前世の記憶が戻ったので、シャーレでハッピーエンドを手に入れたい   作:うどんそば

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前世の記憶を思い出した系主人公が、原作知識を持ちつつも全力で楽しむ話がもっと読みたくて書きました

なお前世知識をしっかり使っていく上、自分より好きな世界(キヴォトス)を優先するので、周囲は勘違いしていく模様


この世界の生徒の一員として

 「私」と、元「俺」が混ざり合って出来た存在が私だと思っている。……これじゃわかりにくいかも。

 

 まあつまり、この体の過去も持っていて、それとは別に前世の記憶もある。そういう感じ。

 

 それに気がついたのは中等部一年の時。入学して一ヶ月経たないくらいのときに、朝起きたら思い出していた。「あ、これ前世で見たことある!」みたいな感じ。そして、どっちが本体? ということに最初は悩んだ。前世の記憶がある「俺」が私の体を乗っ取って生まれた存在なのか、「私」と「俺」それぞれがいるのか。

 

 結局答えはわからないけれども、どうも、もともと私は私だったらしい。「俺」が転生して「私」になって、中等部のときにたまたま「俺」の記憶が蘇って、今の私になって……みたいなイメージ?

 

 ちなみに、これが転生だって思った理由は、前世の記憶にある。前世の記憶において、この世界はゲームの中の一つの世界だった。

 

 前世でやっていたゲーム「ブルーアーカイブ」。どうも、ここはその世界らしい。

 

 ただ、勿論これまでも私が生きてきた記憶はあるわけで、ただただゲームの中に行ってしまったと言うより、言葉通り、生まれ変わったというような感覚が近いかもしれない。

 

 正直、生まれ変わったことに気がついた……前世の記憶が戻ってきたときは歓喜した。だって、一番好きだった世界の中に入れたんだよ? しかも、登場人物として! それに興奮しない人はそう居ないと思う。

 

 性格もすこし変わったかもしれない。男の時の意識が出てきたから当たり前だけどね。でも、こっちの世界では女として既に十二年生きていたわけだから、完全にどっちかになることはなかった。混ざって、溶け合ったような性格かもしれない。もともと、本質は一緒だったこともあって、そう性格自体に違うところもあまりなかったし。

 

 ちなみに見た目は、髪はすこし色が薄くて、すこし癖があるボブカット。それに瞳は夕日みたいな色で、服はオーバーサイズとか、ゆったり着れるのが好き。

 身長は中等部に入学した時の身長で確か145センチだった。今は149センチあるけどね! 全体的にちまっこい。ただでさえちまっこい友達よりも更にちっちゃいんだから相当だ。

 

 そして、この世界で、私の目標は……全力で楽しむこと! 精一杯生きること! それを目指す!

 この世界は、ときに厳しいことも起こる。それでも、絶対に人生を楽しむ気持ちと、精一杯生きることを忘れない! この世界の生徒の一人として、死んだときに後悔がない生き方をしていこう!

 

 

 ●●●

 

 

 「ふぁ……」

 

 目が覚めた。なんだか変な夢だった気がするけど、あんまり覚えてないからあんまり関係なかったかもしれない。まあ所詮夢だし、どうでもいいか。

 

 布団から出て、歯磨きをする。そうしてコップいっぱいの水を飲んだら、寝間着を脱いで、制服に着替える。二年前、もともとの制服がぼろぼろになっちゃった時に友達とおそろいにしたものだ。

 着替え終わったら、食パンをオーブンで焼いて食べる。バターをたっぷり塗った、少しだけ健康に悪そうな絶品の二枚のトーストを食べ終わったら、時間は二十分。いつも通りの時間。

 

 時計をぱっと見ると、まだ少し出るには早そうだ。じゃあちょこっとのんびりしたら出ようかなと、ベッドに腰掛けて、スマホを手にとってメッセージが来てないか確認してみたりしていたら、携帯電話が震え始めた。

 

「もしもし?」

 

『あー……キタノさん、ちょっと良いですか?』

 

「うん? どうしたの?」

 

 電話口から聞こえてきたのは、私と同じ制服の友達だ。

 

『実は、今日の早朝までパトロールをしていたんですが……ちょっと長くやりすぎちゃったみたいで、起きたらこの時間だったんです。だからちょっと今日は一緒に登校できそうにないです。すいません……』

 

「あはは、いいよ。遅くまで頑張ってたんだねえ。まだ時間はあるし、ギリギリまで寝てなよ。出席はちょこっとごまかしたげるからさ」

 

 時折頑張りすぎてしまう事がある彼女に、たまにあることだ。きっと一人だと更に頑張ってしまうんだろうから、私が甘やかしてあげなきゃいけない。もっと私を頼ってくれてもいいのにレイサもさ。

 

『すいません、ご気遣いまで……あ、出欠の時間までには必ず来ますから!』

 

 わかった。じゃあね、と言って電話を切る。……っと、ということは久しぶりに一人で登校することになるのかな?

 

 中学のときの始めこそ一人で登校していたけれども、レイサと友達になってからはもっぱら一緒に登校していた。

 今日みたいに頑張りすぎてしまっているときは半ば強制的に休ませたりしていたので、時折一人で登校することがあったが、最近はあまりなかったし、何かあったのかな? と少し心配になる。

 

「まあ、会ったら聞けばいいよね」

 

 ごろんと寝転がり、スマホから最近お気に入りの動画を流した。

 

 時計がちょうどいい時間を指したとき、ベッドから降り、もう一度クローゼットを開け、ロングコートを取り出し、羽織った。胸元に手をやると、バッジが手に当たる。二つついているそれらは、どちらも私にとって大切な物だ。

 

「よし、行こっかな」

 

 愛銃である、「ミニくんマーク2」を肩から掛け、拳銃の「ガバ号」をコートの内ポケットに入れる。

 

 ドアを開けて、外に一歩踏み出す。今日もいい天気で、楽しく生きるには最適だ!

 

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