星野愛久愛海の独白 -1-
俺の名前は星野愛久愛海、星野アイの息子だ。
かつてはそれなりに優秀な医師として身重な彼女の診察やお産に立ち会おうとしていたところを殺害された。なぜか星野アイの息子に転生してしまった。
そんなアイが仕事に行く間、俺達のお世話をしてれるのがアイとは親友の瀬戸ミオというB小町メンバーだ。彼女の周りには美女美少女のファンが多く、ネットでは『百合園のお姫様』とか呼ばれているのを俺は知っている。
「………うぅ…辛い、やめたい…」
この譫言のように愚痴をこぼしているのは苺プロダクションの社長夫人の斎藤ミヤコさんという女性だ。彼女もまたアイと同時期に妊娠・出産を経験しているお母さんなのだが俺達のお世話もしているせいか。
はじめて会ったときと比べると物凄く窶れている。ルビー、俺の妹の星野瑠美衣も彼女の育児疲れを心配している。
「
「…あ、ああ、なに?アクアもお腹すいたの?ごめんね、もうちょっとだけ我慢してね」
そう言ってミヤコさんは俺の頭を撫でる。
本当に申し訳ないと思いながらも赤ちゃんである俺達にできることは一つもないのだと自覚し、なんとも情けない気持ちになる。
〈数日後〉
俺とルビー、あとミヤコさんの子供の三人でお昼寝していると光り輝く人型の『なにか』が部屋の中に現れた。
「
なにこれ、頭の中に直接流れ込んでくる。ボーッと光っている人を見ていると帰宅してきた斎藤壱護社長とアイ、そしてミオの三人が固まった。
そりゃあそうだ。
こんなオカルト体験したらそうなる。そんなことを考えながら光る人を見ていると青い宇宙人が出てきた。これは予想外すぎる。
「も、もしかしてウルトラお母さんですか?」
「はい。そうですよ、ミオちゃん!」
そうにこやかに微笑みながら俺達のお世話をしてくれていた宇宙人ことウルトラお母さんについて。ミオが渋々ながら語り始めた。
いつだったのかは覚えていないが、いきなり異世界やパラレルワールドの人間と交信できるようになってしまったそうだ。もはや、ファンタジーだな。
このウルトラお母さんは多次元宇宙の秩序を守っているウルトラマンという種族の一人であり、彼女の強さはウルトラマンの神様とほとんど同等だと教えてくれた。
「ちょっとしたお守りを子供たちに与えようと思ってきたんですけど。その、ミオちゃんたちは私が来るのは迷惑でしたか?」
「ううん。ウルトラお母さんと話せたのは嬉しいよ。ところでさ、ウルトラお母さんの渡そうとしてたプレゼントってなに?」
「先ずは魔法少女変身アイテムです。私の暮らす世界のモノをこちらの世界で使えるように改良してます。こっちはディスクアニマルとカンドロイドと言って、いわゆるサポートアイテムです。ちなみにアイちゃんの出演した仮面ライダーは実在します。そして、これが家事万能型ロボット"僧侶ガンタンク"です」
とんでもない代物ばっかりだ。
斎藤社長なんて触って大丈夫なのか分からない魔法少女のステッキを凝視している。………とりあえず、それはルビー向けのやつだ。
「ああ、愛久愛海くんはこれです」
ウルトラお母さんはそう言うとアイが抱っこしている俺になにかを差し出してきた。さすがに受け取れないので斎藤社長が代わりに受け取ってくれた。
なんだろう、あれは?
「私の娘の連絡先です。どうやら私達とは時間の流れが違うようなので、もしも高校生か大人になったら遊んであげてください」
それだけ言い残して彼女は消えた。
「「「「(……これ許嫁にされてね?…)」」」」
たぶん、俺達の心は一つになったと思う。