バトルスピリッツ Engage Link   作:けんき

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数日前、ウィズというレクリスから来たスピリットから6年前に起きたヨハネの黙示録についていろいろ聞いた。そしてヨハネの黙示録を再び起こそうとしている連中がいることも……そしてそんな連中を止めないといけないことも……入学したての高校1年生にしては荷が重すぎるが、でも俺にしか出来ないことだからな……俺がやらないといけない

あっ、そうそう大男をバトスピで下した俺はヨハネの黙示録を狙う連中に狙われると思ったんだが……全く狙われない……それどころか数日前の事が嘘だったかのように平和過ぎる……いや、平和なのが1番何だけど

 

「今日も気持ちいいくらい晴れたな」

 

部屋の黒いカーテンを開けると清々しい青空が広がっていた

AM6:00と刻まれたデジタル時計。6時半には食堂が開くためさっさと朝飯を食べないと

 

「さてと、制服に着替えないとな」

 

俺はベッド横にあるクローゼットから潔白なシャツを取り出し、水色のパジャマから着替えていく。ズボンも同じようにグレンチェックのズボンへと履き替え、白いシャツの上に俺と同じ髪色の銀白色のネクタイを着け、左胸の位置に天使の羽を広げた白い鳥のような刺繍が入った群青色のブレザーを羽織り制服に着換え終わった

そして紋章を隠すように左手に黒レザーのフィンガーレスグローブを付ける。廻廊さんから「紋章(タトゥー)が残ってる」と言われて、とりあえず隠すことにした。……タトゥーと言われたら面倒くさいだろうし、校則的には手袋を付けても大丈夫のようなので、一応付けることにした。こういうのは正直面倒だ……

 

「……おはようございます……」

 

ベッド下のスペースで丸まって寝ていた。マジでアルマジロみたいだった

 

「ああ、おはよう」

 

目をかきながらこちらに来るウィズ。本当に人間ぽいよな

 

「前から思ってだけど、別に敬語とかしなくていいからな」

 

前から少しウィズは他人行儀なことに気になっていた。せっかく契約したんだからもう少しフランクに喋ってくれてもいいのになと思う

 

「……わかった……敬語はやめる……」

「結構スッと変えれるんだな……」

 

そんなウィズと雑談をしていると20分はあっという間に経っていた

そろそろ食堂に行こうかな

 

「じゃあ、俺は飯を食ってくるから」

「……わかった……」

 

俺はウィズを背に部屋を後にした

ウィズ達スピリット達はこちらの世界にいる時は別にご飯を食べなくても大丈夫らしい。というよりか、霊体に近いからお腹が空かないとのこと。食べれるかどうかは試したことは無いみたいだけど

まあ、物とかなら触れたり持ち上げたり出来るんだけどな。なんかいろいろ中途半端だな

 

「……にしても廻廊さん。ご飯食べないんだろうか?腹減ってそうだけど……」

 

カーテンを開けた横で爆睡していた廻廊さん。朝が弱すぎるのか朝ご飯を食べてる姿は1回も見たことない。というよりか起こそうとしても起きない……学校も登校時間もいつもギリギリだから遅刻するんじゃないかといつもヒヤヒヤしている

まあ、こんなことを考えれる程、余裕がありそんだけ平和なんだろう

 

「いやー平和だなー」

 

静かな外に思わず一言漏れた

寮の離れにある食堂と書かれた真四角なコンクリートの2階建ての一軒家にも見える建物

学生があまり見えないため、多分また1番なんだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が通う私立至天(してん)西水(にしみず)学園

普通科、情報科、工業科、農業科と4つの科に分かれている

ヨハネの黙示録で焼けた跡地を回収して新たに建てたらしく、学校自体はかなり新しくこれからという感じだ

新設してからまだ日が浅いため海外の最新の機械や機能が充実しているため、全国、全世界から次世代学園として注目を集めている

そんな文字だけ起こせば良さそうな学校の普通科に通っている訳だが……あまり最先端感はしない……

まあ、普通科なので仕方ない所はあるのだが、最先端の物がゴミ1つ付いてない純白のスクリーンとめちゃくちゃ画質のいいプロジェクターくらいしか無い。普通科以外の所は一般企業に通じる設備が揃っているらしい

……正直羨ましい……

まあ、そんなことを考えても仕方ないので、他の学校と変わらない教室の扉を開けた

 

「おはようー!」

 

扉を開けた瞬間に大きく手を振る至極色のボブカットの女子。間邪(まじゃ) シイタ

真紅の瞳をし、紫色の制服のリボルを付けた彼女はとても明るく、入学式後に俺に最初に話しかけてきた同級生の女子だ

人がぞろぞろ入っている中にも気にせず手を振る彼女に、俺は応えるように手を上げ

 

「おはよう」

 

そう言って、彼女の前の席に座る

ツンツンと肩を突っつくような感触が走る。まあ、誰がやっているかはなんとなく分かる

 

「どうしたの間邪さん?」

「いや、有巫くんは?」

 

間邪さんは同級生には誰であろうとフレンドリーに下の名前でくん、ちゃん付けである

 

「……まだ寝てる」

「え、また遅刻ギリギリ!?3日連続じゃない?」

 

入学式から3日が経った……しかし廻廊さんは全部登校時間ギリギリ……本当に大丈夫かよ……

 

「7:59分……後1分だけど……」

「間に合った!!危なかった……」

 

