「よいっしょ…、ふぅ~…これで全部かな?」
必要な荷物を新たな隠れ家に持ってきた俺、なぜこうなったかと言うと。
前回俺はマンションに忘れ物を取りに戻った際、そこに真島が居たのだ。奴が言うにはミラー達の事を調べていたらしく、正体が掴めず、最終的に俺の居場所を特定したのだとか。
それでこの事を千束達に話した結果、今のマンションは危険だからと別の隠れ家に移り住む様に言ってきたんだ。
まあその際オタコンがリコリコの近くにある古い家を隠れ家にするといいと言って、千束達もそれに賛同して俺に進めた。
…結果的にあのマンションを捨て去るしかなったな。正直言って後の解約面倒なんだよなあ~…。
実際かなり手間がいるから。まあそこの所はいいとして…問題はこの中だな。
中身の方は悪くはないが、掃除が全く出来ていない。これでは住む事は出来ないぞ。
「さて…どうするかな~」
俺がそう思った時だった。オタコンのお陰で修理が完了した端末から通信が来て、それに俺は出るとミラーが画面に出て来る。
「どうしたミラー?」
「進一聞いたぞ。前の家がテロリストにバレて隠れ家に移り住む事になった様じゃないか」
「オタコンからか…そうだよ。今そこに居るんだが…掃除が行き届こうってない。すぐに住むのは無理だ」
「よし!なら仔月光をそちらに送って掃除をさせ、後は隠れ家の補修工事をさせる」
「補修工事?」
ミラーの言葉を聞いた俺は思わず首を傾げた。掃除ならまだしもどうして補修工事が必要なんだ?
住む程度なら掃除だけで良いと思うんだけど。
「古い家だったら多少雨風は凌げるが、耐震強度も心配だし柱の方も見て置きたい。人だとある程度見ても何処が傷んでいるか分からんし区別が出来ない。
その点無人機ならサーチで調べる事が出来て、更には不眠不休の心配もない。24時間フルで活動出来るからな、それに小さいから屋根裏の状態も調べられるぞ」
「こういう時の無人機は役立つな。分かったすぐに送って欲しい」
「よし来た!」
するとミラーは大量の仔月光を俺の元に送り付けて、俺の目の前に大量の仔月光が現れる。
しかもねじり鉢巻きを付けて…大工のつもりか?
俺が考えていると仔月光は作業を始めて、掃除と補修工事を開始した。
仔月光が屋根裏に入り、所々の傷んでいる所を補修し始める。
うん…これなら数日は片付くだろうな。
でも千束達にはちょっと悪いかもな、手伝うって言いながらも無人機に任せて済ませたんだから。
俺はそう思いながら今度はガレージの方を向かう。
ガレージにも仔月光が掃除を補修工事を行ってくれてる…、もう雨風の心配はないな。
そう思いながら俺は食材の買い出しに行く為、車に乗ってスーパーに向かう。
あと因みにだが現在チャドの方はリコリコに預けてる。ちょっと荷物を運ぶ際にお邪魔になるからね。
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スーパーである程度の材料を買った俺は車に戻り、前の家に行こうとした時だ。
スマホから着信が来て、それに俺は見ると着信元はたきなだった。
たきなからだ…一体どうした?
首を傾げつつも、俺は電話に出て、たきなと話す。
「ようたきな。どうした?」
「進一さん。今何処ですか?」
「今○○のスーパーにいる。買い物をしていてな」
「その場所は…丁度良かったです。実は千束と連絡が取れないんです。今リコリス行きつけの病院に居まして、定期健診なんですよ今日」
たきなの話を聞いた俺は思わず目を細める。
連絡が取れない…それに定期健診。…何か引っかかる、別に大した事じゃないのに何故か引っかかる感じがする。
「分かったたきな、この距離だとすぐ近くだから先に見て来る。たきな達は後から来てくれ」
「はい。それじゃあ」
そう言って電話を切り、俺は車のエンジンを掛けてリコリス行きつけの病院へと向かう。
数分後、俺はリコリス行きつけの病院に着いた。
降りて中に入ると同時に奇妙な気配を感じた。この感じは…敵意を感じさせない静かな殺意?何でこの病院内でそれがあるんだ?
そう思った俺は端末からM9と無限バンダナを取り出す。無限バンダナは頭に付けずに腕に巻き付ける。
頭に付けなくてもこうすれば効果も出るからな、そう思いつつ構えながら千束のいる場所に向かい、千束のいる部屋に俺は中に入ろうとした時だ。
別の看護師が千束に何かをしていて、それと同時にその看護師が俺に向かって銃を発砲して来た。
「おっ!」
ギリギリの距離で躱しつつ俺は接近し、相手に手首をひねりながらCQCでその看護師を床に叩きつける。
だがそれを受け身を取りながら距離を取り、同時に蹴りを放ってくる。
その蹴りを俺は受け流して前蹴りを放ちながら対処する。
この看護師…素人じゃない。完全に戦い慣れている…一体何者だ?
俺と看護師は一旦距離を取り、睨み合いをしているとたきな達がやって来る。
「進一さん!!」
「おい千束!無事か!?」
「…チッ」
舌打ちをした看護師は戦うのをやめて、窓を割りながら飛び降りる。
丁度此処は2階、多少足をくじいてしまうのだが、その看護師は平然と着地してその場から立ち去る。
しかし俺はそう簡単は逃がしはしない!
「たきな! 千束の側にいてくれ。俺は奴を追う!」
「はい!」
そう言った俺はたきな達に任せて看護師が飛び降りた窓から飛び降りて、地面に着地しながら奴を追いかける。
追いかけると同時に無線でブレードウルフに繋ぐ。
「ウルフ!近くにいるなら逃げている看護師を追跡して誘導くれ! 銃を持ってるぞ!気を付けろ!!」
『分かった!』
ウルフの誘導で俺は逃げている看護師の後を追いかける。
そして看護師は古びた廃工場跡地に逃げ込み、奴を追い詰めた! 看護師は逃げ場が無くなった事に俺に銃を向けるが、俺は実弾でその銃を撃ち、弾き飛ばした。
「チッ!」
「さ~て…一体何者だお前は」
そう言いつつ銃を構えて近づいた。っがその時だった。
カチャ!バンッ!!
「っ!!」
謎の撃鉄の音を聞いた瞬間一発の銃声が俺の元に来て、俺は瞬時に躱してバク宙しながら後退し、近くの柱に裏に隠れる。
看護師も突然の銃撃に驚いている。
「おい、何をしている…さっさと退け」
初老の男性の声が上の階から聞こえ、その看護師は一瞬驚くも看護師はその場を去って行く。
それを陰から見た俺はすぐさまウルフに連絡する。
「ウルフ!あの女が逃げる!追跡してくれ!!」
『駄目だ進一! 謎のジャミングが発生していてセンサーが反応しない上に視認できない!』
「何!?」
「無駄な事だ。こちらの技術を使えばセンサーの妨害も容易い事だ」
その喋り方…まさかあいつは。
「お前…オセロットだな!?」
俺の言葉にシングル・アクション・アーミーを構えているオセロットが小さく笑う。
「フフフ、今は退け…エクシード・スネーク。お前が今やるべき事は此処じゃない!」
「何だと!どう言う事だ!?」
「時期に分かる…。また会おう!」
そう言ってオセロットはその場を去って行き、俺は柱の陰から出てM9をしまう。
「クソッ…オセロットめ、余計な事をしやがる。っ!そうだ! 千束!」
大事な事を思い出した俺はすぐに千束達の元に戻る為、走りながら病院へと向かうのであった。