白い闇から来た騎士   作:くまたいよう

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あらすじ

 学園に来て、一夏達のお陰で光明を見出だしたシャルルではあるが、クロエの転入により思い出したくもない過去が僅かに頭に過った数日後にドイツからの転入生ラウラがいきなりシャルルに平手打ちをした事により、溢れだしたものが部分展開したリヴァイヴの鉄拳としてラウラに放たれた。


シャルル、決壊の危機 地獄に落ちるラウラ

 悲鳴すらあがらない、ISの鉄拳を受けたら首から上が飛ぶだろうが、1組にとって幸いなのは近くにいた一夏で、ラウラの両足を水面蹴りで払った。雨の日は無能な上官が部下にそうしてもらえなければ序盤退場だった図の流れ、それにより上体を後方に逸らさせた事によりリヴァイヴの拳を空振りさせたが、鬼の形相でラウラに殺意を向けるシャルルは止まらない、仰向けに倒れたラウラに向け、追撃の一撃を打ち下ろしの形で放とうとしたが?

 

「~~っ」

 

 シャルルとラウラの間には、束から与えられた専用機を展開させたクロエが立ち塞がり、両目を開いてシャルルを見据えた。白目のハズな部分は真っ黒、虹彩は金色で明らかに普通ではない瞳・・・・それに見据えられて、今度はシャルルがへたりこんでいた。

 

(お、お母さん・・・・)

 

 シャルルがクロエの目を見た瞬間、亡き母を見ていた。滅多に怒りもしないが、その分怒ると怖くて、ただ悲しげに自分の目を見詰められているのは、シャルルの辛いが大事な記憶だった。事態を見て取った千冬は?

 

「バカ者共がっ!さっさと席に付け!授業を始める!」

 

「お、織斑先生・・・・けど、デュノア君の・・・・」

 

「ガキ共にイチイチ付き合ってられるか!貴重な授業時間を無駄にするのは忍びないからな!但し、次は無い!・・・・待て、デュノアとボーデヴィッヒは私が別室でしぼる!他は1時間目の授業!」

 

 麻耶にそう言って、シャルルとラウラの襟首を掴んで退出する千冬の様子に何事か?と思っていたが、クロエはどこからか取り出したものをラウラが尻餅ついた辺りに散布した。他は気付かなかったが、ラウラは恐怖のあまりに中身が入ったコップを倒すような事をしていたので、束の元で使っていた掃除用の便利道具を咄嗟に蒔いた。シャルルの放ったどす黒いオーラに震えあがった者以外は気付いてはなかったのだが。

 

(と言っても、俺も部分展開とか出来ても直ぐには動けなかった。あいつ、想像を遥かに超えてたな)

 

 そう、一夏は経験上でシャルルが溜め込んだどす黒いものに気付いてはいたが、想像以上であった・・・・多分、シャルルが殺意のままに動くような『女』なら、勝てないかもしれない、そう言えば自分が『 』を『 』そうとした時には・・・・と考えた辺りで、久し振りと考えてしまったが、それを見たクロエは『やはり』と考えて、一夏がラウラを救ってくれたのとは違う意味でシャルルに感謝していた。

 

 

 別室にて、シャルルと『着替えて来た』ラウラは並んで正座し、千冬に見下ろされていた。

 

(僕・・・・は)

 

 お母さんが何故か鮮明に見えた事で、頭が冷えて、何をしたのか理解した・・・・。

 

『殺してやりたかった』

 

 ラウラが僕を平手打ちした理由は推測出来るけど、された瞬間に嫌な事を思い出した・・・・だから・・・・でも、あの女じゃないのに。

 

「『殺人未遂』の被害者と加害者が出るとは、ここは共食い上等で『戦闘員』を育てる場では無いのだがな」

 

 先生の言った事で、また嫌な事を思い出す。そう、僕がデュノア社に連れて行かれてから過ごしたのはそういう場所、伊達に短期間で生身の戦闘もそこそこなIS乗りに仕上げられたワケじゃない、テロに遭ったのだけが理由で今みたいになったワケじゃない。

 

「ボーデヴィッヒよ?何故、デュノアを平手打ちした?」

 

「そ、それは教官が・・・・」

 

「『私』がっ?何だというのだっ!?・・・・即答出来ん事で私の名を使うとは舐められたものだな?・・・・次にデュノアよ?貴様、ISをああ使うのは立派な犯罪だ!ウチの愚弟に感謝しろよ、流石に『殺人』を庇う事は出来ん」

 

「「・・・・・・・・」」

 

 反論は出来ない、僕とボーデヴィッヒは厳罰を覚悟するしかないとして先生から出た言葉は予想外だった。

 

「では、次の授業から復帰して大人しく学生をしてろよ?ノートは他のを写させてもらえ」

 

 空いた口が塞がらない、そして帰って来た答えは?

