Biohazard 英雄の絶望 作:ウェスカー
展開も少し遅れていますのでおかしなところが有るかもしれません。
俺は急いで島崎の墓の前に立つ男に駆け寄った。そいつは俺に気付いたのかこちらを向いて何かを言った。
「山田さんですか。」
そう言って俺の名前を呼んだ。とっさだったので身がまえる。
「なぜ俺の名前を知っている?」
睨みながら疑問をぶつける。そいつはいっさい動じること無く、淡々と答えていく。
「申し遅れました。私は週刊ワールドジャーナルの記者をしている小川
へりくだった態度で名刺を差し出してくる。俺の中には疑問が新たに生まれる。
「どうして記者が島崎の墓にいる。」
小川の回答は早かった。口を開いて
「今から1時間後にテロが起こります。渋谷で。」
誰もが耳を疑うような内容を告げられて拍子抜けしてしまった。俺のこいつに対する疑心はなにか別のものに変わる。
「冗談だ、そんなことはない。」
否定の言葉を投げる。すると小川はスマホ出して画面を俺に見せる。
「今から1時間前に成田空港でテロが起きました。死傷者は200人に上るようです。」
ありとあらゆるニュース記事がそのことを取り上げていた。
「都内やその付近の警察の機動隊はテロの対処で全て駆り出されました。」
冷静な口調で彼は起こっている事実 全てを伝える。
「公表されていない情報ですがウィルス兵器が使用された可能性が高いです。」
どうしてという俺の感情は無視される。
「BSAAに勤めている知り合いから教えられました、次に起こるテロの情報も。」
BSAA、その言葉がどれだけの意味を持っていたか、その言葉だけで冗談は確定した未来へと変わる。
「あなたに会いに来たのはテロリストは元自衛官の可能性が高いからです。」
俺は強い不信感が生まれる。こいつは俺をテロリストか何かと思っているに違いないと、すぐさま反論する。
「俺は関係ない。」
しかし、返ってきた言葉は至極意外なものだった。
「それはわかっています。あなたならなにか知っていると思って会いにきたのです。」
とても馬鹿馬鹿しかった。俺には関係ない、テロが起きても俺が巻き込まれて死ぬことはない。
「どうでもいいね、あんたが2年前の話を聞きたいのなら他にきけ。今回のことは何も知らない。」
俺は小川の横を通り抜けて島崎の墓に花や渡されたおはぎやらなどをおいていく。
「タカザキジュンペイはあなたを許していません。」
その時、俺の世界は一瞬止まった。
「それは本当か?」
小川ははっきりと言った。
「三日前に消息を断ちました。」
もう一度小川はメガネをクイとして
「今から私は渋谷に向かいます。今からでも遅くないでしょうから。」
俺は警察署内にあるボロいテレビでニュースを見ていた。部下が俺に近づいてくる。
「水谷さん、資料をまとめるのを手伝ってください。」
部下の森口が文句を言ってきた。
「新人のうちは少しでも先輩より働くんだよ、ほら、頑張れって。」
俺の妹も生きていたらこいつと同じくらいの年齢だったんだろうなと思いながら天気予報に切り替える。
「水谷さんの妹ってどうして亡くなったんですか?」
心が読めるのかと思ってしまった。
「死んだよ、2年前に。
申し訳ないと思ったのか森口は黙ってしまった。テレビの方を向く。
『明日の東京の天気は...』
何の変哲もないただの天気予報だった。後ろの渋谷のスクランブル交差点は人だかり、どうしてこんなところでするのか呆れる。
画面越しで轟音が響いた。
目を疑った。交差点に向かって一台の大型トラックが突っ込んだ。十数人が轢かれた。血が飛び散る瞬間や悲鳴、全てが画面に映された。その数秒後画面はしばらくお待ちくださいというメッセージが表示された。
「森口、行くぞ。」
スマホにメッセージがくる。
『作戦を開始』
それを確認するとアクセルを全開にして交差点にトラックを滑らせる。ぐしゃとか鈍い音がして悲鳴が響き渡る。
「荷台を降ろす。」
通信機でそう呼びかける。荷台の扉が開き怪物どもが出てくる。
『作戦を開始したぞ、スマイルマン。』
無線越しで報告がくる。
「ようやくか。」
そう呟き空を見上げる。
「さあ、全舞台に次ぐ。戦争を始めようか。」