多分この状況を良く言えば無人島キャンプとするなら一夏の用意した夕食は?
【カレーライス】
定番中の定番。荷物の中に材料あったからストレートにそうしたらしい、じゃがいもに玉葱に人参と肉の王道でお約束通りな具とスパイスやルーを複数使ってな味にしたらしい、しかし一夏の表情はまるで襲撃犯に対応し続けたようなものだ。多分、セシリアが何かしようとしては全力で阻止したんだろう。
スコールさん達はサバイバル紛いの暮らしをしてたから久し振りな味として楽しんでる。
「は、ふぅ・・・・何か馴染む味」
「わたくしも、何故か・・・・ん」
「フランスはじゃがいもを良く食うし、イギリスは元々カレー粉発祥の地だしな、合うんじゃないか?」
所々で起きた事件が結果的に荒療治になって普段の生活も遅れてる証拠みたいになってるような一時だった。普通にカレーが食べられる。スコールさんとオータムさんが時折に僕を気にしているけど、僕からしたら何て事は無いよ、会社で過ごした日々に比べればマシなんて次元じゃない。
その夜は無人島にある温泉に入る事になったんだけど?
「全く・・・・肌の荒れとか気にする柄じゃねえとか思ってたんだがなあ?」
「あら、気にし始めた事は歓迎するわよ?」
洗い場に当たる場で二人は仲良さげに・・・・成人してる美人が裸で絡み合って・・・・あれが、スキンシップってものなの?
「シャル・・・・ロットさん、見とれてるようですが貴女はどうなのです?」
何か頬を膨らませてる。セシリアが言いたいのは僕と一夏の事だよね、一緒にお風呂に何回か入ったのは知られてるけど、僕は怪我してる一夏の手助け以外は別にやってないよ!
マドカなんか、一夏は僕を相手にしないからとスルーしてるようで時々殺意が来たけど・・・・うぅ、冷静に考えたらやっぱりひどいよ・・・・僕だって、一応は女・・・・。
「「ひゃっ」」
いつの間にか後ろにいた二人・・・・僕はスコールさん、セシリアはオータムさんに後ろから抱き寄せられてお風呂の中で胡座の上に乗せられていた。な、何だかわからないけど耳元でに息が当たるように顔が近付けられて妖しい光を宿した目に見据えられていた。
「くく、どうした・・・・俺達がその気ならいただかれてるぜ?」
「そうそう・・・・二人共、まだまだ私達の敵じゃない。こうやって?」
僕達は内腿を開かれてゾクゾクってさせられた。体勢と場所で上手く対応出来ないままその先を危惧した僕達には?
「おぅ、おめえら。何となく考えてる事はわかるぜ、相手がお互い女な俺達が言えた義理じゃねえが・・・・それなら自分から文句言いたい対象をこんな風に襲うくらいしたらどうだ?」
「お、襲うなんて・・・・ぁああっ」
セシリアが何か悲鳴とは違う声を出した。お腹の前で組まれた手が上下に動いて・・・・何とか堪えたけど、僕も息が荒く・・・・。
「駄目よ、襲うより何かお話よ・・・・この娘達の場合は・・・・自分がどう思っているか」
「くくっ、そりゃアレか?お友達くらいにはなれてるからその先をとやらか」
【その先】
でも、一夏は・・・・自分がそういうのやりたい対象に自分の目標叶えないと駄目としてるんだから。顎先を指で上げられて僕とセシリアは目を合わされた。お互いに色々想像して顔を赤くしてる・・・・僕、は。
「ふふ、大事なところ触らないであげるわ。されたいならされたい相手が一番だしね・・・・けど覚えておきなさい。あまり時間は無いんだから駄目元で挑むのも手よ?」
「そうそう、やらないよりやる方がマシとやらだ・・・・若い内はな」
一分になったかどうかくらい弄ばれながら好き勝手言われて解放された僕達は力が入らずにお湯の中に崩れ落ちた。
【時間が無い】
何とか顔を出せた僕達はそれぞれ意味が違うけど、その言葉の意味を認識した。長くて卒業迄で僕達は一夏を・・・・いや、一夏と。
「くく、そうやって身動きとれない自分をどうしてもらいたいか考えてみろよ、優しく慰めて欲しいか・・・・又は?」
どうして欲しいんだろ・・・・多分、僕達は答えがある。気付いたら見せ付けるように寄り添う二人に見下ろされている悔しさにはからかわれた以外のものが混じっていた。
その頃、一夏は?