教室に飛び込むように廻廊さんが入ってきた。……いつも通りだ……

同級生はもう慣れたのか無反応になっていた

 

「いやー危なかったぜ!」

 

廻廊さんは俺の席に来て独り言のように話した

 

「早く起きればいいだろ……」

「無理だろ!8時までに登校って」

「いや、頑張れよ……」

「あはは……」

 

間邪さんから乾いた笑いが出て、青いジャージを着てポツポツとヒゲが目立った男性の秤屋(はかりや)先生が教室に入ってきた

 

「全員、席につけー」

 

やる気の無い声が教室に響き渡り、席を立っていた同級生達がそれぞれの席についた

そして朝礼が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライオドラスでアタック!アルティメットトリガーロックオン!」

「マーキュル・ケルベロス、ガード。マーキュル・バグでブロック。フラッシュタイミングで絶甲」

「嘘!?」

「スタート、コア、ドロー、リフレッシュ、めんどくせー……メイン無し。アタックステップ!ゼロフェンサーウィズでアタック!」

「あー負けたー」

ライフ1→0

 

昼休みに淡々と間邪さんとバトスピをしていた。本来はカードゲームは禁止なんだが、こっそり持ってきて遊んでる。……というよりか廻廊さんが無理やり持ってきたから仕方なくやってる……発案は間邪さんらしいけど

 

「ぐぬぬ……強すぎだよ……そのデッキ」

 

自分のカードをこちらに押しながら体を伸ばす間邪さん

間邪さんのデッキはライオドラスを中心にした、青次元デッキ

間邪さんはあんなことを言ってるけど防御札を引いて無かったら結構危なかった

 

「だろー見たことない、カードが多いから対策も難しいしな。全く、どこでそんなカードを見つけたのか」

 

俺のデッキはウィズから貰ったデッキ。カードショップやネットでも売ってない全カード非売品である

すると左上に置いていた俺のデッキが誰かの手が当たり力なく床に崩れて行った

顔を見上げたら緑青色のポニーテールを靡かせる、長身の彼女は氷のような冷たい目線をこちらに向けてきた

俺は思わず「ヒッ」と心の中でなってしまった

 

「……あっ、ごめん」

 

彼女は落ちた俺のデッキを拾い集めて、俺の机の上に乱雑に置いた

 

「あっ、ありがとう」

 

俺は簡単な栄爵をするが、彼女は無言でその場を去り、教室を後にした

 

「……あれ誰だっけ?」

 

クラス30人の名前と顔はまだ覚えられてない

すると横で俺たちのバトスピを見ていた廻廊さんが口を開き

 

「あいつは翠川 伊織だな。運動神経抜群なイケメンクール女子で、女子にもよくモテるよ」

「……なんか詳しいな……」

「小学校同じだったしな。……だけど、あんな口数少なかっかな?」

 

そう言いつつ小首を傾げる廻廊さん。この言い方だと昔はあんな感じじゃなかったのかな?

そんなミステリアスな翠川さんを呆然と見つめていた

 

「ふーん。あっ、ヤバ!次の授業が始まっちゃうよ!」

 

間邪さんの言葉に目が覚めるように時計を見上げた。黒板上にある時計が13時を指そうとしていた

5時間目は13時からなので先生が教室に入ってくる

そして、それがわかってるようにぞろぞろと同級生が教室を埋め尽くしていく

 

「ヤバ!?早くカードを片付けないと!」

 

正直、デッキを没収されるのは面倒くさい……

ぞろぞろと同級生が教室に入っていく中、俺はカードをデッキケースに入れ、黒いリュックサックにしまった

そしてリュックサックにカードを入れた瞬間

 

「席についてー英語が始めるよー」

 

教室に外国人のぽい顔つきにくせっ毛の金髪ポニーテールを重々しく靡かせ、グレーのスカートに白い服の上に黄色いジャケットを羽織った女性の早乙女(さおとめ)先生

ギリギリセーフ……

 

「……マジであぶねー」

 

思わず風で消えそうな小声の本音が出た。そして、俺のデッキをこっそり自分のカバンに入れて持ってきた廻廊さんを睨んだ

廻廊さんはこちらをチラッと見たが何もなかったかのように黒板の方に目を向けた。マジで覚えとけよ……

 

「はい、星詠くん。この日本語を英訳して話して」

 

俺の名前を呼び黒板に指差す早乙女先生。黒板には『このペンをください』と書かれていた。

いやーマジかぁ……全然、授業に集中してなかったからマジで分かんねぇ……

と、とりあえず、1つづつ英訳していこう……えーと、ペンはpen……くださいは……

あーもう焦れったい!!

 

「This is The pen!!!」

 

俺の放った会心の英訳に早乙女先生がポカンと口を開け、周りの人達はゲラゲラと笑っていた。どうしてこうなったのかすぐに分かった

『This is The pen』は和訳するとこれは『これはペンです』って意味で全然違うからだ

あんな短いシンキングタイムの中で、『このペンをください』を英語の苦手な俺が和訳出来るわけ無い!!

