バトルスピリッツ Engage Link   作:けんき

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バトスピ15周年おめでとうございます!!

プレミが多いですが読んでくれると幸いです


広がる世界

今でも鮮明に覚えている6年前の記憶。東京都が真っ赤な炎に包まれたあの日

太陽は陰り、人の悲鳴と共に熱でドロドロと溶けていくビル。ドラゴンの咆哮が現実からファンタジーの世界へと変えた日曜日。まるでアニメやゲームでよくある世界の終焉がやってきたような光景があたり一面に広がっていた

厨二病を拗らせている人には興奮するかもしれないが、小さい頃にこんな事が眼の前で起きているとこんなことで興奮することがアホらしくなる……

その時、逃げ遅れた俺は倒壊したビルの下敷きとなり動けなくなったなら尚更だ

眼の前で赤いドラゴンと白い翼を持つ天使のような化け物が町を破壊しながら戦い合っている

 

「……父さん……母さん……」

 

恐怖と意識が薄れていく10歳の俺は親を呼ぶしか出来なかった

 

「グロウ!」

 

ぼんやりとしてて姿は見えなかったがドラゴンの下くらいから女性の声が聞こえた。若い人の感じの声だったような気がする……

そしてその言葉を最後に現実世界から断絶されるように俺の意識はなくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタゴトと揺れる特急列車の窓から変わらない景色……いや、変わった……タワーマンションや何百メートルもあるビルが消え、その代わりに巨大な赤いクレーンや、高めの工事中の建物へと変わった

 

『ヨハネの黙示録から約6年が経ちました。まだ傷跡が……』

 

通路を挟んだあっちの席からニュースの音が漏れていた。ニュースが流れているスマホの持ち主の40代くらいの男性。耳にははイヤホンを付けて寝ているが、どうやらスマホの方がうまく刺さっていないようだ

にしても、ヨハネの黙示録か。まさに書かれた予言が本当に起きたのでそう呼ばれている

全く……いいネーミングセンスをしてるよ

 

『次は東京〜東京〜』

 

どうやら俺が下車する駅である東京駅はもう目の前みたいだ。

俺は足元に置いたリュックサックを背負い。巨大な白のキャリケースを引きずりながら扉前に立ちいつでも出れる準備をした

そして車体は大きく揺れブレーキを止める音がし、空気が抜ける音ともに扉が開いた

新たな一歩を踏み出すように、東京のホームへと足を踏み出した

 

「よし、着いた」

 

列車に揺られて特急で約1時間、決して短くは無かった距離

全く……久々に乗ったのもあり疲れた……

キャリケースとは反対に握られた茶封筒には星詠(ほしよみ) (かい)……俺の名前が書かれた封筒から折り畳まれたB4サイズくらい学校案内の紙を取り出す

内容としては、学校までの距離の簡単な説明と入寮時間くらいしか書かれていない

 

「……駅を出て少し歩いた所だったな」

 

駅の改札口に続く階段をトントンと上がっていき、切符を改札口に入れ、閑散とした駅の中を歩いていく

6年前に起こったヨハネの黙示録の前は人が肩が当たりそうなくらい居たと言われているがそんな光景が全く考えられない

 

「静かだな……」

 

ボソッと小声を言いながら駅を後にする

駅の外は工事中の建物に囲まれ、カンコンカンコンと工事音が人のざわつきよりもうるさく鳴り響いていた

 

「そこからバスに乗るんだな」

 

駅前のバス停に向かい数分間待つことでバスが到着

これに乗り込み学園へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

バスに揺られ数十分間、中心地から少し離れた場所でバスが止まった

荷物を持ち席から立ち上がりバスを降りる

バス停を降りて目の前に現れる巨大な施設。何人も私服の人達が学校へと入っていくのが見える

 

「やっと着いた。意外と遠かったな……」

 

ここまで来るのに数時間掛かった。俺が通う新たな学び舎

これから寮に行って荷物を下ろさないといけない

軽く気を引き締めて正門を潜る

 

 

 

 

 

 

 

校舎から歩いて5分くらいの所にある併設された寮

とく目立った外観ではなく少し冷たさのある3階建てのコンクリート建築だが、入口の付近は駅前に比べると騒がしい

 

「とりあえず入寮の受付をしないとな」

 

キャリケースを引っ張りコンクリートの建物へと入っ行く

手続きを終えて、指定された部屋へと向かった

手続きの時に部屋の大きさを聞いたが、広さ10畳の2人部屋とのこと

2人部屋は少し嫌だが……まあ仕方ない

 

「……部屋番号315……」

 

