700:アイドルです
えと、なんか苺プロダクションという会社に引き抜かれることになりました。プロデューサー曰く「お前はここで終わる人間じゃない。もっと輝けるところに行ってこい」とのことです
701:名無しのオタク女
さすがは私達の最推し
702:名無しのオタク女
プロデューサーもよく分かってるわね
703:アイドルです
その事で相談があるんです…
私の所属することになった苺プロダクション、アイドルグループはあるんですけど。少しだけ様子がおかしいというか、一人だけ贔屓してるんです
704:名無しのオタク女
それはあれね、だめなやつね
705:名無しのオタク女
グループだし、センターが贔屓されるのは仕方ないとは思うけど。アイドルちゃんが可笑しいって感じるほどだし、ちょっと調べてみましょうか?
706:名無しのオタク女
なんだ、なにか使えるのか?
707:名無しのオタク女
こういう特技持ってるの、多いわねここ
708:名無しのオタク女
アイドルちゃん、ハッキリと言うわね
709:アイドルです
は、はい
710:名無しのオタク女
その会社でアイドルちゃんが一人だけで頂点に立つ確率は20パーセントある。そして、グループで行けば80パーセントの確率で頂点に立てる。
711:名無しのオタク女
おお!
712:名無しのオタク女
それならいいじゃん!
713:名無しのオタク女
ただし、下手したら死ぬ
714:ドルオタやるってよ
は?
私のかわいいミオたんが死ぬ?
715:名無しのオタク女
お前のじゃねえだろ
716:名無しのオタク女
そういうとこ、やめな?
717:名無しのオタク女
みんな、落ち着いて
まずは預言者気取ってるやつを
ぶちのめすのが先よ
718:スタンド使い
私のスタンドが予言してるんだよ
719:名無しのオタク女
えっ、ここってジョジョとも繋がってるの!?
720:名無しのオタク女
そうなると信憑性が出てくるわね
721:ドルオタやるってよ
それで?
ミオたんを殺すクソ野郎はどいつなんだ?
722:スタンド使い
それが分かったら苦労しないよ
私のスタンドは起こる可能性のある未来を予言するタイプになっちゃってるんだ。まったく私が貰ったときは歴史を細かく記すだけだったクセに
723:名無しのオタク女
もらう?
724:名無しのオタク女
なるほど、道具タイプのスタンドか
725:スタンド使い
私の家に伝わるスタンドだよ
なぜかこのスタンドをもらうとジョースター家やツェペリ家のスタンド使いと引かれ合うようになる変わったスタンドなのさ
726:名無しのオタク女
タブーなのは分かってるけど、お名前は?
727:名無しのオタク女
ちょ、それ聞くの?
728:スタンド使い
私の名前は花京院月美希だよ
729:名無しのオタク女
おう、まじか………
〈アイドルです:LIVEモード中〉
私の頭の中は阿鼻叫喚だ。
まあ、そりゃあそうだ。
漫画の中で死んじゃうキャラクターの子供を名乗る女の子が現れれば誰だってビックリするだろうし、そのキャラクターを応援していた人からすれば、とても嬉しいことだ。
そんなことを考えながら一人で差し入れのお弁当を食べている星野アイさんと向かい合うように私は座っている。
じーーっと観察する様に見られるのは困るけど。なにか話題を探していると考えれば納得できる。ただ、どこか彼女の瞳は空虚だ。まるで何も無い空っぽの、ぽっかりと空いた穴にしか見えない。
「ねえ」
そう思っていると話し掛けられた。どこか期待しているような、なにか貰えるかもしれない。そんな不安に溢れた瞳が私を捕らえる。
「貴女は『愛』を知ってるの?」
「………ん?星野さんは知ってるけど」
「ううん、私じゃない。愛情、友愛、親愛、そういう方の『愛』を知ってるなら私に教えて、どうすれば貴女みたいに『愛してるよ』って言ってもらえるの?」
ああ、これドルオタさんのせいだ。
私はどうやって説明しようかと考えながらお弁当とペットボトルを持ってアイちゃんの隣に座り直して、アイちゃんにゆっくりと話す。
「私もまだ愛なんて分からないし、大人になったら分かるんだろうなって勝手に思ってるよ。でも、星野さんが『愛』を探してるなら私は手伝うよ」
「どうして?」
「私と星野さんはおんなじ『B小町』のメンバーで、きっと私の親友になってくれるからだよ」
スタンド使いさんの言っていた頂点に立つ確率の話でなんとなく想像してはいたけど。なるほど、こういうことだったんだ。
「改めてよろしくね、
「……うん、よろしくね。
きっと、これは運命だ。
私と彼女は世界をひっくり返してしまうようなすごいことをする。そんな具体性のない予感を感じずにはいられないほど私はアイちゃんに惹かれている。