白い闇から来た騎士   作:くまたいよう

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 夏休み。


シャルの危機

 IS学園は四六時中にISを稼働する為の訓練をするような場かと言われたら否である。現存する訓練機の数の問題以前に普通の教科から専門知識についての学科もある。

 

 夏休み中も何をしているかと言われたら故国に帰って訓練する若き専用機持ちから学園寮に残ったまったまま勉学に励む者もいる。

 

 

【そして、本来あるべきではない決定を下される者が稀に存在する】

 

 

 その中の新たな一人は学園における問題児な篠ノ之箒だが、過去に類を見ない地獄の中に居た。

 

「貴様の成績が悪いのはわかっていたし、訓練機を動かせはしても整備等の知識にも疎いのはわかっていた。一応は専用機持ちなのだから自分で最低限の事をやれる基礎知識くらいは身に付けておけ」

 

【夏休み中の補修】

 

 一応は条約下での国立学校で申し付けられる意味は大きい。束から専用機を貰ったが臨海学校での不祥事以前に専用機持ちにあるべき基礎の無さに加えて身内のコネで手に入れただけでなく扱いを丸投げされているのでマニュアルを頭に叩き込むだけで一人頭から煙を出す有り様である。一夏と違ってサポート無しな初心者がいきなりなので地獄への招待状に等しかった。

 

【一夏がいなければ最低限の社交性が持てなかった自分が言えた事ではないが、少しは周りを見るべきだとしていた】

 

 

 

 

 ―――――。

 

 

 

 

「お疲れ様です。報告来てますよ」

 

 おっとりした表情で箒についてスルーしつつ千冬に書類を渡したのは学園内では実は千冬にとっても癒しな山田真耶だ。男子でもISを使えるようにしたいので当の一夏とシャルルを研究所にモルモットとして引き渡せとの要望まである有り様なのはバカかバカのフリをした作戦なのかと言いたい。

 

「織斑君がデュノア君と仲良くなれて幸いでしたねぇ。一人より二人ですよ」

 

「同感だが、これに心当たりは?」

 

 千冬が出したのは一夏とシャルルの薔薇が似合う作風な薄い本だった。一部が書いたものを接収したが同姓同士でそうするのがあるのはわかるし夏休みにこういう本を扱うイベントがあると知っている。周りがどこまで把握しているか千冬は知らない、知らないのだが?

 

「織斑先生、手から余波だけでパソコン破壊しかねないオーラ出してますよ」

 

 内容がどちらかが攻めか受けか気になる事を漏らすが、自分や千冬が相手ならどうなってしまうのかと関心が行ってしまう事を真耶は必死に誤魔化して当の千冬は学生の頃の忌まわしい記憶を思い出した。

 

(・・・・束のアホは、私と自分のを周りに書かせてる有り様で。それを参考にイタズラを仕掛けていたし、中には一夏迄参戦させているの迄いた。私は一夏に・・・・)

 

 指定が入らないのが幸いにしても所謂ショタな一夏に束と自分がやんわりと屈服させられてしまう内容の迄あったのだ。

 

『でも、私生活だけじゃなくてこういうので二人揃っていっくんに躾してもらうのも良いんじゃない?』

 

 流石に完全に本気なのかわからないし当の一夏は自分がふざけた本のネタにされていた等と知る術は無かったハズ、絶対にそうだとしたいのだが本当にそうなるならと思ってしまう事態が起きたのが今だ。気を引き締めようとして淹れたコーヒーは以前のように塩と砂糖を間違えて真耶と二人で後始末が大変な事をしてしまった。

 

 

 

 

 その頃、織斑家。

 

 

 

 

「こっちは完敗か・・・・」

 

 夏休みの三日目。

 

 僕達は昼に宿題の問題集で学力比べな勝負をしたけど、一般科目ならともかくIS関連は流石に僕の勝ちだ。流石に学んだ日数には差が有りすぎるからフェアじゃない。けど体術に関しては型なら負けるけど?

 

「殺し合いなら負けない・・・・か」

 

 一夏の知り合いの道場で公平に見てもらったけど、僕のは武道じゃない。殺し合いなら勝てるかわからないけど負けないらしい、そりゃデュノア社で仕込まれたのはそれだけど。おかしくなってない時の一夏と違って僕は武道家じゃない。

 

「別に良いじゃねえか、武道家じゃないなら武道家になるって選択肢あるだろ」

 

 武道家か、ISに関わりながらならモンドグロッソで優勝目指してみるとかだけど男だと偽ってる身じゃなんか違う。篠ノ之博士に勝ちたいとかな一夏は半分は青春まっしぐらな路線だけど、今の僕の場合・・・・とか考えてたら織斑家に着いたんだけど、何か一夏が緊張感増している。それに応えるようにスッと庭から出てきたのはマドカだった。まるで話に聞いたジャパニーズ忍者のような気配の消し方。

 

【そう言えば、マドカについてはあまり聞き出せてない】

 

 

 中に入って神妙な話題が切り出された。

 

 

 要するに、以前にスコールさん達も絡んでただろう部隊がドイツにいた頃の一夏を襲撃した際の騒動でイギリス関係者近くにいたから、その縁で織斑先生相手に妹に専用機回すくらいな関係築いたのに成功してた。それとセシリアは優秀ではあるけど政府とは貴族だの家だのな下らない理由で折り合い悪かった。

 

「そこで暗殺未遂を好機にしてイギリスはセシリアを多少時間掛けて切り捨てようとしてたら何故か早期に回復してて企画倒れ・・・・そもそも何故か突然に回復したか・・・・」

 

 一夏とのクラス代表決定戦後に何者かに背後から刺された事件の犯人は未だに捕まってないし、候補に上がるのは?

