仮面ライダーギーツ IF STORY ~sister of ACE~ 作:朝陽祭
前編
私の名前は、
ちょっと運動が得意で、陸上部で期待の新星扱いされている以外は、普通の大学一年生だ。
……いや、それ以外にも、変わった所があると言えばある。
あの、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ、
海外出張が多くてビデオ通話での会話が多くなる父や、専業主婦である母に関係はないのかと尋ねたりしたが心当たりがなく、たまたま名字が一緒なだけである、というだけではあるのだが……まぁ、著名人と名字が一緒なことなど珍しいかもしれないが、あり得ない話じゃない。
そんな、自己紹介の鉄板ネタができたことに感謝しながら、私は普通の大学生活を送る――
「今日からあなたは、『仮面ライダー』です。」
――はずだったのだ、この日までは。
「……はい?何かの、勧誘ですか?」
目の前に現れた、白と黒のツートーンな服に身を包んだ、どこか作り物めいた雰囲気の、綺麗な女性。
その女性が手に持ち、こちらへと差し出している奇妙な箱の中には、スマホよりは大きい、よくわからない黒い機械と、その中央に綺麗に嵌まりそうな、狼を思わせるマークが刻まれた、灰色の部品が収められていた。
訝しげな目でその女性を見ながらも、私はその箱の中に収められている灰色の部品に触れると、バチッと静電気が指を襲い――
存在しない記憶が、溢れ出す。
忘れていた記憶が、浮かび上がる。
私の家族は、3人家族だ。
違う、4人家族だった。
自宅の2階、私の部屋の隣はただの物置だ。
違う、あそこを使う人が確かに居た。
浮世 英寿は――名字が一緒なだけの、赤の他人だ。
浮世 英寿は――私の兄だ。
「っ……!?」
よろめき、呼吸が荒くなる。訳がわからない。
まるで、『世界が作り変えられていた』かのように……今の浮世家が『3人家族』だということを受け入れていたことに、私は恐怖した。
「では、呼び出しがあるまでお待ちください。」
「待って!?何なのこの記憶……違う、どうして私は今までお兄ちゃんのことを、忘れていたの!?」
私に箱を押し付け、去ろうとする女性に声をかけるが、女性はこちらを振り替えると、笑顔を浮かべて、こう言った。
「あなたが『真実を知りたい』という『願い』をお持ちでしたら、我々『デザイアグランプリ』はそれを歓迎しましょう。そして、その為の
その視線の先には、私の手元にある、この謎の機械が入った箱。
……つまりだ、色々知りたければ、『仮面ライダー』とやらになって、何かをしろ、という訳だ。
しかも、どんな危険があるかもわからないのに、これを受け取った時点で拒否権はない、ときた。
なんだそれ?まだ詐欺の方がマシじゃないか。
だが、おかげで……覚悟だけは、決まった。
「……やってやろうじゃない、『仮面ライダー』。『真実』を知る、その日まで。」
その宣言に、目の前の女は笑みを浮かべたのだった。
「それは喜ばしいことです。無敗の『デザ神』、浮世 英寿様こと仮面ライダーギーツを超えることを、期待しています。」
「おい、このチーム分けは明らかに不利だ。やり直しさせろ。」
『チーム分けはランダムで決定し、やり直しはできません。』
……廃工場が広がる空間で、今回行われる方式のアナウンスを終えた白黒服の女性『ツムリ』と、ヤンキーっぽい雰囲気の男がそんなやりとりをしているのを、私は隣に立つお爺さんと顔を見合わせながら、苦笑いを浮かべていた。
先程まで私達が居た、謎の宙に浮かぶ大広間で受けた説明――正体不明の怪物『ジャマト』から、街を守る戦士『仮面ライダー』として戦う。
しかも今回は、チームとして協力しながら、私達の背後で風に靡くこの黒い旗(取られるとジャマトが凶暴化するという嫌なオマケつき)を守る、『海賊ゲーム』、らしい。
そんな状況なのに、見るからに荒事に向いていなさそうな女性(まぁ、私のことだが)と高齢のお爺さんが一緒のチームというのは不安になるのはわかるが、だからといってこうもはっきり言われるとそれなりに傷つく。
とはいえ、このヤンキー男は「無敗の『デザ神』」とツムリが呼んでいた兄と、やけに親しそうに話していた。
つまり、過去のデザイアグランプリに参加していたのだろうと考えると……初心者である私にとっては、とても心強いことは確かだ。
『アイテムを各自プレゼントします。』
そんなことを考えていると、足元に奇妙な箱……今、私が腰に装着している黒い機械『デザイアドライバー』が収められていた箱に似たデザインの箱が現れる。
箱を開けて見ると、中にはリボルバー銃のような装飾の白い機械が入っていた。
手にとって色々調べてみれば、裏側にデザイアドライバーの溝に嵌まりそうな突起があるが……はて、どうやって使うのやら?
