前世の記憶が戻ったので、シャーレでハッピーエンドを手に入れたい   作:うどんそば

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誤字報告かんしゃあ〜 ものすごく助かってます

調子に乗って題名変えたけどこれで良かったのか……?


お手並み拝見

「じゅ、銃声!?」

 

 ノノミちゃんがびっくりしたように声を上げた。

 

「ひゃーっはははは!」

 

 外を見ると、頭がおかしいのだろうか、銃弾を無駄に乱射しながらヘルメット団が騒いでいた。そのヘルメット団はこちらに近づいてきており、このままではアビドスの中に侵入してきそうだ。

 

「あいつら、性懲りもなく……!」

 

 シロコちゃんがちょっと不機嫌そうにつぶやく。こういうということは、何度も何度も来ている奴らであるということだろうなと。

 

「ホシノ先輩を連れてきたよ! 先輩! 寝ぼけてないで起きて!」

 

「むにゃ……まだ起きる時間じゃないよー」

 

 あ、ホシノ。こうやって見るとちっちゃ!本当に小柄なんだなあと実感する。前の世界より、私が十と言わないくらいには小さくなっていることを考えると、想像していたよりも小さかったかも。

 

「……ホシノ先輩! カタカタヘルメット団がまた襲撃を! こちらシャーレの先生です!」

 

「あ、先生? よろしくー」

 

 むにゃむにゃしながら先生に挨拶する。私にも手を上げて挨拶してくれた。手を上げ返すと、へにゃりと表情を崩す。かわいい。

 

「昼寝もできやしない……ヘルメット団めー」

 

 シロコちゃんは、準備万端で銃を取った。ノノミちゃんたちもそれに続く。アヤネちゃんはオペレーターみたいだ。……このあたりは、本当にゲームと変わらないんだな。

 

「先生も私と同じ場所で! って、キタノさんは……」

 

 アヤネちゃんは、私の扱いに困った顔をした。そりゃあそうだよね。オペレーションしようにも、よく実力がわからない奴のオペレーションなんてしにくいだろうし。

 

「うーん、シャーレに入って初戦闘だし、これからも戦闘することは多くなるだろうし、今日は先生に私の実力でも見てもらおうかな。だから、私は自由に動くよ。先生! お手並み拝見、的な?」

 

”うん。キタノがきちんと動けるようにするね”

 

 うん。言っただけできちんと意図を理解してもらえたね。自由に動くということは、他の人の邪魔になってしまう可能性もあるということ。

 だから、そうならないように、私の射線や行動範囲に、みんなが入らないようにしてくれって事だ。そうすれば危なくない。

 

 本当は、先生の指揮で戦いたかったけども、それじゃあ私の実力をきちんと把握してもらえない可能性があるから、ここでしっかり見せておかないと。

 

「じゃあ先生、任せたよ!……見ててね」

 

 

 ●●●

 

 

 戦場は瓦礫だらけ。障害物やらをうまく使いながら来るので、パワーで突破するのはきついかも。

 

「助太刀いたすー!」

 

「お? 助かったよー。ちょっと数がね」

 

 おそらくリーダーだろうホシノに認識してもらえた。これでとりあえず、お互いの認知は済んだ。先生も気をつけてると思うけども、フレンドリーファイヤは避けたいからね。

 

「私は自由に奥を殲滅してくるから、正面から持久戦しててもらえるかな? 多分そっちはアヤネちゃんと先生の指揮があるから大丈夫だと思うけど」

 

「うへー、それじゃあ大変なんじゃない? 大丈夫なの?」

 

「よゆーだし」

 

 それだけ言って、私は前に走り出した。

 奥に突っ込むためには、表面に穴を開けないといけない。とりあえず愛銃……ミニ君を取り出し、動線の先にいる数人を薙ぎ払うように撃った。

 

 このキヴォトスの世界では、基本的に銃弾一発で気絶したりしたりすることは少ない。が、きちんと急所やらを狙えば別だ。前世で有名だった血管や神経が集まる場所を狙うと、相当強い……それこそ、ツルギさんとか、ヒナとか以外には効く。

 だから、狙うのは首元、腿、股関節、頭、心臓付近だ。的確に当たった敵……ヘルメット団は倒れ、列を組んでいたところが崩れる。そこを突っ切るように走っていく。塞ごうとしているやつは銃床で思い切り殴れば気絶する。ミニくんは可愛い名前して、軽機関銃だからね! マガジンもほぼ満タンだし、7.62×51mm仕様のマークIIだから、特に痛いだろうね。ほぼ鈍器だし。

 

「コイツ……強え……」

 

 ずっとそういう戦いをしていたら、徐々に近くから雑兵が減っていく。他に来る手練れの兵も所詮はただの不良。いろんな強者達と戦ってきた私からすれば全く問題ない。お前ら私に勝ちたいならせめてカズサちゃんに勝ってからこいやぁ!

