メタルギア・リコイル   作:ライダーGX

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第53話

千束の人工心臓の修復用ナノマシンを与えたナオミ、それを使うのは勿論千束の自由だが…。

 

それから数週間後、実際の所千束はまだ使っていない。

 

それどころか悩んでいる様子だった。

修復用ナノマシンを使うかどうかを…。

 

リコリコでも考える様子が見えて、その様子を見ていた俺は少しばかり考える。

 

何時までの悩んでいては解決しないのに…。

 

俺はそれを見かねて、千束に歩み寄った。

 

「千束…、まだ考えてるのか?」

 

「進一君…うん。中々上手く切り出せなくて…」

 

何が切り出せなくて…だ。見た所何時でも切り出せる風景だと俺は思うけど…、そんなに難しく考える事なのか…?

 

でもそんなに踏み出せない状態じゃあ、何時まで経っても踏み出せない。

それに人工心臓のバッテリーも何時まで持つか。

 

するとクルミが俺の所に来た。

 

「進一、少し来てくれ」

 

「どうした?」

 

俺はクルミに呼ばれてその場に行き、クルミのパソコンの所に来て、クルミはある画像を見せる。

それは千束の人工心臓の元になっている論文だ。

 

「これって…」

 

「千束の人工心臓の試験対象の論文。苦労して入手したんだぞ…」

 

「何故俺に?それに千束の人工心臓ならナノマシンが…」

 

「これをお前たちの組織に調べて貰いたいんだ。残念だけどこっちではどんなに探しても中々見つからない、そっちなら調べられるだろう? それにナノマシンは千束が使うかどうか分からないだろう?本人はあんな感じだし」

 

クルミでも調べられない情報…、そう言う事か…。

恐らくこれにはリキッドかアラン機関が絡んでいる可能性も否定できないって訳か…。でもそうなると確かにこっちの方なら調べられそうだ。

 

それに千束の雰囲気もそんな感じに見えるから、多分その替えがあるか調べるつもりって事か…。

 

「分かったクルミ。こっちの方で調べて見るよ」

 

「頼んだぞー、それともし見つけたらこっちにも何かおすそ分けしてくれよ~」

 

「何をだよ…?」

 

クルミの言葉に思わず言葉をこぼす俺だったが、ある事を思い出してクルミに言う。

 

「あっそうだクルミ、お前に頼みたい事がある」

 

「ん?何だ?」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

それから一ヵ月が過ぎ、俺は今日非番…公園の椅子に座って、日向ぼっこしてる。

 

クルミから頼まれていたあの例の画像は勿論マザーベースに送っている。

人工心臓の件は正直言って少々手間取って…いや、かなり難航状態。

 

思った以上に人工心臓の情報は流されてない上に、厳密に管理されてる。

 

アラン機関は外部には一切情報漏らさない様、ネット上には記録せずに行っている。

恐らくファイルか何かで保存しているのだろう。

 

これではこっちは手も足も出ないな…。いや~参るぜアラン機関…、まさかここまではな。

 

でもオタコンは諦めてない様子だ。

 

「なかなかやるね~…、でもこっちも何時までも負けっぱなしにはいられない」

 

そう言いつつ解析をしているとの事だ。

 

マジでナノマシンで十分と思うんだけどな~。

でも千束があの調子だからな…。マジで使ってくれるかどうか怪しい…。

 

「はぁ…」

 

「おっす進一君!」

 

「お待たせしました」

 

俺が顔を正面に戻すと、冬用の服装を着込んだ千束とたきながいた。

実は今日3人で色々と見て回る予定だ。

 

勿論チャドは店に任せてある、最近あいつは千束達以外にエリカになついてる様だからな。

 

「それじゃあ行くか」

 

俺は立ち上がって千束達と共に街の中へと行く。

さ~て…何処を見て回ろうかね。

 

 

 

 

♢♦♢♦

 

 

 

 

そして僕事ハル・エメリッヒは今マザーベースにて必死にパソコンと睨めっこの最中…。

 

進一がクルミちゃんから人工心臓の情報を貰って、僕に渡して来たようなんだ。

本当はナオミのナノマシンを使って欲しい所なんだけど、千束ちゃんはまだそれを使うか迷ってる様なんだ。

 

まっ…あの様子からするとなかなか使うのは難しいね…。

 

「ハル、何をしているの?」

 

っと部屋のドアからナオミが声を掛けて来た。どうやら僕はドアを開けっぱなしにしてたみたい。

お陰でナオミが部屋の中に入って来る。

 

「あら?これは…」

 

「クルミちゃんからのお願い事だよ。これを今解析中だね…、一応サニーにも手伝ってもらってる」

 

「…あの子ったら、まだ決心がつかないのね」

 

ナオミは少し呆れてる様子で手を顔に置いてる。まあ無理ないかな…。

 

あれを使うのはかなり考えて、それと勇気もいるからね…。

 

「…もしかしたらあの子、ナノマシン使わないのかも知れない」

 

「え?どうして?」

 

「私のあの言葉を聞いても、あの子は何やら考えてる事が違う雰囲気を見せてるの。だからもしかしたらあのナノマシン…捨ててる可能性があるの」

 

「あれを…?いやまさか…」

 

「あり得なくはないぞ」

 

僕とナオミとは別の声がして、僕が振り向くとそこにバルカン・レイブンがいた。

 

彼が僕の部屋に入って来て、手を腰に当てながら語る。

 

「あの娘は自分の事より他人の幸せを優先する傾向がある。恐らく人工心臓を与えられた際に思った事だろう、あれはどう差し伸べても変わることは無い」

 

「ええ、彼女はその行動を辞めようとはしない筈…。困ったわね…」

 

ナオミとレイブンの会話に僕は少しばかり悩む。どうしたらいいか…。

 

「ハル兄さん!あったよ!」

 

するとサニーがハッキングを完了して、僕に報告しに来た。

サニーの報告に僕達はサニーの周りに集まり、PCの画面を見る。

 

画面上には人工心臓の製造記録や、開発コードなどの物が揃ってる。それにこの中には開発に携わっていた人物もかなり含まれている。

 

やはりサニーは凄いね。

 

「ほう?これが人工心臓に関わる資料か」

 

「驚いたわ…これを見るとアラン機関は至る所から才能を持つ者をかき集め、それを組織に費やして来たのね…才能を持つ者を世界に届ける為に」

 

「…となるとアラン機関の創設者でもあるアラン・アダムスは本当にそれを見抜く程の目を持っていたって事になる」

 

僕達は未だに底が見えないアラン機関の裏側に改めて警戒し直す切っ掛けになった。

 

 

 

 

♢♦♢♦

 

 

 

 

そして俺達は街を回りながらぶらついていた。

 

「はぁ? たきな最初から冬服持ってなかったのか?」

 

「そうだよ~、ずっと夏服のままだったんだよ~?」

 

「そうは言っても、冬の服装なんて分かりませんし、ずっと制服のままでしたから」

 

あはははは…、そうだよな…たきなはこれだよ。

 

リコリス時代からそうだし、世間一般の事は何一つ皆無…興味なしと言ったようなもんだ…。

まあ今はこうして楽しい時間を過ごすのも悪くない。

 

千束の時間の事を考えればの事だが…。

 

するとクルミから連絡が入って来て、俺はそれに出る。

 

「もしもしクルミ、どうした?」

 

『進一、頼まれていた例の情報だが…』

 

「「??」」

 

クルミからの連絡に千束とたきなは俺の方を見て、俺はその連絡を聞いて目を細める。

 

彼女からの連絡…それは…。

 

 

 

 

『真島の隠れ家が分かった』

 

 

 

 

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