タッグマッチトーナメントで思わぬ強さを見せたクロエ。
分断された後に一夏と一騎討ちをする形になったシャルルは?大型ブレードを構える白い闇に既視感を抱いた後、気付いたら千冬ですら刮目する程に互角の激戦を繰り広げた。
しかし、体力の差でシャルルは敗北を覚悟した瞬間に別方向から『黒い何か』が乱入して来た。
ISの普及、眼帯の下にある『目の移植』により・・・・出来損ないとされた私を救ってくれた教官とその弟・・・・後に二人の元に来た妹、確執がありながらも私を認めてくれたクラリッサを始めとした隊員・・・・初日に平手打ちしてしまったシャルルは複雑にしても、私なりに大切なものは増えた。
クロエに『足手まとい』と言われた事はまだしも、私はまだまだ強くならなければならないと思っていた時に目にしたのは。
『まるで、あの『 』と互角に戦っているシャルル』
(願うか?)
正直、嫉妬していた中で?何処からか声が響いた。
(力を求めるか?)
力・・・・よこせ!力を!シャルルじゃない!私だ・・・・『 』を倒すのは私だ!あいつなんかじゃ・・・・『シャルルなんかであるものか』!
そうして、何かの起動するメッセージを聞いたと思ってたら、私の意識と身体は黒い何かに包まれた。
そして、シャルルに襲い掛かったラウラには既に意識は無かった。斬撃から庇った一夏のISの左腕を破壊したが、その手応えすら感じていない。
『暮桜』
目にしたものは、直ぐに理解した。ブリュンヒルデと唄われた織斑千冬のISだ。それを黒く、歪んだ形にしているような形状・・・・不意を突かれて思わずシャルル達との間に立ったクロエは突進する暮桜らしきものに蹴散らされてしまったのだ。
「あ、ああ・・・・っ」
シャルルは青ざめて、涙すら流して震えていた。平手打ちされるくらいでテロのような理不尽な暴力に晒された事は無かった。あの黒い何かから感じるものは自分が晒されたものに最も近い・・・・事態を察した一夏はシャルルを残った右手で抱えて離脱をした。何とかクロエも救って一時退散が望ましいが?
(シャッターどころか通信も全て封鎖?)
状況を確認したら、対抗戦の時の事態がまたしてもだった。シールドエネルギーも今ので二割以下に減ってもいるし、片腕が破壊された。これは不味いと思っていたら一直線にシャルルをあの『雪片』らしきもので狙って来てる?
(シャルルに囮にでもなってもらって?死角から『アレ』の一撃見舞うのが戦術的には正しいんだが・・・・)
今は駄目だ!今のシャルルは囮なんかにやらせられない、と言っても余裕は・・・・そう考えながら暮桜もどきの猛攻から逃げるしかない一夏だが、横からクロエが暮桜もどきを蹴り飛ばした。鮮やかとしか言いようが無い。
「いっくん様?既に気付いてるようですが?ラウラのISが何かで変化して、あのような事になっています。申し訳ないですが?私も不意打ちを受けてシールドエネルギーが減ってます。幸い、相手は視界が悪い様子で迂闊に近付かなければ安全で、死角からの不意討ちが有効!ここは私が囮になりますから・・・・ラウラを包んだ何かを『アレ』でお斬り下さい」
「そりゃ正しいけど、此方もISの片腕無くしてバランス悪いし、不安定だから下手したら命取る羽目になるぜ?」
『命』
その単語にシャルルは反応した。つまり?
