メタルギア・リコイル   作:ライダーGX

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第6話

念願のバイクを購入した後、リコリコで通常通りのバイトをこなした俺、その後そのままバイクを乗って帰ろうとした際に、大事な事を忘れていた。

 

「あっ、そう言えば…」

 

「ワウ~…」

 

チャドが悲しそうな表情をしていた。

 

そう…チャドの事だった。バイクに乗ったらチャドを置いてそのままにしてしまう。

チャドは必死に追いかけそうだが、バイクは押して帰るか…。

 

「あははは、チャドの事を考えてなかったね?」

 

「失敗したな…これ」

 

千束が俺の肩を叩きながらそう言い、俺は今回の失敗を反省する。

 

看板犬が居なければ、折角喫茶リコリコが繁盛しなくなる。

最近リコリコは男の俺と、看板犬であるチャドがちょっとした人気を出している様で、来るお客さんは若い人が多いのだ。

 

しかも若いお客さんは女性で、俺とチャドを見に来る人が多い。

 

そのせいでミズキさんからは「男が来ない!!お前のせいだあああ!!」っと怒鳴って来るからな。

正直めんどい…。

 

「とりあえず、バイトの日はバイクで行かない様にしよう。チャドの為にも」

 

「ワンッ!」

 

チャドは嬉しそうに吠え、俺はそのままバイクを押して帰るのだった。

意外にバイクを軽々と押せて帰れるな…? やっぱりパワーがあると役立つわ。

 

そして俺が帰ったその後、ミカさんのスマホに電話が入る。

 

「はい…、千束、たきな」

 

「「?」」

 

 

 

俺がバイクを押して帰る際に気付いた事があった、このバイクをiDROIDに仕舞う事が出来るかと。

物は試しに、人気がなく、カメラがない場所に行き、端末を取り出して、バイクに向けて翳してみる。

 

だが全く反応せず、どうやら無理の様だ。

 

ガックシ…、スニーキングスーツのアイテム類なら簡単に出来たのに、どうやらiDROID内のアイテム類じゃないと出来ない様だ。

 

「まあ分かった事が1つ、出来ない物がある。それが分かっただけよしとしよう」

 

「ワンッ」

 

っとチャドが“ドンマイ”の様な雰囲気を出しながら前足を俺の身体につけてくる。

 

くぅ~…! 犬に慰められるなんて…情けね!

 

そして俺がマンションに到着し、バイクを駐輪所に停めて、自分の家のドアに向かおうとする。

 

すると、チャドが何かに気付いて振り向き、そっちに向かって走る。

 

「あっ、チャド…!」

 

俺が慌てて追いかけようとした時、チャドが向かう所に2人の人影が見えて、思わず足を止めた。

チャドはその人の所に着くと、チャドが尻尾を振る。

 

「アハハ!可愛い!」

 

「フフッ、やあ、この犬は君のかい?」

 

「…ああ、ようこそ日本へ…オタコン、サニー」

 

っと俺が呼んだ人物は、この日本に来る予定だったオタコンとサニーだった。

 

オタコンはその名で呼ばれた事に薄っすら笑みを浮かばせながら、眼鏡を押し直す。

 

「嬉しいね。その名で呼んでくれるなんて、スネークや雷電、メイ・リン以外にそんなに言われてないから」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

俺はオタコンとサニーを家に上がらせて、コーヒーを入れて渡す、あとサニーはオレンジジュースを渡す。

 

サニーはチャドとはしゃいでいる中で、俺はオタコンと向き合う。

 

「こうして顔を合わせるのは初めてだな、オタコン」

 

「ああ、あの画面以外で合わせるのは初めてだよ。それにしても綺麗な部屋だね?」

 

「うん。まだそんなに装飾品はないけどな」

 

オタコンが辺りを見渡したのを、俺がそう言って、オタコンは微笑みながら言う。

 

「アハハ、まあ僕はそんなに気にしないよ。さて…進一、約束していた例の物、覚えてるかい?」

 

「ああ勿論。所でそのサポートアイテムは?」

 

「それはね、サニー。そこの窓を開けて」

 

「はーい!」

 

サニーはチャドから離れ、部屋の窓を開けると同時に何かが入って来た。

 

それは黒く統一された機械の犬で、その犬の機械を見た俺は驚きを隠せなかった。

 

「お…おいおい、まさかこいつって!」

 

「ああそうさ、こいつは【LQ-84i/ブレードウルフ】さ。彼が君のサポートする為の物だよ」

 

『おい、物と言うのはやめろ、俺は俺の意思がある』

 

っとウルフは物と呼ばれることに嫌気が出て、オタコンに訂正を申す。

それに笑いながらオタコンは頷く。

 

「ハハハ、ごめんごめん。この通りしっかりした者でね。AIにしては頼りになる相棒さ」

 

「そ、そうか…しかしまさかブレードウルフがサポートメカだなんて、驚いたな…」

 

