第7話
2人がここに居る事に俺は衝撃を隠せなかった。
何で千束とたきなが此処に…? それにどうして銃を持っているんだ? それに落ち着きもあるし、訳が分からない。
すると俺の体内に投与したナノマシンから通信が入る。
俺はそれを繋げるため、通信を開かせる。
『やあ進一、状況はどうだい?』
通信して来たのはオタコンだった、状況を知る為に通信して来たのだろう。
丁度良い…オタコンにこの状況を伝えよう。
「オタコン、今廃工場に到着したんだが、予定外な事が起きた。俺がバイトしている店の女子2人がここに居る」
『女子が2人…? どう言う事?』
「分からないが、制服姿で耳にインカムを付けて、背中にはサッチェルバックが見える。それに動きがどうも素人じゃない…」
ザ・ボスで鍛えられた俺が一目で見たのだから分かる。
千束たちの動きは明らかに素人じゃない。
『背中にサッチェルバック…そして耳にインカム。…ねえ、もしかして制服の色は赤と蒼だった?』
オタコンは俺に制服の色を問いかけて来て、それに俺は冷静に言う。
「ああ、そうだ。それが?」
『…進一。少し話がズレるけどいいかい? 今日本が8年治安が保たれているって知っているかい?』
「ああ聞いた事ある、でもそれと彼女達との何の関係が?」
『実は日本は平和そうに見えていて、実際は治安が他とは変わらない荒れた場所なんだ。それは君が月光を破壊したあの港で分かるだろう?』
その言葉を聞いた俺は言葉を積もらせる。
確かにあの場所にいた警備員達は銃…アサルトライフルであるAKを持っていた。
この日本で銃の所持は厳しく禁じられている。当然競技や警察関係者以外はだが…。
だがそれが一体どう言う関係で…。
『実は日本ではある組織がこの日本の秩序を守り、そしてそれを隠蔽している者達が居る』
「犯罪を隠蔽…? 何だそれは?」
『この国の政府に公認され、犯罪を未然に防ぐ治安維持組織【DA
っとその言葉を聞いた俺は驚きを隠せなかった。
殺しで平和を保っている…? いくら政府に認められた組織とは言えそんな事は出来ない筈。
警察機関の一員ならば兎も角だ。
一体どうやって隠蔽工作をしているんだ?
だがそれよりも俺はもっと気になる事がある。
「オタコン…、そのDAはどうして千束達を使っているんだ? いくらなんでも俺と同い年の子供を利用するなんて」
『彼女達はDAの中でも“彼岸花『リコリス』”と呼ばれる少女のみの実働部隊の者達だ。僕もそれを調べた時はちょっと驚いたけどね』
「リコリス…? そんなものが存在するのかよ?」
『ああ、主に孤児である子供達を保護し、殺しの教育をさせる方法なんだ。それにこれはリコリスだけじゃなく、リリベルと呼ばれる実働部隊もそうだけどね』
「リリベル?」
『少年のみの実働部隊。その部隊も存在するんだ』
マジか…DAってやる事がえげつないな…。
だが相手からすると俺もそうそう変わりはしない。ザ・ボスから戦いの訓練を受けた者。
子供でこんな活動をしているからDAから見たらまったく変わらない。
ただ一つだけ分からない事が…。
「でもその隠蔽工作は? いくら何でも殺しをすれば隠す事は出来ない筈だろう?」
『どうもDAには情報全てを管理するAIが存在する様でね。それらを使って全ての情報を隠蔽しているんだ』
「…なる程な、それらの事も千束達がその組織の人間だと言うのは分かった。だがどうしてここに?一体何のために?」
『それは僕にも分からない。直接聞くのが一番だろうけど、むやみに接触する訳にも行かないし…』
オタコンの言葉に俺も少しばかり考える。
確かに直接千束たちに聞けば良いだろうけど、相手に直接聞くのは野暮だろうし。
絶対教えはしないだろう。
だが俺もエージェントをしている以上、無視する訳には行かない。
「…どちらにせよ動く必要があるか」
『そうだね…』
『話し合いの所すまないが、大変な事になっているぞ』
っとブレードウルフからの言葉で俺は振り向き、廃工場の方を見る。
すると廃工場から煙が出ていて、更に爆発も起きたんだ。
な!何があった…!?
───────────────────────────────────────────
進一君が帰った後、ある仕事が入って来た。なんだかめんどくさーい…。
「良い子は寝る時間だって言うのに、どうしてこんな所に来なきゃ行けないんだろう」
「何言ってるんですか。司令からの指示です。それにこの情報が本当ならテロリストに渡すと大変な事です!」
「分かってるってたきな…。それにしても変な兵器ね~」
実はこの仕事を始める前に先生にある電話が来たの。
それはDAの人で、リコリスの司令官の【楠木】さん、この人から先生に電話してきたのだって。
リコリコで掃除していた私とたきなに指示だって。
「それでなんの仕事? 私達はそんなに暇じゃないんだけど」
「そう言うな。楠木からの連絡ではどうもとある廃工場に謎の兵器がテロリストに渡ったとラジアータの情報だそうだ」
「謎の兵器…ですか? 1000丁の銃じゃなく?」
そう…私達、今すっごい大変な仕事に手を焼いているの。
4月に起きた事件【1000丁の銃失踪】、これが行方が知れず、しかもテロリストの一部に渡ってるって知ったのよね。
うわ~…本当に大変な仕事だよこれ~…。どうすんの?
しかも謎の兵器って何なのさ?
「まあどっちにしろ大変でヤバい物って事でしょう? 余裕余裕♪」
「だと良いんですが…」
たきなは心配そうな感じにしている様だけど。
大丈夫!この千束様が居れば百人力ってもんよ!
