トーナメントの騒動で休校となった学園、一夏の用意したレタスとチーズのバケットサンド程度なら食べられるようになったシャルル。
そして、デュノア社は何故かシャルルは愚か日本にいる自分達派への連絡すら取れない状況になっていたが、それを確認して高笑いする束の姿があった。
二日の休校が終わり、木曜日のIS学園では通常通りに授業は再会されたが、その一方で例外は幾らかあった。
療養中のラウラと謹慎中の箒。
そして?
「はい、あ~ん?」
「おい、こんな事までして楽しいか?」
「うん♪♪事情はあれだけど、女の子を悪い意味で女扱いしないのにはお仕置きだよ♪♪普通に食べさせるから口を開ける」
バツが悪そうにしながら言われた通りに口を開けて、例の名前明かさない先輩が?僕も大丈夫そうな料理やおにぎりにパン類を差し入れてくれた。
一方で?例の生徒会長の妹さんが会いに来ない理由は大体想像は付くけど、会ってみない事には判断つかないよね。
とにかく、その差し入れの中から箸で運んだ里芋の煮っ転がしを食べる一夏、今くらいが安く入るギリギリの時期らしいにしても、和食の王道だから力の入れようが違うね、僕もこれは大丈夫だったのが嬉しい味。
僕と一夏は、この前のタッグマッチで暴走したラウラに襲われた際に?
一夏は左腕の怪我、僕はラウラを解放した際に出たエネルギーを間近で浴びたから精密検査を受けた結果として?今週は自室での療養を命じられたんだけど・・・・今の状況みたいに思わぬ役得があった。
実はやっぱり『全部』知っていたクロエさんが色々やってくれたらしくて?僕が女だとバレてはいないけど、僕はどうでも良くなって来ている。元々、打算的な事は女だとバレたくらいでどうって事は無い算段はある。
シャルルがそう考える一方、一夏はある事を危惧していた。生来、社交性等が?母が死に、デュノア社に連れて行かれるまでは良い方だったのはわかる。これなら、今すぐクラスに戻ってもと考えたが、それは甘かった。
『良い?これからが第二段階ってやつよ?』
名前明かさないのも割と楽しんでないか?な先輩が差し入れしてくれた時にわかった。
シャルルは一見は復調しつつあるが、それは俺達みたいに多少付き合いがあったメンバーと千冬姉に限った話だ。先輩は俺と縁があるせいで多分大丈夫?な段階、ここはクラスに戻る前に?
しかし、今のこいつは?俺に妙なちょっかい掛けてるにしても?マドカとは全然違うし、どちらかと言うと・・・・と考えた時、それはイケないと思った。そう、束さんに言われた事があったんだ。
一夏は、自分にとっての『決め事』を破りそうになった。だが、それはシャルルに気付かれても、やはりとしか思われない域なのは知る術は無い。
「けど、織斑先生もやっぱり凄いんだね?一夏の右手を土曜朝くらい迄は機能が半分戻らないようにする『秘孔』?どこで覚えたんだろ?」
「知らん、しかし・・・・何だってこんな事・・・・」
「それは、一夏が片腕でも筋トレとか稽古とかやると見透かしてるからでしょ?お風呂も食事も手伝ってあげるから、言われた通りに『自分の見直し』図れば?」
「そう、だよな・・・・」
ご飯は、先輩だけじゃなくてクラスの皆が食堂から仕入れたりしてくれる事になっているから、自習とかしながら過ごしているけど、僕が食べられる物も少しずつ増えている。今みたいなイタズラも楽しい・・・・けど?
(やっぱり、織斑先生絡みの言い方をすると簡単に言う事を聞いてくれる・・・・何か、嫌だ。上手く言えないけど・・・・マドカは身内だから例外として?僕達や例えばセシリアとかも・・・・一夏からしたら、悪さしなければどうでも良い存在だって事かな?)
