「
「え、ああ、うん」
すごく当たり前のようにマイルームに現れる頼光さんにも慣れてきた頃、ようやく三つ目の特異点を詳しく観測できたとロマンとレフ教授が話していた。
マシュも所長もいつでもレイシフトできるようにシミュレーションルームでトレーニングを続けているのに俺はジープに撥ね飛ばされた怪我で、あと三週間は安静にしていないといけない。
「藤丸君、お見舞いに来たよ」
「マシュのお母さん、ありがとうございます」
「いや、起きなくていいよ。っていうか、そのまま寝てろ。……まずはフォスキアの暴走を止められなくて悪かった。まさか、あいつの宝具の中にジープがあるなんて予想外だった」
「それは俺もですよ、ほんとに」
そんなことをマシュのお母さんと話しながら頼光さんが皮を剥いてくれたリンゴを頬張る。いったい、このリンゴはどこにあったのだろうか。
やめよう、なんか怖いし。
〈二日後〉
なぜか怪我が完治した。
ロマンは困惑しながらも仮説として「ウルトラマンの影響」と「頼光さんのくれたリンゴ」のどちらかの効果であると言っている。
うん、できれば前者で頼みたい。なんて思いながらマシュや所長に挨拶をしにいく。その途中でエミヤがアルトリアに襲われていた。
なにやら「彼女達の子供は可愛いぞアピールに張り合うためです!」とか「セイバー、こんなところでやめろ!」とか「そんなもの覚悟の上です!」など聞こえてきた。
………よし、迂回しよう。
「おう、元気になったんだな」
「クー兄さん!」
「ところで、ありゃあなんだ?」
「たぶん、痴情のもつれだよ」
「そうか、いつもどおりだな」
冬木の時もだけど。エミヤとアルトリアってどことなく仲良くしてるし、前世で関わっていたのだろうかと邪推してしまう。いや、あんなことしてるんだから邪推もクソもないか。
それにしてもだ。
クー兄さんと話すのも久しぶりで嬉しいな。なんか後ろから「助けろ、貴様ら!?」なんて声も聞こえるような気もするけど。
きっと、気のせいだ。他人の恋路をふざけ半分に手伝ったら、どんな仕返しを受けるかも分からないから助けないわけじゃないぞ。
「なあ、お前はどっち選ぶんだ?」
「……マシュも所長も大切だよ。この旅が終わったら伝えるつもりだから二人ともクー兄さんに聞き込みをさせるのはやめてよ」
こそこそと俺の後ろを着いてきていたマシュと所長に伝えると何故か満更でも無さそうな表情で出てきた。えっ、なんで、そんなに嬉しそうなの?