私は無限列車の脱線による被害を危惧しながら掲示板のみなさんが言っていた上弦の鬼を睨み付ける。こと肉体の強さにおいて並ぶものはいない。
そう思ってしまうほど鍛え上げられた良質な肉体を有する鬼だ。私の剣術で斬り殺せるとは思うけど、かなり苦戦しそうだ。
「煉獄君、まずは止血と呼吸の回復を」
「ああ、すまない。少しだけ任せる」
そう煉獄君に伝えながら刀を咥える。
ずいぶんと久しぶりに三刀流をやる。ほとんど一撃で終わってるせいで三刀流が鈍ってないといいけど。なんて考えながら上弦の鬼を見つめる。
「お前も良い気迫だッ!!」
どこか見覚えのある構えだ。
………ああ、こいつが下弦の参の言っていた目標としている上弦のやつか。なるほど、なるほど道理で見覚えがあるわけだ。
しかし、そうなると厄介だ。私の剣術だけで凌げるとは思えないぞ。いや、これもまた私が強くなるために必要なことだ。
「さあ、死ぬまで死合おう!!」
「三刀流"極虎狩りィ"!!!」
愚直なまでに忠実な正拳を横薙ぎと逆袈裟に切り裂き、そのまま左の刀を振り上げる。あと少しで首を斬れる間合いだけど、こいつ、わざと当たるか当たらないかの距離を保ってる。
「やはり、お前は強い。だが、後ろにいる杏寿郎と雑魚を庇っているせいで本気を出せないでいる。そこでだ、素晴らしい提案をしよう」
「…提案?」
「お前も鬼になれ。そうすれば「ごめんなさい。私は鬼になるつもりはないのよ」………なぜだ?」
「私が目指しているのは世界最強の剣士の称号だけ、貴方の言う素晴らしい提案は剣の正道を逸れた行為だから鬼にはなれない」
ロロノア・ゾロのようになりたい。
ジュラキュール・ミホークのようになりたい。
岩本虎眼のようになりたい。
比古清十郎のようになりたい。
鬼眼の狂のようになりたい。
私の心を奪ってやまない彼らのようになりたい。
「私は最強を目指す、貴方は邪魔だ…!」
「ならば死ぬがいい、最強になれず…!」
〈頭の中の掲示板〉
638:名無しのオタク女
かっこいいわね
639:名無しのオタク女
鬼ころし隊ちゃん、かっこいい
640:名無しのオタク女
上弦の鬼に啖呵切るなんてさすがね
641:名無しのオタク女
ところで、剣心を教えたのだれ?
642:名無しのオタク女
あれは掲示板で垂れ流されてる放送を見てたらしいよ。ちなみに世界線の影響で必殺技が多かったり少なかったりと面白いわよ
643:名無しのオタク女
あとで見よ
644:名無しのオタク女
待って、鬼ころし隊ちゃんのあれなに?
645:名無しのオタク女
三刀流でしょ?
646:名無しのオタク女
いやいやいや、あんなのなかったよ?
647:名無しのオタク女
三刀流の、えーっと、そうだ!
あれは牛鬼"勇爪"だよ
648:名無しのオタク女
あ、あーっ、ん?
649:名無しのオタク女
エニエス・ロビーのときよ
650:名無しのオタク女
ああ、あれか!
ごめんね、普通に忘れちゃってた…
651:名無しのオタク女
まあ、そういうときもあるわよ
652:名無しのオタク女
ところで、煉獄さんは?
653:名無しのオタク女
後ろで止血してるよ
654:名無しのオタク女
途中で交代したからね
655:名無しのオタク女
いちおう、目的は達成したのかな?
656:名無しのオタク女
………まって、ほんとにまって
657:名無しのオタク女
どうしたの?
658:名無しのオタク女
なにかあったの?
659:名無しのオタク女
やばいのがいた
660:名無しのオタク女
やばいの?
661:名無しのオタク女
………うわ、ほんとだ、なぜに?
662:名無しのオタク女
あれは上弦の壱だね
でも、なんで?
663:名無しのオタク女
たぶん、鬼ころし隊ちゃんのせいかな
664:名無しのオタク女
それこそなんでよ
665:名無しのオタク女
ほら、世界最強の剣士だから
666:名無しのオタク女
ああ、なるほど、やばいわね
667:名無しのオタク女
そうでしょう?
668:名無しのオタク女
どうする、また行くか?
669:名無しのオタク女
お母さんと邪神はいないわよ?
670:名無しのオタク女
くっ、こんなときにどこへ!?
671:名無しのオタク女
迷子探しに行ってるわ
672:名無しのオタク女
そうだったわね!!
673:名無しのオタク女
煉獄さんがいったよ!!
674:名無しのオタク女
おお、さすがだ!
675:名無しのオタク女
上弦の壱も来たぞ!
676:名無しのオタク女
こっち来ないで!!
677:名無しのオタク女
あっちいけ!!