発表で立って答えたものもあり、完全にクラスから吊し上げ状態だ。……これが人を呪わば穴二つってことか……

その日の午後はThis isThe penとあだ名を付けられて、完全におもちゃにされるのだった

 

 

 

 

 

 

 

窓から入ってくる茜色の光。学校のチャイムの音が授業を終了したことを教えてくれる

 

「帰ろうぜー」

 

赤いリュックサックを背負った廻廊さんが俺の後ろに立っていた。俺は机の中の筆記用具をリュックサックに入れ、回すように背負い

 

「ああ」

 

一言返事をして、廻廊さんと一緒に教室を後にした時に

 

「おーい!界くん、有巫くん!一緒に町の方に出掛けない!」

 

教室を出てすぐに間邪さんがこちらに手を振りながら廊下全体に響く声でやってきた

……本当に元気だなー

 

「で、どこに行くの?あまり店とかないぞ?」

 

ヨハネの黙示録の影響で倒産&撤退した店が多くあり、一昔前にあったオシャレなカフェやファミレスなんかは無い。駅から少し離れたこの場所なら尚更だ

間邪さんは悩むように少し小首を傾げ

 

「……うーん。だったら、駅前に行く?どんくらい被害になってるか気になるし」

「え……」

「おっ、そうだな!歩いて行っても1時間も掛からないしな。この時間帯ならバスもまだ有るはずだし!3人で行こうぜ!」

 

え……駅前はこの間のバトルの影響で今は完全に機能がストップしており、立ち入りも出来ないとニュースで言っていたはず……

後、個人的にあの惨劇が起きた場所はあまり行きたくない……ここはなんとかして違う場所に方向転回しないと!

 

「えーと……今は立ち入り出来ないはずだかぁ……」

 

2人になんとか説得しようと口を開いたが途中で言葉が止まった

決して言葉が思いつかなかった訳じゃない。廊下の突き当りにある階段を下りる純白のローブ姿が人がチラッと見えた。あのローブには見覚えしかなかった……

だとしたら、また何をするかわからないし、まだ聞かないといけない事がたくさんある

 

「ちょっと、ごめん」

 

俺は廻廊さん達に軽く謝罪をして廻廊さんと間邪さんの間を抜けるようにローブの人を追いかける

一瞬しか見えなかったとはいえ、まだ遠くへ行っていないはず……

ローブの人を追いかけるように学校を飛び出した

 

「どっち行った……」

 

校舎から寮に帰る人が結構居て、完全に見失ってしまった……あんな変わった真っ白なローブならすぐに分かりそうだが……

 

「クソ……手当たり次第探すか……」

 

そんな遠くには行ってないと思ったが……予想が外れてしまった……

まずは正門を出て左に行ったか……右に行ったか……

 

「……どうした?」

「うわぁー!?ビックリしたウィズかぁ……」

 

いきなり後ろに現れたウィズに思わずビックリして、俺の声が正門前に響き渡った。そのせいか、正門近くに居た生徒が全員こちらに向いた

 

「……流石にヤバいかったな……」

 

いくらビックリしたとは言え……声がデカすぎた……

俺は軽く会釈しながら、怪しまれないように寮のある左の方向へと進んだ。……これ以上、変なあだ名が付くのは懲り懲りだ!

とにかく寮を通り過ぎて、ひたすらローブの人を探した

てか、このまま探しても日が暮れて探すのがキツくなるだけだな……

 

「クソ……少しでも情報があれば……」

 

だけど、この案件は俺だけで解決しないと……

 

「……結構苦戦してるね」

「ウィズ?ああ、なんか宛がないかな……」

「……だったらスピリットの力を借りよう」

「スピリットの力?」

 

バトスピをしてないのにスピリットを出すことが出来るのか?

 

「……紋章にかざしたら召喚出来るよ」

「マジか……」

 

俺はリュックサックにしまったデッキを取り出し、その中にあるマーキュル・バグのカードを試しに紋章をかざした

するとバトスピの時のように白いシンボルが現れ、割れるとマーキュル・バグが出てきた

 

「マジか……本当に出てきた……」

 

ここ数日間、驚いてばっかだ

 

「……呼び出したスピリットは呼び出した者の言うこと聞くはずだよ」

「なるほど……なら、マーキュル・バグ」

 

俺がマーキュル・バグの名前を呼ぶとこちらを振り向いた

なんかかわいい

 

「白いローブの人を探してほしいんだけど」

 

結構ざっくりした説明だけどわかってくれたかな?マーキュル・バグは頷いたような気がした。マーキュル・バグはそのまま飛び去って行った。本当にわかってるのかな?

 

「とりあえず、俺たちも探さないとな」

「……そうだね」

 

俺とウィズは白いローブを着た人を再び探し始めた

日が暮れる前になんとか見つけないと……

気合いを入れた瞬間に体が急に重くなり膝をついた

 

「ッ……何で……」

「……スピリットを召喚するとコアの引き換えにに体力を消費するみたい」

 

なるほど、コアの代わりに俺の体力を消費して召喚されるわけか……てことは、コストが高ければ高いほど消費する体力が多くなるのかな?