そして私達は廃工場に入り、テロリストさん達がたむろしている所に着く。
すると見た事ない機械があって、それを眺めている。
「すげぇぞこいつ! ある奴の話じゃこいつは“ウォーカーギア”って言ってな。何でも汎用性が強いマシンだってよ!」
「ああ!これがありゃゴツイ武装も付け放題じゃねえか!」
「何言ってやがる!こいつには強力なガトリング砲が二門付いてるじゃねえか! これだけでも十分だぜ!」
そう言ってる中で私達は物陰からそれを見る。
うわ~…あんなのがあるんだ。って言うかなんで銃が見つかんなくて、危ない物が見つかるってどうなの?
「たきなさ~ん…どうします~」
「変な事を聞くのはやめて下さい。いつも通りに終わらせるだけです。あなたの方針通りの」
「おほっ♪ それは嬉しいですな~。なら始めましょうっと」
そう言って私達は銃を構えて突進を開始しましたとさ…。
───────────────────────────────────────────
ブレードウルフの言葉に俺はすぐさま廃工場に入り、辺りを警戒しながら進んで行く。
そしてウォーカーギアがある場所に辿り着くと、既に戦闘が行われていたのだ。
千束とたきながテロリストが操るウォーカーギア以外にも苦戦を強いられていた。
「ちょいちょいちょい!!敵さんの兵器って武器他にもあるの!? 流石に避けきれないって!!」
「逃げ回るのに精一杯な上、反撃をするのも難しいですよ!」
千束はウサギみたいにぴょんぴょん飛び回りながら愚痴を言って、たきなは物陰に隠れながら反撃をするも、敵の火力の方が上な為、遮蔽物に隠れて逃げている。
すっげぇ…たきなは普通として、千束の奴本当にウサギみたいじゃないか。
ってそんな事を思っていると。
「うぉおおおおおおお!!逃げんなクソガキがあああああ!!!」
「見られた以上死ねええええええ!!!」
ガトリング砲を撃ちまくっているテロリストは更に内蔵武器であるマシンガンを出して撃っている。
その一発の弾がたきなの足にかすめてしまい、たきなは倒れる。
「おっしゃ!!1人が倒れた!!」」
「チャンスだ!!」
「っ!!たきな!!!」
千束が叫ぶと同時テロリストが照準をたきなに向ける。
たきなが目を瞑って、覚悟を決める様子を見せた。
ってそんな事を見過ごす俺じゃない!!
俺は走って、撃つ前にたきなを救出し、テロリストが撃った弾がたきなのいた場所に当たる。
「なっ!!なんだ!?」
テロリストが驚く中、俺はすぐに物陰に隠れ、たきなを下ろす。
するとたきなは俺の姿を見て驚く。
「し!進一さん…!?」
「う!うぇええ~~!?なんで進一君がここに居るの!? それに何その恰好!?」
千束がたきなの元に来ると同時に俺を見て驚いた表情を見せる。
まあそうだろうな、スニーキングスーツを着た俺を見て驚くのは、だが今はそんな悠長な場合じゃない!
「話は後だ!!俺がウォーカーギアの足を撃って動きを止める。その隙に操縦者を気絶か眠らせてくれ!」
そう言って俺はM4カスタムをウォーカーギアの足に狙いを定めて撃ち、それにウォーカーギアは足を撃たれて体制を崩し、近くにいた別のウォーカーギアを巻き込んで倒れる。
「ぐああ!!何しやがる!!?」
「知らねえよ!急に体制が!!」
そう口論している中、千束がチャンスと見て、飛んで操縦者を撃った。
すると赤い粉末が飛び散り、それと同時に操縦者2人は気絶した。
ほう~…あれって非殺傷弾なのか。俺の麻酔弾とはちょっと痛いバージョンか?
俺が関心していると、別のウォーカーギアが俺を狙い始めた。
「野郎!!!いきなり現れやがって!! ぶっ殺してやる!!」
テロリストは怒り散らしながらガトリング砲を撃ちまくる。
フッ!素人が…。怒りまくった様子の弾が俺に当たるか!
俺は飛んで動き回りながら回避し、その際にウォーカーギアの足を狙い撃つ。
足を撃たれたウォーカーギアは脚部が破壊されて倒れて、更に隣のウォーカーギアも撃つ。
相手は素人だったか、すぐに撃たれて倒れてしまった。
即座に俺は麻酔銃を取り出して、相手に向けて構えると、千束がそれを見て叫ぶ。
「ちょいちょいちょい!!何をして!!」
「心配ない。麻酔銃だよ」
っとそう言って俺は麻酔銃を即座に連射し、テロリストは眠った。
千束はそぐにテロリストの元に行き、テロリストの様子を見ると、確かに眠っているのが見受けた。
「本当に眠ってる…」
「言った通りだろう。殺しは極力控えている…。ウルフ!」
俺がブレードウルフを呼ぶと、すぐにブレードウルフは気絶や眠ったテロリストを抱えてて現れ、ブレードウルフの登場に千束とたきなはまたしても驚く。
「うぇええええ~~!!?」
「き!機械の犬!?」
『進一。準備完了だ』
「OK、それじゃあ…」
ブレードウルフの返答を聞いた俺はあるグレネード弾を取り出して、M203に装填し、倒れているウォーカーギアに狙いを定め、そして撃つ。
撃ったグレネード弾はウォーカーギアに直撃して、爆発したと同時にウォーカーギアは溶けて行った。
俺が撃った弾は非常に強力な酸が入ったグレネード弾だ。
これでウォーカーギアは跡形もなく溶けて無くなり、俺は一息をした後、千束とたきなの方を向く。
当然千束とたきなも俺の方を見ながら、信じられない様子で見ていた。