超人気女優・星野アイ誘拐事件────。
その事件は世界を震撼させた。
彼女を誘拐・監禁しているのは
社長とミヤコさんの話によるとバラエティー番組の収録中、その宇宙人は現れたそうだ。最初はミオたんのイタズラかドッキリだと思っていたけど、明らかにママを狙っている宇宙人に、みんなが取り押さえるために飛び掛かった。
しかし、宇宙人の作り出したバリアに阻まれて、みすみすママを連れていかれてしまったことを泣きながら二人に謝られた。
「理子さん、教えて。あの宇宙人の目的を」
「………」
私の問いかけに理子さんは黙ったままヘビクラPを見るとまた直ぐに目を閉じて身体を発光させる。彼女が何をしているのかは知らないけど。
それよりもだ。
「ヘビクラP、どういうことですか?」
「………あれはバロッサ星人だ。金銀財宝は当然として、その宇宙で最も価値あるモノを略奪し、自分のモノにする海賊だ。まさか人間を襲うとは思わなかったが、あとは俺に任せろ」
「……私も…いく…」
「理子、お前には悪いがアイツの腰に携えてる刀は俺のモノだ。あのこそ泥野郎、バカンス………企画で部屋を開けてる隙に盗みやがって」
えぇ、なんか理由がダサい。
もっと「俺の惚れた女を」とか「この星に手を出しやがって」とかカッコいいこと言えなかったの?と批判的にヘビクラPを睨み付ける。
〈宇宙船付近〉
「最近の地球人はステッキで飛ぶのか」
「それは私だけだよ。ほら、かな先輩は変身してるし
「ありゃあ、ゼットン星人の移動用円盤だ。ほとんどの宇宙人は地球人サイズにならないと使えないが、あいつら何で持ってるんだろうな」
ケラケラと楽しそうに笑っているヘビクラPを乗せたまま宇宙船に侵入する。意外にも警報など私達の侵入を知らせるものはなく、どんどん宇宙船の奥に進むことができる。
ふと通りかかった通路の分かれ道で騒がしい音が聴こえてきた。たぶん、こっちにママとバロッサ星人はいる。そんな気がする。
ゆっくりとドアを押す。
するとドアは真上に移動し、その部屋の中を大々的にさらした。ママはいる、バロッサ星人もいる。ただ、私達の想像していた恐ろしい光景とは何もかもが、全てが違っている。
バロッサ星人と見たことない宇宙人で溢れた、そこでママは楽しそうに踊っていた。今の女優として活躍する以前のママがそこにいた。
「つまり、あれか?バロッサ星人はアイのファンで踊っているところが見たかったわけか?……くくっ、くくくっ、はははははははっ!!!こりゃあ傑作だぞ、あのバロッサ星人も虜にしやがった」
ヘビクラPの楽しそうな笑い声とバロッサ星人と宇宙人達の歓声に包まれる宇宙船。私達が乗り込んできた意味、ひとつもなかった?