 

「ボーデヴィッヒよ?クラスに行く前にお前が『私に対して』言った事を覚えているか?『ISをファッションか何かとしか考えてない連中ばかりな場に私は相応しくないから戻って来て欲しい』要約するとそんなだったな?だから、お前達みたいのが居てくれれば少しは浮かれた連中に対する牽制になるからだよ?『馬鹿とハサミは使いよう』だ。細かい事を自分達で考えてもらうにも役立つ」

 

 内容は尤もだけど、僕達は冷笑する織斑先生に震え上がっていた。クラスには危険物の見本や反面教師として、一応は居させてやるから有難く思えという事だけど、それは退室した先生の怖さに比べたら大した事にならない、1時間目終了のチャイムが鳴るまで僕達は腰を抜かして動けずにいた。

 

 

 一方、ラウラの暴発は自分がシャルルに図った便宜が原因と理解したが、多少考えれば阻止出来たハズと自省していた千冬の携帯には耳障りな着信音が響いていたので受信した。

 

 

『やっほ~~♪♪束さんに感謝してるでしょ?誉めて誉めて誉めてぇぇっ♪♪』

 

「悔しいが、クロエに救われたよ」

 

 そう、束の意図は理解した。シャルルのトラウマ改善から溜め込んだものの暴発の際、尤も有効なのは『亡き母』なのだが?言葉に出して使うやり方は無理だ。ならば、有事の際に理解出来ない状況で出てきてもらうような漫画のような都合良いご都合展開・・・・それに近い演出をしてもらうなら、クロエの能力は打ってつけだった。

 

『まあ、居なくてもちーちゃんが何とかしたろうけど?くーちゃんが自分から能力使うような事態になってくれたから寧ろ束さんが、あの金髪と銀髪な小娘に感謝してあげる♪♪利害や結果論の問題ありまくりだからにしても?細かい事は根回ししてあげるから、しっかり面倒見たりな♪♪』

 

 通話が切れた。確かに利害が一致しているからこその流れ、自分としても仮にシャルルが暴走しても一夏の為には丁度良かったとした算段・・・・そうだ。自分には一夏が全てだ。結果論として、周りに利益が出るような流れを望むのは、単に一夏に嫌われるのが、と考えた始めた途中、千冬は拒否反応を起こしてトイレに駆け込み、嘔吐した・・・・。

 

(嫌だ・・・・一夏に、一夏に『嫌われる』・・・・)

 

 そうだ。どんな卑劣な事も地獄に落ちるような事もしよう!だが、それだけは嫌だとしている。それを解決する為の答えも出している流れは何度も繰り返したが、やはり嫌なのだとしていた末に大半がこうなる。

 

『・・・・ちゃえば良いじゃん?』

 

 千冬は束に何度か言われた事が頭に過っていた。そう、悔しくて悔しくて仕方が無い事、こういう時に改めて襲われる事。

 

『束さんだって、いっくんがそうなる時をね?待ちたくないけど待ってるんだし?それに、ちーちゃんなら別に構わないんだよ?』

 

(束・・・・お前は、お前が何で・・・・)

 

『元々、二人はさあ?』

 

(やめ、て・・・・くれええ・・・・っ!)

 

 目の前にいた場合の束を殴って黙らせてもそれで済む問題じゃないとするが、そうだ自分は一夏を・・・・『 』の事なんか関係なく一夏を!・・・・と内心でも言えない情けなさに泣き崩れた。

 

 二時間目が始まった時には、いつも通りに担任の立ち位置に戻ったが、自信は無い・・・・が、生徒達はシャルルとラウラの件を気にしてしまっているから、自分から目が逸れていたのがまたしても皮肉な結果論として終わる。

 

 だが?千冬とて、黙ったままではない、そもそも二人は自分が学園に招き入れたようなものなのだ。その日の最後の授業終了後に千冬の策が動いた。

 

『学年別トーナメントはタッグマッチ』

 

 早い・・・・デュ・・・・いや、フランスにいた頃に聞いていたのより早い時期に行う?、向こうで言われた予定では一夏と組むように言われたけど?今の僕と・・・・昼休みは何処かに行ってたからにしても話せないでいた。やっぱり呆れられたかな?

 

「さて、これから出場する際のパートナー決めは時間を掛けてもらうが?私から言い渡しておく事がある!デュノアとボーデヴィッヒ?お前達は?」

 

 ああ、やっぱり出場停止とかかな?そうだよね、この学園に滞在する者が行事に参加出来なくなる事は重大だ・・・・僕みたいのじゃなければ将来に関わるからこそと思ってたら?

 

「お前達は、このトーナメントは出場を許す代わりにタッグを組んで参加しろ!異論は一切認めん!」

 

 予想外な内容・・・・ボーデヴィッヒさんはこの日、僕を見るのすら避けているのに・・・・現に身体をカタカタ震わせている?・・・・何で、自分から仕掛けてる割にこんなになる奴と?織斑先生・・・・何で、僕を学園に連れて来てくれた人かが・・・・何を・・・・僕、僕に・・・・!どうじロ゛っ゛デっ・・・・言ウノザア゛ア゛ア゛アァァ・・・・っ!?




 ラウラ、弱々しいイメージでのウサギみたいになった展開でした。

私作の紹介で設定?

織斑千冬

 含むとこ過多だが少なくとも一夏への愛情だけは形がどうあれ本物。見えないとこでそれなりにやっているが上手くはいかない、但し丸投げだけはしないでいるだけマシな立ち位置だが?『過去の大怪我』が原因で思い切りが悪くなっている。

ラウラ・ボーデヴィッヒ

 ドイツに短期間滞在した一夏と何度か手合わせした仲に加えて千冬がシャルルの為に色々やったのを知ったが為に一夏ではなく、シャルルに平手打ち喰らわせる展開になった結果、シャルルの溜め込んだドス黒いものの洗練?を受ける羽目になった。
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