シャルルは踏み込めないでいた。少なくとも一夏達と過ごす時間が大切なものになっていて生来の気質が溢れてしまったのは事実だが。
「ところで、ラウラについては?あの後に何か聞いてないかな?」
「知らん、千冬姉が尋問したらしい」
『尋問』
やっぱり、軍隊とかみたいだよね・・・・他に話題に出すべきなのは、予想出来るような事ばかりだし。
「ああ、そうだ?シャルル・・・・『付き合ってくれないか』?」
「・・・・へ?」
ちょ、ちょっと?仮にも異性に・・・・いや、間違えないよ?どうせ、買い物にでもとかなノリでしょっ!?
週末外出で、怪我とか半分動かない右手のせいで一応なんだよね?
これは、一度懲らしめてあげないと・・・・っ!
「週末に『倉持技研』に行くんだよ、白い闇の左腕が破壊されたから、修理してもらいに」
一気に頭が冷えた!
『倉持技研』
『白い闇』の制作を手掛けていた企業。
ぼ、僕は一応は『フランスのスパイ』だよ?白い闇の情報だって、取って来るよう言われたのも話したよ?そんなのを連れてって良いの?
僕、少し怖くなって来た・・・・一夏って?もしかして何をしても大丈夫とか信じてるとか、そういうのが・・・・っ!?
『信じてる』
そうだ。一夏が一番信じるので思い当たる事がある・・・・僕は家の事も自分の打算なんか関係無い域で、一夏に付き合う事を了承した。
そして、千冬はシャルルと違う意味で複雑な気分だった。
(二人は仲良くやるだろう・・・・)
生来、世話好きな小悪魔とでも言うべき要素がある『小娘』なら・・・・一夏には最適で新鮮な存在だろう、考えが正しければ?
♪♪♪♪~~♪♪♪♪
知っているのとは違う着信音が響いた。自分にこういうタイミングで連絡をするのは?
『ハロー、親愛なるちーちゃん♪♪』
「何だ。お前にしては普通な挨拶だな?」
『だって、束さんだって?仲良くなって来た段階で、いっくんと四六時中同じ部屋なんて、幾ら逸材でもぶっ転がしてやりたいくらい羨ましいんだもん!!』
「ほお?それで、フランスに何か八つ当たりでもしたか?」
『あ~、それはまだだよ?ドイツの事は聞かないの?』
「お前にしては半端に過ぎる!」
『え?今回はその通りだけど?だからこそ、敢えてやるって手段あるんじゃない?甘いよちーちゃん、それって一流が二流三流に足下掬われるパターンじゃない?』
「生憎、私は学校の勉強はそれなりでも?頭脳戦が一流とは思っていない!」
『だよね~、束さんも自分がそうだって思ってる』
挨拶程度な会話の後に暫しの沈黙、空気が変わったのを私は感じた。そう、此処からが本題だ。
『箒ちゃんは?来週の始めまでには、檻から出さないで欲しいけど?』
「大袈裟な言い方はよせ、其方は?他次第だ。それに、週末にはデュノアが指名されるだろうな」
『え~?あの生徒会長何やってんの?』
「『妹』絡みで、私達側だ・・・・正直、いざと言う時はあいつに任せるつもりだった」
『だろうね、じゃあ『夏休み前』くらい迄はおさらば』
わざわざ時期を曖昧に言う辺りが奴らしいとしたが、良いのか?その前に・・・・?
『勝負が決まるかもしれない』
だが、千冬は気付いてなかった。最後に求める事の違いではあるにせよ、そう考える時点で『束に負けている』と。
キャラ紹介。
名乗らない先輩。
外見、サンデーGXマンガの。
一夏に協力を申し出てくれた際、その場ではなく放課後に箒に妨害されかけるが、ここの一夏には難無く無力化してもらえた為に真っ先に親交を深められる。ある意味で一夏が学園に来てからのファースト、格好付けたが為に始まった名前を明かさないままの境遇すら楽しみ始めている。