『俺もお前の事は聞いている、女神によって転生した男。この世界のメタルギアを破壊する為なら喜んで力を貸すぞ』

 

ブレードウルフの言葉を聞いた俺は頼もしかった。

確かにAIであるこいつが相棒となると、より頼もしい、戦闘の方は仔月光なら良いが、月光は厳しいだろう。

 

するとチャドが負けん気に前に出て来て、ブレードウルフと対面する。

 

『なんだ?お前も役立つと言いたいのか?』

 

「ワンッ!!」

 

『ほう、人間の探りなら自分の方が上だと? 残念だが俺は索敵ですぐに見つける事が出来る上に、人間や仔月光相手なら楽に勝てる』

 

「クゥ~…」

 

その言葉を聞いたチャドは悔しそうな声を出してしまう。

無理があるだろう…チャド、人間ならまだしも、機械相手には勝てんぞ。

 

ん?て言うかブレードウルフ…お前もしかして。

 

「おいブレードウルフ、お前チャドの言ってる事が分かるのか?」

 

『当然だ、犬の言語なら俺の脳にインプットされている。だからチャドの言っている事が分かる』

 

へぇー、チャドの言っていることが分かるなんて、これは言い通訳が出来そうだ。

 

 

プルルン!!

 

 

するとiDROIDに通知が来て、それに俺はiDROIDを取り出してみる。

 

通知はミッションログで、こう書かれていた。

 

【あるテロリストグループが廃工場でウォーカーギア4台を入手、テロに使われる前にこれを破壊せよ】

 

そのミッションログを見た俺は頭をかく。

 

「ウォーカーギアが4台か…」

 

「どうやらキャンベルはウォーカーギアの動きも見てくれている様だ」

 

「へぇ~、ん?このログってキャンベルが送って来た物なの?」

 

「そうだよ?」

 

オタコンの言葉を聞いた俺は頭を抱えた、あちゃーこれってキャンベルが行っていたのか~。

完全に誰かだと思ったよ。

 

でもキャンベルも忙しいのにミッションログを送ってくれるなんて大したもんだ。

 

まあいい、場所は廃工場ならちょっと遠いけど、バイクならすぐに着くな。

 

「よし!ならブレードウルフ! すぐに出動しよう!」

 

『了解だ』

 

「僕とサニーは此処で待つよ。ここでモニターで様子を見て、通信機で連絡をする。チャドは僕達が見ておくから心配しないでね」

 

オタコンとサニーがチャドを見てくれるなら安心だ。

でもまだ不安そうにしているチャドを俺は声を掛ける。

 

「チャド、ここでいい子に待っているんだ。ちゃんと戻って来るからな」

 

「ワンッ!」

 

チャドはしっかりとした返答をし、俺はすぐに向かう為、ヘルメットを持って外に出る。

 

ブレードウルフはサニーが開けた窓から出て、ステルス迷彩を起動して姿を消した。

 

俺はバイクにまたがり、エンジンを起動させて目的地へと向かった。

ブレードウルフはステルス迷彩のまま俺の後を追いかける。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして廃工場に到着し、バイクを隠して辺りを見渡す。

 

誰も居ない廃工場…、こんな所にウォーカーギアがあるなんてな。だが一刻も早く破壊しないと。

そう思った俺はすぐさまスニーキングスーツを取り出して着込む。

 

同時に今回は普通のバンダナじゃなく、あの無限バンダナを頭につける。

 

武装はオペレーターとルガーMk.2に、今回は【M4カスタム ダットサイト&ライト&レーザーサイト&サプレッサー装備】と【M203 グレネードランチャー】を持つ。

万が一だがこれでウォーカーギアの足を止め、操縦者を麻酔銃で無力化し、グレネードランチャーで破壊する。

 

これで準備万端だ。

 

するとブレードウルフが戻ってくる。

 

「よう、様子はどうだ?」

 

『中に数名のテロリストが居て、ウォーカーギアを眺めていた。後気になる事が1つ』

 

「ん?何だ?」

 

俺はブレードウルフが気なる事に耳を傾け、ブレードウルフは気になる事を言う。

 

『別方向から謎の2人組がやって来るのが見えた。丁度お前と同い年くらいで、女だ』

 

「はっ?」

 

その言葉に俺は思わず首を傾げた。

 

俺と同い年くらい?しかも女性…? どういう意味だよそれ。

 

全く訳が分からない。

 

「それってどこら辺の?」

 

『丁度この位置だと工場の右側だ。おっと、見えたぞ』

 

すると俺とブレードウルフは隠れて、双眼鏡を取り出して、ブレードウルフの言った位置を見る。

 

廃工場の右側に女性2人組がゆっくりと進んでいる様子が見えた。

姿は制服姿で赤と蒼…って、ん?

 

白い髪に長い黒髪…ってまさか!?

 

「あれってまさか…千束にたきな!?」

 

そう…俺が目にしたのは、手に銃を持ち、耳にインカムを身に着けた千束とたきなの姿が見えたのだった。

 

 

 

 

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