一夏入学
俺は織斑一夏。
この度、高校生になった身なんだけど。本来の志望校ではなく、まあ都合上女子校である場に唯一の男子として入学しました。
何かがおかしい、それは小学校の辺りからの事。何故か思い出せない事がやたらある気がする日々で、スッキリしなかった。
姉である千冬姉と一緒に両親に捨てられて以来、世話になった五反田食堂やラーメン屋台のおっちゃんやらのご近所から中国から来た鈴の事に・・・・何より千冬姉の親友になった束さんの事はこの上なく良く覚えてるんだがな。
【束さん】
そう、束さん・・・・束さんだよっ!俺が一番気になるのは千冬姉の次は束さんだ。
それが、俺がすんなりここに来た理由だ。
ここはIS学園。
束さんが造ったIS、正式名称は?
〈インフィニット・ストラトス〉
簡単に言えば、宇宙の活動を視野に入れたパワード・スーツな類いで登場以前の全ての兵器を上回る性能あるが、女性にしか動かせない欠陥があるんだ。
束さんが起こしたとされる白騎士事件、コンピューターをハッキングしたりした場から2300以上のミサイルが日本に撃ち込まれたが、白騎士と言われるISが撃墜。それを見て慌てた各国が現存兵器を無数に送り込んだが返り討ちにされてしまう。
それをキッカケに、束さんが色々やってISのコア467個を各国に提供したりでIS中心の世界=ISを動かせる女性中心に動く女尊男卑な世界になった・・・・その割には、どこか違和感だらけな風潮を作った。
ここは、そのISについて学ぶ場・・・・にしては普通の部活動とかあったりでそれに特化してるのか疑問な場だ。
そもそも白騎士事件は、あの束さんがやるにしては確信犯にしても半端に過ぎるし、何より俺や近所の状況だ。
世界中で起きた事に比べて、あまりにもそれ等の風潮とは無縁に近い!俺や近所が千冬姉の影響あるから下手な事はやれないとか言えばそれまでなんだけど怪し過ぎるんだ。
第一に、白騎士の正体は?
【千冬姉だろうな】
そう思ってて、つい口に出した時に近所の皆は何か曖昧だった。
俺はそれ等関連を知りたいと思って、千冬姉には悪いけど、モンドグロッソ大会・・・・束さんから宇宙云々聞かされた俺からしたら、現状維持の為に考案されたIS使った競技会とでもするべきなのかな世界大会に優勝してブリュンヒルデとか呼ばれて荒稼ぎした金を生活費に使わせてもらいながら勉学やら武術やらに勤しんだ。知りたい事に必要な知識欲しいし、元々身体は鍛えときたかった。
姉が姉だから、どんなに周りに誉められても遠くに感じたけどな。
そんなこんなな日々でモンド・グロッソ大会二回目で転機が訪れた。これが転機だったんだよなあ。
ドイツに着いていった俺だが、襲った奴等を返り討ちにしたのは良いんだが千冬姉には俺が誘拐されたと誤報が伝えられたらしい、決勝を放棄して飛んで行った先には俺どころか誘拐犯グループもいない。
けど、俺は知った・・・・どこかでおかしく思っていた事の真相を・・・・そうさ。
『千冬姉と俺の家族の秘密』
『実は俺達を捨てた両親なんていなかった』
そして、俺達にとっての。
『ただ一つの救い』
------。
回想を終えて、周りを改めて見る。
改めて、ここはIS学園だ。
何か男の俺がいるのに浮わついてるのばかりだけど、俺はわかってしまった。
クラスに入る前は俺に敵対心を向けたくても向けられないのが大勢存在した。ISがキッカケの女尊男卑思想なんかには都合が悪いんだろうな、例え織斑千冬の弟だとしても・・・・繰り返すが、俺は織斑千冬の弟だ。それをどうにかしてみろ、自分達の危険が危ない。
一方で、俺に微妙な視線を向けたのがいた。
実は知っているのは極一部で薄々気付かれつつある事・・・・実は設立時期より比較的日本人以外がここに来れる理由は俺と日本政府にある。
実はドイツの事件は?
【日本側が仕組んだ事だった】
だって、有り得る事態なのに俺の警備が疎かにも程があった。
日本政府としては、俺を誘拐させたり何だりして千冬姉のお荷物扱いな俺を排除したりを始めとして陰謀が多々あったのだが、陰謀を仕組んだ奴等は?