女性達と交代するのが待ち遠しい。数分で行ける早く温泉に入りたい!しかし?
【わからない】
自分なりに束さんや周りが何か仕組んだりしてるとはわかるし、今回のもその内の一つとして何をしようとしてるのかだ。俺じゃなくて女子達が目的だとしてもおかしくないが。
そう言えば、千冬姉か束さんがいないとこで過ごすなんてどれだけあったかだよな。束さんの道場関連も束さんがいたとこってくらいしか印象無いし、そう言えば?
「あれ、何でわざわざ道場行ってたんだ俺?」
そうだ。束さんに会うなら他でも機会があるぞ!なのに・・・・とした時に気配がある。
「ふふふ、自分のルーツを見つめ治すにも一人では無理のようですね織斑一夏」
誰だ振り向いたら赤髪な【メイド】が悠然と微笑んでるけど、けどよ?
「束さんの関係者ですか?」
「いえ、私は【チェルシー・ブランケット】と申します。オルコット家のメイドですのでお嬢様の事を気にしていた際に、何故か無人島に来ていたので顔を出しました。それより、何故私が篠ノ之博士の関係者等と?」
「こんなとこにメイド服姿で現れるようなのは束さんくらいですので」
しまったとか思ってんな、俺からした押し入れや引き出しを改造して現れるようなのが日常茶飯事だった相手だ!メイド送るくらいやっておかしくない・・・・それより用件は何だよ?
「私は今、密命を帯びています。イギリスは貴方の妹に専用機を渡して迄、接触を試みていたようなのに貴方はどちらかと言えばフランスのお友達にばかり気を取られてるとね、だから私が来ました。貴方の欲しい物を直接届ける為にね・・・・貴方の欲しい物・・・・それは【年上の強い女】です」
何となくわかった。シャルに指摘されたから漸くわかったが、俺は千冬姉と束さん以外はあんま興味無かったんだから、傍目にはそう見えるだろうな、そんなワケで?
「この私が入浴前の一汗を流すのを手伝ってあげましょう」
「願ったりです」
チェルシーさんは、日本刀を何処かから二本出して俺に一本渡した。鞘から抜いて見ると、何だよ刃と峰が逆さになってるぞ!安全の為でも、これなら骨を叩き折るくらいは可能だ。
「では、心して掛かって来なさい」
「上等・・・・っ!」
ガキィッ!
右胴に剣立てたら、そこに斬撃が来たから何とか防げた。掛かって来なさいと言いながら自分からか、兵法ってかと思ったらそのまましゃがんで右回転な水面蹴り!飛び退いて回避をしたら、その勢いで着地前の俺の左脇辺りに来た斬撃を防いだ。
しゃがんだチェルシーさんに前蹴りで反撃したら、ガードされて弾かれるようにお互い距離を取った。
「お優しいですね。水面蹴りはアッパーでカウンターやる方が良かったし、蹴りも肩を狙うとは・・・・女の顔は攻撃出来ないと?」
「嫌な予感したんだよ、現に逆にカウンター返し食らった事あるし」
既視感だらけだ。この人はまさか・・・・ならばやる事は!左腕はもう良いし、右手に構えた刀を無業の位にして、敢えて左側を束さんや千冬姉なら即座に籠手の形で打たれてしまう形に無防備にして誘導したら来たので、空振りさせて虚を突き、そのまま首もとに切っ先を当てた。チェルシーさんは刀を落として降参の意を示した。
「勝負ありで良いですね」
「参りました。何故、私の攻撃が読めたのですか?」
「束さんの型に似てたからです」
尤も、子供の頃の俺が束さんに負けて負けて負けまくる度に次はこうしてやろうとしてたパターンの一つに似てたから・・・・そうじゃな・・・・い、とっ!?
(【 】せ!)