この能力は雑に使えないな

 

「……大丈夫?」

「ああ……問題ない……」

 

ふらつきながら無理やり膝を立たせる。……これは体力をつけないといけないかな……

 

「おーい」

 

立ち上がった俺の後ろから聞き覚えのある声。そして、息を荒げながらこちらに近づいてきてるのがわかった

後ろを振り返ると間邪さんと廻廊さんの走ってこちらに近づいて来る姿があった

 

「2人共どうした?」

「『どうした?』もなにも、急にどっかに行くからビックリしたぜ!」

「ねぇ、何があったの?教えてほしいんだけど」

 

不安そうな表情を浮かべる2人に正直、白いローブの人のことを言うのか悩んでしまった。……本当、意志が弱いとつくづく思ってしまう……

 

「ねぇー何があったの?」

「なんだよ。僕たちじゃ力になれないのか?」

 

ああ……ダメだ……不安そうな表情をされるとやっぱダメだ……妹を思い出してしまう……

 

「わかった……全部話すよ」

 

俺の言葉に曇った2人の表情はハッと晴れた。すると隣にいるウィズが心配そうな表情を浮かべ

 

「……言って大丈夫なの?」

「まあ……仕方ない……あんなことを言われたら素直にNOは言えないよ」

「何をコソコソ話してるんだ?」

 

あっ、そうだ廻廊さん達にウィズが見えて無いんだった

 

「まあ、とりあえず、話すよ……」

 

俺はウィズから教えて貰ったことを全て話した。もちろんウィズの名前は伏せて、ヨハネの黙示録のことも……白いローブの連中のことも……全てだ

その話を終えて2人の反応は啞然としていた。それもそうだろう、普通は誰でもこんな顔をする。……多分、俺もこんな顔をしていた

 

「……そんなことが……」

「ああ、俺もビックリした」

「……とりあえず、白いローブの奴を探し出していろいろと聞き出せる訳か」

「そうだな。だから探してるんだけど」

「……だけど、そんな奴が何で学校に?」

 

間邪さんの言葉に小首を傾げた。確かに何で学校に居たんだ?

とりあえず、探し出して聞き出せばいいか

 

「白いローブの奴を探して、全部聞き出せばいい!」

「そうだね。手伝うよ!」

「ああ、僕も探すよ!ヨハネの黙示録についてもいろいろ聞きたいし!」

「2人共……ありがとう!」

 

俺は2人に感謝をして白いローブの人を3人とスピリット一匹で再び探し始めた

絶対に見つけ出して、いろいろ聞き出してやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が暮れ冷たい黒い空が覆っており、白い満月と無限に広がる星の光が静まり返る暗い大地を差していた

そんな暗い中でも俺たちはローブの人を探していた

 

「クソォ……どこにも居ねぇ……」

「……流石に帰らないと門限的にヤバいんじゃない?お腹も空いたし……」

 

スマホのデジタル時計には7時30分と映されていた

……離れの食堂は8時までしか開いてないし……今から帰ってギリギリといった所か……

 

「それに夜は危ないしな」

「そんなに危ないのか?」

「お前は他県だから知らないと思うけど、ヨハネの黙示録以降結構治安悪くなったからな。毎日、窃盗や暴行事件があるからな」

 

そんなに治安が悪いの!?

確かに噂では治安が悪くなったと聞いたが……そんなにヤバいのか……

 

「……確かにこんなに暗くなったら危ないか」

 

殴られたり財布やスマホを取られるのは嫌だな……だとしたら、ここは切り上げて別の日にしたほうがいいのか?

答えを出すのに数十秒はあっという間に過ぎた。すると、満月を背にマーキュル・バグが俺のもとに帰ってきた

 

「見つけたか?」

 

マーキュル・バグは俺の言葉に頷いたような気がした。そして、マーキュル・バグは満月の方へと飛び立って行った

 

「どうしたんだ?」

 

廻廊さん達にはウィズと同じように見えてないのか

 

「……後、1つ気になる場所があるからそこに行ったら寮に戻ろう」

 

俺の言葉にヘトヘトの2人は頷いてくれ、2人を連れてマーキュル・バグを後を追っていく

歩いて数分くらいかな?確実に飯を食べれないなー

静かな町を抜けて赤黒い鳥居が見えた。暗くて黒く見えるだけだと思うが……

 

「鳥居ってことは、神社かな?」

 

何で神社に用があるんだ?

 

「とりあえず、行ってみるか」

「え、怖くない?お化け出るよ!」

 

少し不安げな表情を浮かべる間邪さん。もしかして怖いの苦手なのか?

 

「別に1人でも帰っていいんだぜ」

「え、何でそんな冷たいことを言うの有巫くん!?」

 

駄々をこねだした間邪さん。……このままじゃ逃してしまう……あまり置いて行きたくないけど……

 

「行こうか」

「ああ!行こうぜ!」

 

少し笑みが溢れた感じの廻廊さんの声。これは誂ってるなー

でも、行って確かめないといけない

俺は鳥居を潜り、奥へと進んで行く

 

「ま、待ってー!!」

 

後ろから涙ぐんだ間邪さんの声が聞こえた

まあ、何だかんだで3人+2でスマホのライト機能を使い神社の奥へと進んで行く。木々に囲まれた参道はツギハギしたようなボロボロな石畳だが気をつけて歩けば問題はなさそうだ

そして境内は町中よりも静かで、鳥の囀りや風で揺れる草木の音が不気味な雰囲気を醸し出していた

……これはホラーが大丈夫な俺も流石に怖えな……

 

「やっぱ無理!帰ろ!!」

「あーー!僕にくっつくな!!」

 

……なんか雰囲気がぶっ壊れたな……

と思っていると目の前が開け、小さな御社殿の屋根が見えてきた。そして参道の終わりにマーキュル・バグのカードが落ちていた。危な!?カードが飛んでいくかもしれないじゃないか

俺はマーキュル・バグのカードを拾い上げ、デッキケースへとしまって俺たちは参道を抜けた。静かで薄暗い参道を歩いていたため、ぼんやりと輝く白い月が眩く感じた

そして、目の前にいつでも倒壊しそうな御社殿を見つめるように純白のローブを纏った人が立っていた。小柄で俺よりもかなり小さく小学校の高学年か中学1年くらいかな?そして深く被った純白のローブ……あの大男と同じやつだ……

 

「おい!」

 

俺は少し荒げた感じでローブを被った人に話しかけた

ローブの人が振り返った

 

「あー何?今からやることがあるんだけど……」

 

声変わりしてない中性的な声で俺に返事をしたローブの人……いや、少年少女か?