【千冬姉に死なない程度に殺された】
いや、昔の漫画の迷言が元だが・・・・実際あったらあんなだと思うんだよ。
そんなワケで日本側が海外組の割合を増やさざるを得ないのだ。何故なのかはIS開発者や最初の世界大会優勝者が日本人だからだろで何となくわかる経緯だ。
尤も、問題なのは?
【織斑千冬を世界大会に出場させたに尽きる】
だって、束さんの親友だから白騎士事件以前からIS絡みな何かに関わってハズだ。
つまり、千冬姉は格闘技に例えたら組手やら乱取りが出来るようになった人達を集めて試しに競技会とかを開いた中に、有段者が他と同じく組手や乱取り出来るようになったレベルの者ですと偽って参加したようなもんだ。
実を言うと、政府の圧力やら世間体やら生活環境改善の為もあったからとか言われたらそれまで。
とにかく、何でこんなとこいるのかは束さんの誘導に決まってるけど・・・・俺は敢えてその考えに乗らせてもらった。
そうこうと回想してたらホームルームの時間となって見覚えある人が入って来た。
緑髪を清楚にまとめてるおっとりした眼鏡美人だが、同年代と間違えるくらいな人だ。スタイルの良さに周りがざわめいとる。副担任の先生で実技試験の相手だった人だけど・・・・気まずい、俺はあの人を?
【大怪我させちまった】
実技試験の時だけど、大丈夫だったのか?
そして、副担任な山田真耶・・・・後ろから読んでも『やまだまや』・・・・いかん、失礼な考えはよそう。一般なら稀有な癒しかもな挨拶した後に、クラスの皆の自己紹介に移って俺の番が来た。
「織斑一夏です。何故か男なのにISを動かしてしまった為に、この学園に急遽通う事になったので、廊下で様子見している御方の身内関係無く宜しくお願いします」
ガラッ
紹介内容に皆の視線が廊下に向いたらドアが開いた。
「全く、可愛げ無い・・・・」
「っ!?」
ピシッとスーツを着こなして入って来た千冬姉を見てサブイボがたった。正直、黒髪クールビューティーとやらだから似合うんだが?
違うだろ!千冬姉はもっとこう・・・・ご飯ガツガツ、スープもズズ~っ、朝の挨拶もパンツ一丁な系統の女なハズ・・・・と思ってたら出席簿が頭に振り下ろされたから白刃取りをした。
感覚が本物、夢じゃないのがショックだ。
「お前はいつからそんなになった?」
「いや、其方こそ外見だけじゃなくて素行も年相応になってくれよ」
「・・・・」
一瞬、姉は悲しいぞと言わんばかりの目の色になったが知らん知らん。とにかく、時代錯誤な鬼軍曹みたいな紹介してるのに周りは黄色い歓声だが、実を言うとドイツで不本意な事に教官勤めた経験のせい・・・・つか、あの【黒兎隊】は元気にやってるか?
そして、送られた本を元に詰め込んだお陰で無難に最初の授業終えたら・・・・何か妙な気の奴が近付いてきた。外見は黒髪ポニーテールのいかにも日本的な割にスタイルが凄い女。
「ひ、久し振りだな一夏」
「誰?」
何か目を丸くしてるぞ、様子を見てた側は微妙な視線を向けてる。
「お、幼馴染みを忘れたと言うのか!?道場でいつも一緒だったではないか!」
「道場・・・・道場って・・・・もしかして『束さん』のとこにいた奴か?」
「!!・・・・な、何で姉さんを覚えていて、私を覚えていないのだっ!?」
「姉さん・・・・って、事は・・・・お前、束さんの妹なのか?束さんに妹なん・・・・て・・・・っ!!」
その時、俺の中で何かが溢れ出た。そう・・・・目の前の・・・・こいつ!こいつ!こいつがっ!
「い、一夏・・・・」
「なあ、お前は何かしただろ。俺は今すぐお前をどうにかしたくて仕方ないんだけど・・・・」
腰を抜かして尻餅を付いた女と、それを見下ろす俺の間に歩み寄って来る気配は知ったものだった。
「そこまでだ」
「千冬姉・・・・」
「織斑先生だ。今は私を信じてくれ・・・・」
「・・・・わかった」
千冬姉の目には何か悲哀みたいな色があったから、俺は席に付いて次の授業の準備をした。良くわからないが・・・・俺はあの腰抜かした女より千冬姉が・・・・って、クラスの大半が腰砕けになっててやっとな思いで席についてる。やばい・・・・俺の高校生活は最悪の出だしになったみたいだ。
言うまでないけど、この世界の一夏は強いです。