仮面ライダーギーツ IF STORY ~sister of ACE~ 作:朝陽祭
そして、独自解釈ありです。
私の名前は、
ちょっと運動が得意で、陸上部で期待の新星扱いされている以外は、普通の大学一年生だ。
……いや、それ以外にも、変わった所があると言えばある。
あの、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ、
海外出張が多くてビデオ通話での会話が多くなる父や、専業主婦である母に関係はないのかと尋ねたりしたが心当たりがなく、たまたま名字が一緒なだけである、というだけではあるのだが……まぁ、著名人と名字が一緒なことなど珍しいかもしれないが、あり得ない話じゃない。
そんな、自己紹介の鉄板ネタができたことに感謝しながら、私は普通の大学生活を送る――
「ん?おぉ……」
そんなことを考えていると、反対方向から歩いてくる、白と黒のツートーンな服に身を包んだ、どこか作り物めいた雰囲気の綺麗な女性が、視界に入る。
なんだろう、なんかやたら目が離せないな……思わず立ち止まってしまって、女性が去っていくのを、見送ってしまう。
……おっと、急がないと講義に遅れちゃうや!!
浮世 奈々様が走り去っていくのを十字路の影からこっそり確認しながら、私は隣に居る英寿様に、不満を漏らします。
「……まったく、どうして私がこんなことをしなければならないんですか?」
「いや、助かったよ『姉さん』。なにせ、あっちの浮世家には、未練を残さないように近づかないようにしていたからさ。」
英寿様は、いつも通りの雰囲気で、そんな風に私に言葉を返します。
キツネ狩りや、デザイアグランプリの真実を知った割には、余りにも……いえ、これも強がりなのでしょうか?
「……わかりません、私には。あなたがどうして『ミツメ』を『母さん』と呼ぶのか。もしそれが事実だとしても、あの浮世家を捨ててまで、求めるものなのかが。」
「おいおい、『願いを叶える』為のデザイアグランプリのナビゲーターとは思えない発言だな?とはいえ、俺はもう止まれないし、止まるつもりもない……母さんを見つけるまではな。」
「……そうですか。では、次のデザイアグランプリが始まるまで、英気を養えてください。ゲームマスターも変わるので、今までとはまた違ったバトルが行われるでしょう。」
「そうか……それは楽しみだな。」
私の言葉に、英寿様は不敵な笑みを浮かべるのでした。
「ニラム様、ギロリの後任が決まりました。」
「それは何よりだ、ゲーム開催に向けて準備も急いでくれよ?」
「承知致しました。しかし、パンクジャックを救うのにわざわざあなたが出向かなくてもよろしかったのでは?」
「おいおい、スポンサー様のお孫さんが本来参加するはずのないゲームに参加して、ましてや捨て駒として死亡するなんてことはあってはならない事態だよ。私自ら動いておかないと、少しでも誠意を見せなくては、出資が打ち切られてもおかしくないさ。」
私は部屋で、報告を聞きながら、サマスの問いに答える。晴屋ウィンは運営の息がかかった病院へ搬送し、命はとりとめたという報告は受けているが、まだ目覚める気配はないらしい……まったく、ギロリにも困ったものだ。
おっとそうだ……彼女についても、指示をしておかなくては。
「そうそう、今回脱落した浮世 奈々についてだが、今後の参加者候補にあがっていても、外すように徹底させてくれ。」
「よろしいのですか?彼女はオーディエンスからも好評で、参加続投の希望も多いのですが。」
「確かに彼女は素晴らしい参加者だった。特に退場時のあれは『リアル』に溢れていた……が、今後はその彼女の『リアル』が、他の参加者に悪影響を及ぼすからね。」
「……と、仰いますと?」
「彼女が今後参加する場合、ジャマトへの敗北以外では自分の勝利を度外視して、浮世 英寿を勝利させる為に行動する可能性が高いからだよ。何故なら、彼女の願いを叶えるならばそれが一番の近道だからさ。それは、他の参加者にフェアじゃない。」
浮世 奈々は、極論を言えば『デザイアグランプリによって不利益を被った為、それを元に戻したい』という願いを秘めた参加者だ。通常ならば、それは問題ない。なぜなら、デザ神Aが叶えた願いをデザ神Bが打ち消したいと願ったとしても、デザ神Bが作り替えた世界でそれを認識できるのはデザ神Bだけなので、デザ神Aは『自分がデザイアグランプリに勝利して願いを叶えた』という事実を忘れるのだから。
ところが、これが浮世 英寿だと話が変わってくる。彼はその事実を忘れたとしても、今回のように再度エントリーすることでその事実を認識する。そこでどう行動するかはわからないが……恐らく、再度自分が望んだ通りの世界に、作り替えるだろう。
つまり、浮世 奈々が本当の意味で願いを叶えるなら……最低でも浮世 英寿と同じように必ずエントリーできるようにして、『浮世 英寿を退けデザ神となり続けた上で、浮世 英寿の願いを打ち消していった上で願いを叶える』か、『浮世 英寿と交渉し、彼の目的が完遂した後に自分の願いを叶える』の2択となる。どちらの難易度が低いかと言えば……後者だろう。
そうすると、最初からチームを組んだ2人が参加し続け、しかも片方はペナルティー等を気にする必要もない参加者が生まれることになる。それでは、『無敗のデザ神 仮面ライダーギーツ』が作為的な結果による陳腐なものに成り下がってしまうし、他の参加者は自分が勝ち上がるチャンスを潰され続けることになる。デザイアグランプリの興業として、非常によろしくない事態だ。
まぁ当の彼女本人がそれを理解したうえで脱落したのだから、記憶が戻ってもそれを実行することはない……と思うが念の為、という奴だ。
「……なるほど。では、そのように通達致します。」
「あぁ、よろしく頼むよ。」
さて、私も仕事をさっさと片付けて、食事を楽しむとしよう。
今日は、何を食べようか……?
デザイアグランプリ。
それは、理想の世界を叶える為、怪物ジャマトから、世界を救うゲーム。
これまで、数多の戦いが繰り広げられ、勝利と敗北のドラマが積み上げられてきた。
そして今、デザイアグランプリは、新たなシリーズとして生まれ変わる!!
それでは、エントリーメンバーを紹介しよう!!
ひとまずやりたいことは終わったので、この作品は一旦完結とします。
「原作の展開をほぼ崩さずに、『浮世 英寿』の家族を登場させるなら、どうするべきか?」という発想を元に
・全体を通して参加させるのではなく、1シーズンの参加者としてオリ主を書く。
・原作がマスク改造で登場ライダーを増やしているので、そのフォーマットに合わせる。
・最終的にはゲームから退場させる。
という縛りを設けて、TTFCで必要な話をリピートしながら勢いで書きました(あまり長期のストーリー展開だと、大まかなプロットは纏まっても途中で投げ出す癖ができてしまっているので、今回はそれを防ぎたいという意図もあります)。
その後のストーリーで登場する場合というのもプラン自体はあるのですが、ひとまずはギーツ本編が完結するのを待ちたいと思います。
読んで頂いた皆さんに楽しんで頂けたら幸いです。
では、お付き合い頂きありがとうございました。