「一夏さんは危険ですよ」
温泉に入りに行っている間、チェルシーさんが言い出した。全員わかってるよ・・・・聞いただけの初日の状態を目の当たりにしてるセシリアが特にね、コアが二つになった専用機を使いこなせるようになってもまだ勝てる気がしない。
「私も同感、あの子は何て言うか違和感あるのよ・・・・まあ、一番安全に謎を解ける手段があるわよ・・・・例えばチェルシーさんがISでか逆刃刀とかじゃなくて真剣でやり合う際に、多分だけど今の一夏君よりは強いと仮定する・・・・その際に?」
その後の言葉は僕やセシリアには聞きたくない事だけど聞かざるを得ない。
「チェルシーさんに一夏君を任せる」
「おぅ、そうだ。アイツは年上の強い女性求めてるからそうすりゃ簡単だ」
わかってたよ!偏って歪んでるけど、さっきの一夏から感じたのは殺意無しにして良く言えばそれ、僕には何となくわかる理由ある。
「無理ですよ、私は【篠ノ之博士】にはなれません」
セシリアも何となくわかって来てたみたいだね、そうだよ・・・・つまり一夏は、自分で無自覚なのか照れ隠しで認めたくないのかもしれないにしても。
【篠ノ之束みたいに自分より強い年上女性が好み】
けど、本当にそれだけなのかとするべき部分がある。あれじゃあ、殺して自分のものにしてやりたいくらいの類いが含まれてる。
「まあ、一夏君の好みはさておいて。時折殺人も辞さない狂気を出す時があるのは目の当たりにしました。お嬢様の話を聞いた限りで、謎を解ける鍵があるとしたら一夏君の【過去】」
そうだ。忘れてるどこじゃないレベルで篠ノ之箒に冷たいのが姉の方を優先させてるでは説明が付かない、僕は決めていた・・・・もしも、臨海学校を無事に終えるようになれたら、僕は夏休みを機会にして。
【一夏の地元に行く】
けど、予想外に早かったんだ。まさか後は海の上でIS使えるようになれるかどうかしか課題が無くなる早さでなんて・・・・としたら、一夏が帰って来て。
【白い闇の大型ブレードをチェルシーさんに渡した】
「これで貴方を斬るかどうか任せると?」
待ったを掛けようにも、以前に織斑先生に言われた事を破りそうになったケジメだから口を出すなと言われた。チェルシーさんは?
「お断りします。貴方は生かしておいた方が苦行になりそうですからね、その代わり約束なさい・・・・仲良くしている学友達を大事にするのです。でなければ私が本当に斬ります」
「わかりました」
怖いやり取りだったけど、チェルシーさんに感謝した。一夏は同級生を大事にしてたかどうか微妙だったんだ・・・・意図があるにしても、そうするのが一番だと思った。
そして?
「俺は男なんだがな」
「ぼ、僕もだよ!」
チェルシーさんには今更かもしれないけど、学園の皆にはボロを出さないようにだ。スコールさん達が寝床にしている場は洞窟内にある施設で二段ベットが三個もある場だからそこで寝る事になったんだけど・・・・。
「な、何かスコールさんとオータムさんが不機嫌そうじゃない?」(ヒソヒソ)
「束さんが言ってたが、あの二人はレズとやららしい。それが理由かもな」(ヒソヒソ)
ストレートだけど、一夏は意味がわかってなさそうなのが安心した。つまり、二人で一緒に寝れたりしないのが不満なんだと言うわけで、三列に並んだ二段ベッドは中央にレ、じゃなくて二人を挟んで、僕と一夏な右。イギリスの二人が左な図になるけど、スコールさん達がイギリスの二人を見る目には既視感がある・・・・まさか、ね。
けど、少なくともやっぱりマドカと会って少しした後も篠ノ之博士と会ってる。何だろう、やっぱりモヤモヤする。
そして、朝になったら多分クルーザーで簪さんが迎えには来るだろうけど・・・・やっぱり、まとめるとおかしい。予想が当たってるなら、この状況は全員が仕組まれてるよ、そうする意味は?
【知りたいなら、考え通りにいっくんの地元を探ってみな】
そう言われた気がする。
日付が変わった頃に目を覚ましたらスコールさんがいなかった。トイレか何かと思ったら、外にISらしき影があった・・・・顔が見えたけど。
【ダリル先輩】
僕とラウラに荒療治してくれた姉御肌の先輩として株を上げている人だ。嗚呼、そういう事か・・・・けど、何だろうね。悪巧みと言うより、少し寂しそうだ・・・・それを察してるスコールさんって感じだけど。
【シャルロット?】
僕は、知ってる声に促されて飛び立ったダリル先輩をスコールさんに見られないようにISで追った。夜の海上だけど、周囲には何故か霧が立ち上ってるよ、戸惑ってるダリル先輩の眼前に出た。
「よお、新型を多少は使えるようになったか」
「何の真似かは知りませんが、その殺気は何ですか?この先には簪達がいます。そのまま行かせるワケには行きません」
「俺の本命は簪ってのじゃねえよ、こいつは出来レースなんだ」
何の事かわからないけど、とにかく取り押さえようとした時だ。そのまま先輩はやや後退しながら高度を下げて行く、何のつもりかと注視していた時。
「~~っ!?」
僕は、あの日に会社の飛行機が海に落ちた時の光景が目に浮かんで、気付いたら先輩に羽交い締めにされていた。
「あ、あ・・・・あっ」
「くっくくく、思った通りだ。ISで海上を飛行出来るようにはなったが、飛行機落ちた瞬間を思い出すからジッと海を見下ろすのは無理だったようだな・・・・じゃあな」
そう言われながら、僕の背中が何かの武器で攻撃されたと理解した・・・・そのまま、体勢を整えられもしないまま僕は海へ落ちていった。
ダリル先輩が一枚上だったな回。
前書きにあったのは、前情報の大切さ。