 

「あんたら何?今から俺、忙しくなるんだけど」

 

一人称的に少年だな

 

「忙しい?今から何をするんだ?」

「教えるわけないだろ!」

 

やっぱり話すわけ無いか……

とはいえ、こんな時間にボロボロの神社に用があるのはかなり怪しい……まあ、世界を滅ぼそうとしてる奴らがまともなことをするわけ無いか

 

「どうしたら教えてくれるかな?」

 

間邪さんは胸元で手を組み頼み事をするように小首を傾げた

すると少年は軽くため息をつき

 

「教えるわけないじゃん、バーカ」

「チッ……このクソガキ!」

「お、落ち着けって!」

 

一瞬で優しいお姉さんの顔が崩れるのは流石に笑いそうになった

しかし、参ったな……これじゃあいろいろ聞き出せないな……

 

「……なんか手は無いかな……」

 

俺はふと大男の出会いを思い出した。あの時はバトスピのデッキを取り出した……てことは?

俺はリュックサックを置きバトスピのデッキを取り出した

すると少年は少しピクリと眉を動かした。……やっぱりなー

 

「どうだバトスピで解決するのは?俺が勝ったらこの間の事とお前の目的。組織についてだ!」

「俺が勝ったら?」

「なんも見なかったことにしてやる」

「少し、俺側に不平等な気がするが……まあ、いっか。いいよバトル」

 

少年はローブのポケットからバトスピのデッキを取り出し俺に付き出す

 

「行くぞ。「ゲートオープン!!界放!!」」

 

目の前が白い光に包まれた。そして、グローブ下の紋章が強く光りだした

俺はグローブを取ると、紋章から伝うように氷が伝ってくる。氷は俺の体を侵食する

侵食した氷が罅が入りガラスのように散り散りに『パリン』と割れると白を基調とした貴族風の衣装へと変わり、

最後に深い青色マントを付けてバトルアーマー装着が完了した

そして白い光が晴れると元の神社だった。前回みたいにテレポートはしてないようだ。そして大男のように少年も姿は変わってないと……

 

「どうしたんだその姿?」

 

廻廊さんは目を丸くして俺を見ていた。やっぱり驚くよねー

 

「……少し離れとけ、危ないからな」

「……え?」

「先行、後攻はどうするんだ?」

「あんたが決めていいぜ。俺がバトルを仕掛けたんだから」

「なら、先行で!」

 

少年が先攻、俺が後攻でバトルが始まる。お互いに半透明のバトルテーブルが現れる

 

[ターン1]

 

「スタートステップ、ドローステップ、メインステップ、レモノハシをレベル2で召喚!」

 

目の前に黄色いシンボルが現れた。そして割れるとレモノハシが現れる

やっぱり……そうだよな。普通のバトルじゃ無いよな

 

「なんだあれ!?」

「……凄い……スピリットが出てきた」

 

背中越しからでも驚いているのがわかる。やっぱり誰も最初はそう思うよな

 

「バーストをセットしてターンエンド!」

 

 

[ターン2]

 

「俺のターンだ!コアステップ、ドローステップ、メインステップ!マーキュル・バグ2体を召喚!」

 

白いシンボルが割れて2匹のマーキュル・バグが現れる

そして……

 

「いでよ!零相棒ウィズ!」

 

白いシンボルが割れてウィズが出てくる

 

「……お呼び?」

「ああ、お呼びだ」

「……そっか……」

 

相変わらず思うけど、バトルの時のウィズってやる気無いよなー

 

「バーストセット!アタックステップ!ウィズでアタック!アタック時にカウント+2!」

カウント0→2

 

ウィズは地面を強く蹴ると一気に少年に近づく

ウィズの効果でカウント1つにつきコストが上がる。今のウィズのコストは4

 

「さらにアタック時にコスト以下のスピリットからブロックされない!レモノハシのコストは2だからブロックされない!」

「ライフで受ける!」

 

ライフで受けるを少年の目の前にライフ状のバリアが出てきた。ウィズは強靭な尻尾を振り下ろしバリアを粉砕した

 

「ッ……」

ライフ5→4

 

「ターンエンド]

 

[ターン3]

 

「メインステップ!ゴールデン・チキンナイトを召喚!そしてネクサス!賢者の世界樹アガスティヤを配置!」

「ネクサス……」

 

少年が配置したと同時に地響きが鳴る。そして少年の後ろの地面から巨大な2本の木の幹がゆっくりと絡み合い大樹となった

ネクサスは場に有り続ける限り効果を発揮するカード。……そうだよな、現実世界にスピリットが現れるならネクサスも例外じゃないよな

 

「効果でコアブースト、そして【連鎖】でデッキ下から1枚ドロー!アタックステップ!チキンナイトでアタック!」

 

黄金色のランスを俺に向けて突っ込んでくるチキンナイト

 

「ライフで受ける!」

 

