Biohazard 英雄の絶望 作:ウェスカー
2020年7月28日日本時刻11時12分 インドネシア スカルノ・ハッタ空港発 成田国際空港着国際便
「今からおよそ1時間後にこの便は成田国際空港に到着しま....」
アナウンスの声が聞こえる。なんとも言えぬ緊張感が私を襲う。
「肩の力を抜いておけミッチェル、いつも通りにやればいいじゃないか。君はプロだろ?」
隣に座るマサオがそう言った。彼は今からテロを起こす組織の構成員だがBSAAに情報を流した協力者でもある。
「ああ、そうだな。ところでターゲットは?」
そう答えるとそいつは自分達の前に座る男を指差し、
「あいつ、組織の構成員だ。少し話して来るから待っててくれ。」
そう言って座席を立ち行ってしまった。しばし沈黙は続いた。5分かそのくらいの時間が経った頃にマサオが戻って来た。
「彼はなんて?」
「今から30分後だってさ。」
そう言ってから彼はプラスチック製の拳銃を組み立て始めた。
「そいつはどうやって?」
彼は少し黙ってから
「さあね、どうしてだろ。俺にもわからない。」
彼も協力者とはいえども、話したく無いこともあるのだろう。もしくは秘密主義者なのかもしれない。緊張感を紛らわすため彼と軽いジョークを飛ばして話す。
「30分が経ったな、警戒しておけ。」
マサオを声をかけて来た。自然と手に力が入った。キャビンアテンダントがターゲットに近づく。
「大丈夫ですか、お客様?」
「Aa...」
何か言葉をいうがよく聞き取れない。
「ご体調が悪いのですか?」
ターゲットは体を小刻みに震わせながら
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!????!?!?!?!?」
言葉とは形容できない言葉を叫んだ。
バンと乾いた音が響いた。それはマサオのでもなく、間違いなくターゲットのモノだった。乗客の悲鳴ともにキャビンアテンダントは床に糸の切れた人形のように崩れる。
「AAaAAAAAAAAaaAaaaaAAaaa!??!?!?」
「おい、暴れるな。撃つぞ‼︎」
相棒のM9の銃口をターゲットに向ける。
「無駄だ、撃て。感染してるぞ‼︎B.O.W.だ。」
マサオが拳銃でターゲットの頭を撃ち抜いた。
「Gye,GYeeeeee...」
弱々しく声を出してB.O.W.は倒れた。けれども、安心したのはほんの一瞬、ターゲットにはガス弾が取り付けられていた。
「おい、口を覆え‼︎」
とっさに叫ぶ。しかし、手遅れだ。ガスは機内の密閉空間に完全に広がった。
「クソったれが‼︎」
拳銃のトリガーを引いて感染者を撃ち殺す。口を覆っているため片手が塞がる。
「ガスマスクだ、受け取れ‼︎」
マサオがガスマスクを投げてよこす。
「助かった、感謝する!」
「お礼は後だ。さっさと始末するぞ!!」
マサオは的確で無駄のない動きでB.O.W.を倒していく。
「本機は今から着陸態勢に入ります。乗客の皆様は揺れに注意してください。」
着陸すればここから一度後退できる。そうすれば、本部からの増援が来て今回の事態も対処が可能だろう。
「もう少しだ、耐えるぞ。マサオ!!」
「ああ、そうだな。降りれたら感謝をしねえとな!」
2人で背中を預けながら一体ずつ倒す。数十秒経った。
「止まった、降りるぞ‼︎」
だが、マサオはなぜか止まったままだ。
「おい、どうした?怪我したのか?」
ガスマスクをつけたままこちらを向いて
「ミッチェル、君には礼を言うよ。」
拳銃の銃口がこちらを向きトリガーが引かれる。
「あ‼︎?..」
鉛の弾が腹部を貫く。
「君のおかげでBSAAの情報も知れた。これはメッセージだ全世界、全国家、そして、BSAA。」
意識が遠のき始める。
「正義なんて簡単に壊れる、そう思わないか?それではサヨウナラだ。ミッチェル。」
拳銃が頭に突きつけられる。
パンと乾いた音が誰もいない乗客席に響いた。