 

 そうこう入っていくと、おそらく指揮官だろう少し偉そうなやつが目に入った。ちょっと奥に来すぎたかな。

 歩みを止めると、周囲から徐々に囲むように近づいてくるおそらく幹部級。

 

「オイ……随分舐めたことしてくれたみたいじゃねえか……!」

 

「今テメエのせいでアタシら苛ついてんだわ……手荒になっちまうかもな!」

 

 その声とともに周囲から一気に発砲される。だが、あまりに単調すぎて、しゃがめば全弾避けられるものだった。床に転がるように一人の足元に向かうと、それが狙いだと言わんばかりにニヤリと笑みをこぼす姿。

 

 ……まあわかってたけども。さすがに、さっきのを受けるのよりはマシ。少しの痛みを想像して若干憂鬱な気分になると……

 

「もー、だめだよ、一人で敵陣に乗り込んじゃさー」

 

「ホシノ!?」

 

「あれ、名乗ったことあったっけ?」

 

 あ、そっか。ここじゃ、私が彼女たちの名前を知っているわけはないのか。

 

「あー……ヒナから聞いたことがあって……それに、さっきも呼ばれてたし……」

 

「ヒナって……ゲヘナの風紀委員長? とんでもないのと交流があるんだねえ……っと、じゃあ、とっととおわらせようか」

 

 ホシノは、ショットガンを一方に打つ。そこが少し崩れ、きれいな円形ではなくなる。そこに私は転がり込み、両隣の顎下を銃で殴って気絶させた。そうして立ち上がり、一番強いのだろうボスに向き直った。

 

「じゃあ、やろうか」

 

「クソッタレ……がよぉ!」

 

 おそらくご自慢なのだろうアサルトライフルが火を吹いた。少しの時間の後、火薬の匂いが強く残り、若干熱感までを感じた。銃口から煙が消えると、手元にあったマガジンをすぐに新たなものと交換しようとする。だが、それはさせない。

 

「!? マガジンが!」

 

 マガジンを撃った。端を打てば、銃を連射した後のしびれた手元からなら簡単に弾き飛ばせる。

 そして動揺するヘルメットの頭に、何発も銃弾を打ち込んだ。そもそもミニ君は軽機関銃。単発の銃じゃないんだから。

 

「うへー、容赦ないね」

 

「ホシノ……さんも大概じゃないですか? あいつら、皆倒したんですか?」

 

「そんな改まらなくたって大丈夫だよ。さっきみたいに呼び捨てでいいしー、敬語もなくていいから」

 

 ホシノのいたところは、死屍累々の光景が広がっていた。腹にぶっ放されたみたいなものから、流れ弾が脇腹に……みたいなのまで。

 ……さすがアビドス最強格。

 

「それにしても、さっきの戦いすごかったねえ。おじさん、感心しちゃったよ」

 

「そうかな? これを見る限りホシノのほうが凄そうだけど」

 

 そうやって、呑気にお互いの戦いの感想を言い合っていると、奥からシロコちゃんとノノミちゃんとセリカちゃんが走ってこっちにやってきた。

 

「ん、綺麗に皆倒れてる」

 

「み、みんな倒しちゃったんですか?」

 

「こっちは退却させるだけでも精一杯だったのに……」

 

「まあまあ、退却させられただけ戦果だよ」

 

「そうそう。私もホシノが来なかったら殲滅まではいってないかもだし。……じゃあ、アヤネちゃん」

 

 声をかけるとアヤネちゃんは少し逡巡するような素振りを見せ、そうして笑顔を見せた。ふう……やっぱりこういう顔を見られると問題なかったんだなって、一安心できる。

 

「カタカタヘルメット団残党、郊外エリアに撤退中です」

 

「わあ☆私たち、勝ちました!」

 

「思い知ったか! ヘルメット団め! しかも幹部級はみんな倒されて!」

 

 ノノミちゃんとセリカちゃんが喜びの声を上げ、アヤネちゃんがお疲れさまでした、と労いの言葉をかけた。

 

「じゃあ、学校に帰還しましょう!」

 

「そうだね。早く帰ろー」

 

 戦闘のあととは思えない、呑気な声に皆雰囲気を柔らかくしながら、帰路をたどり始めた。

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