「
「アクア、この私がお弁当を作ってあげたわよ!」
「……届けに…きた……」
やめてくれ、ほんとにやめてくれ。
ゆっくりと三人のお弁当を受けとり、ジーーッと誰のお弁当を最初に食べるのかを見られる。クラスメートや他クラスの奴らも俺達のやり取りを見てワクワクしているのが分かる。
おい、だれか代わってくれよ。
ここはルビーのお弁当を食べるのが無難だな。そう思ってピンク色のお弁当包みを掴もうとしたその時だった。俺の両手が弾き上がり、ピンク色じゃなくて赤色のお弁当が目の前に現れた。
「かなさん、どういうつもりですか?」
「私はなにもしてないわよ?」
「…アクア…こっち食べて…」
ソッと三人と距離を取る。ここでお弁当を食べるのは無理だ。こうなったら静かにお弁当を食べられる場所に行くしかない。
俺は走った。
兎に角、三人から逃げたくて走った。
〈屋上前"踊り場"〉
なんとかルビーと有馬かなは撒けたが、理子だけはテレポートなんかで追い付いて逃げることはできず、こうして二人でお弁当を食べるしかない。
「…アクア…ゆっくり食べていいよ…」
そう言うと理子はバリアらしきものを張った。
そんなの出来るなら最初からすればいいんじゃないのか?と思いながら三人のお弁当をゆっくりと食べる。………………………なんで、三人とも俺の好きな味付けなんだ?
「うまいよ、理子のお弁当」
「…そう……」
「そういえば理子は魔法少女なのか?それともウルトラマンだったりするのか?」
こいつと出会ってまだ数日だ。なにか親しくなれるきっかけは必要だろう。まあ、魔法少女やウルトラマンなんて話題はあるし、なんとかなると思う。というか、そうだと信じたい。
「…んっ……」
俺の問いかけにクワガタっぽい道具を見せてきた。たぶん、どっちかの変身アイテムなんだろうけど。いまいち、俺はそういうのを把握しきれていない。
その道具を受け取り。
じろじろと道具を見ていると理子が自分のことを話してくれた。ウルトラマンの英雄の母親、全宇宙を支配しようとした父親、ありとあらゆる怪獣を従えてしまう父親譲りのレイブラッド能力について。
俺の想像を万倍は上回る話だ。
だが、なんとなく理子の抱えている闇は医師として生きていた頃の
「もしも理子の能力が暴走したら俺が絶対に止めてやる。お前は(B小町には欠かせない)大切(なメンバーのひとり)だからな」
いま、なんか言葉が途切れたような?
「…うれしい…アクア…」
「「ちょっと待てえぇぇぇ!!」」
二人の蹴りでバリアが破られ、俺の顔に上靴の底がめり込んでいく感覚とともに俺の意識は遠退いていくのがわかった。
おいおい、またかよ。