白い闇から来た騎士   作:くまたいよう

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あらすじ。

 最悪のタイミングでシャルルを平手打ちしたラウラは過剰報復を受けかけてしまうが、一夏とクロエに救われて命拾いをした。恐怖に震えるラウラには恩師である千冬からの提案が更なる追い討ちとなった。一方で千冬も徐々に決壊の危機が迫っていた。



 おさらいとして、デュノア社の関連は真っ黒。


ラウラが見たもの ※閲覧注意

 怖い・・・・恐ろしい・・・・軍隊の特殊部隊の一員として育てられた私が心底恐怖していた。こんな事はあり得ない・・・・そう思っても、あのシャルロット・・・・いや、今はシャルルと偽名を使っている女に見据えられた瞬間に身体が振るえあがってしまって・・・・止めてもらえなければ、殺された後も殴られ続けてたと確信している。あれ程にどす黒いオーラを当てられたのは初めてだ。その女とタッグを組めなんて・・・・教官が何を考えているのか・・・・だが、異論は認めんと言われてしまった。

 

(助けて、下さい・・・・助けて下さい・・・・教官)

 

 震えながら、割り当てられた自室に入った自分を迎えたのは、知っている顔だった。

 

『織斑マドカ』

 

 ドイツにいた頃、教官の妹としていつの間にか教官の傍にいたが・・・・教官や一夏に襲い掛かる度に半殺しにされて、それでも挑み続けていた女だ。何故か、いつの間にかイギリスから専用機を譲り受けて私より先に此処に来ていた女だ。

 

「ふんっ、久し振りと思ったら初日から随分と情けない顔になったものだ。高校デビューとやらに失敗した一般人の方がまだマシだぞ?腑抜けた面を見たくはないから、お前の方から顔を合わせるなよ?今度のトーナメントで後ろからシャルルにやられたりしてくれれば私には都合良い、その時は精々?楽に殺してもらえるよう祈るんだな!」

 

『楽に殺してもらえるよう祈る』?

 

 そう、私は殺される・・・・シャルルは私を殺したがっている・・・・だから?

 

『殺される』

 

『殺される』

 

『殺される』

 

 ただ一つわかってしまった事、他の誰かにしてもらった方が幸せな事。

 

『私はシャルルに殺される・・・・』

 

 ISが普及して、一時転落した時とは違う恐怖に私は部屋を飛び出してしまった。飛び出した私の目に映ったのは?

 

「一日・・・・目カ、ラ脱走か・・・・い・・・・?ドイツのウサ・・・・ギ、さん?随分と思い、切りが・・・・良い、よねエエっ?」

 

 シャルルだ・・・・壊れた機械人形のような声色が混じる喋り方には恐怖以外感じなくなって、私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな光景を?後からやって来た一夏に何とかバレないように監視していたクロエは事前に束から聞いた事を含めて、僅かな間で把握していた。

 

『織斑一夏は人が良いように見えて、実は幼い頃に束が言ったように?困ってる子がいたら自分を頼って良いから助けてやりなよ?という言葉に忠実なだけ、加えて束と会ってから丸くなった千冬の影響でもある』

 

 恐らく?半分近い割合で、この推論が当たっているという事を・・・・そして、それこそがクロエがIS学園に送られた理由であるとまだ気付いてない。

 

 尤も、束はクロエと一夏の事を気遣う意味でやっているのは間違いではないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何か、捕えた小動物を捌いて料理してくれみたいな感覚だな、とにかく渇っ!』

 

「・・・・っ!」

 

 気絶していたラウラの両肩辺りに触れて『渇』と叫んだ一夏、ラウラは意識が戻って、一夏を見た。知り合いらしいので、別に変な反応はしない、けど少しずつ気付いたようだね、一夏の部屋と言う事は?

 

「ヤア?」

 

「っヒィ・・・・ィ・・・・っ!」

 

「おい、殺すなよ?」

 

「わ・・・・かっテ・・・・ルよ?」

 

「とにかく、久し振りだなラウラよ?お前の事だから『馬鹿な計画立てて日本に来た割には、千冬姉が表向きの立場悪くしてまで便宜図ってくれる事態招いたフランスへの制裁のつもり』だったにせよ、初対面な相手に平手打ちして過剰報復喰らい掛けて助けられましたとは?『クラリッサ達』が聞いたら、どう思う事やら」

 

『クラリッサ達』

 

 予想通りな事はさておいて。ラウラに関して、実は一夏はドイツにいた頃に揉め事の仲裁を頻繁にしていたらしいから、その時の知り合いかな?と僕は思った。そう考えられるのは、一歩引きながら恐怖に震えるラウラを見下ろしているから、哀れな姿を目の当たりにしていたから溜飲が下がったから?と考えてたら、一夏がとんでもない指示を出した。

 

「おい、シャルル・・・・脱げ!」

 

「・・・・へ?」

 

「言う通りにしろって約束だ。今は『使ってない』だろ、何かお前が千冬姉に甘やかされてるって勘違いしてるみたいだから目を覚まさせるにはそれしかねえ」

 

 一夏からの『使ってない』という言葉だけで僕は事態を察した・・・・ボーデヴィッヒさんの事は推測はついてたし?そうだよね、どうせ最初からバレてると思ったから・・・・だから。

 

 言われたように全裸になった。ラウラは息を飲んでるし、声だけは聞こえる距離に隠れてる一夏は少し気まずそう・・・・そうだよね?『普通の女の身体』じゃないんだし?