「おい、爺さん。それはゾンビバックルだ。あんたには危険すぎる。」
「え、えぇ……?」
「これと交換してやるから、よこせ。」
「あ、あぁ……ありがとう。」
すると、ヤンキー男は自分の箱から出てきた黄緑色の機械と、お爺さんが取り出した紫色の機械を無理矢理交換している。
まぁ、『ゾンビ』というあまりお爺さんに使わせたくない感じの響きではあるが……思ったよりも、いい人なんだろうか?
『海賊ジャマトが出現するのは、2回。』
『第2ウェーブまで旗を守りきれたチームは勝ち抜けです。』
「Gaaaaaa!!!!」
ツムリのアナウンスが響いたかと思えば、海賊のような格好をした、白い頭の怪物――恐らく、あれがジャマトなのだろう――が唸り声をあげて、次々と現れる。
「変身っ!!」
≪ZOMBIE READY FIGHT≫
ヤンキー男はジャマトの一体が振り下ろした刃を転がりながら避けると、デザイアドライバーの右側に紫色の機械を装填して、流れるように紫色の、牛を思わせるヘルメットの戦士に姿を変える。
……なるほど、あぁいう風に変身すればいいのか。
「私達も、行きましょう!!」
「お、おぉっ!!」
≪≪SET≫≫
「「変身っ!!」」
≪MAGNUM READY FIGHT≫
≪NINJA READY FIGHT≫
私もお爺さんに声をかけると、白い機械をデザイアドライバーの右側に装填し、リボルバー部を回転させてグリップの引き金を引く。すると、私の身体は黒いスーツと白いアーマーに包まれていく……あ、なんかヘルメット内のモニターに、灰色の狼のようなヘルメットの戦士の絵が出てきた。
えっと……『仮面ライダーブラーガ マグナムフォーム』……これが、私の『仮面ライダー』としての名前か。
それに、この『マグナムフォーム』と呼ばれる白いアーマーがどんな武器を持っているかも書かれている。両腕
の仕込み銃と、この『マグナムシューター40X』って銃か。うん、思ったより戦えそうだ。
「か、変わっちゃったよぉ……こんな感じか、へへっ。」
お爺さんの方も、ベージュのフクロウみたいなヘルメットに、黄緑色の鎧と剣を持った姿に変わっている。さっき、『ニンジャ』って音声が聞こえたから……これは、忍者モチーフの武器なんだろうか?
「くっ!!」
「あっ」
そうこうしていると、ヤンキー男がジャマトと戦いながら、こちらに圧されてくる。私は横に飛んで避けると、ヤンキー男も負けじとジャマトに攻撃していく。お爺さんは……なんだろう、なんか固まってる?
「Jama!!!!」
「っ!!させないっ!!」
お爺さんに気をとられていると、いつの間にか一体のジャマトが旗を取ろうと回り込んでいた。
私はマグナムシューター40Xを撃って牽制しながら、ジャマトを蹴り飛ばす。それによって一旦は凌いだが、ジャマトは次から次へと現れてくる。
「おい、爺さん!!見てないで戦えっ!!」
「す、すまん……さっきよろけた時に腰が……」
「これはチーム戦なんだ、足を引っ張るな!!」
ジャマトの攻撃を凌いでいると、ヤンキー男がお爺さんに檄を飛ばしているが……えっ、固まってたのってそのせいっ!?