舎監室の隣にある大きな寮内地図を確認する

頭文字に3が入っていたので3階なのはなんなくわかってはいた

……にしても中庭を中心に長方形に部屋があるんだな……まるでサッカーのドームみたいだ

1階には舎監室以外にも売店や簡単なキッチンスペースと結構豪華だ

しかし、ここで立っていたら邪魔になるか……早く部屋に向かおう

キャリケースを持ち階段を上がっていく

 

「……にしても重いな……キャリケースにしないほうが良かったか……」

 

今回、どデカいボストンバッグと悩んだが、移動のことを考えてキャリケースにした

そんな事を小声でぶつぶつと呟いて315の部屋の前にたどり着いた。階段から近いから……助かった……

 

「よし……」

 

あまり他の人と喋るのは得意ではないが、まずはコミュニケーションを取らないとな

俺は木製の扉を重々しく明けた

扉の先には開けたすぐ横に机が1つ、両側に2階建てのベッド、そのベッドの2つの間に赤いキャリケースを広げた赤髪の爽やかな青年が居た。顔つきは年相応と言ったところだ

青年は俺に気づくとニコっと少年のような笑みを浮かべ立ち上がった。身長は俺とそんなに変わらないな

 

「お前が、ルームメイトか?」

「え?ああ……星詠 界です」

「おいおい敬語はやめようぜ。同級生だろ?廻廊(かいろ) 有巫(あるふ)だ。よろしくな!」

 

廻廊さんは俺の前に手を差し伸ばす。俺は手を握り厚い握手を交わした

 

「とりあえず、荷物をしまいな」

「そうだな……」

 

俺は持ってきた荷物を部屋に入れる

 

「とりあえず簡単な説明するぜ。部屋には洗濯機は無い。トイレも無い。ベッドは2段ベッドだが、ベッド下はスペースがあるから好きなように使ってくれだと」

 

舎監さんに言われた事をまんまだ

後は風呂も無いんだっけ?まあ、大浴場があるから問題ないな

 

「説明はこんな感じだな。まあ舎監に言われたからあんまり詳しくは言ってないが」

「ああ、なんとなくは頭に入れてたから問題ない」

「そっか、なら早く荷物の整理を終わらせようぜ」

「ああ、そうだな」

 

少し話しただけだが、廻廊さん、結構グイグイ来てくれるから気まずい空気感にならないから気持ち的には楽だな

キャリケースを広げ物をどんどん取り出していく

衣類を取り出し寮に付いてあったタンスに入れていく

 

「おい、なんか落としたぞ」

 

廻廊さんの手にしていたメモ帳くらいのサイズの白い紙

 

「あっ、ありがとう」

「これ、なんだ?ドラゴンの鎧を着た戦士みたいなのが書かれてるけど……」

「あー、俺が小さい頃に書いた奴だな。もしあれだったら捨てといてくれ」

「なんだよ。勿体ない。よく描けてるじゃないか」

「いいんだよ。小さい頃にヨハネの黙示録の時に助けに来てくれたらいいなーって描いた奴だから。少し恥ずかしいんだよ……」

 

すると廻廊さんの動きがピタッと止まり

 

「お前、ヨハネの黙示録の被災者?」

「え、うん……まあ……」

「そうか……大変だったな……」

「あっ、どうも……」

 

急に同情されてもなー

 

「もしかして廻廊さんも被災者?」

「有巫でいい。まあそんな所だな……」

 

ここにもヨハネの黙示録の被害者が……被害の大きさを物語っている

 

「……とりあえずこれは返すよ」

「ありがとう」

 

廻廊さんが持つ紙を受け取る

 

『入ってくる人に気をつけて』

 

紙を持った瞬間、頭に流れてきた謎の声

なんだ……今の……男声や女声ぽくなく中性的な声……

今までに無かった感覚に思わず紙を離し、大きく後ろへと下がった

 

「どどど、どうした?」

「いや、何でもない……」

 

廻廊さんの驚く顔を横目に気持ちを切り替えてキャリケースから物を出し始める

 

「入ってくる人に気をつけて……かぁ……」

「なんか言った?」

「いや、何でもない」

 

衣服は全部出したから……次はデッキとストレージをどこに置くか……

 

「それってバトスピ?」

 

廻廊さんは俺のデッキケースと横20センチくらいある少しボロボロの黒いストレージボックスを指をさす

 

「え、うん。大会とか出てないけど」

「そう!僕もバトスピをしてるんだ!そうだ、今からやろうぜ!」

「え、まだ全部片付けて無いんだけど……」

「そんなの後だ!ほらやるぞー」

 

廻廊さんはドンと丸い机を置いて、隣には赤いデッキケースを置く

準備早いな……

 

「よし、やろうぜ!」

「あっ、ああ……」

 