 

『切り傷』『火傷跡』『銃痕』

 

 そんなのなら良い、特殊な拷問器具でやられたり、普通の打撃でも?繰り返されたせいで半永久的なレベルで消えないだろう腫れや打撲痕、服で隠れるような場所ばかりを念入りに痛め付けられたんだ。

 

 特殊な光学?を初めとした処置で目に映らないようにしてる。スタイル自体はそこそこになるよう育てられて来たけど、例えば傷痕見えないようにした裸を見せる場面で?一夏にハニートラップを仕掛けたりする際にウケるようにな事を考えてのものだよ。

 

「お、お前・・・・それは?」

 

 有りがちだね、軍隊な割には秘蔵っ子側だからこういうのとは多少ズレてるのかな?あっても、これ程じゃなかったの?

 

 まあ、良いや・・・・一通り説明したよ。

 

 デュノア社に引き取られてから特殊訓練での傷は勿論、殺したって構わないとされるレベルでのものから拷問された時の為の耐久訓練・・・・実のところ、あの女・・・・僕をいきなり叩いた義母の手回し・・・・有りとあらゆる苦痛をわざと与える仕打ちを四六時中受けるのも珍しくない毎日、そのせいで短期間でスパイもこなせる戦闘員級のレベルになれた。実は、テロに合ったり今朝の件で頭に血が昇ったりして有耶無耶になりかけてたけど?

 

「ドイツはナノマシン系技術を始めとしたものが発展している。自分の身体を治したりフランスの虚偽を暴いてやる為に『ドイツにいた時期がある俺と千冬姉』のとこに送られるのを利用したワケだ。それには関心するよ」

 

「い、いや・・・・それなら、最初から知っていたら・・・・その?」

 

「それ・・・・は、何か・・・・『罠』・・・・あるか、もしれ、な・・・・かった・・・・から」

 

 気まずそうだ。わざわざ送られるからには、フランスが何か仕組んでる可能性は有り得るのを見落としてたの?僕をどんな風に思ってたのかを推測してみたら?

 

 

『流されるままに生きて、フランスからのバカな計画で日本に送られた途中でテロに遇って、日本の軍とかに保護されて事情聴取もままならないくらいに塞ぎ混んでたところを?尊敬する織斑千冬が自体の立場悪くするくらいに色々やって学園に連れて来た娘』

 

 

 そんなところなんだろね?まあ、確かに噂に聞く『黒ウサギ隊』なら、織斑先生の狂信者寄りなのがいても可笑しくはない。

 

 そもそも、何故ドイツの情報が入ったのかも注意が必要だ。わざと泳がせてドイツに対する当て馬のようにする気なのだとしたら不味いと思った・・・・まあ、それはそれで好都合な計画も考えていたと言ったら、感心されたような顔されてる?それで、もう良いから服を着るよう言われた一夏が僕に頭を下げた。

 

「変な事をさせて悪かった!けど、これくらいしなければラウラはお前に対しての勘違いや偏見捨てたりしそうになかったからな、何か質問は?」

 

「べ、つ・・・・に」

 

「わ、私・・・・は」

 

「話は終わりだ!続きは二人だけでにしろ!お前等はな?単に仲直りしましたで済まされねえ事をしたんだ!何で朝の騒ぎを起こしたかとかを含めて自分達だけで話し合え!俺は今後、お前等の間での事は一切不干渉!良いな?」

 

「わ、わ・・・・か・・・・った」

 

「す、すまなかった一夏・・・・シャル・・・・ル」

 

 

 

 

 

 そう取り成してもらって部屋に戻ったラウラだが、マドカからは先程とは違う怒りを向けられた。一夏に構ってもらったのが殺意を出す程に妬ましいのだろうが、やはり自分よりはマシだと久し振りに思った。

 

 

 

 

 

 

 そして、一夏は唐突な切り出し方をシャルルにしていた。

 

 

 

 

 

「原因は・・・・『打鉄』か?」

 

「う、ん・・・・」

 

 僕は話した。今の一般的な量産型ISは大まかに分けて?『打鉄』と『ラファール』・・・・要するに近接戦闘主体と汎用型に分かれてるけど、織斑先生=初代王者の影響で打鉄系の方が需要がある。だから、デュノア社は早まっているのだろうから、僕をスパイにするみたいな事をしたんだろうけど?