「ちっ……お前は、ブラーガだったか?爺さんも守りつつ後ろからジャマトを撃てっ!!俺が前に出る!!」
「はいっ!!えっと……牛さん!!」
「バッファだ!!」
ヤンキー男改め、バッファの指示に私は返事をすると、マグナムシューター40Xの上部に畳まれていた銃身を前に展開し、旗の近くからジャマト達を狙い撃っていく。吹き飛ばされたジャマトには、バッファが手に持つチェーンソー状の剣や左腕の大きな爪で追撃を与えていく。お爺さんは腰を抑えながら、慌てふためくだけだが……今は、それどころじゃない!!
こうして、第一ウェーブ終了のアナウンスが流れるまでの、私達の長い戦いが、始まった。
「あぁ……もう人数が半分以下に。あぁ痛たたた、足腰が……」
「お前何もしてないのに、ボロボロかよ?」
「まぁまぁ……腰をやっちゃったらしょうがないですし……」
「ありがとう、お嬢さんは優しいねぇ……ところで、どうしてあんなに動けたんだい?」
「私、陸上部なんです。大学も、有名な先輩が居る所を選ぶくらいには頑張ってて……」
「なるほどぉ、いいねぇ、若いって羨ましい。」
――第一ウェーブ終了後。
デザイアグランプリ参加者に解放されているサロンへと戻ってきた私達は、そんなやり取りを交えつつカウンター近くの足場へと座り込む。
先に戻っていたのか、カウンターに座っていた兄はこちらを一瞥して……そのポーカーフェイスが、私を見て更に固まったのに気づきはしたが、どう話していいものかわからず、そのままお爺さん――ケイロウの横に座り込んでしまった。
「……それで?デザイアカードに何て書いた?」
「え?自分は……若返りたい、と。君は?」
「私は……確かめたいことがあったので、その答えを知りたい、と。」
バッファは会話のきっかけでも作りたかったのか、ケイロウにそんなことを尋ねてくる。
――デザイアカード。
海賊ゲームが始まる前、ツムリがこのデザイアグランプリの概要を説明した後に参加者に書かせていた、『デザ神』になった時に叶えられる、『願い』を記す為のカード。
だが、正直な所は本当に叶うのか眉唾物だ……普通なら。
「でも、本当に叶うんですかね?なんか夢物語って感じですけど。」
「心配するな、願いが叶うのは嘘じゃない。なにせ、そこに座ってるギーツの奴が、スターになりたいだのデザグラの運営と家族になりたいだの、くだらない願いを叶えてなお参加し続けてる、『無敗のデザ神』様だからな。」
「へぇ……」
後ろのカウンターに座る兄を横目で見ながらの、バッファの何気なさそうなその言葉に、私は内心が悟られないか、不安だった。
――家族。私達を差し置いて、家族。
今の兄が何を考えているのか、全くわからない。
一緒に暮らしていた頃はよき兄だったはずなのだが……ただ、どこからか拾ってきた海外のコインを大事そうにしていて、それを雑に扱おうものなら目が笑ってない笑顔で圧をかけてきたぐらいしか、よくわからない所はなくて。
そんなことを考えていたら、海賊ゲーム開始前にギターをかき鳴らしてツムリに告白していた男が会話に割り込んできたり、その男が運営側のライダーだとかそんな話を兄とバッファがやってたり……と、そんな感じで時間が過ぎていったのだった。
――兄と二人きりで話す機会は、今回は訪れなかった。
けれど、きっと勝ち残ればチャンスはある。
