたきなが経理を担当するなら俺は文句はないが、でも何でだろう…妙に心配になりそうな感じは?
「進一さん、しばらくは弾と移動への経費はそちらの方でお願いできますか?」
「ん?ああ…問題ないけど」
「助かります、後の方はこっちが的確にやりますので」
たきながそう言う言葉に俺は言葉が止まった。
本当に大丈夫なのか…?