俺の前にライフ状のバリアが現れ、チキンナイトはランスでバリアを砕いた

 

「ぐぅわァァァー!!クソ……」

ライフ5→4

 

クソ……やっぱりクソいてー……

 

「ターンエンド」

 

[ターン3]

 

「メインステップ。神機レーヴァテインを召喚!」

 

白いシンボルが割れてレーヴァテインが出てきた

このデッキはウィズのデッキを俺が使いやすいように改良したデッキ。だからレーヴァテインなどの俺のデッキに入っていたカードも入れてる

 

「ウィズをレベル2に上げてアタックステップ!ウィズでアタック!」

カウント2→4

 

ウィズは再び尻尾を使い少年に一気に近づく

 

「ライフで受ける!」

 

少年のバリアを尻尾で砕いた

ライフ4→3

 

「ライフ現象時にバースト発動!蓮神獣ベガサティーのバースト効果!レベル1、2のスピリットをデッキ下に送る。さっさと消えやがれトカゲやろう!」

 

少年の目の前に蓮神獣ベガサティーのカードが現れる。そしてカードから稲妻がレーヴァテインとウィズを貫く

 

「……うっ、うわぁぁぁああー!!」

「ウィズ!?」

 

レーヴァテインはデッキ下に戻され、ウィズはダーク・ティラノザウラーに噛み砕かれた時のような白い魂となった

破壊じゃなくても魂みたいになるんだな……

 

「なんでウザいトカゲがデッキに戻らなんだよ!?」

「……なんでだろうなー俺もよく分かんねぇー」

 

まだまだウィズには秘密が多そうだ

 

「と、とりあえず世界樹の効果でボイドのコア1個をと1枚ドロー!」

「さてと、ターンエンドだな。レーヴァテインを戻されたのがキツイな……」

 

[ターン5]

 

「メインステップ!さっさと決めよう。遅くなったら“あの人”に怒られるからな」

 

「“あの人”」?集団で動いているのは見ればわかるが、やっぱりボスみたいな人が居るんだな

 

「極楽の世界に導く天鳥!天王鳥ストレリチア、レベル2で飛翔!」

 

他のスピリットと同じように黄色いシンボルが現れる。そして、月に吸い込まれるように星空へと上がっていく

無限に広がる星空から黄色い羽根が雪のように優しく降ってきて幻想的な空間に一気に変わった

 

「……綺麗だ……」 

 

思わず見惚れてしまっていると、星空から綺麗な鳥の声が響き渡った。見上げると黄色い翼を持つストレリチアがこちらに向けて急降下している事がわかった

ゆっくりと大地へと降り立った

 

「召喚時効果でデッキ下から2枚ドロー」

 

ストレリチアの効果って手札の枚数を参照するだったよな

だとしたら、手札が7枚って結構危ないか……

 

「アタックステップ!ストレリチアでアタック!アタック時効果で2枚を捲る」

オープン:レモノハシ ウマー

 

「レモノハシを回収して残りのカードはデッキボトムにカードを送る。そして、手札が5枚以上あるので転醒!黄金の極楽鳥よ!緑の旋風を巻き上げ、緑の天鳥となれ!転醒せよ!天帝ホウオウガX!」

 

ストレリチアに緑のシンボルが集まり、黄色い羽根が緑色に染まり新たなスピリットへと生まれ変わり、天帝ホウオウガとなった

なるほど、転醒する時はこんな演出になるのか……

カウント0→1

 

「ホウオウガの効果の効果でボイドから3個このスピリットに置きレベル3へ!」

 

夜空に羽ばたくホウオウガ。そしてホウオウガは羽を高速で羽ばたかせ緑の風を俺にぶつける

 

「【旋風】発揮!重疲労しろ虫ども!」

 

立っている事がやっとな暴風が俺たちに襲いかかる

重疲労は2回回復しないと疲労状態が解除されない結構面倒くさい効果だ

 

「ッ……クソ……」

 

『バキバキ』と木が無理やり折れるような辺に響き渡った

そしてへし折れた樹木がこっちに飛んできた

 

「危な!?」

 

俺の横スレスレに飛んでくる樹木。当たれば即死じゃねぇか!?

しかし、被害は森の樹木だけじゃなかった。俺の隣にある社がバキバキと音がなり、もともとボロボロだったのもありホウオウガの暴風で瓦や壁が吹き飛ばされていく

 

「なっ……神社が!」

 

見る見るうちに力なく壊れていく神社はあっという間に無くなった

しかし、ボロボロの社の跡地に見たことの無い物が現れる

七色の渦?みたいな物。現実には存在しない物は見ればわかる

 

「……なんだあれ?」

「おっ、やっぱり有りやがったな!」

「……有った?」

 

ホウオウガの暴風が治まり、やっと立ち上がることが出来た

 

「レクリスと繋がるゲート」

 

レクリスと繋がるゲートだと?

