私達は六花さんの所有するキャンピングカーに乗り込み、ゆっくりとゲームに関する説明を受けている。かつて一人の少年によって妖怪を道具のように扱う悪習となっていた『妖逆門』は昔の遊びを楽しむためのものに戻ったそうだ。
私もやってみたくなる説明を受けて分かったことは六花さんが参加しているのは年齢的に可笑しいということだ。
その事をススリさんに指摘すると「六花さんは今まで闘病生活で楽しく遊ぶなんて出来なかったんだ。主催者も意外と簡単に許してくれたよ」と納得できる答えを返してきた。
「ところで、六花さんの願い事って?」
「私から件と人魚の分離することよ。不都合があるといけないから事前に可能なのかは聞いているわ。ちなみに九郎の能力も私と一緒に取り外せるわよ」
「いや、まだ僕は大丈夫ですよ。流石に人魚の不死身の力がないとヤバいときもあるので……」
チラリと私を見て話す九郎先輩に首を傾げる。
私を守るために不死身の肉体を手放すのは不味いと思っているのでしょうか。それとも九郎先輩は能力を失ったら私に離縁すると思われているのでしょうか。全くそんなことしないのに失礼ですね。
「それで九郎達の言っている『魔化魍』という怪異はなんなの?」
「…私の知り得た情報は少ないです。付け加えて言えば六花さんにも危険を及ぼす可能性もありますが。まずは六花さんに謝罪を、私の勘違いで貴女を責めたことを謝ります。ごめんなさい」
「それは構わないけど。九郎も貴女も会っていない間に性格が変わったんじゃないかしら。もちろん、悪い意味ではないわよ?」
「そうですね。私は知恵の神として呪符や式神など使えるようになりましたし、九郎先輩も鍛えまくって鬼になれるようになりましたからね」
「九郎、女の子は大事にしないといけないわよ?」
「いや、そういう意味じゃ「その通りですね!六花さんからも言ってください、九郎先輩ったら積極性は増したんですが私の望むようなことはしてくれなくまむっ!?」……頼むから黙ってくれ」
いきなり、私の口を押さえるとは九郎先輩も仕方のない人ですね。私はゆっくりと九郎先輩に身体を寄せて、彼にキスしようとしたらナイフが飛んできた。
「琴子さん、そういうのは見えないところで」
「………それもそうですね」
「…なあ、頭に刺さったんだけど」
「すぐに治るわよ。それよりも私は悲しいわ、九郎がこゆなハレンチになっているなんてね。従姉妹として変態になったのを応援するべきかしら?」
「いやいや、九郎先輩が変態だったら私は既に結婚しているでしょう。私と九郎先輩がまだ恋人なのは人間の私に負い目を感じているからで、そういう邪な考えは少しもありません」
私の発言に納得する六花さん、なぜか不機嫌そうに視線をずらす九郎先輩、ケラケラと楽しそうに笑って運転するススリさんを見比べる。
全くなにが可笑しいんです?
まあ、これはこれで良しよとしましょう。
いわゆる和解によるハッピーエンドです。