ドSの友人が作った改造ポケモンの世界に入ってしまった~逆回りから始めさせられて阿鼻叫喚の連続です~   作:カイガ

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プロローグ

 

 ―――

 ――――

 ―――――

 

 意識が戻った瞬間、「俺」は目の前に広がる光景を見て、自分の目を疑った。

 

 

 「真っ暗で、何も……ない」

 

 目に映るもの全てが真っ黒で、ここが暗闇であることがすぐに分かった。何も見えないと同義。そしておかしいのは景色だけではないということにも、すぐ気付くこととなる。

 

 何も聞こえない。

 何のにおいもしない。

 風も何も感じない。

 

 ここがいったいどこなのか、皆目見当もつかない。どこかの密室部屋に閉じ込められたのだろうか。

 監禁?俺なんかを?何の為に?

 

 というか―――

 

 

 と、さらに大事なことを考えようとしたところで、視界が突如切り替わった。上ちょっとが青い枠線、半分以上が白い画面となっていた―――画面?

 

 

 「――あ、あれは……!?」

 

 謎の画面の左上を見ると、黄色いネズミの「ポケモン」が佇んでいるではないか!

 

 ポケモン…『ポケットモンスター』の略称である、ポケモンとは何なのかは、各自で調べておくように。

 

 

 とにかく謎の画面にピカチュウという、訳の分からない空間と化したところへ突然連れられた「俺」が状況の変化についていけずフリーズしていると、画面に突然、文字が現れた。

 

 

 

 

 

 『これから始まる世界で あなたは一人の主人公となって 冒険をすることになります。

 

 

 

 ……は?

 

 

 『町や道、洞窟、家の中等、至る所にいる人たちに話しかけ、色々なものを調べて、ヒントや情報を集めましょう。

 

 そして困っている人を助け、謎を解いていくことで、新たな道が開かれていきます。

 どんどん先に進んで下さい。

 

 

 こ、この文章は……

 

 

 

 『時に勝負をしかけられたり、野生の生き物たちと戦うこともあるでしょう。

 

 

 

 見覚えが、あるぞ……!たしか初代リメイクをはじめからプレイする時に出る……

 

 

 『冒険を通じて

 様々な人と、コミュニケーションをとりながら、成長すること。

 それが最も大きな目的です

 

 

 やっぱりそうだ!てことはここはまさか、ゲームの中!?タイトルはどっちだ!?ファイアレッド?それとも……

 

 

              『Aボタンで始まります!』

 

 

 ――いや、Aボタンってどこ!?ボタンなんてどこにも無いんだけど!

 

 

 手元にゲームコントローラーもないのに、どうやって進めろというのだと狼狽えていると、ピカチュウがいる画面が暗転して、今度は薄緑色の背景へと切り替わった。

 

 それからすぐに、目の前にある人物が現れる。

 

 

 

 「よお」

 

 

 白髪頭の老人が、ふざけた感じの口調で俺に気安く挨拶してきた。この老人は知っているぞ。初代のポケットモンスターの主人公に最初のポケモンを渡してくれるポケモン博士、オーキドユキナリだ。

 

 だけど、こいつ……オーキド博士じゃないな。

 いや見た目は確かに博士なんだけど、中身がまるで別人だ。オーキドに乗り移った

 

 

 「キサラヅだよ ひさしぶり」

 

 

 いや誰だよ。知らねーよ、キサラヅなんて奴は。お前マジで誰だよ?

 

 

 そう口に出そうとした瞬間、俺の頭の中に異変が生じる。

 

 

 ん………なんだ?頭の中に何か、別の映像が映り込んできて――――

 

 ―――

 ――――

 ―――――

 

 ある日のこと。

キサラヅは自分が改造したポケットモンスターのゲーム(バージョンはファイアレッド)の素晴らしさを世に伝えるため、ゲームをプレイして動画サイトにアップしてくれないかと、俺に頼んできたのである。

 「自分でやればいいじゃないか」とキサラヅに促したところ、

 

 「俺がつくった改造ポケモンは鬼畜要素が盛りだくさん…つまりドSな俺がこのゲームをやったとしてもつまらないのは目に見えてるだろ。

 そこで俺と正反対のドMのお前がやったら最高におもしろいんじゃないかってことでお前に任せることにしたんだ。俺の優しささ♪」

 

 何やかんやで俺はキサラヅの頼みを受けることにした。大学生活に慣れてきて少し暇になってきたとこだから、暇潰しにはちょうどいいかも…なんてノリで引き受けてしまった。

 

「それと俺は…ほら。お前と違って単位がヤベーんだよ。ゲーム作りに熱中し過ぎて単位をおろそかにしちまってんだ。特に英語がヤベぇw」

 

 焦ってるのか開き直ってるのか分からない笑いを声を出しながらそう言うキサラヅだった。

 

 これでも俺はキサラヅに一目おいていると言って良い。彼のプログラミング技術はプロをも凌ぐものがあるからだ。

 誤字がひどいのが玉に瑕だが、プログラム系による創作面では、キサラヅを尊敬していた。

 

 だからこそこの改造ポケモンを絶対クリアしてやるという信念が、俺にはあった。

 とはいえ果たして俺はキサラヅのつくったドSな改造ポケモンをクリアできるのだろうか……

 

 そしてこの先に待ち受けてる運命を、俺もキサラヅもまだ何も想像できていなかった―――

 

 ―――

 ――――

 ―――――

 

 ――知らねーよ!?何だよこの回想!俺、キサラヅとなんか喋ったことないんだけど!?てか初めて見る顔だったし!何で俺はこんな奴と仲良さげに喋ってんだよ!?

 つーか何だよドМって、誰がドМだ!ドSでもねーけどな!

 あと大学の単位がピンチなら呑気に改造ポケモンのゲームなんか作ってんじゃねーよキサラヅ!

 最後に果たしてクリアできるのだろうかって、そんなの俺が知るわけないだろが!今初めて知ったことだからな!

 

 ……と、声に出せているのか分からない突っ込みをひとしきり終えて、ひと呼吸ついてるうちに、オーキド博士の姿をしたキサラヅが話を進めている。

 

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