前世の記憶が戻ったので、シャーレでハッピーエンドを手に入れたい   作:うどんそば

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風紀委員会参戦!

 カヨコはこちらに焦った様子で走ってきた。

 

「社長! ムツキ ハルカ! 早く隠れよう! 奴らが来た!」

 

 その瞬間、擲弾筒が発射され、便利屋のいた地点をふっとばした。そうして戦闘に入るイオリとチナツは何やら話しながらこっちを見て……やがて沈黙した。

 

「は!? なんでアイツがここにいるんだよ!」

 

「あの人がいるということは……もしかして、シャーレの先生も!? この戦闘は行っては……!」

 

「いや、邪魔するやつはとにかく敵だ! みんな黙らせれば関係ないんだろう!?」

 

 へー、随分自信満々じゃん。

 

「そうなんだ。もしかしてイオリ、私にまたこてんぱんにされたいの?」

 

 煽るように言うと、眉がピクリと動いた。

 

「そんな挑発には乗らない。総員……」

 

「ビビってるんだね。そんな中隊なんて、私だけでも怪我一つなく倒せる自信があるんだけど?」

 

 イオリは更に怒りを顔に浮かべると、銃を持って突撃してきた。

 

「色々いいやがってー!」

 

 よし! 釣れた! 隙だらけだ!

 イオリは冷静さを失うと突撃してくるから、釣るのが簡単だ。もしやるなら一気にやらないと私に怪我なんて負わせられるわけないんだけどね。

 

 走ってくるイオリの足元を鞘で薙ぐと、思いっきり転がる。まさか想定してなかったのか、無防備に床に体を打ちつけたイオリの顔面にミニくんを突きつける。

 

「はい、勝負あり。またこてんぱんにしちゃったね?」

 

「なにおう!……びぶぶ!」

 

 起き上がろうとしたので何発が叩き込むと静かになった。ごめんね……流石に敵をみすみす逃すのはちょっと。

 

 走ってきた方を見ると、こちらに攻撃をしようとしていた中隊はざわめいている。チナツちゃんは頭を抱える。そりゃあそうよ。こっちには先生がいるし。

 チナツはゆっくり歩いてこちらに向かってくる。明らかに敵意はなく、どちらかかと言うと申し訳ないような気持ちがにじみ出ている。

 

「お久しぶりです、先生」

 

”久しぶり。チナツ”

 

「ああ、すいません。先生がいるとわかった瞬間、戦闘行動は終わらせるべきでした……特に、キタノがいて、勝てるわけがないのに……」

 

 チナツちゃんがそう言うと、アヤネちゃんが眉をひそめて、所属を述べるよう求めた。すると……

 

「それはこちらから失礼します」

 

 通信に、横乳がとんでもない、青髪行政官が現れた。

 

「よ、アコちゃん」

 

「よ、ではなくてですね……貴方はなんでここにいるんです? 確かトリニティの生徒でしょう!? 最近はシャーレにいつもいるようですが……」

 

「や、一時的にシャーレに出向になったからさ」

 

「え!? それは少しトリニティ贔屓が過ぎるのではないですか?」

 

 アコちゃんは先生の方を向くが、先生は知ったこっちゃないといったようなそぶりをした。もともと、私の出向が許可されたのも、先生が私を気に入ってくれていたからだ。

 

「そもそもさ、私達、どこどこの学園の利とか、全く考えて行動してないし」

 

”そう。生徒たちのために行動しているから”

 

「うん。だからさ――こんなこともしちゃう。……もしもし?」

 

 とある人へ電話を掛ける。コール音が鳴り響き、アコちゃんがまさか……! という表情でこちらを見る。

 

『もしもし、どうかした? 実は今私は用事があって……』

 

「あのさ、アビドスで風紀の中隊とあなた以外の幹部級が沢山暴力行為してきてるんだけど、知ってる?」

 

『それを調べてた。アビドスね。わかった。すぐに向かう』

 

 ぷち、と電話が切られる。ほのかに漏れていた声で誰かを察したのだろうアコちゃんは、顔を真っ青にして、

 

「あ、あな、あ、あなた!? まさか、それは委員長じゃ……」

 

「うん、ヒナだけど?」

 

 あ、頭抱えた。

 

「え、えっと……?」

 

 アヤネちゃんはなにがなにか理解できていない様子だ。あわあわしてなんとか情報を整理しようとしててかわいい。

 

「えっとね、あの横乳の青髪が、天雨アコ。ゲヘナ風紀委員会の行政官だね」

 

「誰が横乳ですか!」

 

「え、えっと……行政官って、確か風紀委員会のナンバー2ですよね」

 

「いえいえ、ナンバー2と言ってもですね、実際は風紀委員長の補佐を……」

 

「いや、それなら、他の委員がこんなにビビるわけない」

 

 いつの間にか起きていたイオリが、少しビビった様子で「アコちゃん……」と声を掛ける。あ、反省文? かわいそ。

 

 ごほん。アコちゃんは一つ咳払いして、今度は私じゃなくて、アビドスのみんなに目を向けた。

 

「私達はそこの校則違反者を取り締まりに来たのです。身柄を引き渡していただきたく……」

 

「いやよ! ここは柴関ラーメンをふっとばした償い、させてやるわ!」

 

「それに、ここはアビドス自治区。勝手にこんな行動、許されません!」

 

 皆はやっぱり受け入れない方向にしたようだ。

 

「ふむ……先生は?」

 

”みんな、そんなに悪い子じゃないしね”

 

 少し笑って言った。

 

 じゃあ、今後ろから、とんでもない圧を出しながら近づいてくるのは?

 

「許さない、許さない、許さない、許さない、許さない許さない許さない許さない許さない許さない!」

 

 どんどんどん! と、まとまった銃弾の音が響き、数人の風紀委員が倒れる。そして、まださっき起き上がったばっかりのイオリの腹に何発がぶち込んだ。

 

「うぐ!」

 

 二回目はきつかったか、流石に戦闘不能であるよう。そうして笑顔でハルカは言う。

 

「助けに来るのが遅くなりました……! す、すいません私のせいで!」

 

 皆も賑やかに、されど頼もしい表情で横に立ってくれている。アコちゃんは、余裕あるように見せているだけの顔を、少し不機嫌そうに歪ませ、「包囲は?」と聞いた。

 

「す、すいません! いつの間にか突破されまして!」

 

「ねえアコ。さもここまで来たのは偶然みたいに話しているけどさ、偶然じゃないんでしょ?」

 

「そ。……あのさ、アコちゃん。流石に、こんなしょうもない校則違反者を追ってたら他の学校の自地区内で戦闘をしてしまいましたなんて、流石に冗談きついよ」

 

 そう言うと、アコちゃんは露骨に面倒そうな顔をした。

 

「面白いことをいいますね。じゃあ、なにを目的にここまで来たというのですか?」

 

「シャーレの先生。アコ、あんたは独断でシャーレの先生確保が目的だったんだ」

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