前世の記憶が戻ったので、シャーレでハッピーエンドを手に入れたい   作:うどんそば

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真のアウトロー

「10キロ圏内で爆発を感知! 場所は……柴関ラーメン!?」

 

 運動しに行っていたシロコ、勉強しに行っていたアヤネちゃん、バイトの準備に行っていたセリカちゃんが戻ってきて、せっかく集まったことだし、昼食は集まって食べようと準備をしていた折、唐突にアヤネちゃんが声を上げた。

 

「は? なんであの店が狙われるのよ!」

 

 バイトしていることもあり、店に思い入れが深いセリカちゃんが、机を叩いて怒りをあらわにする。シロコは眉をひそめ、やはりこちらも怒りを隠せていない。

 

「皆少し落ち着いて。こういうときに焦ったらもっと悪い結果が待ってる。そうだね……準備をしてくれてる先生を呼んで急いで向かおう。武器を持ってくるのを忘れないでね」

 

 そう言うと、皆無言でうなずき、丁寧に置かれた銃を持つと、正門に向かっていった。アヤネちゃんも早速通信の準備をしてくれている。うん。これだけ素早い動きができれば大丈夫だね。

 

 とりあえず私は急いで先生を迎えに行くと、当の先生は調理場で呑気におにぎりを握っていた。

 

「先生! 大変だよ!」

 

”ん? どうかした?”

 

「柴関ラーメンが襲われた!」

 

 そう言うと、一言で状況が理解できたのか、先生は握り終わってラップに包まれているおにぎりを持って、急いでこちらに駆け出してくる。

 

”わかった。行こう……ごめんね、アヤネはあるものを食べてて”

 

 先生は通信機を起動すると、アヤネちゃんに連絡をして、私に目を合わせた。

 

 

 ●●●

 

 

 皆で先生が握ったおにぎりを食べながら急いで柴関ラーメンに向かうと、明らかに異様な空間が姿を表した。

 瓦礫が飛び散る道、さっきまで店舗があったはずの焦げ臭い空き地、燃える店の残骸。それは間違いなく報告通り連鎖的に大量のC4爆弾を起爆でもしない限り起こり得ない状況だ。

 

 硝煙の香りがましになり、砂埃の先が少しずつ明らかになったそこには……便利屋が、堂々たる姿で……いや、カヨコはめっちゃ苦しい顔してるわ。

 

「あんたたち、絶対許さないから!」

 

 なにがあったのか、だいたい把握したセリカちゃんは、その感情をぶつけるように大きな声で叫んだ。皆も厳しい顔で便利屋を見つめている。

 

”店長さんは大丈夫だって!”

 

 先生が言い、ほっと一安心した様子の皆は、これで心配事はなくなったと行った様子で、更に空気を厳しいものへ変えた。

 

「仕方ない……どちらにせよ、いつか白黒つけとかないといけなかったから……確保していた傭兵をこっちに呼ぶ」

 

「……そ、そうよ! これでわかったでしょ!? アビドス! 私がどれだけ悪党かを!」

 

 の割には声震えてますけど。

 

「さ、さあ! かかってきなさいよ!」

 

 その言葉とともに、戦闘が始まった。

 

「真のアウトローを見せてやるわ!」

 

 一気に走り出した私は、ムツキを狙った。確かに便利屋は全員厄介だけれども、狡猾な動きをしてくることも多いムツキは、特に戦場では厄介だからだ。

 勿論、アルちゃんやハルカちゃんも問題だが、アルちゃんは焦っていて、ハルカちゃんはバーサーカー気味なので、正直頭を使えていない。

 

 

 っと、爆弾が飛んてきた。これがまた……ゲームではよくお世話になっていたけれども、爆弾がバッグに入って飛んでくるなんて、正直怖い以外の何物でもない。でも……

 私は、それを佩いていた刀で切った。素晴らしい切れ味の刃先で衝撃を感知する機械ごとぶった切り、爆発しない様にだ。

 

 ムツキちゃんは驚いた顔をする。そりゃあそうだろう。通常全く衝撃を与えないほど綺麗になにかを切るなんて、至難の業だ。技量も、その刀も、相当じゃないといけない。

 

 でも、私はそれをなんとかできる才能があったし、この刀もそうだった。なんとなく最近どんなものなのかわかってきた。材質は玉鋼なんだけど……それに、私達がお世話になったあの石が入ってる。だからこんなにきれいな色をしているんだ。

 

 頭にきたのか、少し怖い顔で、銃を取り出すムツキちゃん。MG5……汎用機関銃だ。

 それならば……私もと、ミニくんを取り出す。飛び込んで近距離の銃撃戦だ。向こうも反射神経がいいので、お互い高速の攻撃になっている。

 頬を一発銃弾がかする。向こうにも一発あたった。と思ったら大きな隙ができる。そこを見逃さず思い切り叩き込むが、流石にダウンさせる前に殴り飛ばされてしまった。さすがの反応速度だ。便利屋をやっているだけある。

 

 お互い見合って、一挙手一投足を監察する。と、そこに轟音が響き渡った。迫撃砲の音だ。

 

 聞き覚えのあるとある学園の制靴の音が、規則正しく聞こえてきた。まるで今から戦争でもしようとしているんじゃないか? と疑いたくなるような光景。

 

 それは少しずつ、少しずつ近づいてくると、大きな圧力を持って立ちふさがった。

 

「これは……風紀委員会か……」

 

 思わず言葉が漏れてしまう。ストーリーで見たときはそんなに感じなかったが、正真正銘の大群に、思わず眉をひそめた。これを独断で動かしたっていうんだから、そりゃあ反省文あんなに書かされるよね……! 絶対チクってやる……!

 

 私はスマホを取り出した。




青い刀身、お世話になったあれ……一体何で出来てるんだ〜
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