その為にも、ゲームをクリアしなきゃ。
『皆さん、第2ウェーブです。旗を8本も奪われ、ジャマトは凶暴化していますので、ご注意ください。』
「はああああっっっ!!」
「ふんっ!!」
「うぅ、お嬢さんのおかげでどうにか戦えるとはいえ、腰が……」
――再び、廃倉庫付近。
ケイロウ……お爺さんの腰は1日経ってもよくならなかったので、一時的に私のマグナムバックルとお爺さんのニンジャバックルを交換して、対応することになった(デザイアドライバー自体はどのバックルも使えるそうだが、デザイアドライバーの中央に装填するIDコアにはバックルとの相性があるらしく、私はマグナムバックルが、お爺さんはニンジャバックルがより力を引き出せるらしい)。
ケイロウがマグナムシューター40Xでの銃撃で私達を援護し、私がニンジャバックルの力による分身の術や変わり身の術で翻弄しつつ、ニンジャデュアラーによる斬撃を浴びせ、バッファは猪突猛進のごとく突撃し、ゾンビブレイカーを片手に大暴れ。
意外とバランスの取れた戦闘スタイルで、私達は海賊ジャマトを迎撃していたのだが……
「なんか、数が多くないですかこれ!?」
「ちっ、きりがない!!」
これも、第1ウェーブで旗を奪われたことによる影響なのか、海賊ジャマトが減る気配がいっこうにない。
このままじゃ、私達が力尽きるのが先だ。どうすれば……
「にゃーーー!!!」
……その時だった。海賊ジャマトを蹴り飛ばし、何者かが、廃倉庫の上部に降り立った。それは、金色の猫のようなヘルメットをつけた……私達と同じ、仮面ライダー?
「あぁっ!?マジか……!?」
「知ってるんですか、バッファさん?」
「あぁ、あいつは仮面ライダーナーゴ……そして」
「そしてそしての、
≪SET≫
バッファの反応にその猫のライダー……ナーゴはリズミカルな音楽を響かせながら、初めて見るバックルをデザイアドライバーに装填する。
鞍馬 祢音……鞍馬 祢音んんんっっっ!?!?
あの、セレブインフルエンサーで、時々家出配信とか言ってるのに配信して場所晒してるからすぐお付きの人に見つかったりしてる、あの!?
≪BEAT READY FIGHT≫
「ここからは、私も手伝うよ!戦わなきゃ、世界は変えられないから!!」
水色の、なんかライブステージという概念を形にしたかのようなアーマーを纏ったナーゴは、同時に現れたギター状の武器を操作しつつ、メロディーを響かせる。
すると、海賊ジャマト達はまるでライブにきた観客のように盛り上がり、その動きが誘導されていく。
「あなた達には、勇気のメロディーを!!」
続いてナーゴがメロディーを響かせると、私の身体はこれまでの戦いが嘘のように、力が湧いてくる。
「……これならっ!!」
ニンジャデュアラーを構え直すと、私とバッファは変わり身の術を駆使しつつ、海賊ジャマトを蹴散らす。
ケイロウも、腰がよくなったのかノリノリで海賊ジャマトを狙い撃っている。
「さぁ…と、必殺のメロディー、いっくよー!!!」
そして、ナーゴはギターをかき鳴らすと、そのままギターを斧のように振り回して海賊ジャマト達を斬りさく。斬り裂かれた海賊ジャマト達はそのまま凍りつくと、どこからともなく照らされたスポットライトの下に吸い寄せられ……いや、なんかあのバックル見た目の割に技の幅と効果がエグくない!?
