たきなからの連絡を受け、リコリス行きつけの病院へと来た俺。そこで千束に何かをしている看護師と遭遇、その看護師と戦闘となり病院から逃げ出した。
俺はそれを追いかけ、廃工場に追い詰めたがオセロットの妨害により逃がしてしまった。
クソッ…あいつめ、一体何がしたいんだよ。
だがそんな事を考えている暇はない。俺は千束の安否が心配な為、急いで病院に戻る。
そして戻って来た際にはミカさん達が既に着いていて、その際千束は目を覚ましていた。
千束は俺の方を見て微笑んだ。
「進一君」
「千束…大丈夫か?」
「うん、何とか…まだ頭がボーっとするけどね」
その言葉に俺は少しだけ緊張が解ける。だがまだ安心はできない…あの看護師が千束に何をしたのかが気になる。
俺達は千束と山岸先生の話を聞いていた。
「麻酔の影響でまだしばらくボーっとするけど…、時期に効果が切れるわ」
「……何されたの? 山岸先生」
千束は自分の胸の手を当てながら山岸先生に問いかける。
「…あの女。急激な過充電の影響によって人工心臓へのアクセスが出来なくなった、もう充電出来ないよ。手っ取り早い方法だけど…的確な破壊方法だね」
「…マジか~」
その言葉を聞いている俺はもしやと思った。まさかあの看護師の女がやったのは人工心臓の破壊?って事はあいつはまさか…。
「後どのくらい持つの?」
「丁度充電が完了した時だから、持って2ヶ月って所ね。何もしなければほんの少しだけかね」
「…2ヶ月? ちょっと待ってください…一体何の話なんですか!?」
「余命だ」
ミカさんの言葉に俺達は振り向く、千束の人工心臓の充電が出来ない以上…もう余命宣告を受けても仕方ないって事かよ。
「そ!そんな!なら壊れた所を交換すれば!」
唯一動揺を隠せないたきなは変わりがあるかどうかをミカさんと山岸先生に問いかけた。しかし2人の言葉は…。
「出来ないんだよ…。悔しいけど私達の技術と知能ではどうする事も出来ないんだよ」
「…だから千束の人工心臓の代わりは無いんだ」
2人からの冷たい言葉…、俺もミカさんからは聞いてはいるけど耳が痛い。アラン機関が作り上げた人工心臓、その破壊方法を知っているとすればあの看護師の女はアラン機関の人間。
だとすれば合点が良く。もしかしたらアラン機関は千束が思うように動いていない事を見て人工心臓の破壊を行ったんだと思うな。
これを実行した奴は大体検討は付く。恐らく実行した奴は…吉松シンジ。
あの詐欺師が千束の人工心臓の破壊をあの女に命じたんだろう。
するとたきなは俺の方を見て問いかける。
「進一さん!あの女は一体如何しましたか!?」
「…オセロットの妨害で逃げられた」
「何!?」
俺の言葉をミカさん達は驚いた、オセロットがあの女を助けた事を聞かされたら驚くだろうな。
当然山岸先生はその事に何のことかさっぱりな感じだが。
だがそんな事よりだ…。
「分からないな…何故リキッドの組織の人間であるオセロットがあの女を助けたのか」
「り、利用価値があったとか?」
エリカの言葉に俺は少しだけ考える。利用価値…いやあいつ等はそんな事の為に助ける筈はない。
リキッドの目的はメタルギアを手に入れ、愛国者達を作って世界を管理する事…。
だから利用価値などは…。
「進一君。そんなに考えなくていいよ」
「何?どうしてだ?」
「どうしてもなの…。それに…私のこれ、元々そんなに長くはなかったから」
「…元々?」
たきなは千束の言葉に引っ掛かりを感じている。それは俺も同じ…いや、千束の目を見れば分かる。
千束…お前、生きようとする気力をどこか置いて来てる…、そんな雰囲気をまとってるぞ。
「…さあ!帰ろう!」
「おい千束。何勝手に終わらそうとしてるんだ」
「はいはいフキ。私が良いって言ったら良いの」
「おい千束!!」
フキは怒鳴りながら千束に近づこうとするが、それをミカさんが止める。
「フキ…今は抑えてくれ」
「先生!?」
「ミカさん。貴方…」
ミカさん…こればかりはフキと同意だと思う。
そう簡単に割り切れるような感じじゃない。一大事の時なんだ…もっと心配した方がいいと思うが…。
そう思いつつも俺達は千束がさっさと帰る準備をしている為、それに乗る他なかった。
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そして翌日、通常通りの営業をしている俺達。千束はいつも通りに振舞っているが、たきなだけがどうも腑に落ちない表情をしている。
無理もないか…千束の人工心臓が壊れ、2ヵ月しかない余命…それを千束は受け入れている。
だが残された者達には納得が行かない。
当然だろう普通…。いきなり浸しい人が死ぬなんて納得しない筈がない。
どうにかして千束を助けたい…でもアラン機関の人工心臓はミカさん達の技術では直せない。
俺達の技術で調べて直してやりたいが、下手に俺達の本当の正体を明かす訳には行かない…。
一体如何したらいいのやら…。
そう考えていた時だった。エリカが手にある封筒を持って俺の所に来る。
「撫川君。貴方にお手紙が来てますよ?」
「ん?俺に…?」
エリカから手紙を受け取る俺、休憩室でその封筒を開ける。
手紙の内容にはこう書かれていた。
『突然のお手紙ごめんなさい、でも時が来た…。今からここの場所に来て欲しいの。
勿論あなただけじゃなく組織の方やリコリコ全員来て欲しい。今は詳しい事は言えないけど来た時に話すわ…。だからお願い…私の所に来て。
N・H 』
この内容だけだった。…一体どう言う事だ?まるで俺を呼んでいるかの様な内容だ…。
でもそれだけなら何故フィランソロピーやメタルオブサーガ…それにリコリコ全員を呼ぶ必要が?
う~ん…ちょっと謎だなこりゃあ。
「…何これ?」
「うわっ!内容ラブレターの様なもんっスね!」
すると後ろから声がして振り向くと、千束達がいつの間にかいた…って暇なのかよ?
「それより進一君…、何それ?」
「俺宛の手紙。どうもこの場所に来て欲しいって…しかも俺の組織とリコリコ全員」
「…どういう意味ですかそれ」
たきながその事を問いかけ、俺は頭を横に振る。
「分からない。何故いきなりこんなのが届いたのかが不思議だ。ただ…」
「ただ?」
俺が気になっているのを千束がその事を問い、俺は立ち上がって皆の方を見る。
「この宛先人の名前を見て…少し心当たりがある」
「宛先人が?」
「ああ、だからこの手紙に書かれている場所に行こうと思う。勿論オタコン達を連れてな」
「…うん、私も行く…なんでその人が私達を呼んでいるのかが知りたいし」
千束の言葉にたきな達は一度間を開けて頷き、俺はこの手紙の最後に掛かれている名前を見る。
このイニシャル…何処かしら見覚えのある感じがしてならない。
その後俺はオタコン達に連絡を入れ、その準備をするのであった。