頭の中に何かの声が響いた。
(この女を・・・・【 】せ)
何だ。チェルシーさんは似たような動きをしただけだ。なのに、何で束さんみたいに・・・・束さんみたいに、だと?
「お、織斑さん?」
無言で刀を振るって、チェルシーさんの胸元がはだけさせるように切り裂いていた。
「【 】す前に・・・・チャンスをやろうか?」
「あ、貴方・・・・その目は、両目が・・・・」
両目だと?
唖然とする俺を見上げるチェルシーさんの両目は【金色】に輝いていた。待て、これはあいつ等のが・・・・。
「チェルシー!」
振り向いたら、温泉から戻ったセシリア達が血相を抱えて来た。刀を持ってるし、この状況は・・・・。
「いちかのエッチ!」
まあ、そうだよな。刀を使ってメイドと試合したじゃなくて、何か卑猥な形に見下ろしてんだし・・・・俺はお縄に着いた。チェルシーさんは何を思ったか、試合中に服がこうなっただけと説明したが、そう言えば俺の両目は皆は気にしてない、色が変わったのは気のせいだったのか?
「ぬふふ、実際の戦場ならそのまま頂いちまってたとこだな」
「よしなさい、そこのチェルシーさんとやらは何でこんなとこいるの?」
「はい、イギリス政府によると。織斑一夏と何とか縁を結びたいとしながらも、お嬢様がだらしないから私が差し向けられましたが一応は何者かに刺された後遺症無いか見て欲しいとかが表向きですがね」
セシリアがガーンっ!ってなってる顔になってるな、実際はその程度で済めばどれだけマシかなんだが。
で?
「い、イギリスが絡んだテロ組織がドイツにいた頃の一夏さんを拉致してた?」
シャルは何か知ったみたいだが、セシリアはショックなようだな、それなりに祖国愛とやらは強いのかで・・・・そんなもんだから、あの手この手をしてくる。マドカの専用機やら今回の件やらで・・・・本当にやってた証拠はと言うと。
「「私達が犯人です」」
そう、スコールさんとオータムさんはマドカと一緒の組織にいて悪さをしていた。その縁で俺はマドカ絡みで得になったけど、二人はしっかり怖いのにお仕置きされた後に無人島で下働きさせられたりの社会福祉をさせられている。つまり?
「けど、そういうのは残ってた不穏分子とかに騙されたりで再犯に繋がるのが有りがちなんだよね」
シャルの凍り付くような声が響いた。真意は問わないけど、二人が真剣に聞いているからまあ良いさ。問題は?
「い、一夏さんはチェルシーに何やら関心をお持ちなようですわね?」
「ああ、少し手合わせしたら束さん想定してなきゃ負けてたからな・・・・」
ジッとチェルシーさんを見詰めてしまう、あの後にいつ以来かわからない感覚が走ってあのザマだったと思った時にシャルとセシリアが眼前に現れて温泉に行かされた。何だかわからないが、一風呂浴びて落ち着こう。
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「強くなり過ぎた・・・・」
多分、そうなると思っていた。つい数分前に結論を出した束は、篝火ヒカルノと向き合いながらチェルシーが今頃は一夏にどうされているかを理解した事からの弱音を漏らしていた。
「つまり、身体を動かす為にチェルシーってのを練習相手にしたら、予想外だったもんで一夏君を刺激しちまうくらいに上達しちまったと、別に喜んでもらえるなら良いじゃん。一夏君は練習相手が欲しいだろうし」
「駄目だよ、束さんならまだしも。このままだと【殺】されるし」
ヒカルノは息を飲んだ。確かに密約で便宜を図ったのだからチェルシーはイギリスの要望通りにせざるを得ない、だが聞き捨てならない。
「だから、このままだとチェルシーちゃんは近くにいたら・・・・【いっくんに殺される】・・・・昔にね、束さんのせいでいっくんはそういう存在になっちゃってるんだよ」
それは、ヒカルノの認識を崩す事であったとは思えなかった。そもそも、ヒカルノを含めた束と千冬の同級生達が抱くイメージは実は合っているようで間違いだらけなのだ。
そして、正解と真実を知る機会が近いと率直に告げられてしまった。
終幕は徐々に近付いたな回。