【イナギャラ】マジでトリップすると多分こうなる 作:RAN丸
「トリップがしたい」
「右に同じ」
ここは学校。昼休みの図書室。
私、山崎林檎はいつも通り友人である岡村百合とともにアニメトークをしていた。
百合は中学に入ってから初めてできた友達。二年に進級してクラスが離れてもずっと親しくしてくれている。
「イナギャラの世界行きたい」
「ごめんうち進〇しか興味ない」
「うん。知ってる」
百合とは好きなジャンルが違う。無念だ。確かに〇撃面白いけどね。
と、その時授業開始を告げるチャイムが鳴った。
「あ、時間だ。行こうず」
「おうよ百合姐さん」
それで、私達が一階にある教室に向かうため階段を降りようとした時だ。
「わっ!!」
「っ!?」
まだ数段しか登っていないのに、ドジな私はバランスを崩して頭から真っ逆さまに落ちる。
ああ、ここで終わるのか私の人生。
空中に体が投げ出される。
「林檎ッッ!!」
「!?」
百合が私の手を掴んだ。
でも、百合が重力(と私の体重)に耐えきれるはずもなく。
頭に強い衝撃がした後、私は意識を手放したのだった。
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「…んで、どこやここ」
「右に同じ」
気が付くと私達は見知らぬ山の中にいた。
「そしてどうなってんのこの格好」
「うちに聞くな林坊」
元々私は黒髪ショートカットに普通のブレザー、百合は茶色がかった黒髪ツインテールだった。
だがしかし、現在私の格好は、髪が紅色のセミロング、瞳がオレンジ色で釣り目。霧野みたいな目だ。百合は、髪がクリーム色で高い位置のツインテール、瞳がはちみつ色でタレ目。シュウ君みたいな目だ。何故私の格好が分かったかというと百合に教えてもらった。から本当に霧野みたいなのかはよくわかんない。ちなみに二人共服はブレザーのままだ。
「どーする百合姐さん」
「とりあえず里(?)に下りよう」
しばらく下りていくと、大きな鉄塔が見えた。
「こっ……ここは!!」
「何、林檎、知ってるとこ?」
鉄塔のてっぺん近くについた大きなイナズママーク。その場から見える町並み。
間違いない。
「ここ!イナゴの世界だよ百合!!」
「えっ?よくわかんないけど、アニメの世界ってこと!?やったあ、すごいやん!!」
二人手を取り合ってキャーキャー叫ぶ。周りから見たら完全なる不審者であろう。
「おい、そこのお前ら、何やってんだ?」
「「!!」」
見つかった。めっちゃ恥ずかしい。
さっと振り返ると、そこにいたのは。
「え…円堂守!?」
ジャージ姿でボールを抱えている青年、円堂守だった。
「ん?なんだお前、俺のこと知ってるのか?」
「はいっ!いっつもテレビで見てました!!」
百合が「おい、何言ってんのお前」的な眼差しで見つめてくる。
でも円堂はそれを「ホーリーロード見てました」的な意味合いで解釈したらしい。
「そうか。お前らもサッカー好きなのか!」
「はい!」
「うちは運動はちょっと…」
百合が苦笑いを浮かべる。
「…ところで、お前らどこの学校だ?こんな昼間からどうして…」
…しまった。そこまで考えてなかった。
こんな昼間に制服姿で出歩いてたら完全に怪しまれるよね。うん。
「あー、私達、実はこの町には修学旅行で観光しに来てて…ちょっとみんなとはぐれちゃったんです…」
とっさに思いついたことを言う。
「そうか…一緒に探すの手伝おうか?なんて名前の学校だ?」
逆効果。
「大丈夫です!もう先生に連絡したので!」
百合が多少ドヤ顔で言い放つ。
「なら大丈夫…か?」
「はい!」
ナイス百合姐さん。あとでアイスおごってあげる。金無いけど。
「それならいいが…」
その時、円堂の携帯が鳴った。
「もしもし。…はい。大丈夫です。はい。…はい。じゃあ」
何を話しているかはよく聞き取れなかったが、かろうじてザナ…とか歌舞伎とか聞こえた。
ということは。
「あの、円堂…監督」
「ん?なんだ?」
「アース…イナズマジャパンが選ばれるのっていつでしたっけ?」
「…今日の4時だが?」
「今何時ですか?」
「んーと、…2時半、だな」
「連れてってください!スタジアム!!」
「え?でもはぐれたんじゃ…」
「3時半からスタジアムを観戦することになってるんです!だからお願いします!」
百合が唖然としてる。どうよ、私のとっさの嘘。あとでアイスおごってね。金無いだろうけど