とあるオタク女の受難(クロスオーバー編)。   作:SUN'S

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星野愛久愛海の独白 -3-

俺の名前は星野愛久愛海、星野アイの息子だ。

 

今は何故かウルトラさん達のお気に入りとなった五反田泰志監督の取り仕切る【仮面ライダーキバ】という番組の子役として出演する。ただ、ウルトラさん関連の作品なので警戒心MAXだ。

 

「アクア、がんばれぇ~っ!」

 

そう言って俺を応援してくれるアイの膝に座って気持ち良さそうに眠っているルビーが今だけ死ぬほど羨ましくて仕方ない。俺もあそこでゆっくりしていたい。もう、俺はウルトラさん関連の厄介事に巻き込まれるのは嫌だ。

 

そんなことを思ったところで世界が変わるはずもなく。俺は五反田監督の声で始まった撮影を乗り越えるために演技を始める。

 

〈四日後〉

 

苺プロダクションの大型スクリーンに映し出される主役と主役の武器に変身する俺だ。あの演技の後って、こういう風に加工されるのか。

 

ちょっと面白いかもしれないな。

 

そう考えているとニヤニヤと笑うルビーがスマホを見せてきた。なんだよと思いながらお「すげぇな、あのちっちゃいの」や「かわいい見た目なのに武器になるとか卑怯すぎる」なんて書き込まれている。

 

まあ、うん、かわいいは余計だ。

 

「愛久愛海くんは賢くてすごいね。ウルトラさん関連のものは嫌ってると思ってたけど、そういうのじゃなかったんだ」

 

「じゃあ、ルビーにもオファー来るかな?」

 

「来るよ、絶対に。どんなのだろうね?瑠美衣ちゃんの出るドラマかぁ……大変そうだね…」

 

そう呟いたミオさんにショックを受けるルビーの背中をポンポンと触りつつ、こそこそアイと内緒話を始めてしまったミオさんを見上げる。

 

「くふっ、あはははははっ!もうミオちゃんったら『大変そうね』ってそういう意味なの?良かったね、ルビー。ミオちゃんが『ルビーちゃんは可愛すぎるから大変そう』だってさ!!」

 

「ほ、ほんと?」

 

「うん。瑠美衣ちゃんは可愛くて素敵だもん。まだまだちっちゃな子供だけど、わるーい大人まで夢中にさせちゃいそうだからね」

 

どうやら心配していただけのようだ。ルビーのやつも嬉しそうにミオさんとアイに抱きついているが、魔法少女のステッキは握り締めたままだ。

 

あいつ、なにするつもりだったんだ?

 

俺はルビーが見せる闇の深さにビビりつつ、今度の撮影もがんばれと言われた。斎藤社長は子役プロデュースもありだなとつぶやき、ミヤコさんに物凄い顔で睨まれている。

 

あっちもこわいな。

 

お兄ちゃん(せんせ)、どこいくの?」

 

そろそろと逃げようとしていた俺の肩をつかみ、どことなく昔のアイに似た笑顔で俺に抱きつき、絶対に逃がさないという意思を感じる。

 

 

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