「さぁ、フィナーレ!!にゃーーー!!!やったぁ!!!」
そして、トドメの一撃を放ったナーゴが、爆発する海賊ジャマト達を背景にジャンプして決めポーズを取ったところで、デザイアグランプリの1回戦が、終了したのだった。
「あぁ……残ったのはこれだけ……」
1回戦を終えた私達4人を待っていたのは、開始前の人数が嘘のように静まり返ったサロン。そして、カウンターに座る兄とそのチームだった迷惑ギター男(確か、パンクジャックだの晴家ウィンだの言ってたっけか)の二人だけだった。お爺さんの、寂しそうな声が響く。
……デザイアグランプリ中に命を落としたライダーは、そのまま世界から消える。そう、ツムリが開始前に説明していたことだったが、いざ目の当たりにすると……余りにもあっけなさすぎる。こんな簡単に、人は消えてしまうものだっただろうか。
「でも、今回は奈々さんが居てくれてよかったぁ……前回の時は、残ってたライダーで女の子は私だけだったから。」
「前回は……って、祢音ちゃん、前回のデザグラにも参加してたんですか?」
「うん。願いのこととかは色々あるけれど、それはひとまず置いといて、ジャマトと戦う為に、一緒に頑張ろうね♪」
「……はい!!」
戻ってくるまでの道中で、女同士だからと色々会話していたことですっかり祢音ちゃんと仲良くなった私は、沈んだ気持ちを切り替えて祢音ちゃんへ笑みを浮かべる。
そして祢音ちゃんはまるで顔馴染みかのように、兄や
……ついてこい、ということか。
そして私も他のメンバーに悟られぬようサロンを出て兄の後を追うと、サロンの華やかな雰囲気とはうって変わった無機質な廊下を進んでいく。
「――まさか、お前がデザグラに参加してくるとは思ってなかったよ、奈々。綺麗になっても、顔を見れば一発でわかったけどな。」
廊下で立ち止まり、こちらへと振り向いた兄は、私に対してそう告げる……まだ私達が4人家族だった頃、兄は高校生だった。今の兄が確か21歳のはずで……なるほど、なるほど?
「一発でわかった」と言うからには、面影があるにせよ兄の記憶にあるのは中学生頃の私の顔で、それ以降はこちらを気にすることもなかった……つまり、意図的に、浮世家に関わらないようにしていた、ということか?
「……いったい、何がどうなっているの?いつの間にか私達家族からお兄ちゃんの記憶がなくなっていて、一方でお兄ちゃんはスター気取りかつ別の人達と家族になっていて?説明してよっ!!」
「そうだな……実は俺の正体は宇宙人で、ジャマトと戦う為に『浮世 英寿』の姿と名前を借りている、とかどうだ?笑えるだろ?」
「どこがよ!!厨二病にしたって遅すぎるでしょ!?第一、仮にそれが本当ならお兄ちゃんのフリとかしないで直球でぶつけてくる方がまだ信じられるわよ!?」
「おっと、さすがは俺の妹、そう簡単に化かされちゃくれないか。」
右手を狐のように見立ててこちらに向けてくる兄に、私は苛立ちをぶつける。だいたい、デザイアグランプリやジャマトのせいで私の常識は既に粉々だが、それでも兄が『私の知る兄のまま』で、煙に巻こうとしているのくらいは見破れる。
「……何を願ったかは知らないが、ジャマトに倒されない程度に頑張って大人しくしていろ、こんなろくでなしの俺の事は忘れて、親父やお袋と幸せに暮らせばいいさ。」
「……お父さんとお母さんに伝えるかはともかく、思い出した以上はそうはいかない。私が納得できる『真実』を得られるまで、私は戦う。勝ち抜いてみせる。」
「それは無理だ……勝ち抜いたとしても、最後に勝つのは、俺だ。それじゃあ、身体をゆっくり休めておけ。」
「ちょっと、まだ話は……!?」
そう言うと、兄は勝手に話を打ち切って私に背を向けて歩きだし……その姿を消した。一足先に、街へ戻った、ということか。私は頭をかきながら、兄との会話を整理する。
……余りにも、私の知る高校生までの兄と変わりがない。なぜ、兄に関する記憶が私達から消えたのか、さっぱりだ。
ただ、違和感は、少しだけあった。
私の知る兄は、父や母のことを『父さん』、『母さん』と呼んでいた。ところが、さっきの兄は『親父』、『お袋』という呼び方に変えていた。
これが……兄の謎を解く、ヒントになるのだろうか?
To Be continued...
簡易設定
浮世 奈々
19歳の大学一年生。家族3人で幸せに暮らしていたが、実はその記憶は偽りで、本来はもう一人家族が……兄の浮世 英寿が居たことを思い出す。
なぜ記憶が失われたのかの真実を知る為、デザイアグランプリに参加する。
仮面ライダーブラーガ
浮世 奈々が変身する仮面ライダー。頭部が薄い灰色と濃い灰色の、狼を模したものになっている。
IDコアは、マグナムバックルが相性がよい。