俺はグレー色のデッキケースを開きバトスピの準備する

 

「よし、やるか。コールは()()()()で」

「え、やるの?」

 

なんとなく察した

コールとはバトスピのアニメを見ている人は誰もが知っている()()()()だろう

 

「じゃないと気持ちが入らないだろ!」

 

別に関係ない気がするが……

 

「じゃあ行くぜ!「ゲートオープン開放!」」

 

バトスピ事、バトルスピリッツ

コアと言う青い塊を使い戦う他のカードゲームとは一線を画すカードゲーム

 

「じゃんけんしようか?」

「いや、先行そっちでいい」

「あっ、そうなの?なら、遠慮なく!僕のターン!」

 

[ターン1]

 

「ドローステップ、メインステップ!」

 

バトルスピリッツはまずスタートステップ→コアステップ→ドローステップ→リフレッシュステップ→メインステップ→アタックステップ→エンドステップの順番でゲームが行われる

しかし、先行はコアステップ、アタックステップが無い

 

「ヨロイリザドンを召喚してターンエンド!」

 

ヨロイリザドン!……古臭いカードを使ってんな……

 

[ターン2]

 

「なら、俺のターン。コアステップ、ドローステップ、メインステップ」

 

俺のコアはコアステップで5つ。手札は5枚……相手の場はヨロイリザドン1体……なら……

 

「神機レーヴァテンを召喚」

「うげぇー白かぁ……」

 

だけど、このターンで出来る事は少ないんだよな……

 

「これ以上はやることは無いかな。ターンエンド」

 

[ターン2]

 

「僕のターン。百識の谷を配置」

 

百識の谷?なんのデッキかますます分からなくなった……

 

「とりあえず、やるぜ!アタックステップ。ヨロイリザドンでアタック!」

「やっぱりアタック仕掛けてきた……それはライフで受ける」

ライフ5→4

 

バトスピは5個のライフが無くなると負けとなる。つまりバトスピは早くライフを5個を削ることが重要だ

 

「ターンエンド」

 

[ターン3]

 

「俺のターン。コアステップ、ドローステップ、メインステップ、神機レーヴァテンを召喚。そして、アタックステップ!レーヴァテンでアタック!アタック時、このスピリットが疲労した時、スピリット1体を手札に戻す」

 

これで廻廊さんの盤面はがら空き

 

「ライフ」

ライフ5→4

 

よし、ここは攻める!

 

「もう1体のレーヴァテンでアタック!」

「……ライフ」

ライフ4→3

 

「白なのにそんなに攻めて大丈夫か!」

「そういうデッキだし」

 

俺のデッキは疲労させる事で発動するカードが多く入ってる。だからこれでいい

 

「ターンエンド」

 

[ターン4]

 

「僕のターン。コアステップ。百識の効果で2枚引いてオステアを破棄」

 

引いたカードを見てニヤニヤと笑う廻廊さん。正直嫌な気しかしない……

 

「なら、一気に行くぜ!ヨロイリザドン、エルギニアス、ディノゾールを召喚!」

 

ヨロイリザドンの1コストだけでスピリット3体も確保かぁ

それにディノゾールは赤シンボルを追加するから実質シンボル6

……何でも出せるな……

 

「よし、行くぜ!僕のキースピリット!凶龍爆神ガンディノス!」

「ガンディノス!?」

「うん。ガンディノス」

 

いかにも当たり前のような顔をされても

……いや、それにしてもガンディノスか……リバイバルとはいえ渋いカードをキースピリットにしてるなぁ

まあ、ヴァルハランスをキースピリットを言えた質じゃないか

 

「ガンディノスでアタック!アタック時にレーヴァテンを破壊して1枚ドロー!そして超強襲!」

「超強襲ってどんな効果だっけ?」

「ネクサスを疲労させてライフを1点貫通させてガンディノス回復」

 

思ってる以上にエグかった……

……てことはもう一回スピリットを破壊されるのか……

 

ライフ4→3

 

「ライフが減ったため手札から絶甲氷盾。このバトル終了時、アタックステップを終了させる」

「持ってやがったか……」

 

持ってなかったらガチで危なかった……

 

ライフ3→2

 

「ターンエンド。……たくぅ……フルアタックすれば勝ってたんだけどなー」

 

[ターン5]

 

「よし、俺のターン、コアステップ、ドローステップ」 

 

よしこのカードなら……

すると、トントンと木製の扉を叩く音がした

 

「誰だよ……しらけるぜ……」

 

廻廊さんは軽く舌打ちをして立ち上がり扉へと向かう

まだ15時を過ぎた頃、誰かが来てもおかしくない。……しかし、誰だ?俺が喋ったのは知り合ったのは廻廊さんだけのはず……それか廻廊さんの知り合い?確かに居そうな雰囲気はあるけど……