『ラウラを殺す事になる』
「ま、待って!」
シャルルは両目に生気を戻しながら叫んだ。それは駄目だ!殺すのは絶対に駄目だ!と思った時、クロエの表情には『我が意を得たり』と言わんばかりの色の変化があり、一夏はシャルルの言葉に目以上に生気が戻っているのに気付いた。
「な、何か他に良い方法は無いの?」
「そうは申されても?あの黒い何かになるシステム、計算してみたら脳に負荷が掛かってるでしょうから迅速に救わなければどのみち死にます。それ無しにしても、時間を稼げても巻き添えで避難中の観客に被害が・・・・」
「ああ、何かあたふたしていて施設も不備を起こしまくってるしな?本格的に暴れられたら不味い」
シャルルはあのテロの光景を思い出した。そう、少なくとも自分に同情的だったかもしれない人達を救えなかった・・・・せめて。
「じゃあ、一夏にやってもらおうとしてるのを僕にやらせて!」
クロエは今度は開いた口が塞がらなかった。要はシャルルが囮になった隙を突かせれば良いのだ・・・・見たところ、シャルルにしか狙いを定めてないのだからと考えたが?
「わかった。けど、これから言う事を良く聞いとけ?」
一方?箒は訓練機を使って無理矢理試合場への壁を破壊してでも一夏の元へ向かおうとしたのを教員に止められていた。
「離せ!私は一夏のところに行くのだ!」
そうだ。今こそ、一夏と共に立つ絶好の機会なのに・・・・と喚きながらモニターを見た箒の目に映ったのは?
「これが・・・・『零落百夜』!」
正確には、模した物だ。白い闇の大型ブレードには粒子砲となっているものと同種のエネルギーを必要時に纏わせているから打鉄のものより破壊力が大きいのは知っていた。これは、それに千冬が使っていた零落百夜の技術を組み込んだ試作型なんだと説明された。
(これを上手く当てれば、暮桜を模したもののエネルギーを無くしてラウラを救える!・・・・お母さん、織斑先生、一夏にクロエさん・・・・力を貸して!)
祈るように一夏から借りたブレードをリヴァイヴ・カスタムの両手に構えるシャルル、その反面で一夏達は戦慄していた。ライフルを貸し借りするのとは次元が違う難易度のハズが事も無げにこれ・・・・話に聞いたデュノア社のやり方ではなく、他との連携等を重んじる場で育ったらどうなってしまったのだろう?と。
そして?
暮桜らしいものからの斬撃、一夏に聞いた限りで何故か袈裟斬りの型で来がちになっているから、それをただ払う・・・・返しの攻撃で「V」の字になるようにISの手足に・・・・生身を避けて、貸してもらった大型ブレードを振るった。
そうしたら、黒い何かが四散しながら消えて裸のラウラが落ちて来たので、僕は慌てて生身の両手で受け止めた。一夏との戦いと零落百夜のせいでリヴァイヴ・カスタムのエネルギーも無くなったせいだけど・・・・良かった。僕、やれたんだ・・・・と思った時?
何かに覆われた?クロエさんと一夏だけど、何が起きたの?
「動くなシャルル?身体を見てみろ、声を出すな?」
「へ?~~っむ」
「口を塞いで失礼、無理ないですが?あの黒い何かはISスーツすら消す何かがあったようですね?」
「観客の避難は済んでるし、今なら男がこんなとこで裸なんて気の毒だったからこうしたで済まされるハズだ!」
「そうですわ!話は合わせますから!」
「ふん、手間が掛かる奴等だ」
いつの間にか専用機纏った状態で来てくれたセシリアとマドカ、僕は命拾いした気分で皆に守られると言うより目に付かないよう庇ってもらいながら退散していた。嗚呼、これが珍道中ってものなのかなあ?
設定
白い闇の大型ブレード。
盾として使える強度だけでなく、粒子砲と同種のエネルギーを纏わせての高い攻撃力を持つ、真の能力は『零落百夜』と同様の力を比較的低燃費で纏わせられる技術にある。
裸の理由(笑)
漫画とかで裸になったのを見た時に、あのシステムを解除した時に女のISスーツを消しちゃう何かが働いたのか?って疑念あったから、シャルルに都合上で短い珍道中をさせる結果に。