 

「私だ」

 

 マドカが何気無く言ったけど、ハッキリ言えばやる迄も無い。密かに接触が成功していたマドカを国家代表にでもすればな流れでマドカが自分でやった疑惑もあるようだ。

 

【けど暗殺なんかやる必要は無い】

 

 正直、リヴァイヴがパワーアップする前の僕より上な実力あるから普通に未来の代表決定戦でもすれば良いだけだ。だからこそ【裏】を行ったなんて考えあるけどね。

 

 

 それ無しにしても織斑先生の妹が自国の代表候補なんて荒れはするけど良い事の方が多分多い。

 

 そして、セシリアが何故か回復した理由について、やれそうな人は篠ノ之博士だ。一夏との戦いに負けはしたけど密かに治療してあげるくらい気に入られましたに映るセシリアを冷遇したらどうなるか怖い。

 

【次に、わざわざ汚い事やる必要無いけどバカばっかだからやった可能性ある】

 

 フランスよりはマシにしても国家規模で二の足踏むなんてね・・・・とにかくマドカはつまらない理由で出回ってたけど漸く帰って来たな流れだけど?

 

「あ、あの・・・・」

 

 ジト目で見られてる。織斑家に世話になる事は聞いていたハズ・・・・けど、わかるよ。一夏には素直になれないけど、素直・・・・に、スナオ。

 

「お前ら等、近所迷惑だから止めろ!」

 

 何かマドカが【どうだ】と言いたいような目をしてるよ、ナン・・・・デだロ?

 

 

 

 そして、一夏は【御手洗】って知り合いの夜の集まりに呼ばれて僕達は入浴して就寝なんだけど。

 

 

 

「ふん、織斑千冬と比べて貧相とでも?」

 

 背中を流してあげながら正直ギクってした。マドカは入浴がシャンプーハット使わないと上手くやれないとかに近いな性分で一緒に入浴しながらな質問、確かに織斑先生瓜二つでも多分先生が同じ年の頃と比べても小柄なんだよね、中学の時を聞き出せないけど・・・・いや待って!一夏がワケありな部分をマドカはどこまで知ってるんだ。そもそも?

 

「で、でもマドカだって先生と一緒に入浴くらいした事あるとしたら他にどうこう言う迄・・・・先生は、その?」

 

「先生は何だと言うんだ。第一、あの女はしょっちゅう留守だからそんな機会は無いぞ」

 

 そ、そうなんだ。けど、一夏が先生を【昔に何かあったせいで】時々入浴も手伝ってあげてた理由はマドカからは聞けないしやっぱり本人に聞くべきだとした。

 

「ふん、お前は何か知っているな?」

 

 またもギクってなって振り向いたマドカと目が合ったが対応が遅れてどうなったのか、いつの間にか膝立ちだった僕は背後から絞め技を掛けられていた。け、けど・・・・?

 

「さあ、お前の知った事を話して貰おうか。私は織斑姉弟を殺すのを諦めたワケではない」

 

「だっ、駄目だよ。僕だって事情が・・・・」

 

「ほう、ならばこうだ」

 

 し、心臓に向けて手を・・・・これはまさかとした時。

 

【ふにょ】

 

 あ、あれ。コレって、まさか僕。

 

「さあ、更に強く握られて操とやらを奪われたくなければ吐け」

 

 正直、スコールさんに比べたら大した事ないから左胸を【ふにょふにょ】されるのは別にだった。右肩を甘噛みされたりするのも吸血鬼のつもりで近所の赤ちゃんの子守りした時みたいだし・・・・どうしょうとした時だった。

 

【チクリ】

 

 え、何か刺された。右の首筋に・・・・力が抜けてくし・・・・な、何なのコレっ!?

 

「馬鹿めが、髪留め程度な針一本でもあればこの通りと言うワケだ。一応は男装スパイにしては無様だな」

 

 崩れ落ちて手を付いてた僕は前髪を捕まれて膝立ちのままマドカに向き合わされた。な、何のつもりかと聞きたいし、織斑先生に似た目で睨まれて怖いハズなのに・・・・何で抵抗が?

 

「多少麻痺させたからだけではないな、貴様は殺意が全く出ていない。恩人の先生に似た私に戦意を出せないようだな」

 

 自分でわからない部分を言い当てられた。多分だけど、僕は先生や一夏と戦う場合は戦意が出せないのは事実だ。そんな僕の表情を見て見下すマドカはISの腕を部分展開して掌に裸のまま仰向けに乗せられていた。

 

「部屋に行くぞ、褥の上で吐かせてやるというやつだ」

 

 いや、この家だとベッドの上なハズ・・・・けど何でか知らないけど、恥ずかしいし不安なのは間違い無いんだけど僕にはマドカにヒドイことされる危機感がイマイチで・・・・実際にされたらどうなるか、その時に僕がやる事は・・・・。




 一応、シャルは奇襲にしてやられたな回。

 次回、マドカはシャルに秘密を吐かせられるか?
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