そんなことが頭の中をぐるぐるしていると、たまたま開けた引き出しから探し物が見つかったような感じで、さっきの言葉を思い出した

 

『入ってくる人に気をつけて』

 

「駄目だ廻廊さん!開けちゃ!」

 

今日一の声が出た。なぜだかわからない。ただ自然と誰かを助けるような声が出ていた

しかし、廻廊さんの手は止まらず、廻廊さんが俺に振り返った時には扉は開いていた

扉の先には見ただけでわかる潔白のローブを被ったガタイのいい大男が立っていた。表情はよくわからないが俺たちを見下すように見てるのは分かった

先生?同級生?廻廊さんの父親。いや……そんなことはない……目の奥に殺意がある

 

「だっ、誰だよ!」

 

廻廊さんの反応を見るに身内ではないな

すると大男がゆっくりと口を開き

 

「今、審判の時……貴様らは邪魔する者か?」

「審判?なんのことだ」

「新たな世界の創造……古き時代を終わらせ新たな時代を創る……その為に世界を審判して生命の選別を行う」

 

俺の言葉に大男は淡々と話し始めた。フィクションのような文だ。しかし、大男の目は全く迷いが無い。まるで本当に可能だと訴えてくる

 

「……6年前は失敗したが、今度こそ……」

「6年前!?」

 

6年前といえばヨハネの黙示録。もしかしてあの惨劇は……

 

「ヨハネの黙示録か……心外だな。世界の滅亡では無いのに」

 

世界の滅亡じゃない?あれが?あんな悲鳴と倒壊するビルしか聞こえず、目の前が地獄絵図だった世界が滅亡じゃないだと?

 

「……ふざけるなよ……」

 

歯を噛み締めグツグツと湧いてくる怒りを抑える

 

「ふざけるな!お前たちがそんな事をしなければ俺の友達が死ぬことは無かったんだ!」

「そうか。審判の尊い犠牲となったのだな。しかし、悲観することは無い、新たな世界の贄となっただけなのだから」

 

何を言っているんだこいつ……本気で言ってんのか……

怒り以上に恐怖が湧いた

 

「……どうしてそんなことが言えるんだ。人が死んだんだぞ。あれを見たら普通の人なら正気じゃいられないはずだ……」

「……確かにその場に居たが、あれほど美しい物は無い!正気でいられない?俺は正気だったが」

 

狂ってやがる……

 

「その感じだと審判を反対する者だな。なら、これで貴様に恐怖を植え付ける」

 

大男の手にはバトスピのデッキがあり俺たちに見せつける

グローブのような大きな手はバトスピのデッキすら小さく見える

俺はテーブルの上にあるカードを手にしようとした瞬間、手のひら1枚の紙切れが飛んできた

ふとして無いタイミングだが、自然とキャッチ出来た。そのまま飛んできた紙切れを確認する

 

「……これは俺が描いたカード」

 

どうして、一緒にストレージに入れてたはずなのに……

手にあるシナシナな紙切れは見る見るうちにカードのように硬くなっていく

そして……

 

「……1枚のカードになった」

「おい、何をして……」

 

大男の言葉を打ち切るように『ドンッ』と誰かが俺の後ろに何かが降ってきた

僕は思わず振り返り背中で何があったか確認する

振り返った先には白銀の翼を持ち、銀色の鎧を身に纏った生物が立っていた

そして俺はその姿に見覚えがあった

 

「君は?」

「……僕はウィズ。やっと君と繋がることが出来た」

 

ウィズと言った生物はこちらに振り向いた。その姿に俺は衝撃が走った

 

「……なんで俺が描いた絵が実態してるんだ?」

「……そんなことは後で。とりあえずあの人を倒しましょう」

 

ウィズは大男に指をさす

ヤバい話についていけない……

 

「どうやら準備が出来たようだな」

「え、ちょっと待て俺はデッキを……」

「大丈夫。デッキはある。僕の仲間を使ってくれ」

「あっ、そうなの」

 

よかった。デッキを片付けるの大変だったから

 

「気をつけて。多分、奴のバトルは普通なら耐えきれないと思う……」

「え?それはどういう……」

「行くぞ!ゲートオープン界放!!」

 

大男のコールと共に部屋は白い光に包まれた




カード紹介

界「今日紹介するカードは零相棒ウィズ」
有巫「出てないカードを紹介するのか?」
界「ガンディノスを初っ端で紹介するよりいいだろ」
有巫「それを言われるとな……」
界「次回で本領発揮だ。こんな感じでカードを紹介するから次回も見てくれ」
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