月に寄りそう笑顔の作法   作:Negative Photoshop

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Q 最低どのくらいの頻度で投稿するって言いました?
A 最低週一って言いました
Q 前回の投稿から何日空きました?
A およそ五か月です(驚愕の事実)
Q 最後に言い残すことはありますか?
A 今後の展開に関する大事なアンケートあるのでよかったらみんなこたえてn


才能主義

 「――――随分と久しいな、()()()()

 

 「…………衣遠兄様……!?」

 

 空港に向かうはずだった俺を待ち受けていたのは、予想だにしていなかった衣遠兄様だった。

 

 何、何故衣遠兄様がここに…!?いや、そもそも俺は朝日とフランスのボーヌに行くはずじゃなかったのか!?

 

 「ククク……!まるで状況がつかめないといった顔だなぁ……?」

 

 愉快そうに笑う衣遠兄様に困惑しながらもなんとか言葉を返す。

 

 「お、お久しぶりでございます、衣遠兄様!ですが、何故衣遠兄様がここにいらっしゃるのでしょうか、いえ、そもそも()は朝日とともにボーヌへ異動だったのでは……!?」

 

 「フン、落ち着け。口調が乱れているぞ」

 

 慌てて口をつぐむ。

 

 「確かにお前はアレとともにボーヌに異動する予定だった。だが、俺が止めた…、いや、母上からお前を奪ったのだ」

 

 「は……?」

 

 困惑している俺をよそに、衣遠兄様は傍らの秘書に「おい、あれを」と声をかけた。そのまま秘書から紙を受け取り、俺に向き合う。

 

 「これを覚えているか」

 

 俺に見せてきたのは、以前屋根裏部屋にいたときに練習していた服のデザイン画だった。

 

 「あ、それは……」

 

 「そう、これはお前が描いたデザイン画だ」

 

 衣遠兄様はそのまま俺を見たまま言葉を続ける。

 

 「率直に言おう、遊星」

 

 「お前には服飾……さらに言えば、デザイナーとしての才能がある」

 

 「…………はい?」

 

 はい?え?俺にデザインの才能?

 

 「え?ええっ!ええええええええぇぇぇーーーー!?」

 

 「騒々しい」

 

 衣遠兄様が眉を顰めていたがそんなことも構ってられなかった。まだ信じられない。いくら前世の記憶がほぼ無いとはいえ、さすがに服飾の世界にはいなかったはず…。いやまぁ、正直才能はあった方が良いからそれは良いんだけど……。

 

俺のデザイン画を目の前に掲げながら衣遠兄様は話し始める。

 

 「これはお前が自ら考えてデザインしたのだろう?」

 

 「もちろん、これ自体は駄作…ゴミに等しいものでしかない。はっきり言えば0点だ。だが、服飾に一切関わっていない人間がこれを描いたとなれば話はまた変わってくる」

 

 「しかもお前はまだ子供だ。今から研鑽を積み、学んでいけばやがてお前のその才は花開くことだろう」

 

 段々と熱が入ってきたのか、彼の声は大きくなってきている。 

 

 「才能があるものはその才を腐らせてはならない…!それを活かすため、高めるために無限にもなる努力をすべきだ!」

 

 「お前もそうだ。お前は今その才を持ちながら、幼少から学ぶことが出来るというアドバンテージもある!」

 

 「俺と共に来い、遊星。俺の祖国、日本でお前のその才を鍛えてやる。そしてこの俺の役に立てるよう励むが良い」

 

 はっきり言えば、その案はとても魅力的であった。日本に行けば、俺にあるらしい才能を伸ばすことができる。そのうえ必然的に彼とともに過ごす時間が増え、和解するチャンスだってあるかもしれない。しかし、彼の提案に俺はすぐに首を縦に振ることが出来なかった。

 

 「どうした?これはおまえにとってもチャンスだ。…まさか断るわけでもあるまい」

 

 「…朝日はどうなるのでしょうか」

 

 朝日を見捨てていくわけにはいかない。一人にさせることはできない。それに、俺に才能があるなら朝日にだって才能があるはずだ…。

 

 「無論置いていく。あれに才能の類があるとは到底思えない」

 

 「朝日にも才能はあるはずです!必ず、衣遠兄様に報いる程の才能が……!」

 

 「何故お前にそれがわかる」

 

 「……ッ、それは……」

 

 だが、今この場で彼を納得させるほどの理由が無かった。そもそも朝日にも才能があるだなんていうのは、所詮俺の原作知識による予想でしかない。もし朝日に才能が無かったとしたら?下手をすれば原作より悲惨な状況になってしまう。

 

 「今この俺に、予想の域を出ない意見に構っているほどの暇はない」

 

 「そもそもあれは今までの時間を生きるためにしか使っていなかった。所詮それほどまでということよ」

 

 「そ、それはさすがに、あまりに酷ではないでしょうか…!!朝日はまだ10にも満たぬ子供です…!!」

 

 これは彼にたてついているようなものだ。いつ不興を買っていてもおかしくない。しかしそれでもさすがにだと声をあげてしまった。

 

 「ククク……ッ!おかしなことを言うものだ。お前はあれと同じ条件の下で、自らの才能を伸ばす努力をしてきたのではないか…?」

 

 もはや声が出ない。まさか良かれと思って今までやっていたことがここまで裏目に出るとは思わなかった。もう彼を納得させる方法など思いつかない。あきらめるしかないのだろうか。

 

 「…だが、そうだな。そこまで言うならお前にチャンスをやろう、遊星」

 

 彼がいきなりそんなことを言い出した。

 

 「俺のもとでお前が自らの才を磨き…、もし、この俺が認めるまでの結果を出せたのなら!その時は、あれと一緒に暮らすことができるように俺が手配してやろう」

 

 「やります」

 

 即答だった。もうそれしか俺に道はない。成功すれば朝日にもあるかもしれない才能を認めてもらえるかもしれない。そうすれば、まだいくらでもやりようはある。

 

 「衣遠兄様のもとで学ばせてください。必ず、衣遠兄様の期待に応えて見せます……!!」

 

 その場で深く頭を下げる。

 

 「クク、クハハ……クハハハハハハ!」

 

 「いいだろう、遊星!お前をこの俺が、拾いあげてやろうではないか!!」

 

 「ありがとうございます、お優しい衣遠兄様」

 

 「それによく考えれば、二人まとめて飼うのも悪くはない手だ…。仮に無能だったとしても、将来、当主争いの中で人質くらいの価値にはなるだろう。クク…!

 

 衣遠兄様が何かつぶやいていたが、俺の耳には届いてはいなかった。

 

 待っていてくれ、朝日。時間はかかるかもしれない…。でも、必ずお前を救って見せる…!

 

 「では行くぞ遊星!!目指す地は……我らが祖国、日本!!」

 

 こうして俺は、原作よりもかなり早い段階で、日本に行くことになったのだった―――。

 

 

 

 




めちゃくちゃ遅れて本当にすみませんでした。そんでもって短くてすみません。
私が書けていない間も、様々な人に読んでもらえてうれしかったです。
これからも何卒宜しくお願い致します。
あ、感想、ご指摘、評価お待ちしております。

どうしようか悩んでるんですけど、遊星(オリ主)にヒロインは必要?(誰がとかはおいといて)

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