 

「さっさと、あんたを倒して目的を達成する!」

 

なるほどねーこの渦を見つけるためにここに居るってわけね

 

「ッ……ホウオウガのアタックはライフで受ける!」

 

ホウオウガから放たれた緑の羽が俺のバリアを貫いた

ライフ4→3

 

「ッ……」

「さらにホウオウガの効果で重疲労しているスピリットの数だけ相手のライフを砕く!」

 

再びホウオウガは緑の羽を高速で羽ばたかせ暴風を起こる

 

「ヤバい……」

 

風圧で俺の体が宙に浮き、そのまま大きく体が吹き飛ばされた

 

「うわぁぁぁああ!!」

ライフ3→1

 

強く背中を打ち付け、目の前が黒色に染まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫〜」

 

聞き覚えの無い女の子の声が耳元から聞こえた。俺はゆっくりと目を開ける。そこには雲一つ無い群青の空が広がっていた

 

「……さっきまで夜だったのになんで晴れているんだ」

 

頭の回らない中、パッと思いついた2つの可能性

1つはバトル中に気絶して次の日になったか。もう1つはバトルで死んだかだ。後者は嫌だな……

すると広がる空にヒョコッと植物の茎のような緑色の肌に目を隠した緑髪の少女が姿が現れた

 

「え?」

「……あっ、生きてたみたい。よかった〜」

「だ、誰!?」

 

勢いよく飛び起きた。するとバサッと草の上に座った時のような音がした

 

「誰!?それにここはどこ?」

 

辺りを見渡すと花弁が舞い散る美しい花畑が広がっていた

群青の空にどこまでも花畑……

 

「そっか……俺……死んだのか」

 

まだ生きたかったな……まあ、天国に行けるんだったら先に行ったあいつらに会えるからいいのかな……

でも、家族に最後の言葉を言えなかったのが心残りだな……

 

「どうしたの浮かない顔して〜」

「……俺って死んだのか?」

 

目の前の女の子にストレートに質問した

すると少女は小首を傾げる

 

「多分、死んでないよ〜安心して〜」

「そっ、そうなのか?ならよかったけど……」

 

良かったのか?

 

「とりあえず、ここはどこ?」

「メロラウラの里の近くの花畑だよ〜」

 

メロラウラの里?日本では無さそうだな……海外でも無さそうだけど……

 

「ワタシの名前はフラウ〜」

「俺は界。それにしてもなんで俺に声をかけたんだ?」

 

フラウは斜め上に指を差した。差された方を向くと社にあったレクリスと繋がる七色のゲート

 

「あそこから、緑髪の女の子をよく見てたんだよ〜その時に君の姿を見たからね〜」

 

俺が会った緑髪の人って翠川さんの事かな?

 

「なんでその人のことを見てたんだ?」

「審判の日が起きてから、あの子の姿をこのゲート越しから見えてたんだ〜」

 

ウィズと同じ感じなのか……

 

「だから、一度でもいいから会ってみたいんだ〜」

「そうなのか……」

「それに、ずっと悲しそうな顔をしてるから励ましてあげたいんだ〜」

 

悲しそうな表情をしていたのかな?でも、彼女の願いは叶えてあげたい

俺は膝を手に当てゆっくりと立ち上がる

 

「なら、勝たないとな……」

 

彼女の言葉に勝たないといけないと強く思った

すると左手の甲にある紋章が強く光りだした。俺を引き戻そうとしていることがわかる

 

「そろそろ行かないと!」

「?……よく分からないけど頑張って〜」

「ああ、絶対に翠川さんに会わしてやる!」

「?わかった〜!」

 

紋章が強く光、目の前が白く染まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「界くん!!界くん!!」

 

聞き覚えのある声が耳元から聞こえた。俺はゆっくりと目を開ける。そこには無限に広がる星空と白い月と、間邪さんと廻廊さんの心配そうな表情が見えた。どうやら元の場所に戻ってこれたみたいだ……

さっきのは夢だったのか……だとしてもあいつには負けるわけにはいかないな……

俺はふらつきながら立ち上がり

 

「……バースト発動……絶甲氷盾……ライフ1つ回復して……アタックステップを終了させる……」

ライフ1→2

 

俺の目の前に氷山が出てきて少年のアタックを封じた

 

「なんだよ……決めきれたのに。ターンエンド」

 

面倒くさそうに頭の後ろで腕を組んだ少年

……とりあえず……次のターンでどうにかしないと……

 

[ターン6]

 

「……俺の……ッ……」

 

片膝が地面についた。ダメだ膝に力が入らない……

すると俺の右腕が誰かの肩にかかり、なんとか立てた

 

「無理するな!こんな体でバトルできるかよ!」

「廻廊さん……」

「そうだよ。このままじゃ、界くんの体が保たないよ……」

「間邪さん……だけど、俺は負けられないんだ……」

 

廻廊さんの肩から離れゆっくりと一歩足を踏み出した

フラウのためにも負けられない……

 

「コアステップ、ドローステップ……リフレッシュ……」

 

重疲労のため、もう一回回復しないと回復状態にならない……めんどくせぇ……

 

「メインステップ、このターンで決めるぞ……ウィズ!眠りし竜騎士の魂!氷を纏いて型となれ!零契約!ゼロフェンサーウィズを契約煌臨!」

 

左手の紋章が強く光り輝き、共鳴するようにウィズの魂が白く光りだし人型を作り出し、大きく成長したウィズの姿となった

 

「……完全に油断した……」

「油断して無くても効果は防げないだろう……ゼロフェンサーウィズの効果を発動!」

カウント4→6

オープン︰幻魔神 アルテミックシールド 星零剣フォーアンサー マーキュル・ケロベロス マーキュル・フォックス

 

「コスト4以下のブレイヴ、幻魔神、フォーアンサーを手札に加え、アルテミックシールドの効果で自身を手札に加える!」

 

これで全ての準備が整った!