 

『僕はその二つが主流になる時点で不味いと思っている』

 

 例えば、生身やIS戦で織斑先生と篠ノ之博士に勝つのが当面の目標な一夏なら別に良いだろうけど、もしも篠ノ之博士が新たにISのコアを作って宇宙活動用の量産機を造ったらどうする気なんだろ?って疑問がある。その辺り聞いて一夏は?

 

「悪かった・・・・結局、日本のせいだってとこだな・・・・」

 

 そう、これもお互い上手く言えないけど・・・・結局は世間で知られている『白騎士事件』の時から、そう感じてはいる。一夏もそっち寄りだ。

 

 あの時以来、日本が何かおかしい・・・・その話題に移りたいけど、まだ早いと思った。ここは自分も上手く把握してないせいか?ハッキリとは言えない一夏に調子を合わせる。

 

「で・・・・で、も一・・・・夏の・・・・せ、いじ・・・・」

 

「いや、でも『  』を俺・・・・が?」

 

 聞いた事が無い単語を呟いて、一夏は戸惑っていた。その『  』と言うのは・・・・けど、何か気まずそうだったから、噛んだりした?とかにして続きを聞いてみた。

 

「いやな、俺も訓練でやり過ぎて相手を殺し掛けたりしたバカの分際で?ラウラを落ち着かせる為でも?お前に『脱げ』なんて言っちまう辺りが駄目駄目でな、俺も実はドイツに滞在した頃さ、ある時に拉致されて散在な目に遭わされたんだよ?なのに、これだから?それに関して本当に悪かった!今回の件だけど、せめてものお詫びでお前の身体を普通に戻す手段・・・・心当たりを探るから・・・・」

 

「う、うん・・・・あり・・・・がと、う」

 

 言い終わってから、一夏は寮長室の風呂で一息着く事にした。実を言うと、セシリアの時のように束を頼れば数日で終わるが?一夏には『束との約束』がある。その内容の一部は?恥じない理由なら自分を頼っても良いが?一回目の後には暫く間を開ける事、それが絶対だとされた。

 

(真意はわからねえ・・・・けど、二人みたいのは放ってはおけねえし・・・・まあ、良いか?近い内に『  』・・・・って、またか?今日も日記がはかどりそうだ)

 

 

 

 

 一方。

 

 

 

『携帯に番号入ってるんだろが』

 

 屋上で佇む箒は一夏が何故そう言ったか?何故知っているのかを考えようとしてはやめるを繰り返していたが、彼女の同室の者は、焼き増し的な推測をしていた。

 

『恐れている』『認めたくない』

 

 そう、一夏が言ったのは箒の携帯に番号入っている事、そして知っている理由から推測される事を避けているのだ。

 

『織斑一夏にとっての一番は誰か?』

 

(・・・・良いじゃん?『初恋は実らない』もんなんだし?)

 

 どちらにとってもだが、少なくとも実る側と実らない側の違いになるかの一例?それが二人の差となっている。即ち?

 

『良い意味で、実らせようとする側』

 

『悪い意味で、実って当然と思う側』

 

(まあ、好きにしなさいよ・・・・私も日本に滞在する者として・・・・『最悪の結果』を一応は考えた側なりの自負があるわ、当面はクロエさんが動いてくれるかどうかだけど、そこでも差が出るわよ)

 

 そう、既に気付けた者の間でも成果を実らせられるかどうかの明暗が分かれている。




解説系?

フラグ?

一夏が初めて人前で『 』と分類される事をボヤいて、それを聞いたシャルル。

一応は私作な物語の肝、白騎士事件以降の日本の動き。

実は、一夏はお人好しに見えて束や千冬の影響でそうしてる部分多し。

キャラ設定。


ラウラ・ボーデヴィッヒ②

ある経緯で、千冬がシャルルへの便宜で他に貸しを作る事になったのを吹き込まれて暴走したせいで初対面で平手打ちを喰らわせが、運悪くシャルルの溜め込んだものを吹き出させてしまった。暴走を止める為に他を暴走させるとかにしても、相手が悪すぎて当てはまらない例になった。


デュノア夫婦。

真っ黒な毒親設定。



篠ノ之箒

一夏から存在自体忘れられてただけでなく、何かしたのだけは覚えられてるから初日に一夏から殺意?を向けられて千冬が取り成さなければ多分殺されていたが、本人は未だに自分に都合良い思考から抜け出せていない。


織斑一夏

幼少期から『束に勝つ事』を目指したせいでIS学園に入学して間もない時期から学生内では最強を争うくらいに強いが、時折記憶の欠落がある事と、時折訓練中にやり過ぎる事がある点を気にしているが、後者は千冬に釘を刺されてから改善の兆しがある。基本的に誰にでも優しく世話を焼いたりしてしまうが、千冬と束を悪く言わなければの話である。

私的見解?

原作において、一夏ってある程度事情知ってるのに束と仲直り出来ない箒を仕方ない奴と思ってる辺り、何気に一夏の中じゃ箒より束の方が上かもを私作に組み込んだ。
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