白い闇から来た騎士   作:くまたいよう

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前回のあらすじ。

 ついに、タッグマッチトーナメント開催!

 クーちゃん、実は『師匠』のお陰で?

 奇襲掛けたラウラを・・・・ISシールド無ければ逆にノック・アウトしてたくらい強かった。

「紹介はしたでしょう?私は篠ノ之クロエ・・・・『束様の義理の娘』だと」

 どうする?シャルルにラウラ。


水滴

 篠ノ之箒は控え室で歯軋りしながらクロエの台詞を認めまいとしていた。単に相手に幻影を見せる小狡い能力が特徴のISを使ってるだけだと思っていた。

 

『束の義理の娘』

 

『この程度の護身術くらい出来ないでどうします?』

 

 この部分だけで、自分の在り方を否定し得るのだが、それ以上に『ある可能性』が推測できて必死にそれも認めまいとしていた。そうしている内に実況が響いた。

 

 

 

『思わぬ展開です!篠ノ之クロエ!伊達に篠ノ之博士の義理の娘ではなかったああっ!!』

 

 

 

 お母さんが生きていた頃に一緒に観たりした日本のアニメの吹き替え版で、度々あった武道会のノリみたいだ。けど、そんな軽いノリで済ませたいって願望、正直言って打つ手が・・・・いや、待って?ISでの体術が確かに凄かったけど、レーゲンのシールドエネルギーが殆ど減らないって事は?

 

「シャルル・・・・気付いたな?恐らく、殴る蹴るの時にシールドエネルギーを減らすような何かは無い・・・・一夏の粒子砲に気を付けながら距離を取って・・・・」

 

「危ないっ」

 

 僕達を分断するように白い闇の粒子砲が数発飛んで来た。しかも?幻影が来て、次は粒子砲が数万発に見えて・・・・不味い!思わず分散してしまったから、完全に引き離される形になっている。

 

『僕と一夏』

 

『ラウラとクロエさん』

 

 距離を置いての一対一に持ち込まれた。これでは不用意にまた合流しようとするのは危険な形で、クロエさんは恐らく積極的には仕掛けないから?

 

「お互い、一対一で勝って片方に加勢した側の勝ちだね・・・・」

 

「まあ、そうだな?そう言えば、お前とは模擬戦とかやる前にトーナメントが決定したんだっけな?丁度良い・・・・!」

 

 僕はマシンガンを構えた。あの大型ブレードを・・・・ブレー・・・・ド?そう考えた瞬間・・・・僕の中で、何か既視感があった。

 

 一方?

 

「・・・・来ないのですか?」

 

「迂闊に仕掛けたら危険なのでな」

 

 不用意に飛ぶ事も出来ない、何かの幻影を見せられた隙を突かれたらやられる・・・・間合いを詰めて開いて、一定距離を保ちながらお互い攻め込めない・・・・しかし、あの顔・・・・閉じているまぶたの奥にある目は?初日にシャルルを叩いてしまって以来、気にする余裕すら無くしてしまったが・・・・いや、いかん!シャルルがやられては終わりだ!ここは多少痛打を浴びる覚悟でシャルルに合流を・・・・。

 

「やめときなさい・・・・『足手纏い』になりますよ?」

 

『足手纏い』

 

 その言い方は・・・・と考えた時に視界に映ったのは予想外な光景だった。

 

 上空で一夏とシャルルの戦いが始まっているが・・・・粒子砲とマシンガンが飛び交う戦い、機を見て大型ブレードの斬撃を一夏が見舞うが、紙一重で回避して至近距離でのマシンガンを見舞うが、一夏は回避している?あれは・・・・。

 

「予想以上にキツい・・・・っ!」

 

「・・・・まだまだだよ」

 

 僕は、当たったら致命的な大型ブレードを何とか回避しながら、ありったけの火器を代わる代わる撃ち込んだ・・・・けど、それを全部回避している・・・・まるで。

 

『複数の敵の攻撃を次々回避しているような動き』

 

 次に右に回られて、今度は斬撃じゃなくて突きが来そうだから、引っ掛かったフリをして斬撃に対するカウンターとしてショートブレードの突きを・・・・と考えたら見抜かれた!突きを囮に粒子砲をゼロ距離で放って来たから敢えて受けながら展開したアサルトライフルを撃った!防御が間に合わないで一発当たったようだ。お互い着地して様子を探る・・・・シールドエネルギーが三割減っているのは、直撃は受けてないけど掠めたりはしてるから、けど一夏も多分似たような状況なハズ!

 

 観客も実況も沈黙する中で、管制室で様子見している千冬に向けて、真耶が口を開いた。

 

「デュノア君・・・・何があったんでしょう?」

 

 真耶の言う事は尤もだな、ラウラに向けたどす黒いオーラとは違う何か、明確な何かを見つけて・・・・激流ではなく、岩を穿ち得る『水滴』のような精密さとなった?これは、想像以上だ・・・・やはり、あいつか?もしもの時に。

 

『一夏を止められるのは』

 

 気の毒な事になってしまったが、実力を認めたのは偽りではない。

 

 一方でボーデヴィッヒは迂闊に突っ込もうとしないな、どうやら攻撃一辺倒だった悪癖は少しはマシになったか、これで当面は安心と感じて一夏の方に目を向けた。

 

 尚も続く激戦、お互い致命傷を与えられないまま試合時間ばかりが経過しているが、均衡が破れた。体力の差で僅かに一夏が優勢になっている。

 

 動きが鈍ったシャルルの肩口辺りを狙って大型ブレードが振り下ろされるが?

 

 ライフルの銃床で何とか横に剃らし、喉元を狙うナイフの突きを左手の裏拳で弾かれた?

 

 剃らされたフリ、一夏は右手で大型ブレードを構えている光景が予想出来たけどシャルルは態勢が崩されてる。

 

『やられる』

 

 ラウラには悪いけど、負けてしまったと思ったその時?

 

「っぐ!?」

 

 側面から飛んで来た影?僕を庇うように一夏が左腕の装甲で咄嗟にガードしたけど、破壊されてパージされた?

 

「あ、あ・・・・あっ」

 

 露出した腕の部分が半分は血に染まっているのを見て、テロにあった時の光景を思い出してしまって震えるしかない・・・・そのまま乱入者から庇ってくれるように立った一夏が見ていたのは黒い全身装甲のIS?それにしては、何かで覆ったような歪さで形状に見覚えがある。何が起きたのか?ラウラ達はどうなったのかと、周りを見ると、クロエさんが昏倒していた?・・・・ラウラ、ラウラは何処に行ったの?




紹介

シャルル・デュノア・・・・本名シャルロット。

 デュノア社の社長が愛人との間に産ませた子であり、裕福では無いが幸せな母娘家庭で育っていたが、母の死によりデュノア社に引き取られた。

 但し、ISを扱う為のモルモット扱い、義母からは泥棒猫呼ばわりされて初対面で叩かれて以降、ラウラですら震え上がる仕打ちを与え続けられながらの日々だったが、その途中で『大型のブレードを持つIS』に既視感を持つ経験をさせられた。
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