 

「流星が流れる氷山!それらを全て氷平線へと変える剣!星零剣フォーアンサーをゼロフェンサーウィズにダイレクトブレイヴ!」

 

星空を切り裂くように一本の剣が振ってきて、ウィズは剣を掴み取る

 

「ナイスキャッチだ。行くぞウィズ!」

「……もちろん」

「ウィズでアタック!アタック時、効果でカウント+2してコスト以下のスピリットからブロックされない!さらにフォーアンサーのアタック時効果で回復!」

カウント6→8

 

「まさか……煌臨元の効果も使えるのか……ライフで受ける!」

「フォーアンサーの効果でダブルシンボルだ!」

ライフ3→1

 

2つ現れたバリアを撫でるように横一線して破壊する

 

「ッ……」

「さらに、フォーアンサーの効果で回復したウィズでアタック!!」

「……ッ……防御札が無い……」

 

ウィズは再び一気に少年に近づきバリアを砕こうと剣を振り上げ最後のライフを砕いた

 

「うわぁぁぁあああー!!!」 

ライフ1→0

 

大きく吹き飛ばされた少年は背を地面を擦らせながら配置した世界樹に背中をぶつけた

 

「痛えぇなー」

 

バトルが完全に終わりスピリットやネクサスが光の粒子になって消えていく

そして世界樹が消え強く頭をぶつける少年

 

「痛ぁ!」

「よっし、見たか!これが俺の天地開闢!!」

 

バトルアーマーから普段の制服着に戻り少年に駆け寄る。決して心配してるからじゃないいろいろ聞き出すためだ!

 

「さあーいろいろ聞かして貰うぞ!」

「えーと、組織の目的だっけ?」

「後は何をしているかだ!洗いざらい吐いてもらうぞ!」

 

少年は軽く舌打ちをして口を開いた

 

「あー、約束だもんな。いいぜ。俺が所属している組織は『約束の天使』というとこ」

 

なんだその、変な宗教名みたいな名は?

 

「目的は何なの?」

 

隣にいる間邪さんがすかさず質問をした

 

「あのレクリスと繋がる渦。俺たちは『ゲート』と呼んでいる」

「ゲート……」

「ゲートはレクリスと繋がってる。つまりジャッジメントの力を得れる最短なんだよ」

「そっか、もう一度ヨハネの黙示録を起こすのが目的……ヨハネの黙示録を起こすにはジャッジメントというスピリットの力が必要だからか」

「え、てことは僕たちの部屋に入って来たのって……」

「ゲートはいろんな場所にあるからな。たまたまゲートがあったんだろ」

 

なるほど、いろいろと納得した!つまりウィズはゲートを潜ってこちらの世界に来たってことか……

しかし、あんな七色の渦とかあったかな?

 

「……後は目的だったなーまあ、いろいろ察するとは思うがジャッジメントの力を得るためにゲートを探していた訳だ」

「なるほどな。ありがとう」

「尋問は終わりか?なら、帰らせてもらうぜ」

 

ふら〜と立ち上がる少年

 

「ん、ゲートはいいのか?」

「どうせゲートを狙いに来たらお前らが止めるだろ」

「それはもちろん!」

「だろうな」

 

少年は神社の石階段を降りて行った

 

「さてと……」

「神社が消えたのね……」

 

後ろを振り返ると社があった場所には社で使用していたであろう木材が辺に散らばって、ホウオウガが吹き飛ばされ倒された樹木が辺に散らばっていた

やはりスピリットの力の凄さを改めて実感する

そして俺たちは壊れた社の木材を踏みながら渦に近づく

 

「レクリスと繋がるゲート……」

 

俺は渦に触れると目の前に緑のカードが現れ、そしてカードに書かれたフラウがウィズと同じように霊体として現れる

 

「やっほ~数分ぶりだね〜」

「ああ、そうだな」

「誰か居るの?」

 

キョロキョロと見渡す間邪さん。やっぱりフラウのことは見えてないみたいだな

 

「出させてくれてありがとう〜。それにしてもワタシと似たようなスピリットが居るんだね〜」

「……うん、僕はウィズ」

「ワタシはフラウだよ〜」

 

ウィズとフラウの関係も悪く無さそうだ

 

「よし!せっかくこちらに来てくれたから翠川さんに会わしてや……」

 

言葉を言い切る前にガサッと草木を踏む音が参道の方から聞こえた

……動物でも近づいてきたのか?

俺は音した方に視線を向けると緑色のポニーテールを靡かせながら石階段を急いで降りていく姿が見えた

あれは翠川さん?しかし、ここから声をかけても聞こえないだろう……フラウに会わしてあげたいけど、ここは無理せず明日、学校で会わせて方がいいな

それから俺たちは神社を後にして学生寮へと戻った

フラウは女の子なので部屋に入れさせるわけにはいかないので、男子寮の前で野宿してもらうことになり次の日にフラウを翠川さん会わせることした




今日のカード紹介!

界「今日紹介するカードはゼロフェンサーウィズ!」
シイタ「ウィズが煌臨した姿だよね。にしても、カウントを溜めつつ、ブレイヴサーチ……それもブレイヴは何でも良いって言うのが凄いわねー。幻魔神をサーチした時はビックリしたもん!」
界「コスト4以上のブレイヴは持ってこれないけど、基本的になんでも持ってこれるからな」
シイタ「オーバーカウントの効果は言わなくていいの?」
界「別にいいんじゃね」
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